2021年2月28日

昔から貿易が盛んに行われている日本は、現在世界で4番目に位置している貿易大国です。

コンビニやスーパーだけでなく、街中の至る所に貿易により仕入れられた商品や食品が溢れています。

今や貿易なしでは日本の経済も食卓も成り立たなくなっています。

その貿易を担うのが貿易会社であり、フロントラインで仕事をしているのが貿易営業です。

日本の製品を海外市場へ流通させたり、逆に海外の人気商品や定番商品などを日本のマーケットに仕掛けたりする役割を担います。

専門知識や外国に対しての文化・習慣・宗教などの理解を持って仕事に取り組む必要のある、やりがいも面白みも大きい仕事です。

その貿易営業と聞くと、未経験者にはハードルが非常に高いイメージがあります。

今回は、未経験者であっても貿易営業の仕事に就くことができるのかどうか、未経験者が貿易営業の仕事をするにあたっての注意点などを紹介していきます。

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貿易営業って未経験でもできるの?

貿易営業は、未経験者でもできるのでしょうか?

答えは、イエスです。

もちろん即戦力として活躍することはできませんので最初は色々と覚えることも多いですし、専門用語に振り回されます。

ただ、コツコツとこなしていけば決して覚えられないわけでもありませんし、できない仕事というわけではありません。

そのため、未経験者であっても貿易営業の仕事に就くことは可能です。

未経験で始める上で注意すべきこと、事前に知っておくべきこととは?

貿易の営業は未経験者であっても始めることができます。

ただ貿易営業は、専門知識が必要であったり覚えることが沢山あります。

未経験者だからと言って甘えていては、いつまで経っても仕事が覚えられません。

ここでは、未経験者が貿易営業をするにあたっての注意点や、事前にやっておくべきことを紹介します。

最低限の専門用語は覚えておく

未経験者なので分からないことは当然ですが、最低限の専門知識は覚えておく必要あります。

未経験者として貿易の営業職に応募し採用されたからそれで終わりではなく、少しでも早く独り立ちさせてもらえるように、予め基本となる専門用語、貿易条件やインコタームズなどを覚えておく必要はあります。

実際に仕事を始める前にこういった貿易用語や専門知識を頭にインプットするだけでも、仕事が始まってからの理解度が大きく変わってきます。

未経験者だから会社のトレーニングなどで覚えてから仕事に従事すればいいやではなく、予め自ら覚える姿勢が大切です。

国内ではなく対海外であることを認識

国内の常識は通用しないということを理解しましょう。

貿易営業は、輸出であれ輸入であれ対海外の仕事になります。

そのため、今まで日本国内でしか仕事をしたことがない人からすると日本国内のビジネスの常識を当てはめがちですが、今まで経験したり培った日本のビジネスの常識は常に海外のビジネスの常識ではないことを認識しておく必要があります。

分からないことは分かるまでしっかりと確認する

専門性の高い知識や用語の多い貿易の仕事では、分からないことに直面することがしばしばあります。

社内で言われた用語が分からなかったり、お客様の話していることが分からなかったりします。

それを分からないまま勘や何となくで仕事をしてしまうケースがありますが、それは後々の大きな事故に繋がるため、分からないことはその場で分かるまでしっかりと確認するようにしましょう。

特に未経験の場合は、後で訊けばいいやと思って忘れていたり、分からないから誰かにやってもらおうと考えて結局やるのを忘れたりなんてことにならないように、分からないことはその場で解決する必要があります。

日本では起こり得ないことが起こってもパニックにならない

貿易営業は対海外の仕事なので、日本では考えられないことが起こります。

例えば商品を輸入する際、決めた納期に間に合わないどころか、まだ海外の仕入先が商品を送っていなかったなんてことはよくあります。

その度にパニックになってイライラしてしまっては、仕事が務まりません。

そういったケースは周りでもよくあることなので、もし遭遇してもパニックになるのではなく、周りの先輩や上司に相談して的確に処理をするように落ち着いて仕事をこなしましょう。

相手とのコミュニケーションはしっかりとする

日本語でも誤解があったり認識が違っていたりすることがあるように、外国語だと更にそういったことに対しての注意が必要です。

日本語のように相手の意思を汲み取って理解しようとする文化は少なく、発言もダイレクトですが、微妙なニュアンスが違っていたためにこちらの意図が伝わらなかったケースや、相手の意図が理解できなかったけど勢いに気押され何となく話を終わらせてしまったなどというケースがありますが、これは仕事のミスに繋がりかねないので、相手とのコミュニケーションはしっかりととるようにしましょう。

電話で話していて分からないのであれば、後からメールなどで「先程の内容はこれで合っていますか?」などと訊くことも良いでしょう。

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貿易営業でよくある募集内容とは?

貿易営業が募集に出ていると、どんな内容があるのか興味を持つ人も多いかと思います。

ここでは、貿易営業でよくある募集内容について、幾つかのポイントで紹介していきます。

給与相場

年収には幅がありますが、大体300万円〜700万円が多いところです。

もちろん、新卒や中途採用など採用される条件によって異なってきます。

勤務時間や休日、残業

大体のところは土日祝が休みでカレンダー通りに仕事をするところが多いです。

勤務時間も9:00〜18:00が一般的です。

残業は抱える仕事によってまちまちといったところです。

ただ、ここ最近、会社によってはフレックスタイムや在宅勤務を許可していたり働く時間が変わってきています。

特に営業の場合は、基本時間はあるものの直接お客様とやり取りするため、会社によらず直行直帰をしていたり海外とのやりとりで夜遅くまで働いていたりしますので、9:00〜18:00のケースは少なくなってきています。

福利厚生

福利厚生は、他の仕事と変わらず会社によって異なります。

一般的に保険や年金関係、交通費などがあります。

他には住宅費が一部負担してもらえたり、資格取得奨励制度を設けて資格取得を会社がサポートしてくれたり、会社が法人契約している施設などを安く利用できたりするところもあります。

勤務場所

今まではオフィスが一般的でしたが、最近は直行直帰であったり在宅勤務を奨励しているところも少なくないので、勤務場所は様々です。

求められる人物像

求められる人物像としては、やはり営業職なのでコミュニケーション能力が高かったり人あたりが良いなど、様々なことを積極的に学ぶ姿勢があったりすることは職場に歓迎されます。

未経験でも貿易営業の仕事に就く方法とは?

