介護施設では法律上配置義務を課せられている施設もある「生活相談員」という仕事ですが、やりがいがある反面、悩みを抱える事も少なくありません。

今回は生活相談員の多くが感じる悩み事とその解決方法について、また、生活相談員の仕事に向いている人はどのような人かという事を経験者の筆者目線の意見として紹介したいと思います。

生活相談員の悩みで多い5個のこととその解決法とは?

生活相談員は利用者やその家族の方が抱える悩みや困り事を解決するお手伝いをする事が仕事となります。

生活習慣や考え方が異なる人を支援させて頂くため、悩みを抱えてしまう人も少なくありません。

悩みが解決できず仕事を続けた結果、バーンアウト、いわゆる「燃え尽き症候群」に陥ってしまう人もいます。

生活相談員の仕事を長く続けるために、抱えている悩みを解消する事は大切な事です。

ここでは生活相談員が抱えやすい悩みとその解決方法をご紹介します。

仕事の内容が理解できない

新卒・転職者とも感じやすい悩みだと思います。

生活相談員は法律上配置義務はありますが、入居施設等では1~2名体制の事が多く、退職者の代わりに入職した場合などは指導者がいない事もあります。

経験者で転職した方などは、「前職で経験しているならば仕事内容は分かっている」と思われ十分な指導を受けられないまま仕事ばかり振られてしまう事もあります。

そんな時に仕事内容が理解できず、悩んでしまう人が多くいます。

その解決法とは?

生活相談員の先輩が一人でもいる場合は、積極的にその人にやり方を尋ねるようにしましょう。

前職で生活相談員の経験があった方でも、その施設で初めて行う仕事については必ず一度はやり方を確認する事をお勧めします。

仕事のやり方は施設によって微妙に異なり、自己流のやり方で仕事をする事で今まで担当していた先輩が気分を害し、仕事がしづらくなる可能性もあります。

一度やり方を確認し実践した上で効率的に業務ができるような方法を発見したら、先輩にその方法を進言しても良いかもしれません。

もし生活相談員の先輩がいない職場に入職した場合には、仕事を依頼してきた方に、以前まで行っていた仕事の方法を聞いてみる事をお勧めします。

生活相談員として仕事をしていなくても、その仕事の流れを知っている事が多くあります。

以前担当していた方がどのように仕事をしていたかを尋ね、前任者の真似をするところから仕事を少しずつ覚えていくようにしましょう。

家族対応で心が折れてしまう

昔の介護サービスは現在と異なり、行政機関に相談し行政が必要と判断したら利用ができるといういわゆる「措置制度」に基づいて提供されていました。

そのため、施設と利用者が対等な立場になりにくく、家族の方は「お世話になっている」という気持ちからなかなか要望や不満を言えない立場に立たされていました。

現在は措置制度から契約制度に代わり、利用者の方が利用したい介護サービスの種類や施設を選べる時代になりました。

そのため、以前よりも要望や不満が伝えやすくなり、以前よりは利用者と介護サービス提供事業者が対等な立場に立てるようになってきました。

それ自体は喜ばしいことですが、段々と過剰な要求をする家族、いわゆる「モンスターファミリー」が現れるようになってきてしまいました。

苦情相談窓口の担当になる職種は生活相談員が多いため、モンスターファミリーの対応もおのずと生活相談員が担う事になります。

また、高齢者施設では事故がつきものです。

事故が発生した時に行う行政や家族に対しての説明も生活相談員が担う事が多くなります。

内容によっては家族に責められてしまう事も少なくありません。

そのような家族対応に疲れ、心が折れてしまう事もあります。

その解決法とは?

