私自身、かつてホテルフロントのアルバイトの仕事に1年余り従事していました。

宿泊客としてホテルを利用する際には気づかなかったのですが、ホテルのフロントの仕事は想像以上に体力仕事で、また広範囲に及ぶ作業を担わなければなりませんでした。

今回はホテルフロントの仕事、とくにアルバイトとして働く場合の、この職場の特徴、時給相場や、働く中で感じたやりがい、またこの職場で身に付くスキルなどを紹介していきます。

ホテルの種類はいろいろある

ホテルのフロントでの仕事は、ホテルの種類・ランクやシフト体制によってその働き方に違いがあります。

ホテルの種類でいえば、ビジネスマンや簡易な宿泊場所を探しているお客様向けの「ビジネスホテル」、それよりもひとまわり格式が高く、部屋の内装やおもてなしのレベルも上級である「シティホテル」、主にリゾート地における中・長期での滞在や、バケーション目的のお客様に対応する「リゾートホテル」などがあります。

都市部などで見かけることが多くなった「カプセルホテル」は、かつてはカプセル型の部屋にお客様を詰め込むイメージだったため、フロント職の仕事はあまりありませんでしたが、最近は個室のスペースも広がり、ちょっとしたビジネスホテルと変わらない設備を備えているところもあります。

そのため、これからの時代はカプセルホテルのフロントで働くという選択肢も増えてくるでしょう。

また、ホテルフロントの仕事はシフトの組み合わせ方によっても分類することができます。

最近は基本的にどのタイプのホテルでもフロントは24時間開いていることが多いため、フロントで働く従業員も24時間体制を維持するために朝・昼・夜の時間を交代で勤務することになります。

ホテルアルバイトのシフト体制は主に以下の3つのタイプとなります。

  • ①勤務時間の合間で仮眠時間や休憩時間を挟みながら24時間超(27時間や28時間)勤務して、退勤後2日は休みをもらう「1勤2休」タイプ
  • ②それぞれの従業員が担当する時間帯が固定されていて、早朝~昼前、昼~夜、深夜~早朝の3シフトでフロント業務を回す「固定シフト」タイプ
  • ③曜日や時間帯などは事前に申請したシフト希望をもとに割り振られる、通常のアルバイト職と同じような「シフト制」タイプ

私はこんなホテルでフロントのアルバイトをやりました

私が働いていたのは、「固定シフト」タイプの「ビジネスホテル」です。

地方中核都市の高速出口そばの、大型チェーンホテルであったため、稼働率が80%~90%を超えるような日もよくありました。

海外のお客様や団体のお客様も多く、また半年近く連泊している方や仮住まいのようにホテルを利用されている方もいらっしゃり、働き始める前に想像していた以上にいろいろな経験をすることができました。

ホテルフロントのアルバイトの時給は?

ホテルフロントアルバイトの時給相場は、それほど高くありません。

しかし、ホテルのタイプや立地などによって相場観は変わってきますし、昨今の人手不足の影響や訪日客の増加により、「多言語話者」が必要とされている現場ということもあり、一概に時給が安い職種とは言えません。

ちなみに、稼げるか否かを左右するもっとも大事な要素は、働く「時間帯」です。

先述のようにホテルのフロントは24時間稼働しているのが原則で、深夜帯~早朝時間帯という、法律で割増賃金を支払うことが義務づけられている時間帯に働く場面も出てくると思います。

また、週末はもちろん、ゴールデンウィークやお盆休み、年末年始にいたるまで。

ホテルはむしろ休日・祝日にこそ需要が増える仕事なので、連休中などにシフトに入ることで割増賃金を得ることもできます。

実際、ホテルフロントの仕事を「稼げる」仕事として考えている方は、迷いなく深夜時間帯のシフトを選択しています。

私は主に昼~夜時間帯の勤務でしたが、深夜・早朝帯をメインに仕事をしていた同僚は、私より月2~3万円ほど多く稼いでいました。

つまり、ホテルフロントのアルバイトは、働き方次第で十分に稼げる仕事なのです。

ホテルフロントバイトの時給は、こちらの記事を参考に!

