リフォームの仕事は人の基本的な生活の基盤となる「衣食住」の「住」の一端を担っています。

住居に長く住んでいると様々な問題が生じる場合があります。

その問題を解決する方法の一つがリフォームです。

今回は、リフォームの仕事の内、現場に携わる施工店・工務店といった施工業者の仕事内容について詳しくご紹介させていただきます。

リフォームを職業に選びたい方の参考になればと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

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リフォームの仕事とはどんな仕事?

「お風呂が壊れた」「お湯が出ない」「リビングに電気を増やしたい」「歳をとって玄関の段差が辛くなってきた」「賃貸のキッチンを最新のものに入れ替えて家賃を上げたい」などお客さん(依頼主、施主)の要望に応えるために打ち合わせを行ったり、商品の発注を行い工事の日程を合わせて解体、配管、配線、組み立てを行います。

重い物を運んだり、時には汚い物を運んだりもします。

その後に新しい設備を取り付けるため、その「ビフォーアフター」に感動ややりがいを覚えられるはずです。

リフォームの仕事の大まかな仕事内容

まずは依頼のあったお客さんの自宅で打ち合わせを行います。

この打ち合わせでお客さんの完成イメージ、今の機器や設備での不満点や不便な点をピックアップし、最適なリフォームのプランを導きます。

商品の選択や日程が決まったら、既存の設備の解体をして壁や床の裏の配線や配管を入れ替え、新しい商品を取り付けます。

完成したら綺麗に掃除をしてお客さんに引き渡します。

リフォームで不備や不具合が生じた場合には、再度自宅に出向きアフターフォローをします。

以上が、おおまかな施工業者の仕事の流れです。

ここからは、実際の現場での仕事内容をご紹介していきます。

床や壁の養生

工事を始める際にはまずは壁や床、柱に養生をします。

物の搬入・搬出の際に傷をつけたり、ほこりで家具などが汚れないように入念に養生を行います。

養生が適切にできていないと足を引っかけてしまったり滑ったりしてしまう場合もあるので、注意をして作業をします。

既存の機器などの解体

既存の設備の解体工事を行います。

ただ壊せば良いというわけではなく新しく取り付ける商品を想定して解体をしなければいけないため、解体は適切に行います。

解体した物を外に運び出す時に周りの物を汚したり傷付けたり壊してしまわないように先ほどの養生の作業が大事なのです。

解体は、賃貸に於いて退去者が出た場合や機器や設備の経年劣化によるリフォームが多くを占めます。

配管や配線の引き直し

解体工事が終わったら、壁の裏や床の下など普段は見えない場所に電気の配線や水の管が通っていますので、新しく取り付ける商品に合った場所に引き直します。

この際、電気のショートや漏電、水漏れには最新の注意を払い作業を行います。

マンションで水漏れを起こしてしまうと下の階まで水が回ってしまい、大きな被害が出てしまう事があります。

電気の漏電では火災の危険性も伴います。

現場責任者が資格を有していれば作業可能な工事もありますが、電気工事などは安全に作業を進めるために必ず有資格者が作業を行います。

新品の機器の取り付け

新しい商品は販売業者が現場までトラックが運んでくれる場合がほとんどです。

商品の受け取りをしたら傷が入っていないか確認を行い梱包を解いていきます。

新しい商品を家の構造に合うように加工をしながら取り付けを行っていきます。

商品によっては特注の場合があり、間違えてしまうと工期が数週間伸びてしまう場合があるので、安全に丁寧に作業を行います。

マンションなど5時までに作業を終了しなければいけない場合もあるので、迅速に作業を行います。

アフターフォロー

取り付けた時には分からなかった不備や不満が後々お客さんから出てくる場合があります。

その際には再び家に出向き、直しの作業を行います。

水漏れや電気の不具合など緊急の対応が必要な場合には、夜や休日でも出向かなければならないこともあります。

清掃をしっかりと行う

工事の際に出たホコリや汚れなどをしっかりと掃除を行います。

新しく取り付けた商品に付いた指紋も、アルコールを使用して清掃をします。

来た時よりも綺麗にして帰るのがリフォーム業の基本的な考え方です。

リフォームの仕事はどんな人に向いている?