一人で抱えすぎない事が第一です。

家族からの過剰な要求や苦情が発生した場合には、必ず上司に相談するようにしましょう。

上司だけでなく、他部署で一緒に関わってもらえる職員がいるのであれば、連携を取って対応する事が必要です。

生活相談員は家族に事実を分かりやすく説明する役割を担っていますが、責任を全て一人で背負う必要はありません。

過剰な要求や理不尽な要求に対しては、一職員で対応するのではなく、施設の問題として取り上げてもらえるように働きかけていく事が大切であり、悩みを解決する事に繋がっていきます。

他の職種と協力体制が築けない事がある

生活相談員は施設に配置する義務はありますが、介護職員や看護職員と異なり、配置人数は非常に少なく一施設に一人という所も珍しくありません。

生活相談員は仕事の性質上、他職種が行っている仕事の内容について意見を述べたり、仕事の内容を改めてもらうよう伝えたりする事もあります。

そのため、「自分達の仕事を否定された」と感じ、最悪の場合他職種から嫌われてしまい仕事がしづらくなる場合もあります。

その解決法とは?

他職種と積極的にコミュニケーションを取る事が大切です。

他職種に媚びる必要はありませんが、他職種の仕事を理解しないままに自分の意見だけを押し通そうとすれば、意見が衝突し、うまく連携を築く事が出来なくなってしまいます。

それを防ぐためには、自分から他職種が活躍するフィールドに出向き、相手の仕事を理解するよう努める事が大切です。

他職種のフィールドにお邪魔する場合には、相手に教えて頂くという謙虚な気持ちを持っていく事が必要となります。

稼働率を上げる事ができない

介護施設の収入は、施設の稼働率によって決まります。

そのため、施設の管理者はなるべく稼働率を上げる事を要求します。

具体的には入居型の施設では空床を作らない事、通所介護等居宅サービスの場合は利用率を上げる事が求められます。

しかし、稼働率を上げると言っても方法が分からず、どのようにしたら良いか分からないまま、上司からプレッシャーをかけられ続ける事で、心身に不調をきたしてしまい、仕事の悩みに繋がっていく事が考えられます。

その解決法とは?

施設の稼働率を上げるためには、施設を利用したいという希望者を増やす必要があります。

そのためには、地域のケアマネジャー等の専門職や民生委員の方達に自施設のサービスを知ってもらえるように働きかけていく必要があります。

パンフレットやインターネットサイトで情報を公開する事も大切ですが、サービス利用希望者が信頼している人の口から自施設の介護サービスを勧めてもらう事で、利用希望者の気持ちが動く事は多々あります。

施設の中のみにとらわれず、積極的に地域の社会資源に働きかけていく事が、稼働率の上昇に繋がっていく事でしょう。

自分の行っている仕事内容・支援内容に自信が持てない

生活相談員は「相談援助」の仕事に分類されます。

相談援助の仕事に正解は無く、万人に通じるマニュアルも存在しません。

そのため、自分の行っている仕事内容や支援内容がその方のためになっているのかどうか判断できず、自分の支援に意味があるのか迷ってしまう事も多々あります。

自分が行っている支援に自信が持てず、生活相談員としての自分の存在意義が見出せなくなってしまう事もあり、最悪の場合はバーンアウトに繋がってしまう事もあります。

その解決法とは?

自分の支援内容に自信を持つためには、知識・技術に基づき根拠を持った支援を実践する事が大切になります。

生活相談員の仕事に必要な知識・技術を得るために外部で行われている研修などへ参加する事をお勧めします。

都道府県社会福祉士会で開催されている各種研修や、認定社会福祉士の資格を得るために必要な基礎研修の受講などへの参加は、専門知識を得るために役立つ研修と言えるでしょう。

社会福祉士は相談援助を生業とする国家資格になるので、同じ立場で仕事をしている方も多く存在します。

研修を通して職場外の仲間を作るきっかけにもなります。

生活相談員は自施設の中で人数が少ない職種となるため、孤独を感じやすい職種とも言えます。

同じ立場で物事を考える事が多い社会福祉士資格を持った専門職との繋がりは、バーンアウトの防止にも繋がります。

また、スーパービジョンを受ける事も解決法の一つであると言えます。

経験豊かな専門職(スーパーバイザー)の力を借りて、自分の援助を客観的に捉えなおす事で、必要な知識や技術、またその支援を行った際に感じた生活相談員としての自分の感情面を見つめなおす事ができます。

スーパービジョンはスーパーバイザーとの契約に基づいて実施されるものですので、個人情報の漏洩等を心配する必要もありません。

生活相談員、大変なこともあるけどこんな人達におすすめです!

