訪問介護の仕事は、人手不足が社会問題化している介護職の中でも、最も求人が多い仕事です。

とにかく募集を出しても人が集まらないと嘆く事業所も多く、いろいろな理由から敬遠されている仕事であることは間違いないのですが、逆にずっとこの仕事だけを続けている人もたくさんいます。

そんな訪問介護のやりがいを、私の経験を踏まえてお話させていただきます。

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訪問介護の仕事ってどんな仕事?

要支援者や要介護者の自宅を訪問し、家事や排泄、入浴など、身の回りのことの介護を行う仕事です。

仕事内容はケアマネージャーが作成したケアプランに基づきますので、同じサービス内容で訪問していても、仕事内容は個人個人のお宅で違います。

訪問介護の仕事については、こちらの記事を参考に!

訪問介護の仕事のやりがいを感じる6個のポイント

では実際に訪問介護の仕事を経験して、こういった部分にやりがいがあるなと感じたことをまとめてみました。

資格を生かして働くことができる

今は介護職は未経験でも無資格でも働くことができる職場が増えています。

介護保険ができた当初は、介護職員はみんな有資格者にしようという動きもありましたが、実際のところそんなことを言ってられない位人手不足の業界ですので、無資格者でも働くことができるようになってきました。

しかしながら訪問介護のヘルパーは、法的に有資格者でないと従事することができないとされています。

初任者研修(旧ヘルパー2級)以上の資格が必須となっており、その資格を取得しないと働くことができないので、とりわけ人手不足な仕事になっているわけですが、その代わりしっかりと勉強してから働きますから、仕事に対する理解力や自信がしっかりとできている状態で仕事ができます。

家事スキルが生かせる

結婚や子育てなどで仕事をやめ、専業主婦をしていた方が、社会復帰の場として訪問介護の仕事を選ぶことが良くあります。

訪問介護の中で生活援助というサービスは家事全般を指すのですが、実は排泄介助や食事介助などの身体介護よりも、こういった生活援助の方がニーズが多くあり、家事経験のあるヘルパーは非常に重宝されます。

掃除が得意、調理が得意などを生かして働くことができますし、それで利用者にとても喜んでもらえるわけですから、とてもやりがいを感じることができます。

利用者と仲良くなることができる

定期的に利用者の家に一人で訪問し、一対一でサービスを行うわけですから、訪問介護のヘルパーと利用者の関係の深さは他の介護サービスの職員よりも深くなることが多いです。

いつも家に来て支援や介助を行ってくれるヘルパーを利用者はとても信頼し、心を開いてくれます。

実際に私は今ケアマネージャーとして働いていますが、私には言ってくれないこともヘルパーには話をしていたりするので、利用者のことで詳しく何か知りたければ、まずは訪問介護のヘルパーに尋ねるようにしています。

そういった意味でも、いろいろな情報を引き出すことができるヘルパーの役割は重要です。

利用者や家族の生活を支えることができる

介護サービスを利用する以上、利用者は要支援ないしは要介護の結果が出ており、多かれ少なかれ何らかの支援が必要と判断されています。

ですので、訪問介護によって利用者の生活を支え、それを寄り寄りものにしていくのは当然ですが、ヘルパーの役割はそれだけではありません。

訪問介護を利用することによって、介護離職をせずに済む家族はたくさんいます。

また、介護に対する悩みや疑問など、誰にも言えずに悶々としている家族も多くいます。

同居家族がいても訪問介護の利用をしている場合がありますので、その時は家族とヘルパーが会うこともあります。

利用者同様、相談に乗ったりアドバイスしたりすることも少なくありません。

しっかり勉強した有資格者であるヘルパーは、その資格が充分にあります。

そうでなくても、ヘルパーの存在に助けられている利用者や家族はたくさんいます。

それが一番のやりがいかもしれません。

生活を深く知り、アドバイスできる

先にも書きましたが、なぜヘルパーが有資格者でないといけないかというと、一人でサービスに出て、そこで知識を生かしてアドバイスをしたり、時には「ここをこうした方がいい」という助言をケアマネージャーや家族にもしなくてはいけないからです。

