不動産賃貸営業の転職ノウハウ。狙い目な会社の4個の特徴と上手に転職するための3個の注意点
不動産賃貸営業へ転職を検討中の方は為になる情報をご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
そもそも不動産賃貸営業とは、アパートやマンションなどの賃貸物件を紹介・案内し、契約から入居の段取りまでを行います。
一年を通して求人の多い不動産賃貸の営業職ですが、会社を選ぶ際のポイントや注意点、不動産賃貸に転職する際の心構えなどもお話させていただきます。
参考にしていただけたら幸いです。
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目次
閉じる不動産賃貸営業で転職する人は多い?
他の業界に比べて人の出入りの多い不動産業界。
不動産賃貸の営業職も人の出入りは比較的多いですが、離職率は会社の方針によるところが多いです。
会社によってはチームワークを重視し、ノルマはありながらもお互いにカバーしていく職場もあり、そういったところは離職率が低いようです。
逆に、個人の営業成績を重視し歩合給などで差をつけていく会社も多く、そういったところは離職率が高く、自然と20代の若い人ばかりの職場となることが多いです。
不動産賃貸営業で狙い目な会社の4つの特徴とは?
会社の方針によってかなり環境が違ってくる不動産賃貸営業。
転職には職場に慣れたり仕事を覚えたりとエネルギー消費を伴いますので、長く働ける職場が良いですよね。
ここでは、転職するにあたって、より良い環境の会社を探すポイントをご紹介します。
勤続年数が長い
会社の働きやすさを総合的に表す一つのバロメーターです。
会社情報で勤続年数が分かる場合は必ずチェックしましょう。
特に平均勤続年数が3年未満の会社は、高いノルマとハードワークが予想されます。
また、社員の年齢層が若い会社も要注意です。
ハードワーク、もしくは実際の収入が低いため、経験を積んだり家庭を持つタイミングで転職して出て行く社員が多い可能性があります。
チーム成績重視の会社
会社によって、個人成績重視の場合とチーム(営業所)成績重視の場合があります。
個人成績重視の会社の場合、営業成績によって給与や賞与にインセンティブが多く加算されます。
対してチーム成績重視の場合、チームや営業所の営業成績(個々の営業成績も加味されますが)によって評価され、チームごとに賞与にインセンティブが加算されます。
昔は個人成績を重視して高い歩合給で求人している会社が多かったですが、賃貸営業は営業スタッフのスケジュールやお客様の来店のタイミングなどスタッフ同士のフォローが必要な場面が意外に多いため、個人成績重視でお互いに売上を競っていると弊害もあります。
そのため、最近は営業所ごとにチームを組むケースに加えて、一つの営業所内でも複数のチーム制をとる会社が増えてきました。
その方がチーム内でフォローしあって仕事がスムーズに進むことはもちろんですが、営業所内の雰囲気も良くなり、社員の定着率も高くなるからです。
歩合給を目的として高収入を目指している人は別として、長く気持ち良く働きたいという人はチーム制を導入している会社がおすすめです。
不動産会社も、求人情報などでアピールポイントとしてチーム制導入と社内雰囲気が記載されていることがありますので、チェックしてみましょう。
給与の内訳が記載されている会社
営業職の場合、予め一定時間の残業代を規定して支給する、みなし残業代を導入している会社が多いです。
不動産賃貸営業もみなし残業代を支給している会社が多く、求人情報の給与額にみなし残業代を給与額に含めて記載していることが多いため、注意が必要です。
給与が多いため、そこから更に残業代がつくと思っていると、すでに残業代込みということがあります。
多くの会社はみなし残業代をその残業時間とともに表示していますが、中には金額のみ記載してある求人情報もありますので、注意しましょう。
また、通常宅地建物取引士には資格手当が1万円~3万円程度支給されますが、その記載のない企業も注意が必要です。
車両持ち込み手当の記載がある会社
賃貸営業はお客様を現地の部屋に案内しますが、その際に社用車が足りない場合は社員の自家用車を利用することが多く、最初から自家用車持ち込みありきの会社もあります。
金銭面でしっかりしている会社は、自家用車持ち込みの場合ガソリン代を支給する旨が求人情報にきちんと記載されています。
更にしっかりしている会社は、車両持ち込み手当が支給される会社があり、そういった会社は社員の負担に対する考えがしっかりしており、安心できます。
中には、自家用車にお客様を乗せることから、自動車の保険を営業用に切り替えるケースを考え、車両保険手当を支給する会社もあります。
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不動産賃貸営業の転職で注意したほうが良い3つのこと
求人情報がスカスカの会社
私も一度失敗したことがありますが、求人情報に書かれてない手当や面接時に聞かされなかった手当はつかないことが多いです。
求人情報に車両手当や歩合給の記載のない求人でしたが当然支給されると思っていたため面接時に印象が悪くなることを恐れて確認しなかったところ、ガソリン代の実費支給はありましたが車両持ち込み手当はなく、賃貸・売買共に歩合給の支給はありませんでした。
