2021年8月16日

医療業界には「MR」という仕事があります。

これはMedical Representativesの訳で、日本語の直訳は「医薬情報担当者」です。

簡単に言うと製薬会社の営業マンです。

よく、医療機器営業とMRの違いが分からないと言われますが、大きく異なる点は二つあります。

一つは、営業しているものが「機器」か「薬」かの違いです。

もう一つ、医療機器営業職は公的な資格がなくても就ける仕事ですが、MRはMR認定資格がないと病院での営業ができません。

しかし近年、医療機器営業職にも変化が現れています。

MRと同じように資格取得者(医療機器情報コミュ二ケータMDIC)のみが営業を行うという形の企業が増えています。

もしかしたら、医療機器営業職に簡単に就けるのは今がチャンスかもしれません。

この記事では、医療機器営業求人について紹介していきたいと思います。

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医療機器営業求人にはどんな仕事があるの?

医療機器営業は、「キツい」イメージがあります。

これは、扱っている製品によっても大きく異なります。

医療機器業界は高齢化に伴い新規参入が活発化し、営業職の採用も活発化しています。

「医療機器業界での経験は問わない」という企業も増加傾向にあるようです。

ルート・エリア営業

担当ルート・エリアの大学病院、病院、クリニックへの定期的な提案と納品です。

医療スタッフのもとに通い、日々の医療系業務にまつわる様々な相談や要望を伺い応えていきます。

また、新しい機器の導入や既存の機器との交換などを提案します。

手術立ち会い

製品が安全に且つ適正に使用されるためのサポートをします。

時には、緊急手術などで電話が入り出向くこともあります。

製品の説明会/セミナーの開催

自社製品の情報提供や使用方法についてのデモンストレーションを目的とした説明会を行います。

2018年から医療機器・設備/病院運営支援/医療ITのEXPOが始まり、幕張で開催されています。

EXPOを開催するくらい医療業界が注目・拡大している業界だということですね。

マーケティング

海外を視野に入れている企業は、国内外の市場動向調査、学術情報収集、グローバルマーケティングなどの仕事があります。

また、国内外の学会対応や市販後調査なども業務に含まれます。

修理、売上金の回収

お客様に電話などで入金確認をしたり集金を行うといった業務もあり、営業職が簡単な修理をすることもあります。

医療機器営業求人でよくある募集内容とは?  

医療機器営業職にはこれといった資格も経歴も求められませんが、覚える内容や勉強しなければならないことは山ほどあります。

しかし、このスキルは一生ものとなります。

業界内で転職を繰り返しキャリアを上げていった同僚も数多くいます。

給与相場

年収相場は400万円〜550万円ほど。

外資系はインセンティブ(歩合制)を設けている所が多く、自分の実力を試したい人は外資系が大変魅力的です。

しっかり経験を積んでいくことで年収1000万円以上になることも可能な業界です。

勤務時間や休日、残業

完全週休二日(土日)慶弔休暇、年始年末、GW、夏季休暇、育児・介護休暇

年間120日

残業に関しての記載をしている企業は少ないようです。

理由は、仕事内容にもよりますが手術が入った場合に医師とのアポイントが予定通りにいかないなど時間が読めない仕事だからでしょう。

また外資系と日系でも大きく変わり、外資系企業の多くは直行直帰の勤務形態を採用していますが、日系は事務所に出社してから社有車で営業するパターンがほとんどです。

待遇/福利厚生

交通費全支給、住宅・資格手当、単身赴任手当、各種社会保険完備、厚生年金、退職金制度、育児・介護休業制度などです。

求められる人物像

コミュニケーション力

医師や看護婦、病院経営者、事務長、医療従事者と対等に、尚且つ信頼してもらえるようなコミュニケーション能力が求められます。

新人の頃は、先生に会ってもらうことすらなかなかできません。

しかし、謙虚に通い続けることで顔を覚えてもらい、コミュニケーションを取っていきます。

そのため、根気と忍耐も求められます。

高い使命感

医療機器は、患者さんの治療に直接繋がります。

それを踏まえた上で高い使命感と緊張感を常に持ちながら業務にあたることができる人物が求められます。

提案力

営業職は常にアイデアと工夫を費やし、独創的に提案できる能力が求められます。

初めの頃は先輩について学び、真似をしながら営業していきます。

近年は競合が非常に多く、いかに自社の製品が優れていて、どれだけ貢献できるのかを独自の言葉で伝えなければなりません。

伝え方や提案力が非常に求めらます。

探究心

近年、医療業界はめまぐるしい発展を遂げており、常に勉強し新しいことへ高いアンテナを立てていることがとても大切です。

そのため、知識習得などに努力を惜しまない人が求められます。

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医療機器営業のおすすめ求人のポイント

医療機器の種類だけでも4,000を越えると言われています。

そして、その数以上に会社があり細分化されていますから、ポイントを絞り自分に合った求人を明確に探すことが大切です。

給与形態

一般に医療機器営業職の給与は高いと言われています。

医療機器業界に転職してくる人の大半の理由がここでしょう。

おすすめなのはインセンティブ(歩合制)をとっている会社を選ぶことです。

実際に筆者もそうでしたが、モチベーションが上がります。

新人の頃はなかなか数字が付かず、インセンティブはキツいですが、ほとんどの会社は固定給+インセンティブなので生活はできます。

筆者は、稼げると言えるようになるまで2年かかりました。

これを早いか遅いかで言うと早い方だと思います。

転職組でなく全くの未経験から始めた人は、稼げるようになるまで3年と言われています。

稼ぎ出したら、スキルを向上していくことで給与も更に上がっていく、大変面白い業界だと思います。

外資系が狙い目

世界でもトップクラスの売上高を誇る医療機器メーカーの求人が、最近よく掲載されます。

しかも「業界での経験は問わない」企業が多いようです。

そのため入社後の研修期間が3ヶ月から半年と一般企業より長く、徹底して学びます。

外資系の良いところは、様々な面でフレキシブルで、出社も会社に行かず直行直帰をとっています。

また、スキルや英語力にもよりますが海外出張や学会への出席のチャンスもあります。

ディーラーよりもメーカー

ディーラーで働く場合は、様々なメーカーの製品を取り扱います。

そのため、学ぶ量が多い割に専門的な知識は身につきにくいのが現状です。

それに比べメーカーは自社製品にのみ力を尽くせるのでキャリアを構築することが可能で、転職の際にも有利となります。

医療機器メーカーの仕事を探すときは、こちらの記事を参考に!

