旅館の仕事はどんな人に向いているの？仕事内容や働くメリット、キャリアについて解説します

「旅館で働くにはどうすればいいの？」「旅館に就職するのって大変なの？」「お客様のお出迎えや配膳以外の仕事もあるの？」など、気になりますよね。

旅行先で旅館に泊まったことはあっても、旅館にどのような仕事があるか知らないことも多いのではないでしょうか？

今回は旅館の仕事内容や働くメリット、どのような人が旅館の仕事に向いているのかなどをご紹介します。

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旅館の仕事はどのような仕事？

旅館の仕事は、意外にも体力の要るお仕事です。

また、体力以上に重要なことが、笑顔と気配りができることです。

旅館の大まかな仕事内容

大体どの旅館でも、お客様の出迎え → お部屋までのご案内 → お食事の配膳 → 布団敷き → お見送り、が一連の大まかな流れになります。

お客様のお出迎えとお見送り

大体9時～11時の間でお客様を乗せたタクシーやバスが到着します。

明るい笑顔でお客様をお出迎えし、受付～お部屋までご案内します。

そしてお部屋へ到着した後、食事の時間や入浴時間、諸注意についての説明を済ませて終了です。

食事の配膳

旅館によって違いはありますが、朝食は7時～10時、夕食は18時～20時くらいの間に、お客様の様子を見ながらお料理を順番に配膳します。

お料理の説明も交えながら行います。

室内清掃、布団敷

チェックアウトを済ませたお部屋の掃き掃除・拭き掃除・ゴミ回収を行います。

忘れ物がないか、部品の破損がないかも確認します。

布団敷きは夕食前や夕食中、お客様が大浴場に行っている間などになどに敷いておくことが多いようです。

キッチン

早朝5時頃から調理しはじめ、何十人もの朝食を準備します。

夕食は15時頃からです。

ホテルのようにバイキング形式とはいかないため、一つずつ盛り付けを行います。

繁忙期シーズンでは、盛り付けを接客のアルバイトがお手伝いをする時もあります。

食事の後片付けも、キッチンは戦場のようです。

次から次へと届く食器を手早く片付けていかないと、あっという間に溢れかえってしまいます。

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旅館の仕事内容21個の業務。経験者が教えます！

旅館の仕事で活かせる経験

今までの経験で「活かせる！」と思ったこと2つを紹介します。

生活リズムが不規則になっても対応できる

主な勤務時間は、

　　　①5:30～11:30

　　　②17:00～23:00

といったように、早朝出勤や深夜帰宅が当たり前のシフトです。

昼間はお客様も出かけているため、朝のお見送りから夕方の帰宅時が繁忙時間となります。

①の勤務は、キッチンのサポートからお部屋のセッティング、明るく元気にお客様のお出迎えもします。

②の勤務は、お見送り後のお部屋の片付け、シーツ等の洗濯物を全ての部屋から集めて業者へ引き渡し、お料理の片づけ、翌日の準備です。

私は比較的寝起きが良いほうで、昼寝も大好きで良くしていました。

そのため、昼12時に家に着いて18時に起きて行動開始といった昼夜逆転の生活も苦ではありませんでした。

しかし、例えば超繁忙期の際、②のシフトで深夜12時に家に着いて①のシフトで早朝5時に出勤という時は、さすがに「泊まらせてくれー！」と心から思いました。笑

※この点は、電車も動いていない時間帯だったりするため、職場に相談すれば何かしらの対応をしてくれるとは思います。

どのような時でも笑顔！笑顔！！笑顔！！！

私は子供の頃から、どちらかというとニコニコと愛相の良いほうでした。

特別美人でも可愛くもありませんが、とにかく第一印象～第三印象くらいまでは何が起きようとも笑顔で乗り切ってきました。

例えばバタバタと忙しくしている時に、お客様から「入浴の時間は何時からかしら？」と声を掛けられた時･･･心の中では「今忙しそうにしているのが分らない！？それに客室案内の時に入浴時間帯の説明もしたし、部屋にルーム案内もあるんだから自分で調べてよ！」と思っていても、グッと堪えて「〇時からになりますので、どうぞごゆっくりおくつろぎくださいね」と笑顔で向き合って対応します。

