臨床工学技士として働く30代の方で、現在働いている職場に不満を持っている人もいるのではないでしょうか。

そこで、今回はそんな臨床工学技士の転職事情を徹底解説していきます。

30代の臨床工学技士の転職は難しいのかもと諦めてしまっている方も、これからお話しさせていただく転職時に気を付けるべきことを4個をぜひ参考にしていただけたらと思います。

転職は勇気のいる行動なので、注意点や心構えをしっかり持って成功に導きましょう。

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臨床工学技士が30代で転職する人は多い?

20代で転職する臨床工学技士は多いですが、30代になると転職する人数が減ります。

理由としては、30代になると転職先の職場で教育の難しさや、コミュニケーションの取りにくさがあるからです。

筆者が転職した時の話ですが、明らかに筆者よりも年齢の若い先輩がいました。

年下の先輩は入社歴が長く経験も豊富なため、指導者として新人に教育をすることになります。

しかし新人が筆者のように年上であると、非常に気まずい状況となります。

その結果、コミュニケーションが思うようにとれなくなってしまいます。

割り切ってお互い接することができれば良いのですが、それにはかなりの時間が必要かもしれません。

また、30代で転職すると自分の仕事のやり方がある程度決まっているため、転職先の仕事のスタイルに馴染むことができないリスクがあります。

病院ごとに独自のマニュアルがあるため、転職して間もない頃は戸惑うことも多いと思います。

しかし「前の病院ではこうでした」と意見を言うと、周りから浮いてしまう恐れがあります。

戸惑いや違和感があっても「郷に入っては郷に従え」の気持ちで仕事をすることが大切です。

それでも前の職場のやり方が良いと思うのであれば、職場に慣れた頃にさりげなく伝えてみるのも一つの方法です。

臨床工学技士でよくある転職理由

転職する理由について幾つかご紹介します。

この中で、共感した数が多いほど転職することに意味があると言えるでしょう。

職場の環境が悪い

一日の大半の時間を職場で過ごすため、職場環境は重要な要素になります。

職場の環境が劣悪だと、いかに優秀な人間でも成長を阻害されたり、ストレスが溜まったりすることでパフォーマンスが低下します。

そのような環境でも上手に順応できる人もいますが、心身に不調をきたしている場合は無理に働き続ける必要はありません。

職場環境を変える方法は幾つかありますが、転職することが一番簡単で確実的でしょう。

待遇が良くない

臨床工学技士は国家資格を有するため待遇が良いと思われがちですが、実際はあまり待遇が良くありません。

理由としては、臨床工学技士の歴史が浅いことで価値が認められておらず、確立した業務が少ないからでしょう。

待遇を良くするためには自分の付加価値を見出し、磨き上げることです。

学会で研究した成果を発表したり、セミナーで講演をしたりすることで実績を積み重ねることが大切です。

臨床工学技士として価値が高い人材であれば、転職することで待遇が良くなります。

キャリアアップをしたい

これからの時代では、臨床工学技士として自分に付加価値があるかどうかで、生き残れるか決定します。

臨床工学技士としてのキャリアを上げるには、一つの業務内容を極めてスペシャリストになる方法と、幅広い業務内容の経験を持つジェネラリストになる方法があります。

20代ではジェネラリストとして様々な業務内容に携わり、30代になったらスペシャリストへの道を進むことが理想です。

筆者の場合、人工透析業務を覚えようと転職した際、他の業務内容で培った知識を応用で活かせる場面が多くありました。

同じ病院でずっと働くより、転職して経験を豊富に積むことがキャリアアップに繋がると言えます。

幅広い知識と経験を身につけることは、大きな財産となることでしょう。

経験を積むため

様々な業務のシフトがローテーションで組まれていた場合、3年で大半の業務を学ぶことができます。

今の職場でできない業務が他の病院にある場合、転職することでできる業務の範囲が広がります。

今の職場での経験が転職先でも役に立ち、応用を利かせられることもあるでしょう。

そのため多くの経験を積みたいと考えている方は、3年を一区切りにして転職するのも良いでしょう。

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臨床工学技士が30代で転職する時に気をつけたい4つのこと

