コピーライターという職業を聞いたことはありますか?

簡単に言うと、広告物に掲載する文言を考えて書く仕事なのですが、そう言われても具体的にどんな業務を行うのが想像しにくいですよね。

そこで今回はコピーライター歴16年の筆者が、実際にどんな仕事内容なのか、どんな工程で仕事を進めるのかをご紹介したいと思います。

ぜひ、今後のキャリアの参考にしてください。

コピーライターの仕事は大きく3つの業務に分けられる

コピーライターの仕事は多岐に渡りますが、ここでは主に広告代理店や広告制作会社に勤務するコピーライターの多くが携わる代表的な3つの業務を紹介したいと思います。

ライティング

私たちの日常生活には新聞広告、チラシ、ポスター、フライヤー、パンフレット、リーフレットなどの印刷物が溢れていますよね。

そしてそこにはたくさんのフレーズ、文章が書かれています。

それらを書くこと、すなわちライティングがコピーライターの仕事の中心となります。

コピーライターと聞くとポスターにキャッチコピーを1本、テレビCMで使われるキャッチフレーズを考える…というようなアイデア勝負の華々しい職業をイメージされる方もいらっしゃると思いますが、実際は、長文を書く力を必要とされるような仕事が多く、不動産・美容・健康・流通・金融・行政といった幅広い業種のクライアントからの依頼でパンフレットやカタログ等を制作し、細々とした文章を書くことが多いです。

例えば、健康食品の通販カタログに掲載する商品説明であったり、新聞に折り込む不動産チラシの商品説明であったり。

どんな業界の広告を作るかは、コピーライターとして所属する広告代理店及び広告制作会社が契約を交わすクライアント次第ですから、コピーライターには基本的にどんな業種の印刷物にも対応するための幅広い好奇心やリサーチ力、そしてもちろん表現力が求められます。

編集

上記で紹介したライティングの仕事をする前に、編集という業務が発生することがあります。

広告制作における編集とは、パンフレットやリーフレットなどページ数がある印刷物を制作する際に、何ページで構成するか、どんなコンテンツをどのページに掲載するかを決める作業のことです。

そしてページ構成が決まったら、共に制作に携わるデザイナーやコピーライターと詳細を打ち合わせて仕事を分担し、それぞれが実制作に取り掛かります。

この編集の業務をコピーライターが担うかデザイナーが担うかどうかはクライアントの要望や案件の内容によりますが、例えば記事体(読み物)が多いパンフレットを制作する場合は、ライター主導で編集を行うことが多いでしょう。

また、編集の業務に長けてくると、コピーライター兼、全体を指揮するディレクターという肩書を持ち活動の幅を広げることができます。

取材

受注した案件によっては、ライティングと同時に取材が発生することがあります。

例えば、広告を打ちたい新商品について商品開発者の話を聞いたり、フリーペーパーで紹介するレストランに伺ってシェフのこだわりを聞き、実際に味見をしたり。

時には、舞台や映画などを告知するタレントさんへのインタビューや、著名人の対談企画に同席して話を聞く他、対談の司会進行役を担うこともあります。

取材はリアルで正確、そしてオリジナリティのあるコピー・文章を書くために重要な行程ですが、予算やスケジュールの兼ね合いもあるので、全ての案件で発生するわけではありません。

ライティングの3つの工程

初稿原稿作成

ライティングの仕事では、まず、広告物のメインとなるキャッチコピーやタイトル、見出しを考えたり、原稿の文字数を確認する、どんな文体で書くか(ですます調か、体言止めかなど)を決めるなど、仕上がりを想像しながら原稿全体の大まかな流れを作ります。

