特別養護老人ホームの高齢者施設で勤務を希望する場合、主に2つの審査があります。

1つ目は書類審査です。

履歴書を送付し、採用担当者が確認します。

確認後、合格できればすぐに採用面接が実施されます。

履歴書を確認する1次審査に関してはよっぽどのことが書いてある、もしくは施設側が受け入れている年齢層などのイメージを大きく逸脱していない限りは合格し次の採用面接にいくパターンが多いです。

採用面接をしないで入職を許可する事例はほとんどない為、面接は避けて通れない道です。

ここではその採用面接において主に聞かれる質問内容や受け答えのコツ、面接時の服装などについて説明していきます。

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特別養護老人ホームの仕事内容

特別養護老人ホームとは一人暮らしの高齢者で自力で生活することが困難な方や、認知症などを患い誰かの支援の手を必要としている方、寝たきりになってしまった方など、割と介護度が高い方々が入所されている施設になります。

その為、仕事内容としては入所者に対して1日生活が送れるよう支援をしていきます。

主に入浴介助や排泄介助、食事介助などがあります。

その他にも入所者の方とお話やコミュニケーションをとったり、ゲームなどのレクリエーションを実践する場合もあります。

特別養護老人ホームの採用面接で聞かれる4個のこと

ここでは採用面接において主に聞かれることと、それに対しての受け答えのコツを4つの視点からお伝えしていきます。

なぜ、我が社を選んだのか

この質問は採用面接担当者としては伺いたいところです。

介護という分野は少子高齢化という時代の波が押し寄せてきている関係で、あらゆる企業や会社が手を伸ばしてきている分野になります。

その中でも、なぜ我が社を選んだのか採用担当からすればとても気になるところです。

特に採用広告を出しても中々応募がなく、人手不足で困っている施設はまだまだ多くあります。

どんな求人サイトを見てきたのか、我が社にどのような魅力があって就職を決意しようと思ったのかなどの真意が知りたいのです。

理念などを事前に確認しよう

正直、会社を選ぶ理由は人それぞれです。

こういう介護を実践している会社に就職してみたかったという仕事内容に対する思いを持っている方もいれば、通勤電車を利用することなく近場で働きたかったからなどの理由で決める人もいます。

働く背景は人によって異なる為いろんな理由があって良いと思いますが、それを正直そのまま面接担当者に言ってしまうことで逆にリスクが伴う場合があります。

その為、最低限確認したほうが良いのは施設の理念です。

たいていインターネットのホームページ上で施設が掲げる理念などが記載されています。

面接前には一通り読み終わり、自分の中で施設が掲げる理念においてこういう部分に共感したなどのことが、すぐにパッと話せるようになると良いかもしれません。

あまり無いことですが、時々面接に施設創業者が同席しているケースがあります。

創業者は他の職員に比べて理念が人一倍強い為、理念に共感してくれる人に対して悪い印象は抱きにくいものです。

今後どのような介護をしていきたいですか

介護という仕事を今後どのようにしていきたいのか、言い換えればその人が持っているビジョンなどを聞き出そうとする場合があります。

ビジョンなどに対して自分は持っていませんときっぱり答えてしまうのは、人によってはマイナスイメージを与えてしまう恐れがある為、どんなことでもいいので言えるようにしておくことをお勧めします。

自分なりの介護像を持つようにしよう

この手の質問内容は聞かれる頻度が多くある為、事前対策をしておく必要があります。

事前対策の一つとして挙げられるのは、自分なりの介護像を持つということです。

介護現場で働くと介護に対する捉え方や考え方は人により多少なりとも異なってきます。

みなさん自分の思う介護像に乗っ取り、思考や感情を巡らせているのです。

自分の中に明確な介護像があるか無いかだけでも今後の仕事に多少なりとも影響が出てきます。

自分の中に介護像がきちんと出来ていないと仕事へのやりがい等を感じられなくなってしまう恐れがあるからです。

その為、これを機会に自分なりの介護像について考えてみましょう。

すでに持っているという方はその思いを採用面接官にぶつけていきましょう。

そんなことを言われても今まで考えたこともなかったし、考えてもパッと出てくるようなものではないという方には一つの方法として介護とはなんなのかということを考えてみてください。

書店に売られている本の中にも書いてありますし、ネットで検索すればすぐに出てきます。

たいていの場合、介護という定義に関しては似たようなことを書いていますので、そこを活用して自分の言葉で伝えられるようにしましょう。

他の会社を辞めた理由はなんですか

この質問に関しては新卒の方であれば聞かれることはありませんが、中途採用の方々に関しては聞かれてしまう質問内容です。

会社を辞める理由は人によって様々です。

家族の都合で辞められる方々もいれば、職場の人間関係の問題で退職を決断してしまう方々など、退職理由は多岐にわたります。

この項目に関しても事前対策が必要になります。

ほとんどの人が納得するような理由を考えておくと良い

採用担当者からすれば、一度採用するからには長い間努めてもらいたいと考えています。

しかし、中には1ヶ月未満で早期退職してしまう方が少なく無いのも事実としてあります。

その関係で、何度か転職をしている方に対しては理由を聞いてみたいと思っているパターンがあります。

このような質問が飛んできた時は、例えば家族が病気で何かあったらすぐに帰れるように勤務場所を家の近所にする必要があったので退職しました等の退職理由は家族の事情のことなので仕方ありません。

