2021年5月5日

生活相談員になるにはどうすればいいのかお悩みの方は必見です。

現代日本では高齢者の数が増加の一途を辿り、介護を必要とする方も増えています。

その方たちを支援するための施設の数も増えています。

ニュースなどで介護職員のことを取り上げられる場合は多々ありますが、施設で働く他の職種については知る機会があまりありません。

今回はそんな施設で働く職種の一つ、生活相談員になりたい方に向けて、取るべき資格や勉強しておくべきことなど詳しい内容をご紹介させていただきます。

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生活相談員の大まかな仕事内容は?

生活相談員の仕事内容は多岐にわたりますが、大まかな仕事内容としては調整を行う事です。

生活相談員が関わる人は、要介護状態の高齢者やそのご家族の方が多く、その方達は何らかの困りごとを抱えている事が多くあります。

その困りごとを解決できるよう必要な制度が活用できるよう調整したり、その方の困りごとを解決する手助けとなる人や場所と繋がりを持てるよう調整したりします。

生活相談員になるための資格や条件ってある??

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)において、生活相談員は必ず配置しなければならないと規定されています。

生活相談員として従事できる資格や条件については「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」において「社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者、またはこれと同等以上の能力を持つ者」と明記されています。

有料老人ホームや通所介護事業所等にも生活相談員は配置されていますが、配置規定は介護老人福祉施設ほど条件は高くありません。

ここでは特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準に明記されている内容を説明していきます。

生活相談員になれる資格(社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者)

「社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者」にあたる資格は「社会福祉主事任用資格」「社会福祉士」「精神保健福祉士」の3つになります。

その資格を保持している人は、生活相談員として認められます。

社会福祉主事任用資格は、福祉系の大学や短大等を卒業している人の多くは取得できるようカリキュラムが組まれています。

また社会福祉主事任用資格は、別名3科目主事とも呼ばれており、60科目を超える指定科目のうち3科目を履修していれば取得できる資格となっています。

そのため、四年制大学を卒業した方は卒業と同時に社会福祉主事任用資格を取得している方も少なくありません。

資格者証等を発行される資格ではないため、取得している事を知らない方も多いかもしれません。

生活相談員としての就職を考えているのであれば、一度卒業した大学に問い合わせてみる事をお勧めします。

その他の条件

もう一つ法律に明記されている事として、前に挙げた資格と「同等以上の能力を持つ者」があります。

この同等以上の能力を持つ者の解釈について、厚生労働省は明確な基準を定めていません。

そのため、市町村によっては独自に基準を定め、その基準を満たした人を採用している場合もあります。

その基準は介護支援専門員や、介護福祉士の資格を保持している事や、福祉施設で一定年数の経験がある事などが定められている事が多いです。

詳しくは各市町村役場などの福祉担当に確認するようにしましょう。

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生活相談員になるために勉強しておくべきことは?

最初にも述べましたが、生活相談員の仕事は多岐にわたります。

学ぶべき事も多くありますが、最低限身につけておくべき事と、身につけていると仕事に役立つと思われるスキルについてお伝えします。

介護保険法の知識

まず第一に学ぶべき法律は介護保険法です、介護老人福祉施設は介護保険法に基づいて運営しています。

自分達が行う仕事の根拠となる法律であるため、当然勉強しておくべき内容といえるでしょう。

また、介護保険法は3年に1度見直され、内容が大きく変更される事もあります。

一度学習しただけで満足せず、せめて法改正があった際には知識をブラッシュアップする事が求められます。

面接技法

生活相談員は相手の困り事を聞き、それを解決するために様々な人や物と調整を行います。

最初の段階で正確に相手の困りごとを聞き取れるような面接技法を身につけておくと実際の業務に役立ちます。

正しい言葉遣い

生活相談員は、施設の利用者の方やそのご家族、それ以外にも外部の人たちと接する事が多い職種です。

生活相談員は施設の顔とも言われる職種であり、生活相談員の応対一つで施設の印象が変わってしまう事もあります。

正しい言葉遣いを身につけ、普段から活用できるようにしておく事で業務に役立ってくると思います。

生活相談員の就職先や募集状況は?

