接客業の最高峰といわれる、ホテルフロントのお仕事。

2017年に日本を訪れた外国人観光客は約2869万人に達し、2020年の開催されるオリンピックに向けて外国人観光客は増加するとも言われているので、国際レベルの接客を学びたいという観点からホテルフロントの仕事に興味を持っている人も多いと思います。

どんな要望にもいつも笑顔で応えてくれ、カチッとした制服に身を包んで素敵だなーという印象を持っている人もいるかと思います。

実際のホテルフロントのお仕事は、体力が必要でキツい事も多いです。

それでも、お客様から直接「ありがとう」のお礼を言って頂いたり、感謝の気持ちを綴った手紙を頂けることもあり、とってもやりがいを感じられる仕事でもありま。

今回はホテルフロントの仕事がキツいと言われる実態をお伝えしながら、やりがいを感じられる瞬間など詳しく解説していきます。

どのような人がホテルフロントに向いているかもお伝えしますので、これからホテルフロントで勤務したいと思っている方は是非ご覧下さい!

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ホテルフロントがきついと言われる5つの理由とは?

いつも笑顔でお迎えしてくれるホテルスタッフ。

一見、優雅なお仕事に思われますが、実際には体力が必要な仕事な上に幅広い客層を対応しないといけないので、結構キツい仕事でもあります。

ここでは、ホテルフロントがキツいと言われる5つの理由を説明します。

勤務時間中はずっと立ちっぱなし

ホテルフロントの仕事は勤務時間中は基本的には立ちっぱなしになります。

ホテルフロントは基本的にはフロントオフィス内でチェックインやチェックアウトの業務を行いますが、実働8時間の間はずっとフロントオフィスで立ったまま仕事をします。

歩いたりするより立ちっぱなしの業務の方が足が疲れやすく、仕事が終わった後は足が浮腫んでパンパンになってしまいます。

特に女性スタッフはヒール靴を履いて業務を行っているので、余計に疲れます。

24時間のシフト制なので体力必須

ホテルは24時間のシフト勤務となります。

私が勤務していたホテルでは、午前7時~午後16時、午前11時~午後20時、午後14時~午後23時、午後11時~翌8時、午後4時~翌10時と多くののシフトがありました。

365日年中無休で24時間営業しているので、シフトのバリエーションがたくさんあって、月に日勤で勤務することもあれば夜間勤務をすることもあり、どうしても生活リズムがバラバラになってしまいます。

深夜~翌朝まで勤務して、翌日からは朝から勤務…というシフトの場合もあるので、体調管理が難しく体力が必要となります。

全てを熟知してて当たり前と思われているのがキツい!

ホテルに宿泊のお客様は、何かあればフロントに来ます。

例えば、観光でいらっしゃったお客様から美味しいフレンチを教えてほしいと相談されることもありますし、今から海鮮を食べられる所はある?と深夜に聞かれることだってあります。

大体の周辺情報を把握しておいて、お客様のお役に立てる情報を入れておくのが、ホテルフロントの基本です。

お客様はネットに載っていない希少な情報をホテルフロントに求めています。

それにお応えする為に、随時新しい情報を仕入れておくことが必要です。

お客様はホテルフロントは何でも知っていて当たり前と思っているので、その当たり前にお応えする為に常に新しく希少な情報を仕入れておかないといけないのは、なかなかキツいと感じる部分です。

外国人のお客様とのコミュニケーションが難しい

外国からいらっしゃっている全てのお客様は英語ができるわけではありません。

もちろん英語ができる方が多いので、フロントスタッフは英会話の習得をする必要があるのですが、中国語しか分からない方もいますし、フランス語で話かけられることもあります。

その際には「日本語と英語以外はお話できません」と突き放すことはできないので、ジェスチャーだったり、中国の方とは筆談でコミュニケーションを取る等、時間をかけてコミュニケーションする必要があります。

また、日本では当たり前とされていることが海外ではそうでない、ということも数多くあります。

文化の違いを理解しながらの接客は大変です。

部屋の割り振りが大変!

