一つの会社で定年まで勤め上げるという神話は崩れつつあり、食品メーカーでも同様の流れになっています。

食品メーカーといっても様々な職種があります。

食品メーカーに勤めている方はどんな理由で転職をするのかに迫ってみます。

食品メーカーの離職率ってどれくらい?

詳細の離職率はわかりませんが実感として感じたことを書いてみます。

食品メーカーでは、本社勤務か製造工場のいずれかに勤めることになります。

工場では正社員よりもパート・アルバイトの比率が高い傾向があります。

その中でも男性と女性では、女性の割外が相対的に高いため、女性の離職率が高くなります。

人間関係や仕事の内容など様々な理由がありますが、ライフステージの変化のある20代〜30代半ばまでの離職率が相対的に高いです。

食品メーカーの転職理由には何がある?

転職の理由は人それぞれ千差万別ですが、ある程度他の業種と傾向が似ている部分があるかもしれません。

食品メーカーに限らず、良い環境、良い条件で働きたいという理由や、よりチャレンジできる環境に身を置きたいといった理由などが一般的には挙げられるでしょう。

ここではそのなかでも食品メーカーならではの視点から探っていきます。

同業種からの転身

商品力のある会社へ(営業)

食品業界に長く勤めている人は、転職をする際に同じ食品業界を選ぶ方が少なくありません。

ある営業さんは、過去に培ってきた取引先様がそのまま新しい会社の取引先様になる場合も多いとのことです。

また食品業界の営業では、同業種の営業さんと接する機会が多くあります。

例えば小売店は定期的に「棚割りの商談会」を行っています。

棚割りとはスーパーなどの棚に何をレイアウトして並べるかを事前に決定して、その計画通りに商品を並べていくことです。

ですので、所属する会社の商品を並べたい棚には、すでにライバル企業の商品が並んでいることが普通になっています。

ですので、安定的に置いている商品を取り扱っている企業の情報は否応無しに入ってきます。

そういったことからライバル企業の商品が魅力的に移ったり、ライバル企業の待遇と今の自分の待遇を比較した結果、相手企業へとそのまま転職してしまう営業さんもいます。

よりよい施設での勤務へ(製造・生産)

同じ食品関連メーカーで、長年現場で製造に携わってきた方は安全や衛生管理の知識があることから転職しやすいようです。

企業によって会社のどの部分に経営コストをかけるのかが違ってきますが、場合によっては生産設備にあまり投資をしない、できない企業も多くあります。

そういった企業では旧式の機械を長年利用しているために、故障が多発したり、老朽化によって生産効率が下がっている場合があります。

そういった工場では普通に生産していても、異物混入のリスクなども気にしなければなりません。

ですので製造、生産を管理する立場にある人は大変な苦労しており、そういった環境から、より設備環境の整った企業へ転職をしたいと思う方がいます。

より自由な環境で仕事をしたい(企画・開発)

大手企業から中小企業へ転職される方がいらっしゃいます。

一見すると損するイメージもあるかもしれませんが、一からの開発に携われる環境をもとめて転職を選択される方がいらっしゃいます。

大手企業では開発の一つをとっても仕事が細かく分業されていることから、自分がやりたいと思う開発に携わることができないこともしばしば。

中小企業においても、経営のコストの面からできないことも多くあるようですが、開発一つとっても様々なことを自分でこなさなければならない反面、多くの開発に携われることが魅力に感じるようです。

また、食品を開発してからリリースするまでの期間も短いことから、成果をすぐに実感できるそうです。

印刷会社からインハウスデザイナーに(デザイナー)