「生活相談員になりたい」と思っても就業先が無いと転職活動に踏み切る事もできませんよね?

ここでは生活相談員の主な就職先と募集状況をまとめていきたいと思います。

生活相談員の主な就職先

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や通所介護事業所、有料老人ホームなどに就職する方が多いです。

施設によって業務内容や募集状況も異なるため、施設別にまとめていきます。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

入居者100名またはその端数が増すごとに、常勤の生活相談員を1名配置する事が義務付けられています。

近年、介護老人福祉施設は以前ほど大規模ではなく、新しく建つ施設のほとんどは定員が100人を下回っています。

そのため、生活相談員は施設内に一人という事も珍しくありません。

入居型の施設のため、要介護状態のご利用者様が常に施設内にいる状態となります。

そのため、業務内容は多岐にわたり、相談の仕事を専従で行う事は難しいと考えられます。

本来の相談員業務は勿論、介護業務や送迎など、不足している部署の応援に回る事も多いです。

通所介護事業所

通称デイサービスと呼ばれる施設にも生活相談員は配置義務があります。

生活相談員は利用者の方にサービスを提供する時間帯に、必ず一人以上その場所にいる事が義務付けられています。

通所介護事業所に勤務する生活相談員は介護職を兼務する事が多く、加えて個別援助計画という書類作成業務を任せられる事が多いです。

日帰りサービスのため必ず送迎業務があると考えておいた方が良いです。

有料老人ホーム

有料老人ホームの生活相談員は前に挙げた2施設とは少し異なる役割が課せられます。

有料老人ホームの設置主体は株式会社などの一般企業が多く、社会福祉法人が設置主体となっている事業所よりも営業に対する意識を高く求めます。

ベッドの稼働率を常に意識し、空床を作らないよう様々な事業所に出向き、顧客の獲得を目指す事が有料老人ホームの生活相談員の大きな役割となります。

その他、通常の介護業務や、時には夜勤業務を課せられる場合もあります。

生活相談員の働き口はどの程度あるの?

厚生労働省が行った平成28年度介護サービス施設・事業所調査の概況によれば、通所介護事業所は全国で44111か所、介護老人福祉施設は全国で7705施設あり、いずれも前年度より数が増えています。

有料老人ホームの数も全国で8499か所(平成25年現在)あり、今後も増えると予想されています。

各施設・事業所で生活相談員が配置されるため、働き口は数多くあると言えるでしょう。

生活相談員の転職事情

介護老人福祉施設の生活相談員は、その施設の介護職員をある程度経験した後に抜擢される事が少なくありません。

そのため求人は有料老人ホームや通所介護事業所よりも見つけにくくなっていると考えられます。

通所介護事業所や有料老人ホームの生活相談員は、介護老人福祉施設の生活相談員と比較して事業所数の数も多く、求人も多くあります。

経験者は優遇される事も多いため、良い待遇を求めて転職を繰り返す方も多くいらっしゃいます。

生活相談員の仕事の探し方とは?