30代で転職する場合、20代で転職するよりもリスクが大きいことを理解しておきましょう。

新卒や20代の若い臨床工学技士は今後の活躍に期待して採用されますが、30代になると完全に実力を認められないと採用されません。

30代に転職する際に注意すべきことを4点ご紹介します。

キャリアプランを明確に決めておく

臨床工学技士としてのキャリアアップをどのようにするか、道筋を立てる必要があります。

若さと勢いで突き進んだ20代と違い、30代では方向性を持たせたキャリアプランを計画することが大切です。

具体的に掲げることが難しければ「この業務を覚えて応用力を身につけたい」などでも構いません。

目標に幅を持たせることで、柔軟に対応することができます。

自分の人生に関わることですので、漠然とするよりはある程度目標を決める方が求人選びもしやすくなると思います。

働きながら転職活動をする

転職活動をし始めてすぐに採用に至るケースは少ないのではないでしょうか。

まとまった時間は取りやすいでしょうが、退職後に転職活動をするのはおすすめしません。

退職金は思っているよりも少なく、失業保険は支給されるまでに時間がかかるからです。

収入がない状態が続くと金銭的に余裕がなくなり、転職に焦りが生じます。

焦りが求人を探す判断力を鈍らせ、転職に失敗する確率を上げることになります。

筆者も働きながら転職活動をして、転職アドバイザの協力のもとじっくりと活動をして採用に至りました。

そのため、転職活動は働きながらするようにし、どうしても時間が取れない人は転職アドバイザに相談してみましょう。

周りの経験者に相談する

転職は今の職場での立場や役職を失うため、転職するメリットとデメリットを天秤にかけてじっくり考えることが大切です。

今の職場に不満があるならば、上司や周りの転職経験者に相談してみましょう。

相談するだけで不満が解決し、今の職場でのやりがいを見つけられるかもしれません。

第三者に相談するだけでも、自分の意見や考えを客観的に捉えられるようになります。

しかし、相談相手を間違えるとあらぬ噂が広まってしまうので、信頼できる人を選んで相談してみましょう。

面接対策を怠らない

社会人としてのマナーや知識はあるので、面接の練習はあまり必要ないと思っていると危険です。

30代こそ面接の細かい部分を見られていることを意識しましょう。

言葉遣いや自己PR、一般常識の質などを問われます。

今までのキャリアを活かして、今後どのように貢献していくか明確に説明できるように練習しましょう。

面接では決まった内容の質問が多いので、しっかりと対策をすれば問題ありませんが、無難な回答では面接官に響きませんのでご注意下さい。

転職するにあたっての必要な心構え

転職は、良くも悪くも人生において多大な影響を与えます。

転職に失敗しないよう、しっかり自分の頭で考えることが大切です。

転職するに際してどういった心構えでいると良いかをご紹介します。

失敗を恐れない

転職に失敗は少なからず存在します。

何が原因で失敗したのかを考え教訓として生かすことができれば、長い人生にとってはプラスになるでしょう。

成功することにばかり囚われていると視野が狭くなるため、チャンスを逃すことにもなります。

そのため、失敗を恐れない強い気持ちを持ち、広い目で物事を見ることを心掛けましょう。

できることなら失敗はしたくはないので、失敗の確率を減らす努力が必要です。

そのためには、事前に転職先の病院をリサーチして、自分の条件に合うかを判断しましょう。

職場見学では社内環境だけでなく環境整備やワークライフバランス、向上心のある臨床工学技士が多いかなどポイントを絞って観察しましょう。

心に余裕を持つ

転職すると決めたら、期間を設定することをおすすめします。

長くも短くもない3ヶ月から6か月が良いでしょう。

今の職場の身辺整理や残っている仕事を片付ける必要があるため、できるだけゆとりがある方が良いです。

焦って転職すると重要なポイントを見落として後悔することになるため、ある程度余裕を持つことが大切です。

また、臨床工学技士の求人は募集される時期が未定であるため、タイミングの見極めが必要です。

転職したい病院を見つけても求人が無かった、ということがあっても諦めてはいけません。

年末や年度末などの区切りの良い時期に辞める人もいるので、この時期は求人募集が出る可能性があります。

そのため、転職アドバイザとの連絡を密にすることや、求人掲載サイトを定期的にチェックすることが大切です。

転職活動は仕事と並行して行うため、肉体的・精神的な負担が大きいことも理解しておきましょう。

今の職場を退職することを考える

転職活動で頭が一杯になってしまうと、業務のパフォーマンスは落ちて周りとのコミュ二ケーションも減るでしょう。

そのため、現在の職場を辞める意思をまずは上司に伝え、身辺整理をしていく必要があります。

内定を貰った時点で現在の職場の退職日と次の職場の入職日を決める必要があります。

そのため、転職する際には必ず期限を決めて、行動しなければなりません。

転職することを伝えると気まずくなるかもしれませんが、自分の意思を曲げてはいけません。

退職日までは今の職場の一員ですので、今の職場への感謝の気持ちを忘れずに、最後まで働くようにしましょう。

まとめ

臨床工学技士として30代で転職する人は少なく、何かしらのメリット・デメリットはあります。

転職に成功すると、自分のスキルが必要とされることで存在価値の証明に繋がり自信が持てるようになります。

転職をすぐには考えていない場合でも、自分のスキルを日々磨き続けていくことが大切です。

そのスキルは将来転職する際の武器になることでしょう。

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