その後、必要な情報をインターネットなどで随時収集しながら原稿を書き上げます。

この原稿は「初稿」と呼ばれ、クライアントに提出し、内容等を確認してもらうためのものです。

二校原稿作成

初稿原稿がそのまま印刷に進むということは、ほとんどないと言って良いでしょう。

多くの場合、クライアントが初稿原稿を確認・校正した後に修正指示を制作側に出す機会が設けられます。

コピーライターを始めとする制作側はクライアントの指示に従い、原稿を修正して改良、再度クライアントに提出します。

この工程は「二校」と呼ばれます。

提出→修正→再提出の流れは、基本的にクライアントの最終OKが出るまで進行しますが、各案件の印刷スケジュールによるところが大きいです。

納得いく広告物を作ることももちろん大事ですが、予め決めた印刷日に間に合わせることは広告制作における最重要課題です。

最終校正

クライアントから原稿にOKが出たら、原稿の総チェック(校正)にかかります。

おかしな日本語が使われていないか、漢字に誤りはないか、事実と異なることを書いていないかなど、すみずみまで原稿を確認します。

ミスが印刷後に発覚した場合、その責任が制作側に当てられ、刷り直しなどの対応に迫られることもあるため、気の抜けない重要な行程です。

特に氏名や数字の間違いは大きく扱われるので注意が必要です。

なお、広告物の規模によっては校正専門のプロに校正を外注することもありますが、基本的にはコピーライターを始めとする制作側と広告主であるクライアントが責任を分かちながら校正を行うと考えておいてよいでしょう。

編集の3つの工程

ページネーション・サムネイル制作

編集の業務では、まず、広告物となるパンフレットやカタログ、リーフレットなどの冊子のページネーションを行います。

ページネーションとは、これから作る冊子にどのようなコンテンツを入れるか、そのコンテンツをどのページに何ページ掲載するか、というようなページ構成を決めることです。

ページネーションはデザイナーや営業など、チームで意見を出し合いながら決めることも多いので、コピーライターに限った役割ではありませんが、案件の規模によってはコピーライター1人で行います。

ちなみにフリーランスのコピーライターの場合は編集からライティングまで全て1人で行うこともあるでしょう。

ページネーションを終えたら、サムネイルと呼ばれる簡単な仕上がり図を制作します。

鉛筆書きでもパソコン上でもいいので、どれくらいの文章量を入れるか、どんなビジュアルを入れるかをわかりやすく示し、制作をスムーズにするためのものです。

また、制作する広告物が冊子ではなくポスターやチラシ、フライヤーなどの場合はページネーションの必要はありません。

大まかな紙面構成を決めてサムネイルに取り掛かります。

ディレクション

ページネーションで内容を決めたらいよいよ制作開始。

サムネイルをもとに打ち合わせを行い、実制作に携わるデザイナーやカメラマン、イラストレーター、同僚のコピーライター等に内容をディレクション(指示)するとともに作業を振り分けます。

その後、各担当者から随時上がってくる原稿やデザイン、写真、イラストなどをチェックして全体の流れを把握しながら、必要があれば修正指示を出し、クライアントに提出する体裁に整えます。

交渉・営業

編集を中心に仕事を行うコピーライターの場合、制作を指揮する「ディレクター」という肩書きが付き、直接クライアントに会って打ち合わせをしたり交渉をしたりと対外的な役割も担うことになるでしょう。

ちなみに、新人コピーライターや大所帯の広告制作会社に在籍するコピーライター、また一般企業内の編集部などに勤める専属コピーライターの場合は、社外での活動はせず社内でライティング業務にのみ携わることが多いでしょう。

取材の3つの工程

アポ取り

取材の必要性が発生した場合、その段取りはクライアント自らや広告代理店及び広告制作会社の営業担当が行うケースが多いですが、そうでない場合、ライターが行なうこともあります。

俗に言うアポ取りで、要するに取材したい対象に電話をかける・直接訪ねるなどして、取材を申し込みます。

アポ取りにより被取材者の了解を得たら、取材日時や場所を決めます。

案件によって取材協力費の謝礼をお渡しできる場合とできない場合があり、そうした金銭面の交渉をする場面もあるので、当たり前のことですが社会人としてのコミュニケーション力が必要となります。

取材当日

取材当日は、コピーライター1人でテープレコーダーなどを持参して現場へ向かうこともあれば、写真を撮影するためにカメラマンと同行することもあります。

大きな案件になると、営業担当者やデザイナー、スタイリストなども同行するので、大勢でのチームワークとなります。

取材でのコピーライターの役割はもちろんインタビューを行うことです。

事前に聞きたい質問事項を書き出し、当日までに被取材者に知らせておく場合もあります。

取材記録作成

取材した内容は取材したコピーライター自身がそのまま原稿にすることが多いですが、時には取材だけを担当し、取材結果を社内にいる別のコピーライターに伝えて原稿にしてもらうケースや、後々クライアントなどの第三者から取材内容の報告を求められるケースもあるので、録音データの保存とともに取材で聞いたことを箇条書きにしておくなど記録作業を行います。

