臨床工学技士の中途採用とは、業務経験のある人材を病院が採用することです。

転職と同じ意味合いで用いられることが多いです。

この記事では、転職をお考えの方向けに、実際の臨床工学技士の求人について詳しく解説していきます。

臨床工学技士に採用されるために知っておくべきことについてもお話しさせていただきますので、ぜひ参考にしてみてください。

あなたの転職を成功させるためにぜひ最後までご一読いただけたらと思います。

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臨床工学技士の中途採用をしている病院ではどんな求人が募集されているの?

臨床工学技士は、生命維持管理装置をはじめとする医療機器の操作や保守点検を行い、安全に使用できるよう運営することを仕事としています。

病院で働いている人が多いですが、企業やクリニックで働く人もいます。

中途採用では、様々な業務内容を募集しています。

新卒の募集とは違い、業務経験の有無を問われる求人が大半を占めています。

臨床工学技士の中途採用をしている4個の病院のタイプとは?

実際に募集をしている病院のタイプをご説明します。

人手が欲しい

中途採用の募集をしている病院の多くは、人手不足に悩まされていることが多いです。

止むを得ない事情で臨床工学技士が辞職もしくは転職をした際、人手に余裕がない限り欠員の補充をしなくてはなりません。

欠員の出た状態が続くと業務の忙しさで仕事のパフォーマンスが低下し、インシデントの発生率が上がる恐れが考えられます。

欠員の補充は誰でも良いというわけではなく、現場では未経験者よりも即戦力となる人材を求めています。

また、市立病院では市が臨床工学技士の定員を決めているため、人手が欲しいからと言って必ずしも募集をかけられるわけではありません。

その際、募集する業務が未経験であった場合は、合格する可能性は低いでしょう。

業務拡大のために人手を求める

臨床工学技士は、様々な業務内容に携わることができます。

一部の例を挙げると、心臓カテーテル業務、内視鏡業務、人工透析業務、ME機器管理業務、ペースメーカー業務、呼吸器業務などがあります。

病院によりますが、ローテーションで日によって携わる業務が異なる場合があります。

例えば病院が臨床工学技士の業務拡大を考え、心臓カテーテル業務の介助をしてほしいとします。

現在は5人で業務を回しているため、心臓カテーテル業務まで手が回りません。

そういった場合、心臓カテーテル業務の経験歴を持つ人を募集します。

採用されると心臓カテーテル業務の立ち上げから関わり、即戦力として働くことができます。

臨床工学技士の歴史は浅く、知名度や地位はまだまだ低いです。

今後の活躍や地位向上に向けて、確立した業務の拡大を進めていく必要があります。

そのため、前もって中途採用で人員を確保しておくことでスムーズに業務拡大が進むでしょう。

優秀な人材を募集している

病院は優秀な人材を採用するため、費用がかかっても求人の掲載をしています。

このタイプの病院ですと、募集人数が1名であることが多いです。

病院側はこれまでの経験や実績、将来性があるかどうかを給料等の待遇面に反映させます。

待遇の良い求人は自然と倍率も高くなるため、他の応募者にはない突出したスキルや付加価値がなければ採用は難しいと思います。

常に人手が足りない

離職率の高い病院は、求人を募集して採用してもすぐに辞めてしまうため、常に求人を出し続けることになります。

原因としては、激務や長い労働時間、職場の環境が悪い、待遇面の不満などが考えられます。

待遇が良くても労働時間が長く縛られる場合、自分のライフワークバランスが乱れ、ストレスを溜めることになってしまいます。

そのため、常に求人募集をしている病院は離職率が高い可能性があることを念頭に置いて下さい。

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中途採用された臨床工学技士が病院から求められていることとは?

携わる業務内容によって、病院が臨床工学技士に何を求めているかが変わります。

採用されて安心するのではなく、自分のスキルを活かして病院に貢献することが大切です。

心臓カテーテル業務

心臓カテーテル業務において臨床工学技士は、使用物品の受け渡しや、使用機器の操作・管理、バイタルサインのモニタリングスキル、術前の準備や保守点検などが挙げられます。