生活相談員の求人は全国に数多くあります。

ここでは生活相談員の仕事の探し方を紹介します。

ハローワークから紹介を受ける

一般企業と同様、ハローワークで求人を見つける事ができます。

就労を希望する地域や、希望する事業所の種別を入力して検索する事で仕事を見つける事ができます。

詳細な求人内容を見る事が出来たり、ハローワークの相談員に就職について相談する事も出来ます。

しかし、ハローワークの担当者によっては生活相談員の業務内容をよく知らない方もいらっしゃるため注意が必要です。

福祉人材センターバンクの活用

各都道府県に1か所以上、福祉人材センターという場所が存在します。

この事業所は福祉の求人に特化しており、福祉の仕事を探している人と事業所の橋渡しをしてくれます。

インターネットで求人情報が探せるほか、専門の相談員の方に就職相談する事ができます。

ハローワークと異なり、福祉事業所の求人に特化しているため、求人を出している事業所の内情を知っている事もあります。

一度相談に行ってみて損は無いでしょう。

就職相談会への参加

時間に余裕がある方は、福祉人材センター等が主催で開催する就職相談会への参加も良いでしょう。

事業所の採用担当者と直接話ができ、施設の情報を得る事ができます。

気に入った求人や気になる事業所があれば、その場で見学の日時などを調整してもらう事なども可能です。

生活相談員の仕事探しの注意点

求人数は多くある生活相談員の仕事ですが、どうせなら自分に合った職場で長く働きたいと思いますよね?

ここでは生活相談員の仕事探しの注意点についてまとめていきます。

必須資格部分を確認する

求人票を見る際に仕事内容と必須資格の部分を確認してみて下さい。

生活相談員の仕事は専従である事は少なく、何かしらの職種と兼務する事が多いです。

必須資格に介護支援専門員や介護福祉士等の記載があれば、その資格が必要とされる業務と兼務する可能性が大きいです。

介護業務が身体的に厳しいと考え、転職を考えているのであれば、必須資格に介護福祉士が入っている求人はなるべく避けた方が良いと思います。

勤務時間を確認する

求人票の中に記載されている勤務時間も確認するポイントとなります。

介護老人福祉施設や有料老人ホームは入居型の施設のため、利用者の方が常に施設内にいる状態です。

そのため、勤務もシフト制になる事がありますが、生活相談員は日勤帯での仕事が主となります。

しかし、もし日勤帯以外の時間帯が書いてあるとしたら、介護業務と兼務の可能性が高いといえます。

介護業務を避けたいと考えている方は、勤務時間の確認をする事も重要です。

生活相談員の仕事のやりがいとは?

これまで生活相談員の仕事内容について色々書きましたが、最後に仕事のやりがいについて私が感じている事を書きたいと思います。

感謝の言葉をもらう事ができる

私たちが出会い、深く関わる利用者やそのご家族の方は、様々な困りごとを抱えています。

しかし、私たち相談員に出会うまで、一人でその悩みを抱え、解決策を見出すことができず、時には深く追い詰められてしまっている方もいらっしゃいます。

その方の心に寄り添い、一緒に解決方法を考え、問題解決に結びついた時に頂く感謝の言葉は何物にも代えがたいものがあります。

生活相談員の仕事のやりがいに大きく繋がってきます。

たくさんの人と接する事ができる

生活相談員は様々な人と出会える仕事でもあります。

普通に生活を送っているだけでは出会う事が無かったかもしれない方達と出会う事ができ、その方達の人生に触れる事ができます。

自分と異なる価値観を持つ方と接する事で、自分の価値観に気付くことができたり、多種多様な価値観を認める事ができるようになるなど、自分自身の成長に繋げる事ができる可能性があります。

様々な専門職と繋がりを持つ事ができる

人を支援させて頂く事が、生活相談員一人で行えるとは限りません。

むしろ一人では解決できない事柄の方が多くあります。

他の専門職と繋がりを持つ事が人の支援を行う上で重要な事と言えるでしょう。

人の支援を通して、新たな人間関係が形成できる事も、生活相談員のやりがいの一つと考えます。

まとめ

高齢者施設で働く職種として、今回は生活相談員の仕事を紹介させて頂きました。

現代日本の高齢化率は今後もどんどん上がっていくと予想されており、福祉の仕事に従事する人材の需要も高まっていくと言われています。

「福祉の世界で長く働きたい」そんな希望を持たれている方は、生活相談員を目指す事も考えに入れて頂けたら嬉しいです。

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