ライターとの仕事内容の違い

雑誌やウェブの原稿を書くライターとの線引きは実際には難しいのですが、一般的には広告代理店や広告制作会社に在籍して広告物に掲載する原稿をメインに扱うのがコピーライターと呼ばれています。

しかし、実際にはグルメや旅行のガイド本、あるいはフリーペーパーの記事作成なども行うコピーライターも多く、その意味ではコピーライターはライター業を兼ねていると言えるでしょう。

コピーライターの仕事の良いところ

やりがいを感じるポイント

広告はアートではありませんが、それでも自分が考えたフレーズや文章が1つの「作品」として世に出て評価の対象になる点に特徴があります。

また、時代の流れや人間の心理を読むことが仕事の一部になりますから、考えることが好きな人にはおすすめの職業です。

自分が携わった広告を街の中で発見!

キャッチコピーや文章が、実際に街の中でポスターや看板、カタログなどの形になっているのを見ると、苦労が報われるというか、単に給与だけではない喜びが得られます。

実力の高いコピーライターになるとテレビCMやラジオCMにも携われるので、自分の作品がの中に広がる喜びも大きいはずです。

アイデアを考える時間に充実感がある!

コピーライターの仕事では、洗練された表現や意表をつくようなアイデアが重要となります。

そのため、一番の醍醐味は「この商品の良いところを伝えるために、どう伝えたらいいだろうか」と考えている時間、そして良いアイデアが浮かんだ瞬間にあると言えます。

アイデアが出てこない時や表現に行き詰まった時は苦しいですが、同僚と話し合ったり、気分転換に本屋さんに出かけたりするうちに、パッとひらめくこともあり、そんな時は宝物を発見したような気分にさえなります。

有名人に会えるなどのサプライズも!

CM制作だったり舞台告知の広告物制作などに携わる機会もあるので、有名人に会えることもしばしば。

また、有名ではないにしろ、企業の社長さんであったり、各種業界のさまざまな職業の方に直接会うチャンスが多いので「コピーライターになっていなければ絶対会えなかっただろうな〜」と思える経験ができるはずです。

さらに、お付き合いするクライアント次第にはなりますが、各種興行の余ったチケットがまわってきたり、化粧品の新商品をいち早く試せるなど、ちょっとした特典もあります。

面白いポイント

コピーライターの仕事で面白いのは、やはりクリエイティブな仕事なだけあって、ユニークな仕事仲間、クライアントに出会えることでしょうか。

そして、いろいろな刺激を受けながら成長できるということです。

幅広い分野に詳しくなれる!

広告制作会社では通常、クライアントを1つに絞らず、幅広い業界の企業から複数の仕事を受注しています。

そうした中でコピーライターも様々な業界に関する知識を仕事を通じて身につけていきます。

その結果、例えば「不動産」と「美容•健食系」など、いくつかの得意分野を育みながら、活躍の場を広げていきます。

また、まれに「不動産専門」というように分野を一本化してキャリアを形成する方もいます。

感性を磨くことも仕事の一部!

勤務する会社によリますが、広告制作は効率だけではなく感性も重要視されるクリエイティブな仕事であり、仕事のペース配分は自分でコントロールできる部分が多いと言えます。

締め切りなど守るべきスケジュールは当然ありますが、逆にスケジュールさえ守っていれば、例えば、アイデアに詰まった時は出勤中でも本屋さんに出かけたり、短い散歩に出たり、作業がはかどらない日は早めに切り上げる・・・といったことが、ある程度は個人の判断で可能です。

もちろん、各会社の定める就業規則に従った上でのことではあります。

まとめ

いかがでしたか?

ここに紹介したことは幅広い仕事の一部ではありますが、コピーライターの仕事の魅力を少しでもお伝えできたら幸いです。

なお、コピーライターにはライセンスはないので、なりたい方は早く業界に入って経験を積んだ方が得策かもしれません。

いきなり業界を目指すのは不安という方は、コピーライティングの技術を教えるカルチャースクール等を利用して初歩的な技術を身につけるとともに、実際に広告業界に勤めている方との人脈を築くという方法も考えられます。

興味のある方はさらに情報をリサーチしてみて下さいね!


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