当然歩合給はなくてもノルマに対する会社からのプレッシャーはありますし、案内するほど消耗する車の維持費は自費となりましたが、確認を怠った自分の責任だと後悔したものです。
そうした際に再度転職するにも体力・時間を使いますので、皆様はくれぐれも、ご自身を守るためにもきちんと確認し、気持ち良く働き始めてください。
できれば宅地建物取引士の資格は転職前に取得
賃貸借契約を結ぶ際には、賃貸借契約における重要な事項を宅地建物取引士がお客様に対面で説明する義務があります。
これは法定の義務のため省略することができず、宅地建物取引士の有資格者に手当が支給される理由の一つになります。
不動産賃貸の営業職に転職する際は、前職の在職中にできればこの資格を取得しておくことをおすすめします。
その理由は、転職後にはこの資格の取得を求められ、手当が毎月1万円~3万円支給されることはかなり大きいからです。
また、事前に不動産に関する法的知識も身につき、日々の契約書作成に役立ちます。
契約スケジュールを組む際にも、自分が資格持ちならば自由にできますが、他の人に頼む際はその人のスケジュールも加味する必要が出ます。
なお、一定期間ごとに会社全体で賃貸借契約書のひな型の条文を改定する必要が出ますが、その際にも賃貸借契約に求められる法的な要件を理解できているとかなり便利です。
高歩合を煽る求人
不動産の営業職は、歩合給によって高収入が得られるというイメージはあると思います。
しかし、歩合給の高い仕事は当然ノルマや売上のプレッシャーも高くなります。
また、賃貸営業は1件ごとの売上額が低いため、件数をこなすか家賃の高い案件を成約していく必要があります。
そうなると決めやすい部屋や高価格帯かつ条件の良い部屋を取りあうことになり、営業所の雰囲気は悪くなり、お客様の部屋探しにも良いことはありません。
低い価格帯の部屋で歩合を稼ごうとする場合は件数をこなさなければならず、ハードワークのもととなります。
結果、体力的に無理の利く若い年齢層ばかりのギスギスした職場が出来上がってしまいます。
長くじっくり働きたいという場合は、そういった会社への転職は避けたほうが良いでしょう。
なお、将来的に不動産売買の営業職への転職を考えている場合は、営業力を磨くためにあえてそういった職場への転職も選択肢となるでしょう。
不動産賃貸営業で転職を成功させるためには何をすれば良い?
求人情報のチェックと比較
基本的に求人情報をもとに転職をすることになりますので、就職するエリアにある会社の求人情報はしっかりと収集し、チェックと比較をしましょう。
また、求人情報にはその会社の特徴が表れており、中途半端で情報量の少ないものから応募者の不安や疑問にしっかりと答える求人情報まで様々です。
そういった面からも、とりあえず頭数だけ揃えたいのか長く良好な関係で働いてくれる人を求めているのかが分かりますので、しっかりと見比べましょう。
職務経歴書はしっかりと作っておく
求人情報の給与額には幅がありますが、特にアピールや交渉をしなければ採用されてもその範囲の最低額になってしまいます。
ただし、口頭でいくら自信があります!と言っても説得力はあまりないので、職務経歴書をしっかりと作って、過去の職業経験から学んだことや持っている資格などから実力を論理的に主張しましょう。
また、不動産賃貸の営業職にはパソコンスキルが必須のため、そのスキルのアピールにもなります。
不動産賃貸営業で転職するにあたっての必要な心構え
繁忙期の休みは不定期
不動産賃貸営業は、春や秋の繁忙期に、一年の売上の内のかなりの割合を稼ぎます。
そのためその時期は、通常休みの水曜日も休日返上でお客様を案内することがあります。
また、平日も日中はずっと外回りで案内をし、閉店後に契約書その他の書類作成を行うため、退社時間が連日深夜に及ぶこともあります。
特に、都市部ではその傾向が顕著でしょう。
その代わり繁忙期明けの賞与には、その売上に応じたインセンティブが加算されますので頑張りましょう。
ノルマはなくても売り上げ目標はある
不動産会社はノルマが厳しいというイメージから、求人情報でノルマなしという記載のある会社をよく見かけます。
しかし、仲介手数料は部屋の賃貸借契約が成立して支払われる成果報酬であり、継続して成約し続けなければ会社の収入がなくなることから、売り上げ目標は必ずあります。
そのため、ノルマがないと謳っている会社でも売上に対するプレッシャーはなくなることはありません。
ただし、営業スタッフ個人のノルマ制を廃止している会社はありますので、頑張るつもりだけどノルマに追われたくないという人は、そういった会社への転職を目指すと良いでしょう。
パソコンスキルは必須
求人情報で「必要なスキルなし」「未経験者応募可」という求人を見かけますが、近年の不動産会社はパソコンを使ってのWEBサイトでの集客、契約書など書類の作成は当然となっています。
そのため、最低限のパソコンスキルは必須となります。
また会社によっては、契約書をWordやExcelを使わず専用のシステムを使って出力しますが、お客様とのその他の書類のやり取りの際は文章作成に使いますので、やはりWord・Excelは最低限使えたほうが良いでしょう。
なお、キーボードの入力に不安のある方は、タイピングソフトなどで練習して感覚を思い出しておくと良いでしょう。
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不動産賃貸営業の転職で年収を上げるためにやるべきこととは?