全ての構造物の水平が綺麗に取れている新築の現場とは違い、リフォーム施工業者はその家ごとの特性を理解して柔軟な対応が求められます。

ここでは特にリフォームの現場でやりがいを感じられるような向いている人の特徴をご紹介します。

細かい作業が好きな人

リフォームの現場では細かい作業も多くあります。

普段は目に付かない場所や一般の人では気にしないような場所にもこだわりを持つことが大事です。

またそれは建設業でのやりがいにも繋がります。

身体を使った仕事が好きな人

特に既存の設備などの撤去作業が顕著ですが、肉体的な労働が中心になります。

身体を使って汗をかいて仕事をするのが好きな人には向いている業種です。

もちろん怪我などには気を付けなくてはなりません。

物を作るのが好きな人

キッチンやお風呂、洗面、トイレなど多くの場合、工事説明書(マニュアル)通りに組み立てていくのが基本です。

バラバラの状態で運ばれてきた物を現場で組み立てていったり、家ごとの特徴に合わせて材木や合板を使って下地や造作物を作ったりします。

電動ドライバーを使ってビス(ネジ)を打ち込んだりしながら物を作るのが好きな人にはとても向いており、おすすめできる仕事です。

新しいものが好きな人

家の設備や機器は日進月歩、常に進化をし続けています。

昨日まで最新だったものが今日では古いものになっていたりします。

そのため、工事の方法や取り付けることのできる条件に若干の差異が生まれることがあります。

その都度、リフォーム現場に携わる人間はその設備のことを素早く且つ深く理解をしてお客さんに提供していかなければなりません。

そんな新しい知識を吸収したり、新しいものが好きだという人には向いている業種です。

綺麗好きな人

新しく商品を取り付けてからの清掃はもちろんですが、工事をしている最中に発生するほこりなどを、その都度しっかり掃除できる人が求められます。

特に一般家庭で行われるリフォーム工事はお客さんが住んでいる状態で工事を行うため、汚したり、廊下に石や釘が落ちていて怪我をしてしまっては大変です。

落としたゴミはすぐに掃除をしたり、付けた汚れはすぐに拭くことが重要です。

そのため、お客さん目線で現場(家)を綺麗な状態で工事を進められる綺麗好きな人には向いています。

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逆に、リフォームの仕事が向いていない人って?