医療機器営業の仕事についてよくある疑問

私は、20代前半で医療機器メーカーの営業職に就きました。

体力もありましたし無我夢中といったこともあり、辛いと感じたことはあまりありませんでしたが、悔しさのあまり涙を流すことはありました。

営業職という仕事なので、受注が取れなかった時や同僚に抜かされた時などに悔しさを感じました。

また逆に大型の契約が取れた時には、小さな積み重ねが実を結んだと涙を流して喜ぶことも。

様々な噂によって医療機器業界が誤解されていることがあるので、以下でその疑問、誤解にお答えします。

ノルマはあるの?

企業の大きさによりますが、大手になればなるほどあります。

その理由は株主への成長説明を裏付けるためです。

ノルマがあることで目標達成意識を高め、業績を上げていくといった考え方です。

また、中小企業でもノルマが設けられている場合があります。

こういう場合の注意点は、経営者のワンマンぶりです。

経営者のホームページなどのコメントや実際に働いている社員の表情などを見て判断すると良いでしょう。

ノルマがキツい会社は、社員の顔にもしっかり出ています。

とは言え筆者の経験上では、ノルマを課している所はごく一部に過ぎません。

女性はできる?

もちろんできますが、まだまだ男性社会なのも事実。

他社の営業マンに病院で出会っても、そのほとんどが男性です。

またお医者さんも男性が圧倒的に多いので、女性が活躍するためには男性と違った提案力やコミュニケーションの取り方を意識することをおすすめします。

稀に誤解されている方もいるので一応言及しておきますが、枕営業といったものを強要されることは一切ありません。

激務?

これも会社によって異なります。

扱っている商品がICUや救急で使われている製品ともなれば、時間に関係なく呼ばれることもあります。

また、外資系の日本法人ができたばかりで支店がない場合などは東京から名古屋や大阪などに車で届けることもありますし、5時間から10時間の手術に立ち会うこともあります。

製品によって働き方が全く異なるのがこの業界の特徴です。

大型の製品を扱っている会社は製品自体が億を越えるので、年に1台から数台程度しか売れません。

そのため、こういう会社の営業は製品の説明会や学会への参加といった根回し的な活動が多くなるケースもあります。

激務と感じるのは、覚えること、学ぶことが膨大にある新人の頃でしょう。

しかし、こう感じるのはこの業界だけに限ったことではありませんし、慣れるまでの辛抱だと思います。

この業界の良いところは、一度身につけたスキルはずっと使えるので長く勤めれば勤めるほど楽になるという点です。

医療知識はどこまで必要?

会社によりますが、医療従事の経験がある人を募集しているケースも多いようです。

最低限の知識と病院内でのやり取りが分かるような即戦力となる人物を求めている場合です。

しかし「経験不問」で入社した場合は医療知識は全くありません。

そのため、必ず会社での研修があります。

医療知識は営業しながら覚えることができますし、自分の向上心次第でいくらでも身につきます。

経験不問で人材を求めている会社は医療知識が高い人材が欲しいのではなく、他社との競合が激しい業界が故にコミュニケーション能力が高い人材を求めているのです。

離職率が高い理由は?

就職活動をしていた大学時代、離職率の高い職種や会社は避けたほうが良いと言われたことがありました。

理由としては、離職率が高い=給与が安い、休みがない、残業が多い、仕事内容がとにかくキツい、募集内容が実際と違うなどでした。

医療機器営業職も離職率が高い業種です。

理由は大きく二つあります。

一つは上記に述べたように「キツい」の一言に尽きると思います。

もう一つはキャリアアップのための転職です。

一生同じメーカーで働くよりも条件の良いほうへと転職していくのは普通だからです。

つまり、ネガティブな転職もポジティブな転職も両方あります。

割合で言ったら、実際にデーターがあるわけではありませんがネガティブ6:ポジティブ4ではないでしょうか。

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まとめ

筆者は女性なので、多くの女性にもっと医療機器業界を知ってもらい、そして働いてもらいたいと思います。

理由は簡単で、女性が少ない職種なので活躍できるチャンスが広がるからです。

もちろん男性と同じ土俵で働くので、体力的な問題や女性への偏見に悩まされることもあります。

しかし営業という職種は、コミュニケーション能力が長けていれば性別で判断されない職業です。

医療業界は今後も拡大し、企業数は増加の一途を辿っています。

2030年には医療費が60兆円を越えると試算されている我が国では衰退しない業界と言えるでしょう。

今も最新医療がどんどん増えており、注目されているのは人工知能を使った様々な技術です。

実際に人工知能が手術を行えるよう、研究と実験と準備が進んでいます。

今後、IT産業もどんどん参入してきます。

これからもっと面白くなる、稼げる、世界に展開できるチャンスがあります。

冒頭にも述べた通り、今が医療機器営業職へ就くチャンスかもしれません。



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