農業はどれくらい稼げるのかご存知でしょうか?

目標とする農家の年収は、就農5年目で年収300~500万円と言われています。

では、実際の収入事情はどうなのか。

筆者は野菜農家歴3年で、依然経営が軌道には乗っていません。

それを前提として、農業は稼げるのか、稼げないのかを経験をもとに農家の収入事情について紹介します。

農業のおおまかな仕事内容

  • 田畑を耕す・畝を立てるなどの、耕地。
  • 種まきから収穫までを行う、栽培。
  • 収穫した農作物を出荷して売る、販売。
  • 耕地や栽培の計画、販路開拓の営業、収入と支出を管理するなどの、経営。

以上4つの仕事がメインになります。

農業って稼げない?経験者が語る、農業の給与事情

冒頭でも説明したように、紹介する内容は筆者の事例。

野菜農家であり、自然農法(無農薬・無化学肥料)による栽培で、家族経営ということが条件です。

なので、他の農家では事情が異なりますので、その点を重々ご理解ください。

毎月の給料

1年間の売上から平均すると、毎月の給料は5万円ほど。

平均なので、3~4万円の月や15万円の月があったりと、毎月安定した収入にはなっていません。

季節によって収穫できるものと、野菜ごとで価格が違うからです。

春や冬に収穫するキャベツと、夏に収穫するナスを比べてみます。

キャベツは1株で1玉を収穫し、売り上げを出すには広い面積で栽培しなければなりません。

対してナスは1株から10本以上の実が収穫でき、キャベツほど面積を広げなくても売り上げが良いという結果になります。

このように、何を栽培するかで販売量と価格が変わります。

自然環境による影響

不安定な収入になるもう1つの理由は、自然環境による影響。

まずは天候による影響です。

台風の発生頻度と勢力、豪雨や豪雪、日照り続きによる干ばつ、暖冬か否か。

毎年同じ天候とは限らず、その年によってどうなるかは予測が難しいものです。

次は、害虫や病気、鳥獣害による影響です。

野菜に限らず農作物には害虫や病気の発生が付き物。

毎年同じ発生数ではなく、年によっては病気が全国的に流行するなどして農作物の収穫量が激減することが起こりえます。

栽培方法による影響

農業と一口に言っても、様々な栽培方法があります。

大きくは、「農薬を使う慣行農法」か、「有機栽培などの無農薬・減農薬栽培」かです。

慣行農法と有機などの無農薬栽培では、同じものでも価格に2倍ほどの差があり、有機栽培のものが高い傾向にあります。

無農薬栽培では、害虫や病気を防除する手段が限られているため、収入は慣行農法の6~7割程度と低いことが理由です。

ただ、首都圏と地方では有機栽培の関心度合いに温度差があり、首都圏では高価な有機栽培でも比較的よく売れます。

販売先による影響

同じ農作物を売るにしても、販売先によって収入に差があります。

市場に出荷する場合は市場が決めた価格で取引されますし、毎年価格が変動します。

直売所やスーパーの地場野菜コーナーでは、農家自身が価格を決めて販売できますが、安くて15%、高いと30%以上の手数料を取られます。

ちなみに、都会と地方では価格差があり、都会は価格が比較的高く、近隣に農家が多い地方は価格が安くなる傾向が見られます。

時期による影響

農作物には1番美味しい時期の旬があります。

ナスやトマトなどの夏野菜は夏によく売れ、白菜や春菊は鍋シーズンの冬によく売れます。

よく売れるということは全国的に量が出回るので、その分価格は安くなりますが、売れ残る量は少なくなります。

一方で、夏の葉物野菜など、その時期に出回る量が少ないものは消費者に重宝されます。

また、露地栽培では冬場に収穫できる野菜が限られてくるので、施設ハウスの有無は大きく影響します。

いかにして1年間栽培を切らさないようにするかが肝心になるわけです。

農業で稼げるようにするには

では、どうすれば稼げるようになるのでしょうか?

