介護士として転職したい!転職した方が良い6個のケースと、転職活動で気を付けた方が良いこととは?
介護士は給料が低いと言われています。
給料が低いという理由から、敬遠されることも少なくありません。
私自身沢山の介護の仕事を経験してきました。
正職員、パート、派遣、そしてその時の職種や施設形態、年収をご説明します。
また、それらの経験から得た転職術もお伝えできればと思います。
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目次
閉じる私はこんな介護職の経験をしてきました
まずは、簡単に私の経歴をご説明します。
22歳~25歳:介護老人保健施設の介護士(正職員)
25歳~26歳:特別養護老人ホームの介護士(フルタイムパート)
27歳~30歳:デイサービスの介護士(フルタイムパート・派遣社員)
30歳~32歳:グループホームのケアマネージャー(派遣社員)有料老人ホームのケアマネージャー(パート)この二つは掛け持ちです。
32歳~現在:居宅介護支援事業所のケアマネージャー(フルタイムパート)合間に少し掛け持ちしています
34歳~35歳:訪問介護事業所のサービス提供責任者(正職員)
このようになっております。
老人保健施設(介護士)の年収相場って?
私の働いていた老人保健施設は介護士のパート雇用がなく、全員が正職員でした。
脳外科の医療法人が主体です。
年収330万円~360万円程が相場でした。
後に詳しくお話します。
どんな仕事なの?
老人保健施設は、病気や怪我でADLが低下し在宅復帰が難しい方がリハビリ目的で入所される施設です。
多くの方が病院や他の施設からの入所で、基本的には終身目的ではなくADLが向上すれば在宅に戻ることとされていますので、入所・退所が頻繁にあり、それに伴う業務も沢山あります。
ショートステイもありますので、ほぼ毎日誰かが入退所していました。
仕事内容は入所者の排泄、入浴、食事など身体介護介助全般を行います。
早出、遅出、日勤、夜勤の勤務体制の所が殆どです。
勿論、お盆もお正月も誰かが必ず出勤しなくてはいけません。
年収の相場は?
月給の額面が20万円前後に加え賞与が支給され、年収300万円~350万円程が相場です。
これに関しては夜勤手当で大きく変わってきます。
私が働いていた所は医療法人だったのか賞与が年三回あり、当時夜勤が月に五回で年収330万円でした。
その頃の保有資格はヘルパー2級のみ。
3年半働きましたが、昇給は全くなかったです。
給与を上げるための転職術とは?
老人保健施設に限らず施設系の給与を左右するのは、夜勤手当の額とその回数です。
この時の夜勤手当は5,000円でした。
その後働いた施設の中では一番高かったです。
また、ここでは希望した分だけ夜勤に入ることができたので、その分しっかり給与に反映されました。
転職する際は、夜勤手当の額と夜勤の回数を増やすことができるのか確認しておきましょう。
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特別養護老人ホーム(介護士)の年収相場って?
私はフルタイムパートとして働いていましたが、給料は低かったです。
正職員と同じ仕事をしていましたが、年収に大きな差がありました。
後に詳しく説明します。
どんな仕事なの?
要介護度の高い終身介護希望の方が入所される施設なので、施設系の仕事の中でも重労働な身体介護が多いです。
食事、排泄、入浴等全ての介助を行います。
また、特別養護老人ホームの場合は夜間は看護師がいないことが多いので、然るべき資格を取得した介護福祉士が経管栄養などを行うこともあります。
終身介護の施設なので、ターミナルケアを行っている所も増えてきました。
ターミナルケアの介護は、介護士としての仕事のほかに医療的な知識も必要になります。
年収の相場は?
私は時給900円で1日8時間、22日働いていたので月約16万円、そこに夜勤5回分の手当が加わり月18万円程でした。
ちなみにこの施設での夜勤手当は4,000円でした。
パートで賞与もなかったので、年収としては210万円強でした。
この年収は相場よりかなり低いと思いますが、パート勤務であれば多くても年収250万円程ではないでしょうか。
正職員の場合は老人保健施設と変わらず、年収350万円前後が相場かと思います。
給与を上げるための転職術とは?