ホテルフロントのアルバイトでやりがいを感じたこと

ホテルのフロントで働いてみると、今までなにげなく利用していたホテルの裏側では、こんなにもたくさんの仕事があって、お客様が滞在している間の時間をなるべく有意義なものにしていただくために、これほどの業務をこなしていたのか、と驚く場面がたくさんありました。

その分、業務量や求められる仕事の質・スピードのレベルは非常に高く、最初のうちは上司の指示についていくだけで精一杯になります。

業務にも慣れてきて、次第に現場がどのように動いているのかがわかってくると、お客様の目線から自身の仕事ぶりを評価してみたり、今この瞬間に自分ができる最善な行動は何か、といったことに目を向ける余裕が出てきます。

私の場合、このような余裕が出てきたタイミングで、この仕事の本当の魅力ややりがいといったことをいくつか実感できるようになりました。

その中でももっともやりがいを感じた瞬間は、自分が「お客様の滞在をより良いものにするためのサポート係」として役に立っている、と感じたときでした。

たとえば、フロントに立っていると、通常のチェックイン・アウトやさまざまな定型業務のほかに、お客様から周辺のお店の情報や行き先について質問されることがたくさんあります。

むしろ、お客様のお困りごとに対応する時間の方が長いくらいです。

あるとき、お一人で旅行に来られていたお客様に、周辺で食事するのにおすすめのお店を紹介してほしいと頼まれたので、私自身のお気に入りでもあったお店を紹介し、結果的にお客様にも大変満足していただけました。

その何カ月後かに、今度はそのお客様がお友達を連れてチェックインされたことがありました。

そしてそのお客様が私を見つけるなり「この前のお店、今みんなで行ってきたよ。やっぱりおいしいね。ありがとう」と言ってくださったとき、この仕事のやりがいや魅力をひしひしと感じたものです。

私にとっては何気ない業務の一環だったかもしれませんが、お客様にとってはこのホテルに滞在する理由の一つになっているのではないか、と考えると、とても喜ばしい気持ちになりました。

ホテルフロントのアルバイトをやってて良かったこと

ここからは、ホテルのフロントで働いていて良かったと感じたことの中から、代表的なものを2つ紹介していきます。

ここであげたもの以外にも魅力はたくさんあると思いますが、少なくとも以下で紹介するこの仕事の特徴に魅力を感じた方は、ホテルフロントの仕事に向いているかもしれません。

いろんな人と出会うことができる

ホテルには本当にさまざまなお客様が訪れます。

たとえば、最近は全国的に訪日外国人の方も増えているため、都市部だけでなく地方のホテルにおいても外国人対応が必要になってきています。

また、ホテルに滞在する理由も個々のお客様によってさまざまであり、旅行・レジャー目的、出張などのビジネス目的、工事現場での長期にわたる作業のための宿泊などが代表例になります。

このようにお客様のタイプも宿泊目的も異なってくると、それだけホテルマンとしての対応にも幅を持たせなければなりません。

一律のサービスを提供しなければならないところと、お客様一人ひとりに合わせた対応をしなければならないところを、的確に判断することができるようになりますし、なによりいろんな方にお会いして、ときには人生の糧となるような話を聞けたり、多彩なアドバイスをいただいたりすることは、それだけでとても意味のあることだと思います。

できる仕事の範囲が広がる

ホテルの種類にもよりますが、とくに規模が小さいホテルならば、求められる仕事の幅が非常に広範囲に及ぶことがあります。

シティホテルなどの比較的格式の高いホテルは、それぞれの従業員に明確な役割が設定されていることが多く、各々の担当職務のプロフェッショナルになることが求められますが、ビジネスホテルなどのよりカジュアルなホテルだと、フロント係がレストランの給仕係を兼務していたり、簡易な清掃業務や駐車場の案内業務にいたるまで、ほぼすべての職務を一手に担っている現場もあります。

