ケアマネージャーの仕事は「大変ですね」と言われることもあれば「楽でいいですね」といわれる事もあります。

何が大変でどれが楽かは個人の捉え方なので正解は無いですが、ケアマネの仕事の本当の所が知られていないような気がする事も、日々業務をこなしていて感じる事ではあります。

居宅ケアマネをして今年で8年目の私から、そのケアマネージャーの仕事内容の実態をお知らせいたします。

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ケアマネージャーの仕事は大きく3つの役割に分けられる

ケアマネージャーの仕事の役割1:ケアプランの作成

ケアマネの仕事の最たるものはこのケアプランの作成です。

ケアプランは、利用者本人が作成する事も可能とされていますが、実際介護保険の自己負担も無いですし、下記に挙げる煩雑な作業を個人が行う事は非常に大変ですので、介護保険利用者のほとんどがケアマネと契約を結んでいます。

介護保険を利用するならば必ずこのケアプランが必要で、ケアプランに記載していない事は介護保険が算定できませんので、非常に責任の重い仕事となります。

ケアマネージャーの仕事の役割2:介護保険に関わる手続き

担当する利用者は基本的には高齢で介護、支援の必要な方ですので、たくさんある介護保険の手続きはケアマネが代行する事になります。

また、介護保険上の請求業務等もケアマネの仕事の一つです。

そのほかにも細々した事で役所とやり取りする機会は非常に多くなります。

ケアマネージャーの仕事の役割3:相談業務

ケアプランと並び、これも最重要の仕事の一つ。

利用者本人の不満や不安を聞くのは元より、その周囲の人々の相談に乗ることも大切な仕事です。

ケアプランの作成の4つの業務

ケアプランの作成業務1:アセスメント

利用者の生活歴や既往歴、家族構成から年金の種類に至るまで、事細かに情報を聞き出し、記録します。

もちろんADLの情報や、認知症の症状等もしっかりと聞き取り、このアセスメント表を見れば利用者の事が全てわかるようにしておく必要があります。

既往歴、現病歴はもちろんですが、生活歴や趣味嗜好を聞き取る事で、デイサービス等を探す時の参考になりますし、家族間構成も、誰に決定権があるのか、もめている関係は無いかなど、後々必ず必要な情報の一つです。

社会保険や年金の事も聞きますし、子供の有無等、関係性の出来ていない時に全てを聞き出す事は難しい事柄もあります。

人によってはムッとしてしまったり、警戒心を持たれてしまう事も。

基本的な事だけしっかりと聞いておいて、後は普段の会話から拾った事柄をまとめるという形が一番抵抗が無いと思われます。

ケアプランの作成業務2:担当者会議

アセスメントをしたら、その利用者の意向や状況に合った介護サービスの提案をします。

それでお願いします、となった場合は、事業所を探し、担当者会議を行います。

この事業所探しというのがなかなか大変な作業で、デイサービスであれば、多様なスタイル、特色の中から利用者に合う所を選ばなくてはいけません。

訪問介護等も今は人手不足で空きが少ないので、利用者の希望に沿う所をあちこちに電話をかけて探します。

そして事業所が決まれば、各事業所の担当者が集まって、今後どのように利用をしていくか、回数であるとか時間、曜日などを詰めていきます。

この時ケアマネは暫定的に作ったケアプランを持って会議に臨み、利用者、事業所に配布、プラン通りであればサインをもらいますが、この会議でいろいろと内容が変わる事も多々あり、その時にはプランは作り直しになります。

担当者会議の開催も法的に決められたものですので、然るべき書面に整理し、記録を残しておかなくてはなりません。

ケアプランの作成業務3:ケアプランの作成

ケアプランは、決められた雛形がありますので、そこに必要事項を記載して作成します。

本人、家族の意向、サービスの利用による支援の方向性、サービスを使う事でどうなりたいか、長期目標や短期目標を立て、そしてサービス内容を記載していきます。

ここに記載されたサービス以外は介護保険の算定が許されていませんので、ケアマネに言わずに勝手にデイを利用する、ケアプランに無いサービスをヘルパーに頼む、という事は出来ず、かなり重要な書類になっています。

このケアプランを利用者に交付し、同意の上署名、捺印をもらえば、その写しを今度は関係事業所に交付します。

事業所はケアプランを元に、各事業所の計画書を作成する事となります。

このケアプランの作成は、新しいサービスが始まる時や変更があった時、介護保険の更新時等の節目節目に行いますが、上記のアセスメントと担当者会議もその都度行い、書面に残さなくてはいけません。