通常予約が入った時点で部屋を抑えておくのですが、予約されていた部屋にご満足いただけなく、違う部屋に案内しなくてはいけない状況が起きてしまうこともあります。

ホテルの予約状況に余裕がある時は良いのですが、満室の場合は他の部屋を準備するのがとても大変です。

他の部屋にも予約が入っている状態なので、別のお客様の予約を違う部屋に移動できないか等、細かな調整が必要になってきてしまいます。

ホテルの客室数が少ない場合は状況の把握はしやすいと思いますが、数百室あるような大きなホテルだと、部屋の交換を希望するお客様が同日に複数名でてきたりということもあるので、部屋の割り振りや予約状況の把握等がとても大変なのです。

ホテルフロントの仕事に興味があるけど、自分に向いているのか心配な人はこちらから相談してみてはいかがでしょうか。

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他にもホテルの仕事が大変だと感じることは、こちらの記事を参考に!

ホテルフロントは、キツい時もあるけど、それ以上にやりがいを感じる5つのポイント

どんな時も笑顔でお客様の対応をしないといけない大変なお仕事ですが、沢山のお客様と関わるお仕事なので、直接「ありがとう」を言ってもらえたり、頑張っていて良かった!と思える瞬間が多いお仕事でもあります。

大変なお仕事だからこそ、味わえるやりがいも一層大きいものになります。

ここでは、実際にどんな時にホテルフロントはやりがいを感じることができるのかを詳しくお伝えします。

ホテルスタッフと一体感を感じられた時

ホテルでは、フロントスタッフ以外にもベルサービススタッフ、ハウスキーパー、レストランスタッフ等沢山のスタッフが働いています。

お客様により良いサービスを提供する為には、他の部署との連携が必須となります。

ベルサービススタッフに効率的に荷物を運んでもらう為にお客様の動きを把握した上で指示出しを行ったり、お客様のお戻りの時間に合わせてお部屋の掃除をハウスキーパーにお願いします。

ホテルスタッフ一丸となってサービス提供を行っているので、大人数で勤務していても一体感を得られる点はすごくやりがいを感じられます。

数多くのチェックインとチェックアウトを捌けた時

私が勤務していたホテルは300室程ある大きなホテルでした。

夏休み等の繁忙時期には連日満室が続くこともあり、スタッフ1人あたり100件近くのチェックインとチェックアウトを行わないといけない日もでてきます。

フロントオフィスには長蛇の列ができる事もあり、チェックイン時は部屋の鍵を渡すだけではなく、ホテルの設備の案内や、予約プランに応じて特典を案内する、日本語でチェックアウトした後に外国人のお客様の対応を英語でする等、接客内容と方法も都度変えながら対応をするのです。

これだけ沢山の様々なお客様を対応した後のやり切った時の充実感はなかなか味わえるものではありません。

外国圏のお客様と分かり合えた時

ホテルにはもちろん、日本人以外のお客様も多く宿泊されます。

日本人のお客様は日本の観光には慣れていますが、外国人のお客様は公共交通機関の乗り方や日本のマナー、温泉の入り方等基本的なことが分からない方も沢山いらっしゃるので、そういったことを教えてあげる機会も多いです。

日本語を話せる外国の方は少ないので英語で接客を行いますが、異国からいらっしゃったお客様と心が通じた瞬間はすごくやりがいを感じられます。

外国人のお客様に快適にホテルで過ごしていただくために、ホテルで勤務しているスタッフは日々英会話の勉強を行っているのですが、勉強していた英語が実際に通じた!と感じられる嬉しい瞬間でもあります。

イベント時はフロントスタッフの腕の見せ所

クリスマスやバレンタインデー等のイベント時は、ホテルフロントはより一層忙しくなります。

夏休み等の繁忙期と違って、多くのチェックインとチェックアウトを捌く様なただただ多忙ということではなく、お客様がスペシャルな時間を過ごしていただく為の忙しさです。

クリスマス時には、ホテル館内のレストランでクリスマスディナーを楽しむカップルでごった返します。

そのカップルの中にはプロポーズをしたいと考えるお客様もいるので、プロポーズが成功するようにお手伝いして差し上げたりもします。

私がホテルフロントとして勤務していた時は、お客様からプロポーズをしたいと相談を受けてから、ディナーの時間を伺ってプレゼントや指輪を渡すタイミング計らい、お渡しのアシストをしたり、部屋を出ている少しの時間にお部屋の飾りつけを行いサプライズ演出したり、お客様の要望に応じてお手伝いをしていました。

