夢や希望を持って就いた美容師の仕事。

様々な理由から、現場を去るといった選択をする事もあるでしょう。

美容師を辞めた後、美容師として働いて身に付いたスキルはどのように、そしてどんな仕事で活かす事ができるでしょうか。

実際に美容師として勤め、他業種へ転職した経験を踏まえ解説します。

美容師の仕事を辞める人はどのくらいいるの?

美容師の離職率は、実は非常に高いのです。

統計では美容師になり1年目で50%、3年目では80%ほどの人達が離職しているというデータが出ています。

この統計は、「美容師は続けるが現在の店舗を辞める」という人達も含まれているので、全員が美容師を辞めているわけではありませんが、1年目に限っては、ほぼ美容師を辞めていると言ってもいいでしょう。

社会人でよく使われる「同期」というものは、美容師界では無いに等しいといっても過言ではありません。

美容師を辞めた後は何の仕事をすればいい?

意を決して美容師を辞めた後、どのような仕事に就けばいいでしょうか。

転職先候補に上がりやすい業種を、選ばれた理由と併せていくつかご紹介します。

美容系の仕事

国家資格である美容師免許を活かしたい場合は、アイリストがおすすめです。

アイリストとはまつ毛の美容師で、この仕事に就くためには美容師免許が必須となります。

他にネイルサロンやエステ業界なども、美容師として培ったものをフルに活かせる仕事でしょう。

美容師は諦めたけど、美容の仕事は諦められないという人は実際にとても多いです。

少々変わった所では、育毛や増毛などの毛髪サロンも美容師免許が必須という企業も多いので、美容師免許を活かす事ができるでしょう。

事務職

立ち仕事で体力勝負の美容師とは真反対に位置する事務職。

派手さはない事務職ですが、実は見えない所でたくさんの人達をサポートしている仕事でもあります。

美容師も同じようにサポートし合う仕事ですので、真逆の様で実はそうでない部分もあります。

美容の仕事に未練が無く、働き方自体を変えたいと思っている人に向いているでしょう。

ブライダル業界

密かに人気が高いのがこのブライダル業界です。

人を笑顔にする事が好き、人と話す事が好きという人が選択する事が多いです。

また、全く美容から離れた位置にない事や、結婚や出産後にも仕事を続けられるといったところも人気の理由です。

近頃のブライダル業界は、男性も多く活躍しています。

女性客を相手に仕事をする事が多い男性美容師は、新郎新婦双方の気持ちを汲み取る事ができるのではないでしょうか。

料理人

美容師から料理の世界へ転職する人も実はとても多いです。

「作る」という事が好きな人に向いているでしょう。

また、修業期間がある事、感性を活かす事など美容師の仕事に通じるものがある事も理由の一つではないでしょうか。

美容師という特殊な職場で働いた経験から、企業に勤める勇気がないという人はとても多いですし、手に職をつけたいと思う人もいますので、職人気質の人にはおすすめです。

転職先を決める前にやっておくべきこと①:美容師をしていて身についたスキルを整理しよう

転職に当たって自分自身をアピールするためには、美容師として何を身につけてきたのか、という事です。

未経験な業種であっても、美容師で身につけたスキルを活かす事は十分にできるので、しっかりと整理しましょう。

視野が広い

美容師の職業癖の一つに、「鏡越しに向こう側を見る」というものがあります。

これは作業をしながら違和感なくスタッフ間でアイコンタクトを取ったり、店内を確認する為なのですが、これができる事で美容師はとても視野が広いのです。

視野が広い人というのは、どんな仕事においても有利になります。

常に状況の把握、先を読む事ができるからです。

相手の気持ちを汲み取れる

美容師はお客様の希望や要望を会話から理解しなくてはなりません。

人それぞれ表現が違いますから、言葉の端々からその希望を的確に汲み取る事が必要となります。

また、言葉はなくても表情から気持ちを汲み取る事も必要になりますので、自然と相手の気持ちを汲み取り、思いやる事ができるようになります。

これもまた、業種に関係なく社会人として有利なスキルと言えるでしょう。

コミニュケーション能力がある

お客様との会話、スタッフ同士のやり取りなど、美容師の仕事においてコミニュケーションは非常に大切なものです。

昨今ではSNSの普及でコミニュケーション能力の低下が問題視されていますが、社会人として働くためにはこのコミニュケーション能力は重要視されていますので、十分なアピールポイントと言えるでしょう。

