農業で働く5個のメリットややりがい。これから就職や転職を考えたい人に向けて!
農業は未経験でも出来るのでしょうか?
世の中にあるたくさんの職業の中には、専門的な知識を学んでいないと就けないものがあります。
大学や専門学校、あるいは実務経験や資格取得が必須となる職種もありますよね。
では、農業はどうでしょう?まったくの未経験でもできる仕事なのでしょうか?その疑問を、この記事で解消していきましょう。
農業へ就職を未経験だけど挑戦してみたい方はぜひ参考までにご一読ください。
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農業は未経験でもできるの?
筆者は農業を3年経験したことがあります。
しかも、親は農家ではない、いわゆる非農家出身です。
結論から言えば、未経験でもできます。
なぜ未経験でもできるのか。
それを簡単に解説していきます。
誰でもできる
農業は誰でもできます。
これといった資格はいらないし、実務経験がゼロでも全然構いません。
知識を持っていなくても大丈夫ですし、実家や家系が農家でなくても農業は始められます(現役農家の中には、非農家出身者も多くいます)。
広さに関係なく農地を借りるか買うかをして所有する形になれば、農家として認められることになります。
なので簡単に言えば、農地さえあれば農業をしていることになるのです。
その農地も、農地中間管理機構や地元住民との契約によって取得することが可能で、お金を払えばいいだけでなのです。
何歳からでも始められる
農業には、他の業界に見られる年齢による縛りがありません。
例えばコンピューターグラフィックを扱う職業では、若いうちから大学や専門学校などで専門知識を学び、実務経験を積んでいく人が重宝されます。
逆に、専門知識を持たずにある程度の年齢になった人がコンピューターグラフィック職に就こうと思っても、受け入れる企業からしたら即戦力にはなりません。
ですが、農業にはそういった業界ごとに見られる年齢や経験による就職の難しさがないのです。
それに、定年という概念もないので、60歳を超えてもずっと続けられます。
どんな職業経験者でもできる
農業は、無関係の業種・職種からでも始められます。
業界によっては採用条件の中に「~の経験者を求める」といった文言が見られることがあります。
農業にはそのようなことは求められないケースが多いのです。
後述しますが、前職が農業と無関係の仕事であったとしても、意外と農業に役立つこともありえます。
農業法人に就職する場合
農家としてではなく会社化している農業法人では、少し状況が変わります。
法人によっては、例えば「上限40歳までの人」とか、「農業経験者、実務経験者が必須項目」というところもあるので注意が必要です。
ただ、すべての法人がそうであるわけではなく、「未経験者OK」というところもあるので諦める必要はまったくありません。
農業の仕事にスムーズに就くには?
未経験から農業を始められることが分かったのなら、次は「どうやって農業を始めたらいいの?」と思いますよね。
個人的見解になりますが、経験をもとにスムーズに農業という仕事を始める方法を解説します。
情報収集
まず始めにすべきことは、情報収集です。
情報収集と言っても色々なことを調べる必要があります。
まずは就農しようと考えている地域の情報。
その地域では自治体がどのような農業政策を行っているのか、その地域の特産品や推奨作物はどんなものなのか、気候風土はどんな感じなのかを調べてみましょう。
次に空き農地や住居を探しましょう。
そして、農業研修に関する情報を探してみましょう(個人的に農業研修の受講をおすすめします)。
また、新規就農者向けのセミナーや、自治体の農林課、あるいはインターネットを活用して『農家の実態や農業の現状』を把握しておくと良いです。
未経験者だからこそ、農家や農業の実情をしておく必要があると思います。
農業研修を受講
これは絶対にしなければならないことではありませんが、筆者は受講することをおすすめします。
なぜなら、農業を始めるための事前準備になり得るからです。
農作業を前もって体験し、体を慣らしておくことで、いざ農業を始めた時の大変さやしんどさが軽減するからです。
どんな感じなのかを知っておくことは、イメージのみ先行して現実に打ちのめされることを回避してくれるでしょう。
それに、栽培技術や経営知識の基礎を学ぶこともできるので、知識を持った状態で農業を始められ、仕事をスムーズに運ぶことができます。
もう1つのメリットとして、研修期間中に同期の新規就農者や自治体農林課の職員、または農業改良普及センターの職員や農協の職員と会う機会があるので、就農前に人脈を広げることができます。