特別養護老人ホームの場合も、一番確実なのは夜勤手当の額が高くて回数が多い職場を選ぶことです。
夜勤が難しいようであればすぐに給料を上げることはできないので、介護福祉士など上級資格を取得することで可能になります。
施設であれば介護福祉士は優遇されます。
実務経験を積み試験に合格してケアマネージャーを取得すれば、更に資格手当が増えることが多いです。
正職員で働くことが難しい場合は、パートとして働くより派遣社員として働く方が時給は高くなることが多いです。
施設での派遣の求人は沢山あるので、そこから選ぶのも良いでしょう。
派遣先によっては、正職員よりも年収が高くなることもあるようです。
デイサービス(介護士)の年収相場って?
デイサービスは、介護職の中でも年収が少ない方かもしれません。
デイサービスは日勤帯のみの営業であることから夜勤手当等がつかないので、収入は施設系より低くなるようです。
詳しくは後ほどご説明します。
どんな仕事なの?
私が働いていたのはデイサービスです。
似たような形態のサービスにデイケアがあります。
デイケアはリハビリを中心にサービスを提供するのですが、介護士はリハビリ以外の支援を行うためデイサービスの仕事内容とほぼ変わりがありません。
朝自宅に車で迎えに行き、施設に着いてからバイタル測定等を行います。
入浴介助やレクリエーション、トイレ誘導や食事の介助等が主な仕事です。
帰宅時間が来れば、また自宅へ送り届けます。
午前の部、午後の部に分かれた半日リハビリデイサービスも増えてきており、この場合は入浴や食事はなく、マシントレーニングの補助等を行います。
施設に比べてサービス業の色合いが濃く、単なる介護というよりもおもてなしをする仕事という印象もあります。
年収の相場は?
ここでも私はフルタイムのパートでしたが、時給はとても低かったです。
最低時給賃金より少し高いという程度でした。
デイサービスのパートの募集は沢山ありますが、大体が同じようなものです。
1日7時間半で週5日働いていましたが額面で月14万円程だったので、年収では170万円前後でした。
パートで働いている方は、扶養内で週3日程度の人が多かったです。
正職員は月給が20万円~23万円で、年収は300万円~350万円でした。
給与を上げるための転職術とは?
私が働いていたデイサービスは、規模が大きい社会福祉法人の経営で賞与が年3回ありました。
また施設と併設のデイサービスだったので正職員は当直業務があり、その分の手当もついて、定期的に昇給もある事業所でした。
比較的年収は恵まれており、勤続年数に応じての年収アップも見込めました。
他の単独のデイサービスで働いている知人は管理者の立場でも月給は25万円固定で賞与なしですので、年収にすると大きく開きが出てきます。
転職する際には仕事はキツいかもしれませんが、年収を上げるには併設施設の当直や宿直ができた方が給料は上がります。
また、施設と同じくデイサービスもパートで働くより派遣の方が時給は高いです。
私は同じデイサービスで派遣から直接雇用のパートになりましたが、時給は300円程下がりました。
訪問介護(サービス提供責任者)の年収相場って?
私は役職の付いたサービス提供責任者でしたが、常勤ヘルパーや登録ヘルパーの年収についてもご説明します。
私自身が働いていた事業所はかなり年収が低かったので、一般的な相場もお話できればと思います。
どんな仕事なの?
訪問介護は、ヘルパーが利用者宅を訪問し生活援助である家事や身体介護と呼ばれる身体の介助を行います。
サービス提供責任者は、ヘルパーの指導や管理、サービスの調整、ケアマネージャーや他事業所との連携、利用者の把握や相談援助等を行う訪問介護の要です。
書類の作成や請求業務も沢山あるのですが、現場の人手が足りなければサービスにも行きます。
実際のところは実務に追われて本来の業務がなかなか行えないほど忙しい役職です。
やりがいはとてもあるので、長く続けている人も多い仕事です。
年収の相場は?