印刷会社や広告代理店などに勤めていた人が、食品メーカーの中にあるデザイン部へ転職する方がいらっしゃいます。

その理由には給料が安定していることが第一にあるようです。

印刷会社などは経済環境の変化によって仕事の波があるので良いときと悪いときの差が大きかったそうです。

ですので、デザインのこと以外に経済的な面などで精神的不安があって大変だったので、安定した環境でデザインを行えるインハウスデザイナーは魅力的に移ったそうです。

また、食品メーカーでは数多くのデザインを行うことができるのも魅力だそうです。

形状では袋型、箱型、筒型なども形状から、扱う素材も紙、プラ、ペット、ガラス瓶などと様々です。

ですので、表現の幅が広がることや新たなチャレンジをしやすいそうです。

店頭では商品を選ぶとき、まずはパッケージのデザインを見て選択することなります。

よって、お客様にまず手に取ってもらうまでには、デザインが重要な役割を担っています。

大変責任もありますが、大変重要な仕事を任されることもあって、やりがいを重視した形で仕事を選ぶ方もいらっしゃいます。

給料の差を目の当たりにしたとき

食品メーカーの中でも、大手企業から中小企業まで様々な規模の会社があります。

また所属している会社が親会社、子会社であるか、グループ企業であればグループのどの位置にある会社かによって待遇が変わってくるようです。

同じ仕事をしているのに、親会社から出向している社員の方が給料が高かったり、手当や待遇そのものに差があったりすることも。

そういった面を一度垣間見てしまうと働く意欲が無くなったり、バカバカしくなってやめてしまうということもあります。

実際には追っている責任が違うこともあるので同じ仕事をしているようで、同じ仕事以上のことをしていることがほとんどなのですが、働いている身からすると、とても意欲が削がれてしまうようです。

ヒット商品が生まれない

「この前リリースした商品。なかなか売れないね」そんな話が従業員の間に囁かれ始めたら注意が必要です。

扱う商品によって状況は異なりますが、やはり新しく発売した商品や、リニューアルした商品が売れているか売れていないかはすぐに社員に広まります。

製造であれば製造計画の中からしばらく消えている、棚卸しの際には資材がたくさん余ってしまっているなどからわかります。

出荷部門では出荷処理をなかなか行わなかったり、いつまでも在庫がはけていかない。

受注をしている事務員さんも新商品が出るときには身構えるものですが、それも初めだけでいつの間にか製品自体が終売の方向に向かっていった。

いくら苦労して開発したとしても、世の中のニーズにあっていなかったり、発売のタイミングが悪かったりするなど、商品力以外にも様々な要因が絡み合うので一筋縄では行きません。

ヒット出すのはどのメーカーも苦心しているのです。

しかし、新しく発売した商品がなかなか売れないことが続いていくと、不安に感じる従業員もいるようです。

将来性がないと判断した正社員の方。

特に若手から離れていく傾向があるようです。

食品メーカーの仕事でよく聞く不満

商品メーカーに関わらず、他の企業でも見受けられる不満が多くありそうです。

中には食品メーカーならではの理由もあります。

正社員とパートさんの仕事に差がない

特に製造現場でよくある話なのですが、同じ生産ラインで仕事をしている正社員とパートさんとの間に業務の差がなかったり、正社員の方があまり仕事をしていないといった例があります。

特に長年パートとして勤めていただいている方はとても手が早く、多くの仕事をこなすことができるので正社員であろうと関係ありません。

新しく入った新入社員や若手の社員の仕事の効率がとても目についてしまうようです。

勤務歴が長い社員がそのような様子であるのであれば、現場の士気が上がるわけがありません。

指示を出せない上長が多い

何か問題があったときには速やかに上長に報告をあげるように指示を受けていたが、実際に報告をあげてもなかなかその後の指示が降りてこない。

それどころか対策を講じなければならないのに決断をすることができず右往左往している、そうしている間にますます問題が大きくなってしまった。

場合によっては、しっかり報告をあげているのにも関わらず、現場の対応の遅さや対応などに責任転嫁している社員まで。

現在では食品業界を取り巻く環境は厳しいです。

不良品やクレーム、販売している製品によって事故や病気が発生すれば、経営にも深刻な影響を与えます。

そうしたことを一番に意識しなければならない正社員よりも、現場のパートさんたちの方が意識が高いことも往々にしてあるのです。

また、行っている仕事が予定より早く終わった際などに判断を上長に仰ぐのですが、その場で答えることができない。

その後の業務を把握してないなどの理由から指示出ないために、待ちぼうけになってしまった。

そんな話をよく聞きます。

繁忙期などは少しでも早く仕事をこなそうという意識で皆が動いているのにも関わらず、スムーズに次の仕事に移行することができないことに苛立ちを感じる方は多いようです。

グレーな対応をしている

いくら食品の製造を安全面や衛生面に細心の注意を払っていても、お客様に商品が届いた際に不良が出てしまう場合があります。

そういったときには食品の回収であったり、在庫品の廃棄などを行うことになります。

どういったクレームが発生して、どのように対応をしていくのかが上層部や所属してる上長から指示が回ってくるのですが、その対応について納得できないことや、ちゃんとした情報が回ってこなかったりすることが時折あります。