こういったお仕事がある時はすごくワクワクしますし、お客様の喜ぶ姿を見ると本当にやりがいを感じられます。

一番はお客様から感謝のお言葉を頂いた時

やはりお客様から感謝のお言葉を頂けた時は一番やりがいを感じられます。

お客様も旅行や結婚式に伴っての宿泊、記念日等特別な機会で宿泊頂く事も多いので、ホテルフロントがお客様の良い思い出作りに貢献できる機会が多いからこそ、お客様から頂ける「ありがとう」という言葉もとっても特別なものとなります。

感謝のお手紙を頂ける事も多かったりするので、やりがいや充実感はとっても大きいです!

ホテルは他の接客業と違って1日~数日もの間お客様が過ごされる場所になるので、お客様との関わりも濃密なものとなります。

他の接客業では味わう事ができないお客様からの「ありがとう」を頂く事ができるのはホテルフロントの特権とも言えます!

大変なことも多いホテルフロントの仕事ですが、やりがいもたくさんあるこの仕事で働きたいと思った人はこちらから求人を出して貰うと良いでしょう。

ホテルフロントの仕事を辞めずに続けられる人に共通すること

ホテルフロントは体力が必要で、覚えないといけないことも多いお仕事なので、すぐに辞めてしまう人も実際多いです。

ここでは、ホテルフロントを長く続けている人に共通する点をお伝えします。

気持ちの切り替えが早い人

ホテルフロントはお客様のハッピーな瞬間に携われる機会もありますが、クレームの対応も多いです。

館内にレストランやスパ等がある場合はそれらの施設で満足のいくサービスの受けられなかったお客様からお叱りを受けることもありますし、お部屋の清掃が行き届いていなければ、お客様はフロントに連絡を入れます。

そういった対応で疲労してしまっても、楽しい気持ちでいらっしゃるお客様には笑顔で接客しないといけないので、気持ちの切り替えがスムーズにいなかない人はホテルフロントの勤務が特に難しいと感じてしまうようです。

ホスピタリティ精神がある人

ホテルの仕事は体力が必要で、高い接遇対応を求められ、英会話も習得しないといけない等々、大変なことが多いお仕事です。

これらの苦労は全てお客様に良いサービスを提供する為の苦労になります。

その苦労をお客様の為と思えるのか、ただ自分が大変だと思うかで仕事の辛さが全然違ってきます。

ホスピタリティとは「思いやり」「心を込めた手厚いおもてなし」という意味です。

ホテルフロントはホスピタリティを持っていないと続きません。

フロントスタッフは接客の為に沢山の知識を習得する必要がある割に、給与は特段高いとは言えません。

ホテルフロントの仕事をビジネスと捉えてしまうと、給与が安い割に大変な事が多いと思ってしまって、結果辞めてしまう方も少なくないのです。

自身をお客様の為に差し出すくらいのホスピタリティ精神がないと続かないお仕事です。

リーダーシップを取るのが好きな人

ホテルフロントはホテルの司令塔です。

お客様から「部屋の掃除が行き届いていない!」と連絡が入れば、ハウスキーパーに連絡して掃除の指示を出したり、お客様から荷物を部屋に運んで欲しいと依頼があればベルサービスに連絡するなど、ホテルの心臓部として動いています。

様々の部署と連携を取りながら仕事を進めていかないといけなかったり、時には無理なお願いをスタッフにしないといけないこともあるので、お客様に喜んで貰うために頑張ろう!と他のスタッフを引っ張っていけるような人には良いかもしれません。

一人では良いサービスの提供ができないこと多々もあるので、周りのスタッフを巻き込んで一丸となれる人は楽しく勤務できると思います。

ホテルフロントとして働きたいけど、自分がこの仕事を続けられるか自信がない人はこちらで相談してみると良いでしょう。

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まとめ

これからフロントスタッフとして勤務したいと思っている人には、事前に大変なことを知ってから勤務をスタートした方が入社後のギャップも少なくなり長く勤務できると思い、ホテルフロントとして勤務した時に感じたキツかったことを含めて赤裸々に実態をお伝えしました。

大変な仕事だからこそ身に付くことも多く、記憶に残る特別な経験も多いお仕事です。

少しでもホテルフロントのお仕事に興味を持っていただけたら嬉しいです。

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