接客業で笑顔なのは当たり前のことかも知れませんが、どんなときでも笑顔というのはなかなか簡単ではありません。

多少の演技力

子供の頃からアニメが好きで、キャラクターになりきって台詞を言ったりアニソンを歌ったりしてきたことが役に立ったように思います。

旅館の求人募集は大体観光都市に多くあるので、100%地元の方だけが働いているわけではないことが多いです。

京都の旅館で働いていた私も、京都出身ではなく四国出身の田舎娘でした。

しかし滞在するお客様は京都へ旅行に来て、旅館でも京都の情緒を感じたいという方が多かったです（日本人でも外国人でも）。

「おおきに」「～してはるんですか？」といった京都弁をなるべく自然に話せるように、自分は京都人だと言い聞かせて接客していました。

騙しているように感じるかもしれませんが、お客様が「おぉ～！」と笑顔になったり楽しんだりしてくださるのを見ると、楽しい旅の思い出に私も貢献できたんだと思えて、とても嬉しかったです。

声の大きさ

これは団体様を担当する時だけかもしれませんが、修学旅行生や宴会中のお客様に対して就寝時間だったり盛り上がりすぎたりして他のお客様のご迷惑になる際に注意を促す時、ある程度声を出さなければ聞いてもらえません。

幹事やリーダーの方だけにお伝えしても盛り上がっているためかなかなか改善はされません。

常に大きな声が必要なわけではありませんが、時には必要な場面があります。

私は学生時代にチームプレー競技の運動部に入っていたので、掛け声を出したり声で合図を声を出したりしていました。

当時大きな声を出せなかった私は「恥ずかしいし嫌だな～」と思いながら取り組んでいましたが、そのときコーチから教わった腹筋の使い方や声を出す時のコツが今になってまた役に立つとは思いませんでした。

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旅館で働くメリットとは？

おやつが沢山！

主にお客様から、お饅頭やチョコレートなど一口で食べ切れるおやつを頂くことが多かったです。

更衣室には「頂いたお菓子袋」を用意して、休憩時に皆で食べたり持ち帰って家で食べたりして癒されていました。

姿勢が良くなる

やはり作務衣や着物を着ていると、自然と背筋を伸ばすことを意識するのだと思います。

休日に街を歩いていてふとガラスに映った自分を見てみると、「以前より姿勢が綺麗になってる」と感じました。

軽くジムに行っているのと同じ運動量

着物を着た接客で華やかそうなイメージの旅館ですが、意外に重労働が多いです。

むしろ制服が着物であることに何度苛立ちを覚えたか分かりません。

配膳はお皿の数も多いので、何度も調理場と客室を行き来します。

加えて配膳もお料理が冷めない内に素早く行うため、お客様の前では走らず急ぎ足ですが見えなくなった瞬間猛ダッシュ！

小学生の頃体育の時間にあったシャトルランをしている気分でした。

また、お布団もそこそこの枚数や重さがあり、従業員はエレベーターなんて基本使用禁止のため、階段を利用していました。

着物は汗を吸っても速乾はあまりしないため、「私、臭ってないかな？」と不安になることもありました。

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その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は？

仲居のアルバイトを経験すると、接客マナーや忍耐力がつき、言葉遣いも美しくなります。

また、融通性やコミュニケーション能力、英語力も身につけることができるため、将来の選択肢はとても広がると思います。

他の仕事にもこの経験を活かせる？

私がアルバイトをしていた頃の仲間の中には、着物に興味を持ち着付けの講師を目指している子もいます。

他にも接客業を極めるために、世界一と言われるディズニーランドの接客技術を習得している人や、配膳の順番を覚えたことで日本食料理人を目指す方もいました。

自分にあった旅館の求人の選び方や注意点

よく見て！気をつけて見るべき求人内容を紹介します。

【選び方①】雇用形態から探す

多くは「アルバイト」か「派遣」といった求人だと思います。

アルバイトも派遣も時給であることに変わりありません。

しかし、私の勤め先ではアルバイトは継続採用で賄い付きでしたが、派遣はアルバイトよりも時給単価が高いからなのか短期（1週間～2週間）採用で賄いなしだったり、他の系列店の旅館にヘルプ要員として1日だけ移動させられたりと、旅館側からの扱いが大変そうでした。