法的な知識がないとそうもいきませんが、しっかりと勉強してから働く訪問介護のヘルパーは、利用者の生活状況を詳しく把握し、サービスの過不足を判断、利用者にも関連事業所にもアドバイスをすることができます。

家に入ってサービスをするヘルパーの存在は、他の事業所からも情報収集を依頼されることが多いです。

いろいろな家庭を知ることができる

訪問介護のヘルパーとして働いていると、実に様々なお宅を訪問することになります。

各々の家庭には各々のルールがあり、それに従って仕事を行いますので、慣れるまで少し時間がかかることもありますが、「これはこうしたらいいのか」と勉強になることもしばしばあります。

また、経験が増えていくことで、それがすべて知識となり、あの家はこういった場合こうしていたから、ここでもその方法を取ってみよう、などと自分なりに介護の工夫をすることができるようになります。

訪問介護では、一人で利用者の家に行って一人でサービスを行わなくてはならず、何か疑問があってもすぐに聞ける状況にはありません。

もちろん重大な案件でしたらすぐに事業所やケアマネージャーに相談しなくてはいけませんが、ちょっとしたことでしたら自分で判断し、対応する必要があります。

訪問介護の仕事を続け、経験を重ねるうちに、そういった不測の事態への対応がうまくなっていきます。

働いた年数や訪問した家庭の数がそのまま経験につながりますので、やりがいがあります。

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やりがいを持って働くために必要なこととは?

どんな仕事でもそうですが、仕事にやりがいを感じることは非常に大切です。

訪問介護でやりがいを感じるための心構えをいくつかご紹介します。

仕事の目的をしっかりと理解する

たくさんある介護サービスの中で、訪問介護の仕事内容は一番複雑と言い切ってもいいでしょう。

家事を行う生活援助と、体に関する介護を行う身体介護、二種類の仕事がある訪問介護。

前者の生活援助の場合ですと、利用者によって、掃除をする、洗濯をする、買い物代行をする、調理をする等々、サービス内容は細かく分かれています。

これは、その利用者にとって何が必要で何をすべきか、ケアマネージャーがアセスメントをしてケアプランを立て、決定したことですので、時間が余っているからこれもしておこうとか、調理でしかケアプランでは決まっていないけど、ここが汚いから掃除をしておこうとか、勝手にサービス内容を変更するのは厳禁です。

何の意味があって自分はこのサービスを行っているのか、しっかりと理解することで仕事の意識は変わってきますし、もしケアプランにないことが必要だと感じたら、ケアマネージャーに意見することもできます。

ケアプランの内容を熟知することは訪問介護の基本です。

日々勉強を続ける

訪問介護の仕事は先にも述べましたように、生活援助や身体介護にサービスの種類も分かれており、かなり複雑でわかりにくい制度の下成り立っています。

介護保険は頻繁に制度が変わる法律ですが、その中でも訪問介護に関する法律はとにかくよく変わります。

すべての介護保険をしっかりと理解する必要はないですが、訪問介護で働く以上、それに関する法律の変更はしっかりと勉強しておきましょう。

もともとヘルパーは有資格者ですので、最低限の介護保険の知識はみんな持っていますが、資格取得後もどんどん法律は変わっていきます。

現場で働いて利用者や家族に何か尋ねられた時に、せめて訪問介護のことはきちんと答えられるようにしましょう。

その他にも、事業所や病院、市町村で介護職対象の研修は常に開かれています。

勉強をすると知識が増え、知識が増えると仕事はどんどん面白くなります。

しっかりとコミュニケーションを取る

仕事として訪問する先の利用者や家族とコミュニケーションを取ることはもちろんですが、それ以外の人たちとも積極的に交流するように心がけてください。

一人の利用者が、たくさんの事業所を利用していることは少なくありません。

デイサービスやショートステイ、レンタルや訪問看護など、いくつかの事業所で利用者の生活を支えている場合、それらの事業所を密に連絡を取り、連携を図ることが求められます。