常勤のヘルパーの場合は月給17万円~20万円程で、賞与を入れて250万円前後が年収相場かと思います。
登録ヘルパーの場合は年収はその人の働き方によりますが、時給は身体介護で1,600円前後、生活援助で1,200円前後です。
サービス提供責任者は月給20万円~25万円、賞与を入れて年収300万円程度が多いです。
この職種に関しては、介護福祉士や実務者研修を修了している等の資格が必要なので、比較的給料は高く勤続年数や施設によっては上記の額以上の年収は充分に見込めます。
給与を上げるための転職術とは?
サービス提供責任者が給与のベースアップを図るために転職する場合は、手当が充実していて元々の給与ベースが高い所を選ぶことです。
私が働いていた事業所は、家族経営の小規模の訪問介護事業所で融通は利いたのですが、とにかく給与水準は低く月給は20万円で固定でした。
これはかなり低いのではないかなと思います。
賞与もなく、有給休暇も使えず、休日出勤もありました。
また事業所加算にも注目です。
訪問介護の処遇改善加算はかなり高く設定されています。
大きな事業所でしたらきちんと給与に反映されることが多いので、その辺りも調べておきましょう。
特定事業所加算を取得していたり地域加算の高い都会でしたら、給与が元々高く設定されていることが多いです。
ケアマネージャーの年収相場って?
今回は介護士の年収の説明ではありますが、参考程度にケアマネージャーの年収や仕事内容も知っていただけたらと思います。
昔は高給取りのイメージがあったケアマネージャーですが、現在はそんなことはありません。
しかし介護業界の中では比較的高給であるので、目指す価値はあると思います。
どんな仕事なの?
施設ケアマネージャーは施設に入居している方の施設ケアプランを作成します。
ただし、実際はケアマネ業務よりも現場の介護を手伝うことが多いようです。
勤務先は私が働いていた介護付き有料老人ホームやグループホームの他、特別養護老人ホームなどがあります。
居宅ケアマネージャーは居宅介護支援事業所に在籍し、在宅生活を送る方のケアプランを作成し生活全般をサポートします。
こちらは介護保険の知識をきちんと持っていないと難しい仕事です。
年収の相場は?
私は現在居宅のケアマネでフルタイムのパートですが、時給は1,500円です。
施設ケアマネ時代は派遣とパートで働いていましたが、どちらも時給は1,400円でした。
大体時給相場は1,200円~1,500円程度なので、年収では240万円程になります。
正職員で施設ケアマネの方が月18万円~23万円、居宅で月20万円~25万円程の所が多く、年収は360万円~400万円程度が多いようです。
給与を上げるための転職術とは?
ケアマネージャーとして働いている段階で経験も資格も充分ありますので、こちらも元の給与が高い所を探すしかないのですが、ケアマネージャーに関してはそれほど給与面に差はないと思います。
給与を上げるには、ケアマネージャーで5年実務経験を積んで主任ケアマネを取得する、これが一番確実です。
この資格を取得すれば、年収は400万円を越えることが多いでしょう。
まとめ
各事業形態の職種によっての年収をまとめました。
お気付きでしょうか。
私自身実は少しづつステップアップをして、給与はどんどん上がっていっています。
介護士の仕事は確かに給与は高くありませんが、経験を積めば積む程取得できる資格が増え、資格が増えれば仕事も選べ、幅が広がります。
誰でも年収増が見込める仕事だと思っています。
私は未経験のヘルパー2級で介護業界に飛び込みました。
3年働けば、介護福祉士の試験を受験することができます。
更に5年働けば、ケアマネージャーの受験資格が得られます。
そしてその後更に5年頑張ることによって、主任ケアマネを受講する資格が取得できます。
時間はかかりますが、仕事をしながら経験を積み努力すれば、確実に資格が取得できます。
その都度年収アップができる夢のある業界だと思っています。
給与を上げるには、資格は沢山あったほうが良いです。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。
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