ですので、体調の変化等で頻繁にサービスが変わる人の場合はなかなか大変な作業です。

ケアプランの作成業務4:モニタリング

こちらも法的に決められたケアマネの業務の一つで、要介護の場合は毎月訪問しモニタリング、つまりは今のサービスで過不足は無いか、困っている事はないかなど聞き取りを行い、書面に残します。

要支援者の場合は訪問は三ヶ月に一度で良く、残りの二ヶ月は電話でのモニタリングで可能です。

モニタリングは原則自宅で、必ず本人を交えて行わなくてはいけません。

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介護保険に関わる手続きの3つの業務

介護保険に関わる手続き業務1:申請代行

介護保険は期限があり、時期が近づけば更新手続きを行って、認定調査を受け、次の介護度を出してもらう必要があります。

この更新申請の代行手続きも居宅のケアマネが行う事が多く、更新時期をきちんと把握し、役所に書類を持って手続きに行きます。

必要があれば認定調査に立会い、しっかりと情報を調査員に伝えなくてはいけませんし、結果が届き次第教えてもらって次のケアプラン作成を行います。

基本的には、認定満了日の60日前より更新申請は行う事ができ、申請をして調査に来てもらってからおおむね一ヶ月程度で次の結果が出ます。

介護保険に関わる手続き業務2:給付管理

月初10日目までに、前月のサービスの利用実績を事業所から受け取りレセプトに入力、国保連に提出します。

この給付管理は、実績がきちんとケアプラン通りに行われているかを確認する作業でもあります。

ケアマネが国保連に請求した単位と、事業所が請求した単位が一致しないとその金額が入金されませんし、ケアマネ側が何らかのミスをしてしまうと事業所に一切お金が入らず、翌月に持ち越しになってしまったりするので、かなり責任のある業務です。

介護保険に関わる手続き業務3:必要時は区分変更を行う

介護保険の認定期間は現在6ヶ月~2年に設定されていますが、この間に病気や怪我等で大きくADLが低下する事が、高齢者の場合はあります。

そうなると、元々出ていた介護保険の結果では必要なサービスが補えないという場合、区分変更申請を役所に出し、期間満了前に再度認定調査に来てもらう事が出来ます。

状態が悪くなっていてもサービス量に不足が無ければ行う必要は無いですので、どの段階でこの区分変更をするかはケアマネの裁量に委ねられている部分が多いです。

相談業務の3つの業務

相談業務1:利用者の相談

ケアマネは利用者と契約を結んでいるので、利用者本人の相談に乗るのは当然の業務です。

介護保険のことのみならず、必要時には生活全般の相談に乗り、対応します。

相談業務2:家族

利用者と同じくらい重要な業務が家族の相談に乗ることです。

ある程度以上の介護が必要な方や、認知症の方の家族の負担やストレスは尋常なものではなく、そのまま放置しておくと虐待や事件にもつながりかねません。

介護疲れがあればきちんとその事を相談してもらえるような関係性を日頃から築いておき、必要時にはレスパイト目的のサービスの利用を提案します。

家族が介護疲れから病気になってしまったり、倒れてしまえば利用者の生活も脅かされますし、昨今は老老介護や介護離職が社会問題にもなっています。

普段から事業所とも連携を図り、家族の様子がおかしい時にも教えてもらう必要があります。

相談業務3:事業所

利用に際して、問題行動やルールに反する行動を利用者がしている場合、事業所からケアマネに相談が入ります。

こういった行動は困ります、といった話を直接事業所が行うと関係がギクシャクする事もありますので、そういった時にはケアマネが間に入り、上手に利用者に伝えなくてはなりません。

施設ケアマネとの仕事内容の違い

ここまで述べている内容は、ほとんどが居宅会の支援事業所に勤務する居宅ケアマネの仕事内容になっています。

特養や老健、グループホームや介護付き有料老人ホーム等のケアマネは、ケアプランの作成は行いますが居宅ほど内容が細かい訳ではなく、そう頻繁に更新する事もありません。

ケアマネ業務よりも、新規の入所者の面談や契約、現場の介護業務に入る事が多いのがこの施設ケアマネで、現場の仕事が好きな人には向いています。

ケアマネジャーの仕事をするにあたって覚えなければいけないこと

ケアマネジャーの仕事をするにあたって覚えなければいけないこと1:介護保険

これはもう絶対に必要といいますか、ケアマネをする以上、介護保険の事は何を聞かれても答えられるようにしておかなくてはなりません。

例えば訪問介護事業所で働いていれば訪問介護の事を、デイサービスで働いていればデイサービスの事を、利用者から何を聞かれても答えられるようにしなくてはいけないと思います。