循環器の領域では臨床工学技士が医療機器に触れる場面が多いので、専門的な知識や技術を求められます。

救急病院では心筋梗塞で運ばれた患者に、補助循環法の一種であるPCPSやIABPと呼ばれるものを使用して、患者の命を繋ぎ止める業務があるからです。

より緊迫した状況の中でいかに正しい医療を提供できるか、臨床工学技士としての経験が問われます。

透析業務

臨床工学技士において必須とも言えるスキルは透析業務です。

多くの病院では人工透析治療を行っています。

人工透析は臨床工学技士が携わることが多いため、応募資格に「透析業務」と記載している病院が多いです。

また、穿刺業務や介助業務、機械点検業務など様々な経験をしておくことが大切です。

病院によっては看護師と完全に分業しており、穿刺業務を一切行わない病院があるからです。

業務内容によって細かく求められるスキルがあるため、求人を見てリサーチする際には病院側に質問することが大切です。

即戦力

中途採用では、即戦力として募集していることが多いです。

例えば、「心臓カテーテル業務歴3年」「透析業務歴3年」など経験の有無によって即戦力になるかどうか判断されます。

自分の保有するスキルが応募条件に一致していた場合、成功の確率は上がります。

しかし、業務経験あり=即戦力ではありません。

病院によってマニュアルや業務の流れが異なるからです。

そのため、一般的な医療知識と経験を上手く融合させ、応用を利かせて働く必要があります。

中途採用で求められるスキルは、新卒で求められるスキルよりも遥に上であることを理解しておきましょう。

指導力

中途採用の場合、次年度には新卒が入職するため、教育をする必要があります。

新人の教育係が決められている場合は、教育係へ業務経験者の目線に立ってアドバイスをすることができるでしょう。

後輩が業務を覚えて一人前になるため、丁寧な教育をするよう心掛けましょう。

臨床工学技士に対する熱意

自分の職業に対して熱意を持っていると、一緒に働きたいと思われやすいです。

面接でも質問されると思いますが、こちらの熱意が伝わるよう、業務に取り組む姿勢を具体的に説明しなければなりません。

中途採用では、臨床工学技士ひいては医療人としての在り方が求められるということを念頭に入れておきましょう。

臨床工学技士の中途採用で転職するために身につけるべきこととは?

中途採用での転職を成功させるためには、個人としての能力が必要です。

具体的にどのようなスキルが必要かご紹介します。

コミュニケーションスキル

臨床工学技士に限った話ではありませんが、医療機器を扱う仕事でも、業務内容によっては透析業務など、患者さんと接する仕事もあります。

転職した際に新しい職場に馴染めるかどうかや、先輩と仲良くできるかどうかなども、重要な要素になります。

仕事のできる人でも愛想がなかったり、挨拶や連絡が疎かであったりする場合は周りからのスタッフと距離ができてしまい、信頼されません。

コミュニケーションスキルがあれば、効率良く仕事を行えることに加え、困った時に助けてもらえます。

中途採用の場合は、先輩が自分より年下のことがあります。

気まずい関係にならないようしっかりコミュニケーションをとり、仲良くなることが大切です。

天気の話でも構わないので会話をすることを心掛け、顔を合わせる時間を多く取りましょう。

向上心

転職の成功がゴールではありません。

希望の職場に転職したのならば、臨床工学技士として更に成長していけるよう知識や技術を身につけることが大切です。

普段の業務でも、疑問に思うことを調べるだけでも勉強になります。

勉強会に積極的に参加したり、学会で発表をしたりすることでも成長できます。

ただ与えられた仕事をするのではなく「もっと知りたい」「もっと仕事を覚えたい」という貪欲な気持ちがあれば、向上心を持って仕事に取り組むことができると思います。

ビジネスマナー

仕事を覚えることも大事ですが、社会人としてのビジネスマナーも必要です。

中には間違って覚えているものもあるかもしれないので、この機会に勉強しておいた方が良いと思います。

転職先がマナーに厳しい場合、第一印象から悪くなる可能性もあるからです。

勉強方法としては本を読む、マナー講座に参加する、動画の視聴で学ぶといった方法があります。

マナーに関しては自己投資と思って、時間や資金を費やすことに惜しんではいけません。

臨床工学技士の中途採用の募集で良い求人を探すための方法

臨床工学技士の中途採用の募集を探すには様々な方法があります。

一つの方法にこだわらず、いくつかの方法を組み合わせることがとても重要です。

求人掲載サイトで探す

大手の求人掲載サイトへ毎日アクセスし、自分の条件に当てはまるかどうか探すことです。

インターネットの環境が必須ですが、時間や場所に関係なく検索することができます。

また、求人掲載サイトによって掲載される求人の数が異なるため、複数のサイトを登録すると良いでしょう。

おすすめは、医療従事者専用の求人掲載サイトです。

臨床工学技士や臨床検査技師などのコメディカルに特化したサイトで、求人の掲載数が非常に多いです。

自分の求める業務内容や待遇などを決めておくと、検索の時間を短縮することができます。

転職支援サイトに登録して探す

転職支援サイトでは、臨床工学技士もしくは医療従事者に特化した転職アドバイザに相談し、直接おすすめの求人を紹介してくれる制度があります。

自分が探している求人の条件を伝えるだけで、求人が見つかり次第転職アドバイザから連絡が入ります。

社会人で既に働いている場合、転職に費やす時間が取れないため、転職支援サイトに登録することをおすすめします。

求人支援サイトは求人掲載費用で運用されるため、利用者は無料で転職サポートを受けられます。

ホームページで探す

働きたい病院が具体的に決まっている場合、病院のホームページに直接アクセスして求人を探す方法もあります。

病院にもよりますが、直接電話連絡が可能な場合や、ハローワーク経由での受付の場合もあるので確認が必要です。

そのため、まずは転職支援サイトに登録し、時間に余裕があれば探してみるのも良いかもしれません。

まとめ

以上、中途採用の事情をご紹介しました。

臨床工学技士として生き残る道は、転職して様々なスキルを身につけることがとても大切です。

個人のスキルによって様々な可能性が開ける時代ですので、転職するタイミングや必要性を考えて行動しましょう。

また、医療従事者として熱意や自覚をもって日々、業務に取り組んでいきましょう。

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