そんな時には不透明さを感じます。

実際に現場で生産している人たちはしっかりと指示通りに作業を行っていますし、何か問題があればその都度指示通りに生産を行っているはずです。

しかし、上長の判断が曖昧だと、問題の原因を転化させられたりすることもあり不満につながるようです。

忙しい時期とそうでない時期の差が大きい

生産現場や出荷現場でありがちなのですが、繁忙期と閑散期の差が大きい企業では、その調整を勤務する従業員によって調整をかけることがあります。

忙しい時期には毎日残業であったり、休日出勤を課している場合があります。

その反対に閑散期では有給などの消化を推奨したり、急に時短勤務に変更させられてしまったなどの話を聞きます。

出荷が減ってくると当然仕事量が減ってしまうために人員過剰になり、普段勤務していない別の工場の手伝いに回されます。

慣れない仕事を行うことなるので、とても神経を使います。

あまりにも仕事がない場合には終業までに時間を持て余してしまい、毎日同じところを掃除して過ごすなんてことも。

そのような日が続いてしまうと「うちの会社は大丈夫だろうか」と不安になってしまう従業員もいるようです。

身体的負担

食品メーカーでは一部をのぞけば、体全体を使って仕事をする例は少ないので肉体的に負担の大きい仕事はないかもしれません。

しかし、局所的に負担が集中してしまう仕事があることも事実です。

目を使う業務

現在では製造機械の導入が進んでいるために、負担が軽減されつつあります。

しかし、中小企業では導入コストの問題があったり、機械では取り除くことができないものも多くあります。

まだまだ人間の眼と手で異物を除去したり、不良品などを弾く作業が残っています。

検品作業の主なものは「目視検品」となるため、シフトや休憩によって負担の軽減が計られておりますが、「目視」とついているように、眼に多大な負担がかかるために慢性的な眼の疲れや、場合によっては視力の低下などに繋がるケースもあるようです。

重たい物を扱う業務

食品の中でも重量がある商品を扱っている場合には、ただの箱詰めや倉庫からの集荷においても一苦労なことがあります。

特に水物であったり、粉末状の商品だと一つの商品の重量が重くなりがちです。

ましてや箱に複数詰められているとなるとさらに重い。

慣れと言われればそこまでなのかもしれませんが、1日の業務が終わった後には腕がパンパン。

腰にも負担がかかっており、初めのうちは気にならなかったが急にぎっくり腰になってしまったなどの話を聞きます。

そうした業務においては、従業員からの声を反映して機械を導入したり、商品の企画の変更によって重量を減らす、入り数を減らすなどの対応をしてくれるかどうかによって、不満の目を摘むことができそうです。

キツい時もあるけど、でもやっぱりやりがいはありますよね!

仕事をしていく上で、精神的にも肉体的にもきつかったり、大変な部分もあるのは事実です。

実際に不満が多い部門もあるでしょう。

そういった中でもやりがいを感じる場面も多くあります。

新商品の開発や製造に関わったものが、試行錯誤の末に形になりお客様の初出荷されていく様子をみると、たくさん売れますように、お客様が喜んでもらえるようにという気持ちで送り出します。

そうしてその商品がヒットにつながった時には達成感や喜びがあったり、次への仕事の活力へつながっていきます。

まとめ

食品メーカーでの仕事は安定している業界だと言われていますが、外部環境は厳しくなってきています。

安全や衛生的な問題が起きないように社内ではたくさんのルールに従わなければなりません。

また工場ともなると、たくさんの従業員と同じ空間で仕事をこなすことになるので、人間関係などに苦労することもあるかもしれません。

しかし、「食」を提供している仕事はお客様に美味しいと言って食べてもらえたり、栄養となりその人のカラダをつくる意義のある仕事と言えるのではないでしょうか。

実際に食品メーカーに転職を考えている方、離れたいという方への何かのヒントになりますように。