貿易営業の仕事であれ、営業の仕事の場合、必要とされる人材、欲してもらえる人材は、どのような経験を持ってこの会社にどう貢献してくれるかを面接官にイメージさせることができるかどうかです。

貿易営業は、貿易と言えど営業職です。

数字が物を言う世界なので数字に弱くて話になりませんし、面接の時点で候補から外される可能性があります。

ここでは、どういうポイントを押さえておけば未経験者であっても貿易営業の仕事に就けるかについて、ポイントを三つにまとめて紹介します。

現職での仕事で成し得たことをアピール

現職が営業の仕事や販売の仕事などであれば、現在の仕事での成果をアピールすることが大切です。

例えば、メーカーの営業職をしていてノルマに対して10%上乗せした数字を達成しましたとか、社内のこういったコストを削減することで会社の効率を5%アップさせたなどです。

販売の場合は、化粧品の店頭販売をしていて前年より20%売上を伸ばしました!など、具体的にどういったことをしてどういう成果を出すことができたかをアピールするのがポイントです。

そうすることで、貿易営業に就いた際には会社の売上げや成長に貢献することができるといったイメージを面接官に抱かせることができます。

TOEICなどの成績を証明

貿易営業の仕事は対海外なので、外国語のスキルがあることは何もないより有利になります。

昨今は、特に英語や中国語ができると採用の可能性が上がります。

ただ、だからと言って履歴書にできます、やれますと書いただけでは信憑性がありません。

そのため実績を証明するのに、TOEICなどの資格試験で得た結果や成績を証明することがポイントになります。

スポーツなどで一つのことを突き詰めた経験があることをアピール

貿易営業も営業職なので、会社の売上や利益目標を上げるために貢献することが最終的な役割になります。

そのため、営業職の経験や販売の経験がない場合は、スポーツなどで何か一つのことにじっくり取り組んだり突き詰めたりした経験があればアピールポイントになります。

その際に注意が必要なのは、ただやりましたではなく、どういったところをどういう風に突き詰めたのか、どういう風に工夫したのかなどを具体的に話せるようにすることです。

貿易営業についてよくある疑問

ここまで貿易営業について話をしてきました。

実際に興味を持って応募してみようと思ったり、元々興味があったからチャレンジしてみたいと思う人もいると思います。

せっかくなので、貿易営業についてよくある質問を紹介しようと思います。

いくつかのよくある質問や疑問をまとめてみました。

参考にしてみて下さい。

外国語は必須ですか?

外国語ができたら有利ですが、必須というわけではありません。

実際に留学や海外生活がない方も、入社してから頑張って英語を覚えたとか、英語は話せたけど中国語ができない…しかし担当は中国だから中国語を頑張って覚えた人などいますので、本人の努力次第というところもあります。

貿易の知識がないですが貿易の仕事に就けますか?

貿易の知識もあれば即戦力として重宝されます。

ただ、これも貿易の知識がないと絶対ダメなのか?というとそういうわけではありません。

入社してから順次身につけていっても問題ありません。

欧米との取引は時差があるのですが業務も昼夜逆転ですか?

これは会社によります。

欧米の時間帯に合わせて夜勤務になる会社と、時差は無視して日本のビジネスアワーで勤務できる会社があります。

電話などをどうしてもしないと話が進まない場合は自分で調整したり、残業して対応したりフレキシブルに仕事をしても良いところもあります。

海外出張は頻繁にありますか?

海外出張の頻度は、会社によりまちまちです。

頻繁にある会社もありますし、全くない会社もあります。

これも会社によります。

海外出張に頻繁に行きたい場合は、募集内容の中に海外出張ありとか海外出張年4回などの記載があるので、会社へ確認してから応募した方が良いかもしれません。

求人へ応募する前に必要なスキルや知識はありますか?

求人へ応募する前に必要なスキルや知識はありません。

自主的に入社までにやっておけば良いこと、身につけておくとその後の仕事がスムーズにしやすくなるのは、貿易の知識であったり外国語です。

身につけておくと役立つ知識はなんですか?

身につけておくと役立つ知識は、貿易の専門用語です。

貿易の専門用語は、覚えるのに意外と苦戦する場合があります。

例えば、貿易のインコタームズと呼ばれるものには、FOBはFree on Boardの略で、CIFはCost Insurance Freightの略などがあります。

これらを先に覚えておくと便利です。

ただ必須ではないので、絶対に覚えなければならないというわけではありません。

まとめ

貿易の仕事は意外と未経験者でもチャレンジが可能ですし、実際の貿易現場も未経験者から頑張っている人も多くいます。

貿易に興味を持ったのなら、未経験者ということを恐れずにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

この記事が、貿易未経験者でも貿易の業界にチャレンジしたいという気持ちを後押しできたなら嬉しく思います。

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