かつては一度勤めたからには、生涯その会社に勤め続けることが美徳とされていました。

しかし、いまや経験やスキルをもとに転職をし、良い条件で働くことを求めるのは当たり前のことになりつつあります。

それは、養護教諭としても同じことです。

養護教諭の場合、転職にはいくつかのパターンがあります。

まずは、職種を変えずに養護教諭から養護教諭へ転職する場合。

自治体や法人、学校種、雇用形態や給与を変えたい場合に行います。

もう一つは、養護教諭から違う教員を目指す場合。

後述しますが、免許状があれば可能です。

最後は、養護教諭から民間企業に勤める場合。

社会人経験を生かして、新卒者とは差別化したアピールができるといいですね。

養護教諭の転職事情について、詳しく解説します。

養護教諭の転職で注意したほうが良い5個のこと

再び養護教諭として働く場合・・・学校種に注意

養護教諭の免許状を取得していれば、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・幼稚園とすべての学校種で勤務することができます。

しかし、学校種が異なると養護教諭へ期待されることや職務内容も、ずいぶん異なります。

小学生など、子どもの年齢が低い場合には、言葉で症状をうまく説明できない子ども達を見立てるスキルが必要になります。

また、保護者との連絡も緊密になります。

学級担任制のため、担任の先生との連携も重要です。

中学生になると、身体所見の背景に精神的な問題が隠れているケースが増えてきます。

また、人間関係などに悩みを感じやすい時期なので、相談活動も多くなります。

部活動が本格的になったり、教科担任制になることで、連携する先生の選択肢が増えます。

力が強く、動きも活発になるため、大きなケガが発生しやすくなります。

高校生では、その学校の偏差値や課程によっても雰囲気が大きく異なります。

また、ある意味、大人同士の会話もできるようになってきます。

卒業後は社会に出る生徒も多いため、悩みの種類も多様化します。

特に、親との関係や経済状況、進路に悩みを抱えやすい時期でもあります。

精神疾患や生活習慣病など、大人がかかる病気が発現してくる時期でもあります。

転職する前には、自分自身の適性を見極め、どの校種で働きたいのかをよく考えましょう。

例えばカウンセリングの専門性が高い方は、中学校以上の方がその適性をより発揮できるでしょう。

再び養護教諭として働く場合・・・雇用形態や給与に注意

養護教諭として転職する場合には、雇用形態や給与にもこだわりたいところです。

養護教諭の働き方は、正規採用か講師採用か、また公立学校勤務か私立学校勤務かに分けられます。

長く勤務することを考えると、公立学校の正規採用を目指すのが一番でしょう。

地方公務員の身分になるので、給与は高給ではありませんが、平均的な水準が保障されています。

また、産休や育休をとっても査定に響くことはありませんし、よほどの不祥事を起こさなければクビになることもありません。

私立学校勤務では、給与はその学校法人によって異なります。

月給制ではなく年俸制の学校もあります。

若いうちは、給与が高く設定されていても、昇給幅が少ない(もしくはある一定の年齢で上げどまりになる)場合もあり、生涯賃金で比較すると、公立学校よりも少なくなってしまうことも。

よく情報収集をしてからエントリーするとよいでしょう。

講師採用のなかにも、臨時的任用講師と非常勤講師の2種類があります(名称は異なる場合もあります。)

