美容師が給料を上げるためにやりたい5個のこと

自分が就きたい職業について考えるとき、何を重視して選択するかは人それぞれだと思います。

ある人は社会的地位を求めて、またある人はやりがいを重視して職業を選択するでしょう。

有職者への実態調査によると、1位が自分が就きたい職業であること、次点に給料が高いことを理由に挙げた人が多いそうです。

確かに、仕事は毎日のことなので業務内容が自分に合うかどうかは重要ですよね。

そして、生活していく上では収入も重要でしょう。

転職を考える人の中にも「この収入で家族を養えるのかな」「もっと待遇の良い所に移りたい」というような不安が背景にあることが多いのです。

この記事を読まれている皆さんの多くは、美容師という職業に興味がある方でしょう。

美容師は手に職をつけることができ、はさみ1本で勝負できる魅力的な仕事ですよね。

一般企業に就職した場合、事務を希望しても営業になるなど要望通りの仕事ができるとは限りません。

しかしその点で美容師は、資格を取得しサロンに就職すれば美容師として働くことができます。

では、美容師の給与の傾向はどのようになっているのでしょうか。

今回は美容師の給料について解説し、給料アップの秘訣を解説します。

自分には「どんな仕事」が向いているか、診断するにはこちら →
（正社員希望の人限定）

美容師の給料は高い？安い？

理美容師の平均年収は約260万円です。

日本の平均年収が約400万円と言われているので、理美容師業界の年収相場は低いと言えます。

年代別で平均年収を見てみましょう。

美容師の年代別年収は、賃金構造基本統計調査から推測すると20代が210万円～250万円程、30代が290万円～395万円程、40代が395万円～495万円程です。

構造として、就職したての20代では給与が低く、30代後半でようやく平均年収と同等になるという傾向であることが分かります。

美容師は国家資格を取得する必要がある職業なのに給与相場は随分低いな…という印象を受ける方も多いでしょう。

美容師の平均年収は何故低い傾向にあるのでしょうか。

これは美容師業界が20代の若手美容師に支えられていることに起因します。

美容師は拘束時間が長く、立ち仕事でもあります。

また年齢が上がるにつれ収入が高くなるとは言え、福利厚生が充分でないサロンも多く、家族を養う30代以降の男性美容師の中には肉体的・経済的な不安から他業界に転職をする人も多いのです。

また、女性美容師も30代を過ぎると出産や育児で第一線を離れ時短や非正規で働く人が増え、年収が下がる傾向にあります。

20代の若手美容師はまだ見習いの立場ですので、給与も低く設定されています。

その20代が全体の6割を占める業界のため、結果として平均年収が低くなるのです。

もちろん店長クラスの技術を持つ美容師などは、年収が1000万円を超えることもあり、また美容師は自分の店を構え独立開業することも可能です。

独立したオーナーの中には年収2000万円に上る人もいます。

新卒の場合

前述の通り、美容師になるためには美容師免許が必要です。

厚生労働省が指定する美容学校を卒業し、国家試験に合格することで取得できます。

免許を取得した多くの美容師がヘアサロンに就職します。

一部にヘアメイクアーティストとして結婚式場や事務所に就職する人もいますが、非常に狭き門です。

ヘアサロンの求人は豊富で、就職先に困ることはなさそうです。

新卒の月給は就職するサロンによりますが、正社員求人で13万円～17万円という所が多いようです。

青山などの一流サロンでは給与に関係なく就職希望者が殺到することから、給与相場はより低くなり月給10万円～12万円という所もあります。

一方で地方や個人のサロンなどでは都会のように美容師が集まらないため、月給を17万円に設定するなど、他と比較して高い傾向にあるようです。

中途の場合

他業界から美容師へ転職した場合も見習いの立場になるので、上記の新卒の場合の月給と同水準です。

経験者の場合の正社員求人の月給は20万円～35万円程と幅があります。

美容師は技術職のため、技術レベルにより給与が異なってきます。

サロンによってランクのつけ方や呼び方は微妙に異なりますが、スタイリストの給与がどのくらいの金額なのかを知ることで、そのサロンの平均給与相場を予測することができるでしょう。