今までは、生活相談員の悩みや大変な事などネガティブな側面を書いてきました。

でも、生活相談員の仕事は他職種では経験できない面もたくさんあります。

ここでは生活相談員として就業する事をおすすめする人を、仕事内容や仕事のやりがいなどから書いていきたいと思います。

人の立場に立って物事を考えられる人

生活相談員として関わる人達は、何かしらの悩みを抱えていたり、現状の生活に満足していない人も多くいます。

他の人にとっては小さな悩みであったり、自分達の価値観で考えれば幸せな生活を送っていると思われる方もいるでしょう。

しかし、悩みの感じ方や生活の満足度は人によって異なり、一般的な価値観に当てはめる事ができるものではありません。

相手がどんな生活を望んでいるのか、相手の方の立場になって考え、聞かせて頂くという姿勢を持てる人は生活相談員に向いていると言えるでしょう。

人と関わる事が好きな人

生活相談員は悩みを抱えている人達と関わる仕事になります。

相手の方と話をしながら、相手が何を望んでいるのかを聞かせて頂いたり、思いを察して汲み取る力が必要になります。

人の思いを聞かせて頂くためには、相手の方と信頼関係を築いていく事が大切になります。

時間をかけて人と関わる事ができれば信頼関係に繋がっていく事でしょう。

人と関わる事が好きな人は生活相談員に向いていると言えます。

説明能力が高い人

生活相談員は自施設の介護サービスを利用したいと希望する方や、その家族の方と一番初めに顔を合わせる存在になります。

初めて介護サービスを利用する方は不安を強く感じる人が少なくありません。

自施設で提供する介護サービスの紹介は勿論、必要であれば介護保険制度等の法律についても説明する事が求められます。

介護関係では専門用語も多く存在するため、相手の方に分かりやすく説明し、理解できるように説明する必要があります。

相手の方の反応を確認し、理解ができるような説明ができる説明能力の高い人間は、生活相談員に向いていると言えるでしょう。

相手に対して真摯に向き合える人

生活相談員に求められる仕事の一つに、苦情処理が挙げられます。

要介護者を支援させて頂く上で、事故をゼロにする事は不可能です。

事故が起こってしまった時には家族の方を含め、関係者に説明する責任があります。

事故が起こった際に、「大切な家族が傷つけられた」と憤りを感じる家族の方もいらっしゃいます。

その方達に事故の内容を説明したり謝罪する役割も生活相談員が担う事が多くあります。

起こってしまった事柄に対して、相手に対して包み隠さず、真摯に向き合った上で説明ができれば高いスキルを持った生活相談員であると言えます。

向上心が強い人

介護保険サービスを提供する上で、根拠となっている法律は介護保険法になります。

介護保険法は3年に一度改正され、その内容が変化していきます。

その法律の内容が分からなければ、介護サービスの利用を希望している人に正確な情報を提供する事ができません。

また、人の生活の支援や悩み事を解決するためには、介護保険サービス以外の制度を活用する事が必要になる事も少なくありません。

専門分野のみならず、必要な知識を自ら得ようとする知的探究心や向上心を強く持っている人も、生活相談員に向いていると言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

生活相談員の仕事は、プレッシャーを感じたり、悩みを抱える事も多いですが、その分やりがいを感じられる仕事でもあります。

今回の記事がこれから生活相談員を目指したいと考えている人、また、生活相談員に転職したいと考えている人の助けに少しでもなれば幸いです。


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