臨時的任用講師とは、基本的には正規の先生と同じ働き方をし、賞与も支給されます。

しかし、採用には期限があり、多くは一年度中しか勤務することができません。

次の年度に更新されるのか、働き口があるのかという保証はありません。

非常勤講師は、基本的には時間給で勤務します。

他の学校との掛け持ちや副業が認められている場合もあるため、エネルギーがある方は若手の正規採用よりも実入りがいいということもあるとか。

しかし、児童生徒が登校しない夏季休業中などは勤務がない場合もあり、長期間給与がもらえないという事態も発生してしまいます。

養護教諭として転職を考える場合には、短期的な働き方と長期的な働き方をよく比較しましょう。

例えば、結婚や出産までの数年間だけ働きたいという場合には正規採用にこだわる必要はないでしょうし、一生仕事がしたいという場合には正規採用がよういでしょう。

自分に合っている勤務先を選べるといいですね。

公立学校で正規採用を目指し、かつ給与にもこだわりたい場合にはどうしたらよいのでしょう。

一つは、特別支援学校に勤務することです。

特別支援学校の教員の給与は、その職務の特殊性から一般の教諭より高めに設定されていることが多いのです。

もう一つは、東京都に勤務することです。

どの自治体でも、給与の中に地域手当が含まれるのですが、東京都はその地域手当の金額がすべての都道府県の中で最も高く設定されています。

再び養護教諭として働く場合・・・自治体に注意

私立の学校に勤務したい場合には、都市部の方が就職には有利になります。

私立学校は都市部や交通の便の用意ところに設立される傾向にあります。

そのため、首都圏や県庁所在地などの都市部の方が、募集が多くなるのです。

公立学校は、どこの自治体にも等しく設立されています。

学校数は人口が多いほど多くなるため、やはり都市部の方が募集自体は多いでしょう。

しかし、昨今の団塊の世代の大量退職により、地方で新規採用の職員が足りていない状況があります。

都市部だけではなく、地方の自治体も選択肢にいれてみても良いかもしれません。

各自治体で行っている採用試験は、過去の倍率がホームページで発表されています。

ここ数年分を振り返ると、募集が増えている、倍率が下がっているなどの傾向が分かるでしょう。

また、公立学校で正規採用になった場合、自治体によってはへき地勤務などが義務付けられている場合があります。

へき地勤務とは、豪雪地や山間部、離島など働き手が少ない地域にも等しく人材が行きわたるようにと設けられている制度です。

例えばある自治体では、「新規採用から10年以内に最低3年間のへき地勤務をすること」が求められています。

他にも、「同一市町村に続けて10年以上勤務できない」「県内を3つのエリアに分けたうち、すべてのエリアに勤務しなければならない」など、様々な制約をしいている自治体が存在します。

自分が勤務したい自治体について、よく情報収集をしましょう。

違う種類の教員として働く場合・・・免許に注意

養護教諭ではなく、違う種類の教員として勤めたいと考える人もいるでしょう。

例え養護教諭で採用試験に合格していたとしても、別の教員になるためには再び試験を受けなおす必要があります。(自治体によっては経験者優遇がある場合もあるので要チェックです。)

また、養護教諭と一般の教諭は、違った教員免許状を取得しています。

多くの大学では、所定の単位を満たせば複数の教員免許が取得できるようなカリキュラムになっているため、免許状を複数取得している人は多いです。

免許状があれば、一般の先生として講師をしたり、採用試験を受けて正規採用になることができます。

多くの自治体では、社会人経験を初任給に加味してくれるため、いきなり収入が減ってしまうことはないでしょう。

民間企業に勤める場合

心機一転、まったく違う仕事を始めたいと考える人もいるでしょう。

新卒一括採用の時とは違い、転職者向きの求人は即戦力になる人材を求めている場合が多いです。

今まで養護教諭の職務の中で磨いてきた判断力や調整力、コミュニケーション力、カウンセリングマインドなどを生かせる仕事はないでしょうか。

まったく違った職業にチャレンジする場合には、養護教諭としてのスキルや社会人経験を、志望動機に織り交ぜながら考えてみましょう。

「学校は忙しくて・・・。」「給料が安かったので・・・。」と前職を否定するような形での志望アピールは、企業側の心証も良くないためしないほうがよいでしょう。

養護教諭での転職を成功させるためには何をすれば良い?