いまだ筆者もその手段に悩んでいます。

あまり深くは書けませんが、現時点で得た情報を紹介します。

ロスの削減

「ロス」とは、収穫時に出る外品(出荷できないもの)や、売れ残りのことです。

外品の中には、変形している・大きすぎるなどの見た目が規格外なだけで、十分食べられるものがあります。

これらを加工品や飲食店向けに販売できればロスが減り、売り上げに貢献できる見込みがあります。

売れ残りに関しては、市場への出荷は売れ残りがありませんが、直売所など直接出荷する場合はそれがありえます。

店舗で既に量が確保されている農産物を販売しても競合してしまい、結果売れ残るリスクが上がります。

なので、量を欲している店舗に販売するか、その店舗で量が少ない農産物に変更して販売するかの選択をする必要があります。

耕地面積の確保

とにもかくにも、ある程度広い面積の耕作地を持っていないと、量や種類を増やすことが難しいです。

聞いた話では、野菜栽培において1人で管理できる面積は1反が限界だそう。

少し余裕を持つなら、7~8畝といったところでしょうか。

それを踏まえると、春夏秋冬4シーズンを順繰りに栽培するとしたら、3~4反はあるのが望ましいでしょう。

そうすれば、1つのエリアで栽培中に別のエリアで次の栽培準備をするという余裕あるローテーションが可能になります。

農業用機械による効率化

農業用機械を購入するにはお金がかかりますが、人力で3時間かかった作業が1時間で済むなど作業効率の向上ができます。

機械導入による労働時間の削減は、限られた時間で多くの作業を進められるメリットがあります。

販売先の選定

市場は価格変動が大きいけど、確実に売り尽くせる。

直売所は同じものが店舗に溢れて売れ残るリスクが高が、生産者の名前が表記されるのでリピーターがつけば売れ残るリスクが低くなる。

流通会社は高くはない価格で取引することが多いけど、全量買い取りしてくれる上に集荷に来てくれるところがある。

インターネット販売は定着するまでに時間がかかるが、季節の野菜セットを販売したり、付加価値(オリジナリティ)を売り出せばリピーターが定着する。

このように販売方法によってメリット・デメリットがあるので、栽培面積や栽培方法に合わせた売り方をするのが望ましいでしょう。

原価計算をする

これはできることならやった方が良いです。

種まきから出荷までの間には、種代や光熱水費など多くの経費が発生します。

それを考慮して原価を算出しないと、自分の農産物の実際の価値が曖昧になり、得をしているのか損をしているのかさえ分かりません。

かなり面倒な作業ですが、これは行うべきだと思います。

収入以外にもこんなに得られるものがある!

ここまで収入面で話をしてきましたが、農業で得られるものは収入に限りません。

それらをいくつか紹介しましょう。

スキルの習得

営業・流通・経営(経理)といった知識・スキルや、体力・忍耐力の向上や作業効率を意識した行動が身につくメリットがあります。

また、新鮮な野菜の見極め方、美味しい調理法や栄養に関する知識など、食に関する知識も身につきます。

人間性の向上

農業関係者や販売先とやり取りをする機会が多いので、コミュニケーション力が養われます。

家族や同僚とともに仕事をする場合は協調性を培うこともできます。

また、自然の中で、自然と触れ合う暮らしをするので感性が豊かになります。

健康

体力・忍耐力の向上に加えて、早寝早起きの規則正しい生活リズムになります。

また、毎日新鮮な食材を食べれることや、綺麗な空気・環境の中で生活するので、心身ともに健康になります。

食に関する情報が得られる

日本における農薬の使用状況、種子のこと、遺伝子組み換え・ゲノム編集、農産物の輸出入、農産物の産地。

あまり意識しない農業や食に関する情報を、市政、同業者、セミナーなどを通じて得られるので「食の今」を知ることができます。

まとめ

いかがでしたか。

筆者を事例として、個人的な意見を交えて農家の収入事情を紹介しました。

農業は安定した収入が難しい職業。

ですが、成功している農家は全国でたくさんおられます。

コツをつかめばきっと安定収入が得られるでしょう。

そのために大切なのは、体はもちろん頭をフル活用して、積極的に情報収集や人脈拡大をすることだと思います。



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