ヘアサロンは、全国に24万件あると言われています。

一部のヘアサロンを除きサロン側は慢性的な人材不足に苦慮しており、技術力が高い経験者は前職より有利な条件で採用されることも多いです。

そして、優秀な美容師の引き抜きも増えています。

引き抜きの場合、当然今の職場の給与や福利厚生に比べ良い条件になるように交渉ができます。

このように経験者が同業に転職する場合、自身の持つ技術力を活かすことでより良い給与を手にするチャンスがあります。

美容師の給料の決まり方

まず美容師の働き方には、正社員、非正規社員、フリーランス、独立という形態があります。

ここでは、各々の収入の決まり方を解説します。

まず、雇用が最も安定している正社員についてです。

正社員の給与はランクによって決まります。

サロンによって呼称などが違うランクですが、アシスタント、スタイリスト、トップスタイリスト、アートディレクター、サロンディレクターなどに分けられます。

アシスタントは美容師になりたてで経験が浅く、見習いという立場です。

まだお客様の髪を実際にカットすることはなく、清掃、シャンプーやドライなどが業務の中心です。

月給は13万円～17万円からスタートします。

スタイリストは実際に顧客の施術を担当するようになった美容師で、月給は20万円～30万円程になります。

その中で特にスキルが高いと認められているのがトップスタイリストで、月給が50万円程の人もいます。

店長クラスや店の看板美容師になるとアートディレクター、サロンディレクターなどと呼ばれ、年収は1000万円を超える人もいます。

多くのサロンには賞与制度がないのが実態です。

その代わり歩合制を導入し、個々の努力や勤務実績を評価する所が多いです。

歩合制は、スタイリスト以上の美容師に固定給＋歩合給の月給が支払われます。

歩合給は、担当売上の10％～20％の歩合率を乗じて計算します。

この歩合率はサロンによって異なりますが、中には指名売上については30％を乗ずるサロンもあります。

非正規社員として働く場合には、契約社員、派遣社員、パートがあります。

契約社員の場合は雇用の安定や福利厚生は正社員に比べて劣るものの、自身の技術レベルや経験により20万円～30万円程の月給水準が望めます。

派遣社員やパートの場合は時給制で1,000円～1,200円の求人が多いです。

そしてフリーランスとしての働き方には業務委託と面貸しがあります。

どちらも個人事業主ですが、売上の帰属先が異なります。

業務委託の場合売上はサロンに帰属し、そこから報酬を受け取ります。

報酬額はサロンとの交渉で決まりますが、正社員以上の収入を得る人もいます。

面貸しの場合は売上は美容師に帰属し、そこからサロンに場所代を支払います。

顧客へのカット料金などは自身で価格設定できるため、集客できる技術力や人気があれば効率良く収入を得られるでしょう。

独立開業の場合は開業資金の確保や資金繰り、集客、美容師の確保など経営者としての重圧はありますが、軌道に乗れば年収は2000万円に達することもあります。

以上のように美容師の収入の決まり方は、まず自分がどの程度の技術を持っていて、どのくらいのお客様から指名を頂けるかに左右されます。

また同じ正社員でもサロンによって給与の設定幅が異なります。

一般的に規模が大きいサロンの方が給与が高い傾向にあります。

最近では1,000円カットが業界の中で成長を遂げていて、他と比較すると求人の給与相場が高いようです。

自分には「どんな仕事」が向いているか、診断するにはこちら →
（正社員希望の人限定）

美容師の給料を上げるためにやりたい5個のこと

美容師の中には、給料が低いことを理由に異業種へ転職をする人もいます。

しかし、美容師の仕事が好きで将来的にも美容師として働きたい場合、どうしら収入を増やすことができるのでしょうか。

ここでは、タイプ別に給料を上げるためのポイントを解説します。

技術を磨く

アシスタントや若手スタイリストでは、差異はありますがどのサロンも給料は低いです。

美容師が技術職である以上、技術を習得しない限り給料のアップはありません。

練習して技術を磨きましょう。

アシスタントを卒業し実際にお客様の施術をし始めたスタイリストは、常に技術を常に磨いていくことで更なる給料アップに繋がります。

指名を増やす

お客様の施術を担当するようになったスタイリストは、指名客を増やすことで指名売上や歩合給を伸ばしていきましょう。

技術はあるのに指名客が増えないと悩む方は、接客に問題がないかを見直しましょう。

カウンセリング力に問題がないか、お客様に会話で気を遣わせていないか、物販ノルマを達成するために押し売り営業をしていないかなどです。

働き方を変える

契約社員や派遣社員として働いている場合、正社員に登用されるチャンスがあればチャレンジしてみましょう。

また、トップスタイリストクラスで自分の技術に自信がある方は、フリーランスとして働くことで給料アップの可能性があります。

もちろん働き方を変えることで勤務時間や責任の大きさなどのデメリットもあるので、その部分については慎重に検討しましょう。

理容師免許を取る

混同されやすいのですが、理容師と美容師は別の国家資格です。

美容師は容姿を美しくすることを目的としているのに対し、理容師は容姿を整えることが目的です。

例えばメイクやヘアセットは美容師の仕事ですが、シェービングは理容師の仕事とされています。

美容師としてヘアサロンで働く際には理容師免許は必要ありません。

しかし、ダブルライセンス取得者を優遇するサロンも多いです。

特に大手はトータルビューティをテーマにサロン運営をしている所が多く、シェービングができるダブルライセンス取得者は就職、転職の際に他の美容師との差別化に繋がります。

法改正によりダブルライセンスを取得しやすくなったことで、美容師と理容師の垣根も低くなってきています。

私の先輩はパートで働いていますが、理容師免許を持ちシェービングができるため時給が200円プラスされ採用されたそうです。

別のサロンへ移る（転職）

サロンによって、給与相場は異なります。

残業代が支給されないサロンが多い一方、最近では残業代を支給するサロンも増加しています。

また歩合制度を導入しているため賞与がないというサロンも多いですが、大手サロンなどでは5万円～10万円程の賞与を支給する所もあります。

そして、社会保険や住宅手当などの福利厚生も要チェックです。

福利厚生が充実している場合、表面的な収入は同じでも実質的には増額されていることになります。

私はこれで給料が上がりました。給料アップの体験談。

美容師である私の給料が上がった体験を二つご紹介します。

昇給ポイントをクリア

サロン内のテストを受け、昇給ポイントをクリアすることで給与が上がりました。

ランクはアシスタントのままでしたが、カラーシャンプーの習得が5,000円の月給アップに繋がったことがあります。

資格を取得し、接客に役立てる

パーソナルカラリストやヘアケアマイスター認定資格を取得しました。

これらを取得したことで直接的に給与が上がるわけではありません。

しかし、お客様と会話をする中で関連する知識があると、アドバイスやカウンセリングに深みが出ます。

そのことがリピート客の獲得に繋がりました。

また、物販を押し付けるのではなく、頭髪についてのアドバイスをしながら提案型の営業ができるようになりました。

まとめ

いかがでしたか。

収入は生きていく上で大切なものです。

美容師は給料が低いと知りまだ落ち込むのは早いです。

美容師は自分自身の努力が給料に反映される仕事です。

働き方次第で、やりがいも給料も満足したものになるでしょう。

自分には「どんな仕事」が向いているか、診断するにはこちら →
（正社員希望の人限定）