このような職場に慣れるまでは、仕事を覚えても覚えても追いつかない、と感じてしまいますが、どのような方でも1~2カ月もすれば全体の流れが理解できるようになってきます。

そしてふとした時に、自分が行っている仕事がとても広範囲に及んでいることに気づき、自分もやればできるんだな、とか、今後転職したときにも生かせそうだな、と思えるようになります。

そのため、「できる仕事の範囲が広がる」という特徴も、ホテルフロントマンの仕事の魅力の一つということができるでしょう。

ホテルフロントのアルバイトで身についたこんなスキル

以上のようなやりがいや魅力のあるホテルフロントの仕事は、同時にその勤務を経てさまざまな「スキル」を習得できる職場でもあります。

ここではそのようなスキルの中でも私がひしひしと感じたものを、2つ取り上げて紹介しておきます。

接客スキル

ホテルの仕事は典型的な「接客業」のイメージでとらえている方が多く、私自身もこの仕事に興味を抱いたきっかけは、自分の接客スキルを向上させたいと思ったことでした。

実際、ホテルの仕事は接客業の極みともいえるような現場であり、1年余りの勤務の中で接客スキルを相当鍛えられたと感じています。

具体的には、お客様に対する言葉遣いや身だしなみ・姿勢など、「第一印象を左右するような所作全般を意識して仕事に臨む」意識が身につきました。

また、お客様の中には、ホテルに着いた瞬間から、明らかにハッピーでない方もおられます。

それでも、フロントマンにはどのようなお客様に対しても最善のサービスを提供することが求められ、その結果、マイナスな感情だったお客様がポジティブな気持ちでチェックアウトされればベストですし、少なくともホテルにおいて余計なストレスをかけない、という技術が「接客スキル」の見せ所といえるでしょう。

臨機応変な対応スキル

お客様に余計な負担をかけない「接客スキル」に加えて、ホテルのフロントで働いていると、それぞれのお客様やシチュエーションに、瞬時にまた「臨機応変」に、対応するスキルも身につけることができます。

どのようなお客様も特別扱いせず「一律」なサービスを提供することは、とくにビジネスホテルでは原則になりますが、ある程度追加的なサービスが必要なお客様や、例外的な対応をしなければならないシチュエーションも存在します。

たとえば、身体が不自由な方に対して、荷物を部屋まで運んだり、エレベーターや非常口が近い部屋を案内するといったことから、仕事や予定の関係上、イレギュラーな時間にチェックイン・アウトをしたいお客様に特別に対応したりする場面は、「臨機応変」に判断することが求められるケースといえます。

店長や先輩に対応についての判断を仰ぐことも大切ですが、理想は自身で最善の対応を判断することができて円滑に業務を回していく、ということでしょう。

ホテルで働いていると、このような「イレギュラー対応」が想像以上に発生するもので、複数回経験していると次第に「臨機応変な対応スキル」が身につきます。

このスキルはどんな職場でも有益なものですので、転職後にも大いに役立つことでしょう。

まとめ

今回は、ホテルのフロントマンの仕事にアルバイトとして従事する現場を、時給相場や身につけられるスキルなどをもとに解説していきました。

この仕事は見た目以上にハードな部分もあり、決して楽な職場とはいえませんが、その分やりがいやメリットも大きいものだと感じています。

私が経験したのは「ビジネスホテル」、それも複数店舗を展開する大型チェーンのホテルでしたので、シティホテルなど異なるタイプのホテルや、個人経営などのより小規模なホテルでは業、務内容やシフト体制についても異なる点があるとは思います。

しかし、どのような形態のホテルであっても共通していることは、この仕事が「接客業」の極みともいえる、高度な接客スキルを必要とすることではないでしょうか。

海外高級ホテルチェーンのフロントマンを長く勤められていた先輩に話を伺ったときにも、この点については意見が一致しました。

これからホテルのフロントマンの仕事に挑戦してみようと感じている方は、ぜひ求人探索から始めてみてください。

大変な部分もたくさんある仕事ですが、自分自身を成長させることができる職場としておすすめします。



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