農業研修に関する情報は、各都道府県の農業大学校や自治体農林課、あるいは農業に関連する企業や団体に問い合わせれば得られます。
資金調達
農業を始めた後の生活を左右するのが、この資金調達です。
農業を始める際、特に未経験者は農業用機械や農具などを揃える必要があり、その初期投資額は高額になります。
その上、農業経営が軌道に乗るまでの生活費を工面するお金も必要となります。
そのため、まずはある程度の貯蓄があることが望ましいです。
どんなものを栽培するかによって初期投資額は異なりますが、数百万円以上はある方が良いかと思います。
とは言っても、それも簡単にできることではないですね。
なので、農業次世代人材投資資金や、自治体独自の助成金制度、あるいは金融機関からの融資を活用することもおすすめします。
ただし、これらの制度を受けるのであれば、農業経営の計画を入念に立てる必要があります。
計画
農業をするに当たって重要なのが、経営計画。
年間で何を・どれくらいの面積で栽培するのか、どこに売るのか・販売価格はいくらになるのか。
また、作付スケジュールの作成や、農地全体を有効利用するための計画なども求められます。
そして、数年後に所得をいくら上げるかという目標を立てます。
計画も立てずなあなあでやってしまったら、ろくな農業経営になりません。
どんな農業をしたいのか、『ビジョン』を明確にして計画を立てることが重要です。
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農業の仕事に就く上での4つの注意点
次に紹介するのは、農業に就く上での注意点です。
未経験だからこそ陥りやすいことを解説していきます。
農業への過度なイメージ
どんな仕事にも言えますが、「悠々自適なスローライフなんだろうな」などといったイメージを持ったまま農業を始めると、現実とのギャップに打ちのめされるかもしれません。
はっきり言いますと、農業は厳しい仕事です。
十分な収入を得られるまでに数年かかりますし、自然が相手なのでこちらの思ったようなスピードで育ちませんし、予定通りに作業が捗らないこともあります。
ましてや台風などの自然災害の影響をかなり受けるので、収入は安定しません。
完全に屋外での仕事なので、夏は暑いし、冬は寒い。
虫や雑草など多くの生き物と接することになるので、虫が嫌いだったり単純作業が苦手な人は大変な思いをすることになります。
情報収集が必要と言った理由はここにあるのです。
無計画
前述したように、入念な計画を立てずなあなあで農業をすると、最悪経営破綻してしまいます。
何をどれくらい栽培し、どこに売り、どれくらいの収入を目標とするのか。
そのための初期投資に必要な金額がいくらであり、生活費を確保できるのか。
不必要な買い物や、現状の経営に見合わない買い物をしてしまうと、あっと言う間に経営資金が減ってしまいます。
また、ろくに作付計画を立てないまま行き当たりばったりな作付けをしてしまうと、農地を遊ばせる期間が生まれてしまい有効に活用できません。
それに、自身の力量に見合わない作付面積も禁物です。
「これくらいいけるだろう」と思いながらたくさんのものを植えて、いざ収穫期に入ると「採り切れない…」という事態に陥ります。
明確なビジョンを持った経営であれば、このような事態は回避できるでしょう。
情報不足
未経験だからこそ、情報収集を徹底しなければなりません。
栽培知識・経営知識の不足は、農業経営で安定した収入を得るまでの道のりを遠ざけます。
それに、農作物の栽培では病気や害虫が付き物です。
それらの発生時に見られる症状や対処法、発生原因が分かっていないと、何をどうしていいか分からないだけでなく、下手をすれば間違った対処をしてしまうことが起こりえます。
それだけではありません。
農業に関わる各団体が企画するセミナーや先進農家への視察会など、自身の経営にとって参考となるかもしれないイベントの情報もあります。
何もせず、受け身のままではなく、自分の足で動いて様々な情報を得ることは、決して無駄なことではありません。
コミュニケーション不足
もう1つ注意した方がいいことは、様々な人とのコミュニケーションです。
地域住民や集落との交流、農業改良普及センターや自治体などとのつながり、他の農家との交流。
これらのつながりを疎かにすると、『閉塞した農業』になってしまいます。
農作業に没頭していると、いつしか閉塞した暮らしになりがちです。
自らの意思で外の世界に出ない限り、自分の家や農地のみが生活空間になるので、必然的に他者との交流が閉ざされてしまいます。
個人的にこれは避けた方がいいと思います。
農業に関係なく、人や社会とのコミュニケーションを欠いてしまうと、いつしか社会から孤立してしまうのではないでしょうか?