【選び方②】職種から探す

仲居業務

お客様のお出迎えとお見送り、お料理の配膳、布団敷きなどをします。

支配人業務

予約確認や電話応対、相談窓口などのフロント業務全般を担います。

客室清掃スタッフ

チェックアウトを済ませたお部屋の掃除や忘れ物のチェック、部品の破損がないかを確認します。

キッチンスタッフ

調理、盛り付け、皿洗いなどをします。

【選び方③】会社の業態から考える

ホテルとも似ている旅館業界ですが、一番大きく異なることは、「旅館」の場合大浴場を設置しているところが多いことだと思います。

ホテルと旅館は浴室清掃の大変に違いがあることが多いでしょう。

【選び方④】給与や雇用条件から考える

平均給与は時給900円～1,100円の間が多く見られ、試用期間3ヶ月は通常の時給からマイナス50円等になると思います。

時々アルバイトで時給1,200円以上の求人もありますが、これは本来アルバイトがやるべきではない責任が伴う業務内容や、賄い代金が含まれていたりする場合が多いです。

賄い代金や交通費等が含まれていると実質の時給は平均より下回ったりする場合もあるので、要注意です。

また、試用期間中に繁忙期が終わってしまい試用期間が終わる頃にはシフトにあまり入れてもらえなくなるということも考えられるので、注意しましょう。

【選び方⑤】エリアから考える

人気の観光地にある旅館は観光客も業務内容も多く、効率重視の働き方が学べるため働き甲斐があるでしょう。

しかしその分お客様と接する時間や自分なりのコミュニケーションを取る時間は少なくなりますので、お客様一組一組に丁寧な接客をしてコミュニケーションを取っていきたいと考えている方は、観光地以外の旅館もおすすめします。

観光地の老舗旅館とは違った客層と、スタッフも一時採用者ばかりではなく長く働いている方達が多いので、アットホームな環境での接客が学べると思います。

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旅館の仕事をするにあたって覚えなければいけないこと

着物を素早く着付ける

私が勤めた旅館では、団体様の担当者は作務衣、個人様では着物でした。

最初の頃は着付けてもらっていましたが、回を重ねるごとに一人で着付けできるようになりました！

また、人の着付けもサポートしますので、着物教室等へ通わずとも日本人として着付けができるようになることは嬉しいですね。

ただ、最初の頃は着付けるのに1時間くらい要していましたので、家をかなり早めに出発して更衣室で着替えていました。

もちろんその間の時給は発生していません。

同期の中で元々着付けができる子は開始15前に着替え始めて身支度が完了していたので、本当に羨ましかったです。

器用・不器用の個人差もあると思いますが、コツをつかんで着付けできるようになるまで頑張りましょう。

正しい配膳を知る

会席料理の正しい配置や、先付・前菜…といった料理名は知っていますか？

お料理の順番は先付（ 前菜） → 椀物（吸い物）→ 向付（お刺身）→ 焼物 → 煮物 → 小鍋 → 油物（揚物）→ 酢物 → 御飯・止椀・香の物 → 水菓子・甘味（果物・お菓子）

大体上記10～13のお料理が出ます。

順番だけでなく、これらの配置にもきちんとしたしきたりがあります。

私は最初「こんなに覚えるの絶対無理」と思いましたが、1週間もすれば自然と覚えてられていました。

これから先、冠婚葬祭や接待、記念日などで食事をされることもあると思います。

そんなときに備えて知っていれば、必ず役立ちます。

周りの方からも一目置かれるのではないでしょうか。

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まとめ

人生で一度は経験して損のないアルバイトだと思います。

初対面の方との距離の縮め方や業務効率のために先を読んで行動する力が必ず身につきます。

もちろん楽しいこと・良いことばかりではありませんでしたが、スタッフ内で助け合い励まし合うことで「もっと頑張ろう、また頑張ろう」という切り替えができました。

お客様からの置き手紙や感謝の言葉は今でも思い出す瞬間があり、私の宝物です。

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