宅地建物取引士の資格取得
宅地建物取引士の資格は資格手当がつき、毎月の給与に加算されますので転職前に取っておいたほうが良いです。
また、契約時にも有資格者が必要となりますので、取得しておくと仕事にも役立ちます。
みなし残業代などの手当てをしっかりと確認する
賃貸営業には、みなし残業代、車両持ち込み手当、歩合給、資格手当など複数の手当があります。
しかし、「給与の内訳が記載されている会社」という項目でも説明しましたが、それらの手当が給与額に含まれていることもあり、入社後に思った以上に基本給が低かったということもあります。
特に地方の不動産会社は基本給が低くなりがちなため、注意が必要です。
おおよそでも良いので、基本給の額と実際の総支給額を把握しておきましょう。
なお、求人情報の給与項目に〇〇~△△円と幅のある金額が記載されている場合がありますが、営業や不動産業界での経験があっても、面接時に交渉しなければ試用期間や働き始めは基本的にその低い側(〇〇円)の金額になることが多いです。
もし最低限譲れない金額がある場合は、面接時にしっかりと交渉しましょう。
自分に合った不動産賃貸営業の求人の選び方や注意点
人によって希望の働き方は様々です。
雇用形態や業種などを見比べて、自分に合った働き方を見つけてみましょう。
雇用形態から探す
月給制の①正社員・契約社員と、時間給制の②アルバイト・パート・派遣があります。
②のアルバイトなどは営業アシスタント(営業事務)の求人が多く、社員登用制度のある会社も多いです。
営業や不動産業界が未経験で不安という人や、時間に制約があるという人は、不動産アシスタントから始めてみるのも良いかもしれません。
給与や雇用条件から考える
経験者優遇の求人は多く、実務経験が条件になっている場合給与は高めに設定されています。
未経験者でも応募可能な求人も多いですが、その場合は〇〇~△△円と記載されている給与の低い側(〇〇円)の金額になる可能性が高いです。
エリアから考える
都市部と地方では、お客様の人数や家賃の価格帯の違いから、固定給部分に2万円~3万円程度の差があります。
なお地方の賃貸営業の場合、不動産の管理業務も兼任することがあります。
よくある転職理由
不動産賃貸営業に転職する人は、どのような理由からされるのでしょうか。
カウンターセールス
営業職の中には飛込営業の仕事が多くあります。
その点不動産賃貸の営業は基本的に反響営業で、お客様からの問い合わせや来店に対して対応する形となるため、押し付けるタイプの営業が合わない人はそういった点に魅かれるようです。
また、取り扱う商品の性質上、売上のために自分で商品を購入する自爆営業がないというのも魅力の一つです。
高収入を得るため
固定給の部分は他の職とそれほど差はありませんが、歩合給の部分で高所得を目指せるため転職するという人がいます。
求人情報に記載されている収入例の額まで稼げる人はごく一部ですが、営業力次第ではより稼げることもあります。
ただし、体力的にも精神的にもかなりハードになるとの覚悟は必要です。
他の不動産営業職へのステップアップを見据えて
不動産売買の営業職や独立を見据えて転職するケースもあります。
不動産売買の営業職には営業力の他に幅広い不動産知識が求められますが、実力があれば高収入が可能です。
また、賃貸・売買を経験した先には独立も見えてきます。
まとめ
以上、不動産賃貸の営業職について、転職する際の注意点やポイント、心構えなどを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
ハードワークと言われる不動産賃貸の営業職ですが、不動産知識を学び、営業力を身につけられる仕事でもあります。
また、営業や不動産業界未経験者でも広く募集しており、学ぶ意欲さえあれば比較的就職しやすい面もあります。
これから不動産業界で働いてみたいという人は、不動産賃貸の営業職についてチェックしてみてはいかがでしょうか。