養護教諭とは、いわゆる「保健室の先生」のことです。

養護教諭は、一体どれくらい稼げる職業なのでしょうか。

一般の先生とはどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは、養護教諭の給料に着目して、どんな職業なのかを解説します。

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養護教諭の給与の決まり方

養護教諭の給与は、パートタイムかフルタイムか、公立学校採用か私立学校採用か、正規採用か非常勤かなど、雇用先や雇用形態によって変わってきます。

公立学校に採用された場合

公立学校に正規採用されるためには、各自治体の教育委員会が主催している教員採用試験に合格する必要があります。

教員採用試験は毎年7~9月ごろに実施され、年内に合格が分かり、翌年の4月から採用になります。

公立学校の職員の給与は、地方公務員と同様に自治体によって定められています。

また、養護教諭と一般の教諭に給与の差はなく、昇給も同じように行われます。

ある県では、平均月額給与が41万円(平均年齢41歳)となっています。

大卒初任給の場合は、22万円程度からスタートすることが多いようです。

もちろんここから税金や社会保険料などが控除されますので、手取り額はもっと少なくなります。

公立学校に、臨時的任用講師として採用される場合もあります。

前職や学歴によって差が生まれ、20万円~25万円程度からのスタートが多いようです。

講師の場合は昇給の上限があるため、長年勤めても35万円程度からは上がらなくなると聞いたことがあります。

公立学校ではパートタイムでの募集はほとんどありません。

私立学校で採用された場合

私立学校、特に進学校は給料が高い、というイメージをお持ちの方も多いと思います。

確かに、経営が安定している私立学校は教諭の給与も右肩上がりで、40代で年収1000万円を超える場合もあります。

公立学校では800万円程度が上限と言われていることを考えると大きな差ですね。

しかし、これはどの私立学校にも当てはまるわけではありません。

経営の苦しい私立では、公立より給与が少ないことがほとんどですし、そもそも正規採用をあまり行っていないという実態もあります。

さらに、教諭が高い給与をもらっている学校でも、養護教諭はその限りではないということが多いです。

私立学校は良くも悪くも成果主義です。

学校での成果とは、具体的には進学実績でしょう。

教科を受け持たない養護教諭は、生徒の心身の健康を支えることはできても、進学に直接成果を上げることはありません。

ほとんどの私立学校では、養護教諭の給与は公立程度だと考えてよさそうです。

また、生徒数の多い私立学校は養護教諭を複数置いている場合があり、パートタイムや非常勤での募集もあります。

フルタイムで責任が重いのはちょっと・・・という方にはお勧めです。

養護教諭の給与の相場はどのくらい?

給与の相場は、公立であれば自治体によって、私立であれば法人によって異なっています。

ここでは、大まかな傾向について場合に分けて解説します。

新卒で正規採用された場合

教員志望者の就職活動時期は、大学4年の夏から秋にかけてです。

公立学校であれば、前述の教員採用試験に合格すれば晴れて採用となります。

余談ではありますが、養護教諭の新卒正規採用は狭き門です。

どの自治体でも、倍率は8倍~30倍程度となっています。

ほとんどの人は、公立学校の臨時的任用職員か私立学校の非常勤講師から養護教諭生活をスタートさせることになるでしょう。

新卒者の初任給は22万円程度が相場です。

そこから、税金や社会保険料などが引かれ、実際の手取り額は17万円程度だったと記憶しています。

私立学校においては、法人ごとに異なるため一概には言えません。

転職で正規採用された場合

転職者の給与の決まり方は公にされていません。

よく聞く話では、養護教諭に関連する正規採用の職歴がある場合には加味されるといいます。

例えば、看護師や保健師、保育士、幼稚園教諭、スクールカウンセラーなど、子どもの心身の健康や教育に携わる職業です。

他にも、一般の教職員を経て養護教諭になる方も少なからずいます。

前職が考慮された場合には、25~30万円程度からスタートするそうですが、地域や年齢によって様々です。

パート・アルバイト

養護教諭が複数配置されている大規模の私立学校においては、パートタイムの養護教諭を雇っていることもあります。

その場合は、正規採用の養護教諭とペアで働くことになります。

勤務は日中8時間、週3回勤務など、雇用先によって異なります。

時給は1500円から2000円程度が相場です。

年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?