災害や予期せぬ病気・事故の時に助けを求められるつながりが無くなるのは、とても恐ろしいことです。
農業の仕事をするために活かせる、今までの経験は?
未経験から農業を始めたとして、前職の経験は役に立たないとは限りません。
むしろ、その経験が農業で活かせる強みになります。
簡単にですが、農業で活かせる経験を紹介します。
製造業
製造業において作業の効率化は重要だと思います。
農作業でも同じで、限られた時間の中でいかに効率よく農作業をするかが求められます。
農作物の生育は自然に任せるのみですが、耕運や畝立てなどの耕作作業においては人間の力量が求められます。
時間内にどうすれば効率よく作業を進められるか。
製造業を経験した人はその思考の土台が備わっているでしょう。
接客業
農業では農作物の栽培だけではなく、いかに売るかといったマネジメントも求められます。
場合によっては自らが消費者と対面して農作物を売るシチュエーションだってありえます。
自身が育てた作物の良さや、美味しい食べ方をPRする。
対人コミュニケーションが備わった接客業は、強みとなるでしょう。
営業
農作物を販売する上で、消費者と対面して売る以外にも、スーパーなどの量販店や飲食店に自ら売り込みに行くこともできます。
いわゆる販路開拓です。
自身が育てた農作物の魅力や、経営の強み(多量少品目、有機栽培など)を取引先にアピールしなければいけません。
お得意先との折衝や、新規開拓を経験する営業職に就いていた人は、その能力を活かすことができます。
また、コミュニティの拡大にも一役買うことでしょう。
経理
農業経営では、収支計算や帳簿・伝票管理・購買管理など、自身が経理業務をすることになります。
お金や数字を扱ってきた経理経験者は、経営に係るお金の管理において大きなメリットとなるでしょう。
農業経営ではワードやエクセル、その他の各種ソフトを有効活用すると、事務・経理作業がスムーズに捗ります。
パソコンを扱う作業なので、本当にメリットのある経験職だと思います。
土木業
単純にですが、外環境での作業に対する耐性が備わっています。
農作業は実は力仕事が結構あり、前述したように夏は暑く、冬は寒いという環境で仕事をすることになります。
なので、同じ屋外作業を経験したことのある土木業経験者は、特に抵抗なく農作業を進めることができると思います。
まとめ
いかがでしたか?
未経験でも農業の仕事に就く方法と注意点、活かせる経験を紹介しました。
未経験のまま、何も知らず、何も勉強せずに農業を始めると、その道のりは長くなります。
「何から手をつければいいのか分からない」と思ったなら、まずは自治体の農林課や新規就農者を支援してくれる機関・団体に相談しに行くと良いでしょう。
そうすれば、そこからさらに多くの情報が得られるはずです。
それらの情報をもとにして、農業に関することをひとつひとつ知っていけば良いのです。
焦りや時期尚早は禁物。
未経験だからこそ、しっかりと準備をしてから農業の道に進むことをおすすめします。
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