2020年7月6日

栄養士のデメリットについて今回はお話しさせていただきます。

皆さんは栄養士と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?

主に調理している姿が目に浮かぶかと思いますが、実際はそれ以外にも様々な業務があるんです。

働いていると、どんな仕事でも良い面と悪い面がありますよね。

今回は栄養士として働く大変なことから、やりがい・嬉しいと感じることを詳しくご紹介しようと思います!

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栄養士の仕事内容とは

まずは栄養士の仕事内容を説明していきます。

献立作成

栄養士の仕事と言えば、献立作成を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

献立内容は作成する栄養士によって全く異なります。

創意工夫を施し自分なりに対象者に合った献立を作成していくので、栄養士の技量が問われる作業です。

食材の発注・検品

献立をもとに食材の発注を行います。

場合によっては、納品された食材の検品を行うことも栄養士の仕事です。

調理

栄養士が調理に関わるかどうかは職場によって異なりますが、調理に携わる方が献立に現場の意見を反映しやすいというメリットもあります。

衛生管理

栄養士は調理が安全に行われているか管理をします。

衛生管理がおろそかになると食中毒や異物混入事故などに繋がる恐れがあり、場合によっては食事を食べた人の命も関わります。

おいしい食事を提供するのはもちろんのことですが、責任を持って衛生管理を行い安全な食事を提供していく必要があります。

食物アレルギー対応

食物アレルギーを有する対象者に対しての対応を行います。

栄養士は医師の診断のもと、食物アレルギー除去食の対応を行います。

食物アレルギーは同じアレルゲンでも個人によって症状の出方が違うため、必ず面談をして対象者に合った対応を決定します。

アナフィラキシーショックなど命に関わることもあるため、慎重に対応することが大切です。

栄養士として働く大変なこととは?

大まかな仕事内容を説明しましたが、栄養士の仕事内容は想像して頂けたでしょうか?

では、栄養士として働く中での大変なことは何でしょう?

私が栄養士として働く中で大変だと感じたことをリストアップしたので、以下にご紹介します。

①責任が重い

栄養士として働く大変なことの一つ目は、栄養士は少人数体制であることが多く栄養士一人に対しての責任が重くなってしまうことが挙げられます。

私は数回の転職を経験しましたが、今まで働いてきた職場は全て栄養士一人体制の職場でした。

栄養士は自分一人なので、厨房の衛生管理から食物アレルギーの対応、食事に関する事務作業まで全てを行っています。

私の職場には、栄養士に向けて仕事のアドバイスをくれる人も作業を手伝ってくれる人もいません。

どの仕事もミスは許されず、怠れば命に関わることばかりでとても責任が重い仕事だと感じます。

特に食物アレルギー対応数は年々増加傾向にあり個別の対応が求められるため、食物アレルギーの診断書を提出してもらってから面談、対応内容の検討など全て自分の責任下のもと、決して間違えることのないよう気を張って業務を行っています。

➁仕事量が多い

二つ目は仕事量が多いことが挙げられます。

先程、栄養士は少人数体制であることが多いというお話をしましたが、少人数であるため一人当たりの仕事量も多いのが現状です。

特に私は一人体制で仕事をしているので、仕事を手伝ってくれる人もいないため雑務を含め全て自分一人でこなす必要があります。

定時で仕事を上がれる場合もありますが、あくまでも仕事が終わっていればの話です。

自分の仕事を配分し、多方面に迷惑が掛ることのないように仕事をするためには残業することも多々あります。

残業ありきになってはいけないと思いながらも、食事は決まった時間に提供しなければならないため調理を優先的に行わなければならず、食事関係の事務作業は後回しになってしまうことが多くあります。

③重労働

三つ目に栄養士の仕事は重労働であることが挙げられます。

特に調理に携わる栄養士は、重労働であることが多いです。

私は毎日業者から納品された食材を一人で検品し、各保管場所へ片付けます。

私が働いているところはコンテナ20個分程の材料が毎日納品されるので、納品された食材の表面温度を測っていくだけでも大変な量です。

朝一番に、それらの材料を全て一人で運ばなければなりません。

もちろん大規模な施設の場合は納品される食材も多くなるため、更に重労働となります。

大規模な施設で働く栄養士に話を聞いてみたところ、午前中いっぱいは食材の検品作業に時間がかかり大量の食材を運んでいると言っていました。

また調理に携わる栄養士の場合は検品検収の後、厨房に入り調理業務に従事します。

立ちっぱなしの作業で、食事の提供時間に間に合うように素早く調理を行わなければなりません。

夏場になると火元付近での作業はとても暑く、汗だくになりながら動き回らなければなりません。

④仕事の休みが取りにくい

四つ目に仕事の休みが取りにくいことが挙げられます。

先程述べたように、少人数体制で一人あたりの仕事量も多い栄養士の仕事を代行してくれる人はいません。

食事は毎日提供されますが栄養士も休みを取らなければいけないため、休みの日の仕事を前もって自分で終わらせる必要があります。

体調不良等で急きょ休みを取る場合も考えて、前もってできる仕事は常に1日~2日分必ず早めに仕上げるようにしています。

特に体調が優れない時ほど、もしもの時に休むことができるよう前もって4日~5日分の仕事を猛スピードで仕上げることもあります。

代わりに仕事をしてもらえる人がいない分、栄養士が休むことで関係各所に迷惑が掛らないよう自分で手配することが絶対に必要となってきます。

いかなる理由があったとしても、食事を通常通り提供しなければなりません。

自分の体の小さなサインも見逃さず、自分自身の体調管理がきちんとできる人でないと栄養士を続けることが難しいかもしれません。

⑤勤務時間

五つ目に勤務時間に関することが挙げられます。

事務作業をメインとする栄養士として勤務する場合は毎日の就業時間が決まっていることが多いですが、調理に携わる栄養士は調理職員と同様に勤務時間がシフト制であることがあります。