賞与

公立学校であれば、賞与は、6月期と12月期の年2回支給されます。

年間でおおむね4月分程度です。

臨時的任用講師であってもボーナスは支給されますが、パートタイムや非常勤講師の場合にはボーナスはありません。

昇給

公立学校であれば、人並みに業務を遂行していれば、毎年3~4号俸の昇給が見込めます。

都道府県によっては人事評価を給与査定に結合させているところもあり、評価が上位であれば5~6号という大きな昇給を望めます。

逆に評価が悪いと、昇給が少なかったりなかったりすることもあります。

私立学校においては、独自に給与表を作成しているため、法人によって異なります。

各種手当

手当てにおいて大きな額を占めているのは地域手当でしょう。

東京都の場合は全都道府県の中で最も高く基本給の17%が支給されます(2018年現在)。

他の自治体では、7~10%程度が多いようです。

また、県内であっても都市部やへき地といった繁華の違いによって、地域手当に差がつけられている場合もあります。

特殊業務手当というものもあります。

これは、修学旅行の引率や部活動の指導に充てられるものです。

他にも、夜間の定時制に勤めた場合には、別途手当てが支給されます。

一般の会社のように、住居手当や通勤手当も用意されています。

給与が高い人は何が違うの?

免許状が違う

教員免許状には、短大卒者が取得できる2種免許状、4年制大学卒者の1種免許状、大学院卒者の専修免許状の3種類があります。

所有している免許状の違いによって、スタートの給与が変わってきます。

一番高いのは、やはり大学院卒です。

役職

学校においては、学年主任などの責任の重い仕事についた場合や管理職になった場合には、それぞれ手当てがつきます。

しかし、養護教諭を行いながら学年主任や教頭になるということは、まずあり得ません。

養護教諭という職種の中では「主任」「主査」といったヒエラルキーはありませんので、役職による給与の高低というのは存在しないでしょう。

勤続年数

勤務を重ねるごとに、徐々に昇給していくのが一般的です。

昇給に人事評価が加味される場合であっても、年間3号俸ほどは上昇すると思います。

しかし、正規採用ではなく臨時的任用講師の場合は昇給に上限が設けられているため、ある一定程度以上には昇給しなくなってしまいます。

地域

地域手当は、一般的には都市部の方が高い傾向があります。

物価や地価などが考慮されるためです。

しかし、山間部の雪の深い地域や離島の学校などに勤務することになった場合には、寒冷地手当や離島手当などが支給されることがあります。

因みに、東京都も離島を抱えていますが、今離島での勤務は人気らしく、希望してもなかなか赴任できないそうです。

都会とはまた違った子どもたちに出会えそうですね。

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養護教諭で給与をあげるためにやるべきこと

養護教諭として働く際に、できればより多くの給与がもらえるといいですよね。

そのためにはどうすれば良いのでしょうか。

免許状をグレードアップしよう

求人情報を見てみると、私立学校の養護教諭の募集の要件に、「1種免許状、もしくは専修免許状」と書かれていることが多いです。

前述の通り、短大卒で免許を取った場合には2種免許状になります。

公立学校であれば、2種免許状でも採用試験を受けることは可能ですが、私立学校の場合はエントリーすらできないこともあるのです。

また、前述の通り、所有している免許状によって初任給が変わってきてしまいます。

2種免許状から1種を目指す場合には、通信教育でも取得することができます。

現場には働きながら通信教育を受けている方も多くいます。

合格の可能性を上げるためにも、給与のためにも、免許状をグレードアップすることをお勧めします。

正規採用を目指そう

正規採用であれば、安定して働くことができますし、毎年の昇給や年2回のボーナスも支給されます。