なぜ転職したいのかよく考えよう

転職であなたが求めるものは何でしょうか。

勤務時間や給与、福利厚生をより良くしたいからですか。

それとも、もっとやりがいのある仕事がしたいという希望からですか。

もしくは、自分の適性は違った職業の方が向いているのではないかと考えるからでしょうか。

転職をする動機があやふやだと、志望先を決めるときも迷いが生じてしまいます。

まずはしっかり自分自身をふり返り、どんな転職先を志望するのかをはっきりさせましょう。

経験を振り返りアピールできる点を見つけよう

新卒者の就職活動と異なり、転職活動では今まで働いてきた社会人経験をアピールすることができます。

経験してきたことと志望先の業態が重なれば、即戦力として活躍できることをアピールできるでしょう。

そのためにも、自分が社会人経験で得たものは何か、よくふり返ってみましょう。

児童生徒との関わりで得たもの、先生方との連携で身に着けたもの、保護者対応で培ったものなど、色々なエピソードと絡めながら自己アピールができるといいですね。

また養護教諭として働く場合・・・1種免許状以上を取得しよう

養護教諭から養護教諭へ転職する場合には、1種免許状か専修免許状を取得してあるとよいでしょう。

短大卒者に与えられる2種免許状でも、養護教諭として働くことは可能ですが、上位の免許状がある方がアピール力が高まります。

すでに2種免許状があれば、1種免許状を取得することはさほど難しくはありません。

通信制大学などを活用することができます。

また、意欲のある養護教諭は、大学院卒相当の専修免許状を取得している人も多いです。

最近は夜間の大学院なども開講されているため、数年かけて単位習得と修士論文を修め、免許状のグレードアップを図っているのです。

また養護教諭として働く場合・・・経験者優遇がないか確認しよう

養護教諭の経験者を優遇している自治体もあります。

例えば、現職経験が3年以上ある養護教諭は1次試験は免除で2次の面接のみ行う、その自治体で勤務した経験がある者は一次試験は論文審査のみになるなど、様々な特例があります。

私立学校の求人を見ても、経験者を歓迎するような文言が見られます。

自分の希望先の条件を良く調べてみましょう。

養護教諭で持っているとお得なスキル、資格とは?

1種以上の教員免許状

前述の通り、2種免許状であっても養護教諭として働くことは可能です。

しかし採用する側の身になってみれば、より上位の免許状を取得している人の方が、専門性も高く安心して仕事を任せられるような気がしませんか?

働きながらでも上位の免許状取得は可能ですので、転職の前に準備をしておくと良いでしょう。

カウンセリングに関係する資格

中学校以上では、生徒の相談を受ける機会も多くなります。

スクールカウンセラーの配置が進んでいるとはいえ、常勤でない学校も多く、入り口としては養護教諭が頼りにされているのが現状です。

大学で学んで取得する資格や、通信教育で学べるものなど、カウンセリングスキルを向上させるための資格や検定は数多く存在します。

自己研鑽のためにも、挑戦してみてはいかがでしょうか。

養護教諭でよくある転職理由

筆者の経験や卑近な例ではありますが、養護教諭の転職事情のリアルについて述べたいと思います。

統計に基づくものではありませんので、あくまでも一例と捉えてください。

転職理由で最も多いものは、ご主人の転勤によるものです。

正規採用の養護教諭であっても、採用範囲は都道府県内に限られますので、転勤についていくためには退職せざるを得ません。

転勤先で養護教諭になる方もいれば、違う職に就く方もいます。

もう一つは、出産を機に退職し、子育てが落ち着いたころに再び働きだす方もいます。

もちろん産休・育休の制度はありますが、もっとどっぷり子育てをしたいという方はこういった選択をするようです。

養護教諭から違う職業への転職を考える人は、非常勤講師や臨時的任用講師など、非正規雇用の場合が多いように感じます。

やはり身軽な分、色々な選択肢に挑戦できるのでしょうか。

まとめ

養護教諭の転職事情についてまとめました。

自己分析をしっかりとして、良い転職ができるといいですね。


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