また、いろんな介護を見ながら経験を積んで、さらにステップアップをしていきたいという前向きな理由であれば、受け取る側もそんなに悪い印象は抱きにくくなります。

このように、家族の事情等といった自分の力ではどうしようもないことや、前向きな退職理由を自分の中で考えておくと良いでしょう。

休みの日は何をしているのですか

面接官の中には一見仕事と関係無いような休みの日の過ごし方に関して質問を投げかけてくる人がいます。

休みの日に関しては仕事と関係無いように見えるかもしれませんが、一つの意図としてはリフレッシュのやり方について見てくるパターンがあります。

介護を含め仕事というのはストレスを感じやすくするものです。

仕事のストレスを抱えている方々はたくさんいらっしゃいます。

そのストレスに対してどのように対処するかどうかで仕事の質が変化しますし、勤務が継続的に行えるかどうかなどにも影響が出てきてしまいます。

その関係で休みの日の過ごし方に関して聞いてみたいという面接官はいらっしゃいます。

そのまま素直に答えて大丈夫

ここは自分が普段やっていることをそのまま素直に出して大丈夫なパターンが多いです。

例えば休みの日は友達とサッカーして体を動かしています、物を集めるのが趣味なので街中のお店をブラブラしています、休日は車でドライブに出かけ一人で日本各地を回っています等、いろんな休日の過ごし方があると思います。

その中で面接官がさらに話を広げてくれる場合がありますので、そうなったら面接の堅苦しい雰囲気も少しは和らげるキッカケが出来ます。

面接官の視点からすれば、その人のストレス対処法がわかるのと同時に、その人の人柄等も見えてくるため一石二鳥の話です。

この話をすると中には私ってこれといった趣味も無いからどうしようと心配される方もいらっしゃると思いますが、1日寝て過ごしています、ゲームをしています等でも問題ありません。

むしろ面接官によってはゲームに食いついてくる方もいらっしゃいます。

こういう質問に関しては面接における小休憩だと思い気楽に会話をしていただければ良いと思います。

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特別養護老人ホームの採用面接での注意点

これまでは面接で聞かれてくる主な項目に関して挙げさせていただきました。

こういう質問に関して的確に答えられるかどうかも重要なのですが、それ以外のところでも面接において注意しなければならない箇所がいくつかありますので。

要点をお伝えしていきます。

服装はスーツもしくはジャケット着用

最初は服装に関してです。

しかしこのことは正直今更言われなくてもわかると思っている方々がほとんどだと思います。

採用面接の時に例えばTシャツ・短パン姿で面接に来る人は滅多にいないと思います。

基本的にはスーツが一番無難です。

スーツを普段から着る機会がなく、面接日までに間に合わないという方にとってはスーツではなく、ジャケット着用でも大丈夫な場合があります。

この服装に関しては今更と思うかもしれませんが、かなり重要度が高めな項目です。

なぜなら服装に限らず、こういう社会的な一般的なルールがきちんと守れていない人は採用が通る可能性が極端に減ってしまうからです。

このほかにも敬語を使えずにタメ口で面接官と話してしまう、無断遅刻というのはもってのほかです。

遅刻することがわかった場合はきちんと事前連絡をし謝罪をしていきましょう。

介護というのはかなり目上の人に対して生活のお世話をしていくという仕事内容になるためこういう一般的なマナーが守れない人は利用者に対して失礼な態度を取ってしまう恐れがあります。

当たり前と思ってしまうようなことでも、きちんと確認していきましょう。

誰にでも笑顔で挨拶をする

採用面接の場所はたいてい勤務を希望する施設にて行われるケースがほとんどです。

面接をする前に施設関係者の方と多数お会いする機会があると思います。

例えば施設の受付係りの人、利用者のご家族の方や施設関係者などに面接前に会うかもしれません。

その際にはあいさつはもちろんですが、笑顔は忘れないようにしましょう。

そして面接においても笑顔は必要になります。

特にこういった介護の仕事ではこちら側の表情ひとつで利用者の満足度は大きく変化します。

生活の支援をしてくれる人が笑顔がない状態というのはとても感じ悪く受け取られてしまいます。

面接に関しても同様なことが言えます。

面接中に一つも笑顔がないと、その人の人柄においてあらゆる誤解を生み出してしまうリスクが高いです。

面接で初めての場所に来て緊張してしまっている気持ちもわかります。

笑顔なんていきなり出るものではないと感じている気持ちもわかります。

しかし、面接官の中にはそのような背景まで考えて思考を巡らせる人はいない場合があります。

採用面接において自分をあえて不利な状態に立たせるメリットはどこにもありません。

笑顔が苦手ならハニカム程度でも構いません。

それだけ笑顔や表情というのは面接において重要視されてしまうということです。

自信を持って挑もう

ここまでいろいろと書いてきましたが、注意点としての重要なポイントは自信を持つことです。

自分に自信を持って面接に堂々と挑んでいきましょう。

自信が無いと行動や態度にも大きな影響が出てしまいます。

まず声の大きさに変化が見られ、相手と目を見て話すことさえ難しくなってしまいます。

当然表情は硬くなってしまい笑顔も見られなくなってきてしまいます。

いくら服装を完璧にして面接時間に間に合ったとしても、自信が無いことからくる言動で相手に与える印象を悪いように与えてしまう場合があります。

これらを回避するためにも自分自身に対してきちんと自信を持ち続けることが大切です。

特に介護の仕事経験がある方にとっては今まで自分が提供してきた介護サービスに自信を持っていただき、介護の仕事をまだ経験していない方が面接に挑む場合は、なぜ自分が介護の世界に足を踏み入れようと思ったのかという最初の意思を再確認することで自信がつきやすくなります。

まとめ

介護の業界においては常にギリギリの人数で運営している施設が多いため、一人抜けてしまうとすぐに募集をかけなければなりません。

介護の世界に参入している企業が多いことから常に人材募集を掲げている施設も少なくありません。

その影響もあり、よっぽどのことが無い限り、不採用をするというケースは少ないように思えます。

そういう視点からもぜひ自信を持ちながら面接に挑んでいただければ幸いです。

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