非常勤講師の時給2000円は他のアルバイトに比べれば好条件ですが、年収として比較すると正規採用とは大きな差ができてしまいます。

臨時的任用講師もある程度の年齢までは昇給があり、ボーナスも支給されます。

せめて臨時的任用講師、最終的には正規採用を目指せるといいですね。

給与をアップさせるための求人の選び方

公立学校の採用を目指す場合には、勤務したい自治体の教育委員会ホームページから、採用試験や講師登録の情報を収集しましょう。

待遇や応募要件などが詳しくのっています。

私立学校の採用は、求人情報サイトやハローワークなどで探すことができます。

また、大学生であれば大学の就職支援課に募集が来ていることもあるので頻繁に確認してみましょう。

では、給与面が良い条件で勤務するには、どうしたら良いのでしょうか。

給与相場が高いところを探そう

田舎と比較すると、都市部の方が学校数も多く、求人も多い傾向にあります。

また、前述の地域手当も、都市部の方が高く設定されています。

残業代はちゃんと出る?

公立学校の採用になると、地方公務員の扱いになるため、残業代は出ません。

日常的な業務であれば、仕事が終わらなくて何時まで働いたとしても給与は増えないのです。

ただ、修学旅行の引率や部活動の指導を時間外に行った場合は、特殊業務手当をもらうことができます。

私立学校においても、残業代が設定されているというのは聞いたことがありません。

キャリアプランに合わせた働き方を

一生養護教諭として働きたいのか、それとも他の仕事にも興味があるのか、とりあえず結婚まで働ければいいのか・・・。

仕事への向き合い方は人それぞれでしょう。

職業人として、自分はどういう人生を歩みたいのか、一度想像してみると良いでしょう。

短期的に養護教諭として働くことを目指すのであれば、身軽な非常勤講師はお勧めです。

非常勤であれば、複数校の掛け持ちや副業が認められている場合もあります。

定年まで養護教諭として働きたいという方には、公立の正規採用がお勧めです。

福利厚生はしっかりしていますし、昇給も賞与も高額ではないですが安定しています。

一度採用になればクビになることはほとんどありませんし、倒産や業績不振のあおりを食うこともありません。

非常に狭き門ですので、勤務したい地域で講師登録をして、臨時的任用講師として働くことをお勧めします。

現職の経験があると、採用試験の一次試験が不要になるなど、優遇を受けることができるからです。

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経験者が教える、実際に給与がアップしたのはこんなとき

免許状がグレードアップしたとき!

筆者は1種免許で勤務をはじめ、現職中に夜間の大学院で専修免許を取得しました。

通常、昇給は年に一度、年度末にしか行われません。

しかし、専修免許を取得したときは、年度中にも3号俸昇給することになりました。

特殊業務手当がついたとき!

養護教諭は、宿泊を伴う行事の引率に行くことが多いです。

前述の通り、宿泊引率には特殊業務手当がつきます。

手当てがついた月は一時的に給与が増えるので嬉しくなりますが、引率は心身ともにヘトヘトになってしまうため、お得とは言えないかもしれません。

学校種が変わったとき!

養護教諭の免許状に、小学校や中学校の区別はありません。

養護教諭の免許状があれば、幼稚園から高等学校、特別支援学校まで幅広く勤務することができます。

公立の場合、自治体によっても差がありますが、一般的には市町村立である小中学校よりも、都道府県立である高等学校や特別支援学校勤務の方が給与が高くなります。

学校種を超えた異動をしたとき、給与が増えた!と感じる人が多いようです。

まとめ

養護教諭の給与事情についてまとめました。

自分の望む働き方をじっくり考えて、希望の勤務先を見つけられるといいですね。


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