スケジュール管理ができる

美容師は常に予約状況を気にしながら仕事をします。

「どのお客様が何の施術をするのか」これが頭に入っているといないとでは、店舗の回転が大幅に変わってきます。

一般の仕事でも、スケジュール管理ができるとできないとではこなす仕事量が変わってきますし、管理能力があるという事は後の後輩指導などにも役立つと評価されるでしょう。

美容師の仕事ををする上で自然と身に付いたスキルは、このような形でも活かす事ができるのです。

転職先を決める前にやっておくべきこと②:美容師を辞めた理由を明確にしよう

給料が少ない

労働時間や仕事量を考えると、美容師の給料は割に合わないのが現状です。

それにより生活に支障が出ているのであれば、給与が高い職場を探す必要があります。

しかし、アシスタントであれば大幅な給与アップを望むことは難しいかもしれません。

スタイリストの場合は、経験や技術力によっては大幅に給与アップが叶う店舗があるかもしれません。

仕事が合わない

美容師は労働時間も長く、実力主義の厳しい世界です。

そこに加え上下関係も厳しいので、心が折れてしまう事もあるでしょう。

スタイリストとして一人前になるまでは、修行の道です。

初心に還って目標を見直す事も大切ですが、精神的にまいってしまっている場合は、美容師から距離を置く選択肢をとってもいいでしょう。

勤務条件が悪い

美容師は福利厚生が整っていない事がよくあります。

中には交通費さえ出ないところもあります。

特に一人暮らしをしている人にとっては、この福利厚生があるとないでは、支出の面で大きく生活に関わってきます。

美容室経営は少々特殊で、規模によっては従業員に社会保険など加入させなくても問題にはならないのです。

しかし、最近は福利厚生が整っている店舗が増えてきていますので、自分の勤務条件に合った店舗を探すのもいいでしょう。

体調を崩してしまった

美容師の職業病で多いのが、手荒れ、腱鞘炎、腰痛、膀胱炎です。

どれも一時的に改善が見られても、繰り返し症状が出たり癖になってしまうものでもあります。

放置をした事によって仕事にとどまらず生活に支障が出てしまったら元も子もありません。

症状によってはドクターストップがかかる場合もあるので、医師と相談して見極めをしっかりしましょう。

結婚や出産

美容室で産休や育休を設けている所は非常に少ないです。

育休まで含むと2年近く休む事にもなるので、ブランクができてしまうといった理由から美容師を辞めてしまう人も多いのです。

また結婚に関しては、男性であれば給与面、女性の場合は長い拘束時間がネックとなって美容師を辞めてしまうのです。

これは自分自身だけでは解決できない問題なので、家族とじっくり話し合いましょう。

転職先を決める前にやっておくべきこと③:希望する条件を確認しよう

美容師は一般的な職業と比べると、雇用内容に大きな違いが見られません。

なので、新しい勤務先を決める前にどのような条件で働きたいのか、将来のビジョンを踏まえて考えましょう。

勤務形態

美容師の勤務形態はほとんどが正社員です。

しかし、働き方が多様化した現在は、企業によっては正社員の中途採用を行っていないところも多くあります。

美容師と比べると、正社員になるという事はなかなか難しい事ではありますが、はじめは契約社員でも正社員登用がある場合もあります。

また、正社員にはこだわらないというのであれば、自分の希望に沿った仕事を紹介してくれる派遣社員を選択する方法もあります。

給与・福利厚生面

アシスタントで美容師を辞める場合は、転職する事で額面の給与は上がる事がほとんどだと思います。

しかしここで気をつけなければならないのが、美容師時代に社会保険などの福利厚生があったかどうかです。

国民健康保険を自分で支払っていた場合は、転職先で社会保険に加入できれば手取り給も増えますが、そうでない場合は手取り給が減る事になり得ます。

自分がどのくらいの収入が欲しいのか、またどのくらい生活費にかかっているのか、一度洗い直してみるのもいいでしょう。