ケアマネの場合は全ての介護保険のサービスに関する事を利用者から聞かれますし、サービス以外にも、更新の方法であるとかショートステイ等を利用する時の減免の事であるとか、認定調査の内容等、ありとあらゆる介護保険の事が即答できるようにしておく必要があります。

介護保険は三年に一度改正をしてその都度大なり小なり内容が変わる訳ですから、試験の時に頑張って覚えた事がいつまでも生きている情報ではありませんので、日々の生活で介護保険に関するニュースに気を配っておく等、常に勉強が必要です。

ケアマネジャーの仕事をするにあたって覚えなければいけないこと2:事業所の特徴

ケアマネの仕事は、アセスメントをして必要なサービスを提案しなくてはいけませんので、事業所の種類はもとより、おのおのの特徴をきちんと把握しておかなくてはいけません。

例えば、デイサービスはここならこういったレクがあるとか、ここは延長サービスあり、入浴設備等も各事業所違います。

訪問介護も、ここは男性ヘルパーが多いだとかフットワークが軽いとか、日頃からきちんと情報を仕入れておかないとスムーズにサービスが動きません。

情報収集も大切な業務の一つです。

ケアマネジャーの仕事の良いところ

やりがいを感じるポイント

ケアマネの仕事は上記以外にも雑用やクレーム処理など、気の重い業務があるのは事実ですし、大変な仕事として認識されています。

しかしながらもちろんやりがいのある仕事でもあり、良い所もたくさんあります。

困っている状況が良くなる

ケアマネ冥利に尽きるのがこれ。

やりがいを感じる最大の理由です。

ケアマネに相談に来られる時というのは、皆さん少なからず何かに困っている状況です。

特に、急な病気や怪我で思いがけない状態に陥った方ですと介護の事は何も想定しておらず、絶望していたりパニックに陥っていることも。

介護保険を使うことで生活の状況が良くなり安定していく過程を見る事が出来るのが、間違いなくケアマネの醍醐味であるといえます。

心を開いてくれる

全くの初対面からケアマネに心を許してくれる人はそう多くはありません。

介護される、介護を頼む状況を恥ずかしく、心苦しく思っている方は多くいらっしゃいます。

特にケアマネはアセスメントの観点からプライベートな事をたくさん聞き出すので、構えておられる方が多いのですが、何度も訪問し雑談も繰り返す中で、だんだんと心を開いてくれて信用してくれるようになります。

時間は掛かりますが、本音を打ち明けてくれるようになった時はとても嬉しいものです。

面白いポイント

やりがいもそうですが、ケアマネの仕事は実は意外と面白いなと思う事があります。

その理由がこちらです。

いろいろな事業所を知ることができる

ケアマネをするまでもたくさんの職場で働いて来ましたが、現場で働いていれば他の事業所の情報を知る事はそう多くはありません。

しかしながら前述しましたように、たくさんの事業所の特徴を知っておくのも大切な仕事。

それが出来るのはケアマネだけです。

デイ一つとっても、ここはこんなレクをしてるのか、こんな設備があるのか、と感心する事も多いですし、訪問看護や福祉用具なども、特色を出すべく、力を入れているサービスがおのおの違います。

長く介護業界にいたつもりでも知らなかった事がたくさんあって、それを知る事ができるケアマネの仕事はとても面白いです。

たくさんの人生が見られる

人に歴史あり。

介護の仕事をしていて一番楽しいのは、利用者が歩んできた長い人生のお話を聞く事です。

もちろん介護現場の仕事でも可能ですが、ケアマネになりますと本人だけではなく家族の話を交えて聞く事ができますので、深みはぐっと増します。

もちろん時には家族の歩んできた人生を聞く事も。

ケアマネを始めてから知りましたが、実は家の顔と外の顔、例えばデイ利用時と家にいる時はまるっきり違う性格になっている利用者もよくおられます。

家ではむっとして喋らないのに、デイでは抜群の笑顔でレクに参加していて、その写真を見て家族が驚く事もしばしば。

どちらが本当の本人の姿かはわからないですが、どちらの顔も見られるケアマネの仕事は本当に面白いです。

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まとめ

私の経験を交えていろいろなケアマネージャーの仕事内容をご説明させて頂きました。

大変な仕事だなと思われた方もおられるかもしれないですが、利用者の生活に深く関わる事が出来るこの仕事は、毎日同じ事は無くてとても刺激的で面白いです。

ケアマネの資格は取るまでも大変ですが、取ってからも更新研修は5年ごとにありますし、法律も変わります。

それでも資格を取って目指す価値のある仕事だと私は思っていますので、ケアマネの仕事に興味のある方の参考になれば幸いです。

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