前述しましたが、普段の家での様子を一番よくわかっているのは訪問介護のヘルパーですし、ヘルパーには心を開いていろいろなことを話す利用者が多いですので、そういった訪問介護からの情報を他の事業所に提供することはとても大切です。

自分の提供した情報によって利用者の生活がより良いものになる、それはイコール仕事のやりがいに直結します。

他の事業所が入っていなくても、少なくともケアマネージャーは利用していますので、ケアマネへの情報提供もしっかり行いましょう。

事業所間のコミュニケーションが良好であれば、周りまわって自分の仕事もしやすくなりますよ。

無理なことはきちんと断る

訪問介護の仕事で一番大切なことはこれかもしれません。

何度もお話しましたように、訪問介護の仕事内容は法律で厳しくルールが作られており、それに基づいてケアマネージャーが必要なサービスだけをケアプランに載せており、それしか行うことはできません。

そうでないと、何でも屋の家政婦のようになってしまい、介護保険の本来の意図からは離れてしまうからです。

しかしながらそのあたりの細かいルールをなかなか利用者や家族は理解できず、知り合いはこれをしてもらってるからやってほしいとか、ついでにこれをしてほしいとか、計画書にないことを頼んでくることがあります。

そういった場合にきちんと断る勇気がないと訪問介護の仕事をするのが難しいですし、その時にきちんとなぜそれはできないのかを説明できる程度の知識は持ち合わせないといけません。

必要なことを行うために自分は仕事に来ている、そういった自覚を持たないと、家政婦のような扱いになってしまいます。

自分の得意な仕事を入れてもらう

すべての希望が通るわけではないですが、もしある程度聞いてもらえる状況でしたら、自分が得意な分野のサービスをメインに仕事を選ばせてもらえると、仕事も楽しくやりがいにつながります。

例えば掃除が得意な人、調理が得意な人は、そういったサービスのところに派遣してもらえると自分の実力を発揮することができます。

家事はあまり得意ではないけど、力仕事に自信がある人は、抱えたりすることの多い身体介護をメインに入らせてもらえるといいでしょう。

とにかく訪問介護はサービス内容が多岐に渡りますので、向かない仕事は断ることも検討しましょう。

腰や肩が痛かったり力仕事に自信がない方が、ハードな身体介護に入っても利用者サイドも不安ですし、事故の可能性も増えてしまいます。

家事経験の浅い人が生活援助のサービスに入ってもそれは同じ事です。

事業所の都合にもよりますが、このあたりの希望は切ってもらえることが多いですので、自分が自信とやりがいを持って働けるよう、きちんと交渉しましょう。

スキルアップを目指す

訪問介護に限らずですが、介護職は経験を積めば上級資格に挑戦することができます。

実務経験3年で介護福祉士を、介護福祉士を取得してから5年でケアマネージャーの受験資格ができます。

それまでにも、実務者研修を受ければ訪問介護の中でも一番重要な役職である「サービス提供責任者」になることができますし、資格を取れば取るど仕事の幅が広がり、やりがいも増えていきます。

ぜひどんどんチャレンジして頂ければと思います。

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まとめ

はじめにも書きましたが、訪問介護の仕事は人手不足です。

その代わり、この仕事だけを何十年としているヘルパーもものすごくたくさんいます。

家を訪問する仕事ですので、どうしても移動が大変だとか、一人で仕事するのが不安だとかで敬遠されがちではありますが、ここで書かせていただいたようにやりがいもたくさんあります。

在宅介護の要である訪問介護。

ヘルパーのなり手がいなくてサービスを受けられない事業所がたくさんあります。

ほんの数時間働くことも、フルタイムでがっちり働くこともできる仕事です。

資格のある方にはぜひ挑戦して頂ければ幸いです。


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