そして、美容師の世界では一般化されていない福利厚生。

これは、社会保険・厚生年金・雇用保険が基本となり、企業であれば従業員に加入させなければなりません。

もし、正社員や契約社員であっても福利厚生がない場合は、いわゆるブラック企業と疑ってもいいでしょう。

就業場所

美容師の出勤時間は9時または10時でしょう。

これに対して一般企業は9時「始業」が平均的です。

制服に着替える事がない美容師は、大袈裟にいうとギリギリ出社でも問題はない場合もあります。

しかし、企業となるとそうはいきません。

着替えや朝礼などは始業前に行いますので、始業時間の15〜30分前には社に到着しておいた方がいい場合もあります。

そうなると、公共交通機関を使用して自宅から職場までは1時間以内で到着する事が理想でしょう。

休日

サービス業でない限り、一般企業は週休二日のカレンダー通りの休みとなります。

サービス業であっても、平日休みの週休二日が基本となります。

そこに夏期休暇や冬期休暇も加わりますので、美容師と比べると休日は確実に増えます。

ただし、派遣社員などの時給制の仕事をする場合は、休みに比例して給与が減りますので注意しましょう。

応募資格

美容師は国家資格を持ってはいますが、大学を卒業後に美容学校に入ったなどの例外を除くと、基本的に最終学歴は「専門学校卒」となります。

正社員募集の中には「大学・短大卒」が応募資格である場合もあります。

また、未経験者の応募が可能かどうかといったところにも注目しなければなりません。

他にも、オフィス仕事であれば基本的なPCスキルも問われますので、資格内容はしっかりと確認しましょう。

経験者が語る!私は美容師を辞めてこんな仕事に就きました

私は学生時代からずっと飲食店でアルバイトをしていた事、料理とカフェが好きだった事もあり、フリーターとしてカフェに勤めました。

カフェ勤務の経験はあったので、幸い業務で困る事はありませんでしたし、料理人あがりのオーナーでしたのでとても厳しかったですが、技術職はこういうものと美容師経験で学んでいたおかげで、そちらも苦になる事はありませんでした。

私は4年目のジュニアスタイリストで美容師を辞めたので、週5.6日、8時間のシフトのフリーターの方が稼ぎは良かったです。

フリーターを選んだ理由は、スーツを着たくなかった事と、好きな事をやりたかったからです。

その後、個人出店をしたり新規店舗立ち上げなどにも携わる事もできたので、フリーターを選んだ事に後悔はありません。

正社員ではなかなか経験できない様な事ができたので、選んで良かったと思っています。

美容師から別の仕事に転職する際に知っておいた方が良いこと

美容師から異業種に転職する時に必ず言われる事は「もったいない」「戻らないの?」です。

国家資格があるので、戻ろうと思えば戻れる、戻る場所があるのではないか、というのが一般的な見解なのでしょう。

その言葉の裏側には「すぐに辞めるのではないか」というものがありますが、辞めた理由と今後の意気込みやビジョンをしっかりと伝えれば問題はありません。

また、美容師は就業時の服装についての規制がありません。

しかし、アパレルなどの一部の業種を除いては、面接前に髪を落ち着いた色に染め直す必要がありますし、リクルートスーツが必要となります。

就職活動未経験の場合は、就職活動がどんなものなのかを調べた方がいいでしょう。

まとめ

美容師は華やかだけどとても厳しい世界だ、という事は知られています。

どれだけの期間であれ、その厳しい世界で働いてきたという事は、財産であり誇りです。

技術以外に身についたスキルも、美容師以外で活かす事も十分にできます。

辞める理由は様々ですが、大切な事は「辞めてどうしたいか」という事です。

じっくりと自分自身と向き合って、美容師以上に誇れるお仕事を見つけて下さい。


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