リフォームの現場では全てが事前の予定通り、自分の思い通りに工事が進められることは稀です。

決められた作業だけを淡々とこなすわけではありません。

実はリフォーム施工業に向いていない要素をご紹介します。

大雑把な人

大雑把に作業をすることも多くありますが、全ての工程を大雑把に進めることはできません。

細やかな作業が必要になります。

作業中には電動の工具を使っているので、商品に簡単に傷が入ってしまう状況にあります。

家の設備は直接その家の資産価値にも影響があり、傷や不備、事故には細心の注意を払う必要があるため大雑把な人にはリフォーム施工の仕事は向いていません。

人の話をしっかりと聴かない人

リフォームは実際にその家に住んでいる人が不便や不満を抱えて商品を購入して工事に踏み出します。

その不便や不満を解消することがリフォーム業の基本です。

お客さんの話をしっかりと聴いて理解し工事を行わないと目的が達成されずに仕事として成り立たなくなってしまいます。

そのため、人の話をしっかりと聴かない人にはリフォーム施工業には向いていません。

短気な人

既存の設備を解体する際には沢山のメーカーの設備を扱いますし、年数の経った建築では現代の工法とは異なる点がかなり多く存在しています。

また、家の特色に合わせて独自の工法が採用されている場合があります。

そのため基本的な解体方法があっても、解体の方法はそれぞれ大なり小なり違いがあります。

思い通りに事を運べない場面にも多く遭遇します。

その際にも冷静に状況を進めることが必要になるため、短気な人には向いていないと言えます。

車の運転が嫌いな人

工事では多くの機材や部材、材料が必要となります。

実際に工事を進めてみないと分からず、常に多くの部材を運んだりするため車の移動が基本です。

車の運転が嫌いだったり苦手な人には辛いかもしれません。

また車の運転をするため、睡眠不足に気を付けるなど自己管理能力も必要になります。

最近では違法駐車の取り締まりも厳しいため、車の管理にも気を配らなければなりません。

リフォームの仕事で活かせる経験

知識や経験がない状態でリフォーム施工の仕事を始めるにあたって活かせる経験をご紹介します。

電動工具やメジャーを使ったDIYの経験

普段の生活で電動工具(電動ドライバーやドリル)やメジャー(巻き尺、スケール)を使うことは滅多にありませんが、DIYで棚を作ったりウッドデッキを作ったりした際に電動工具やメジャーを使った経験はリフォームの仕事で活かせる経験です。

プラモデル製作

建設現場では図面を使って組み立て作業を行っていきます。

設備の取り付けの際には要領が書かれた説明書があり、それの通りに組み立てを行います。

その説明書(工事説明書)は絵と文字を使ったものになっており、プラモデルに入っている作り方の説明書ととてもよく似ています。

説明書を読みながら手順通りに正確に組み立てを行わなければならないリフォームの仕事では、プラモデルの製作経験も実は活かされているのです。

引っ越しや模様替え

重量のある物の正しい持ち方(力の入れやすさや、安全性に長けている持ち方)や廊下を通る際の取り回し方法や壁や柱にぶつけないように運ぶ方法などは、引っ越しや模様替えの経験が活かされます。

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リフォームの仕事のおすすめポイントとは?

リフォームの仕事において、特に人におすすめできる三つのポイントをご紹介します。

ありがとうと言ってもらえる

お客さんは不便や不満を抱えて工事に踏み切ります。

そのため工事が終わり内装が綺麗になったり段差がなくなったりして生活の質が向上するとお客さんに喜んでもらえます。

お客さんの満足度が高いほどに次の仕事にも繋がりやすく、好循環が生まれます。

人の暮らしを改善することができる仕事にやりがいを感じられます。

成長が実感できる

実際に工具などを使って組み立て作業を行っていると、だんだんできることが増えていきます。

不得意だったことも現場経験を重ねるほどに上手くできるようになったり時間の短縮ができたりと自分の成長が実感できます。

初めて見た時は全く分からなかった図面や工事説明書も、だんだんと読めるようになってきます。

自分の家の修理もできる

普段の生活でも、自宅の様々なトラブルを自分で解決できるようになります。

また賃貸住宅住まいであってもトラブルが発生した際に原因の特定が素早くできるため、管理会社に連絡する際などにスムーズに話ができて対処が迅速に行われます。

生活の基盤である住まいに関する知識が身につくという意味ではとてもおすすめできるポイントです。

その後のキャリアについて

この仕事に就いた後のキャリアアップの道は?

リフォーム施工会社に限らず建設業界に携わる人の多くが、最終目標に「独立」を掲げています。

そのためには知識や技術を身につけ人脈を拡げていくことが重要になります。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

ハウスメーカーや機器のメーカーに転職する人も多くいます。

それは実際に現場を見てお客さんの声を聴いたり作業員の生の声を聴くことでより深い知識や経験が得られるためです。

また、現場での勤務経験があることで信頼を受けやすいという側面も持ち合わせています。

リフォーム業界には詐欺まがいの行為をしている会社も多くある

偽造の写真や誤解のある言い回しを使って不安を煽り、住まいに関する知識がない人を言いくるめて意味のない交換工事を行う会社も存在していて社会問題にもなっています。

もちろん、そのような会社に勤めていても正しい知識や経験が得られるわけはないので、不審に感じたら勤めている最中でも早めに退職をしましょう。

仕事を探す際にも仕事を頼む際にも、リフォーム会社選びは最も重要なポイントです。

まとめ

家も暮らしている人と共に歳を重ねていきます。

経年による味が出てきたりガタ(故障)が出てきたり様々です。

人の身体的特性に合わせて家も進化をしていかなければなりません。

そのお手伝いをするのがリフォーム業です。

向いている人、向いていない人というのはありますが、「やってみたい」という気持ちが最も大切です。

興味があるようでしたら、いくつかの会社をピックアップして比較してみることをおすすめします。

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