その場合、早出や遅出などがあるため始業時間と終業時間が毎日バラバラです。

小さなお子さんがいらっしゃる方や朝起きることが苦手な方などにとっては、働きづらくデメリットとなり得る要素です。

⑥給料が安い

六つ目に給料が安いことが挙げられます。

栄養士は責任が重く仕事量も多い職業ですが、給料は決して高くありません。

有資格者としては、むしろ安いと言えます。

これは栄養士に限らず、管理栄養士や調理師など調理業界全体で言われていることです。

責任が重く仕事量が多い上に給料が高くないため、栄養士の資格は持っていても栄養士として就職しない人が現在増えています。

その結果、調理業界全体が人手不足に嘆いており、頭を悩ませています。

⑦交通便が悪い場所が多い

七つ目に交通の便が悪い場所が多いことが挙げられます。

栄養士が働く場所は、人がある程度の人数集い食事を提供する場所がほとんどです。

人が集うことができる広さの土地や建物などを用意する時、費用を抑えるため比較的土地の値段が安い場所に建物がある場合が多いです。

そのため交通の便が良くない場所も多く見られます。

栄養士として働く場合は公共機関での通勤ではなく、マイカーや自転車などを検討した方が良いと思います。

⑧人間関係が複雑なことが多い

八つ目に人間関係が複雑なことが多いということが挙げられます。

栄養士と調理職員には女性が多く、栄養士は調理職員と協力して調理を行ったり、時には衛生指導を行わなければならない場合もあります。

栄養士よりも調理職員の方が経験豊富なことも多く、栄養士が調理を行うにしても調理職員の経験に及ばないこともあります。

その中で栄養士として衛生指導を行わなければならない場面もあり、きちんと話を聞いてもらわなければいけないことも多々あります。

女性が多い職場ということもあって栄養士と調理職員との間に摩擦が生じやすく、人間関係が複雑となり悩んでしまう栄養士が多いことも事実です。

他職種を見てみると、個人的には男女比率が均等である方が円滑な人間関係を築けていると感じることが多いです。

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これがあるから頑張れる、栄養士のやりがい、嬉しいこととは?

先程は、栄養士として働くにあたり大変なことについてお話をしました。

しかし、栄養士にも良い面も沢山あります。

次は、栄養士をしていてやりがいを感じることや嬉しいことをご紹介したいと思います!

①何事もなく食事を提供できること

栄養士にとって嬉しいことは、「何事もなく食事を提供できること」これが一番です。

栄養士は責任が重い仕事を沢山こなしています。

その仕事は、どれも毎日何事もなく食事を提供するために行っているのです。

栄養士として働き始めた当初は、沢山の仕事をこなすことで精一杯で失敗も多々ありました。

何気なく学生の頃食べていた給食も学食の定食も、沢山の人の努力があって提供されていたんだということに栄養士になって初めて気づきました。

何事もなく食事を提供することは簡単そうに見えて、とても難しいことです。

食事提供が済んだ時、今日も無事に食事が提供できて良かったなと喜びを感じます。

➁対象者に改善が見られること

二つ目は「対象者に改善が見られること」です。

栄養士として、人前で栄養指導や講話を行うことが何度かありました。

その時に話した内容をきちんと受け止め、実践して下さっている参加者を見ると栄養士としてのやりがいを感じます。

日々の作業に追われる中で、定期的に栄養指導や講話をすると栄養士として自分にも良い刺激となり、このような機会を頂けることを喜ばしく思います。

③利用者に感謝されること

三つ目は「利用者に感謝されること。」です。

喫食者や栄養指導を受けた方などが、栄養士に対して温かい声掛けをしてくださる場合があります。

「今日も食事が美味しかったよ。ありがとう」「この前聞いた内容を実践していると、最近体調が良くて。ありがとう」

このような声をかけて頂いたときは、とても嬉しく日々の仕事の活力となります。

④プライベートで活かせる能力が身につくこと

四つ目は「プライベートで活かせる能力が身につくこと」です。

食事は日常生活で欠かすことのできないものです。

栄養士としての献立作成や衛生管理、調理や食物アレルギーに対する対応などの業務においても、日常生活に活かすことができる仕事内容となっています。

例えば、献立作成業務を行っていれば日常の献立に困ることはほとんどありません。

衛生管理業務を行っていることで家庭での衛生管理も正しく行えるため、食中毒や調理上の事故などは防ぐことができています。

調理業務を行っていることで、家庭では冷蔵庫の中にある食材でパパッと食事を作れてしまいます。

また、食物アレルギーに対する対応を行っていることで、私は我が子が重篤な食物アレルギーを持って生まれましたが焦ることもなく的確に対応できています。

その他にも、食材に対しての知識やキッチン回りの清掃法など仕事を通して習得した暮らしに役立つことは、まだまだ沢山あります。

仕事で学んだことを日々の暮らしで活かせることはとても嬉しく、何より家族のためにより良い食事を作ってあげられることにとても喜びを感じています。

まとめ

今回は、栄養士の大変なことってこんなところ!でもやりがいや嬉しいこともあるから頑張れるのです!というテーマでお話をさせて頂きました。

いかがでしたか?

どの職業にも大変なこと、やりがい・嬉しいことなどあるかと思います。

この記事をきっかけとして栄養士の大変なこと、やりがい・嬉しいことなど多くの方に知って頂ける機会となればと考えています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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