昨今からの人手不足により、転職マーケットも活況が続いていますよね。

「法人営業」への転職が視野に入っている方も多いのではないでしょうか。

こちらの記事では、法人営業で転職するための考え方について解説していきます。

法人営業に転職するに当たっての必要な心構え

転職とは「自分という商品」を売り込む営業である

転職活動はあなたの次の就職先を探す活動に他なりませんから、なにより給与や雇用条件が気になることでしょう。

初めて転職活動する人なら、なおさらです。

ですが、求人を出す側の立場もあります。

法人営業の求人の場合、それは人事部の採用担当者だけではありません。

たとえば、各営業拠点の所長のような現場のトップが、自ら求人を出す場合もあります。

彼らは「○○のような人材がほしい」というニーズがあって初めて求人を出します。

そのニーズに対して、あなたという人材を採用すればメリットがあるかどうか、求人活動を通じて意思決定するわけです。

ニーズがあって、メリットを考える。

何かに似ていると思いませんか?

そうです、つまり、商品やサービスを売る営業活動と同じなのです。

ましてや、相手は営業の現場をとりまとめる拠点長クラスです。

当然、あなたが自社の法人営業として成果を出せそうかどうかを見極めようとします。

法人営業を転職先に考えるなら、転職活動自体が自分を売り込む営業活動だと捉えておくことが大切です。

法人営業とは「会社と会社」の取引を生み出す仕事

法人営業と聞いたとき、あなたはどのようなイメージを思い浮かべますか。

訪問販売や飛込み営業、ミスしたら土下座してお詫び…というようなイメージが湧く人もいることでしょう。

テレビドラマでは広告代理店の営業担当者が取引先のイベントに駆り出されて、納品する予定のPR資料が届いていなくて部長にこっぴどくしぼられる、なんて展開を見たことがあるかもしれません。

イメージとしては何となくわかるけれど、何の仕事といわれれば漠然としている、そういう印象の人が多いと思います。

法人営業とは、「会社と会社」の取引を生み出す仕事です。

会社では大勢の人が役割分担をしながら働いています。

営業担当者の他に、事務担当、仕入れ担当、製造部や開発部など他の部門もあります。

もちろん上司も係長、課長、部長、役員、社長、会長…といろいろいます。

取引先側も同じです。

相手の担当者にも同僚や、関係部署、管理部門や役員会などの組織がだいたいの会社にあります。

個人の買い物であれば、自分が自分の財布からいくら払って何を買うかは自分で決められます。

ですが、会社の中では担当者個人の一存で決められることは限られていて、社内の合意形成を進めていくプロセスが存在します。

つまり、法人営業とは、取引先の社内の合意形成のプロセスを前進させるために、訪問したり、提案したり、アフターフォローをしたりする、ということなのです。

未経験者は十分な準備が必要

未経験者にとっては、法人営業への転職は簡単ではないかもしれません。

というのも、先ほど説明したような会社の合意形成を進めていくプロセスというのは、実際に見たことがない人にとってはイメージしづらいものだからです。

仕事紹介の書籍を読んだり、法人営業の経験者から話を聞いたりして、できる限りの情報収集に努めましょう。

また、これまでのあなたの仕事経験を振り返って、あなたのもっている能力や知識をきちんと棚卸しして、どのように法人営業に活かすことができるか整理しておきましょう。

経験者も油断は禁物

法人営業の経験者であれば転職は簡単かといえば、そうでもありません。

後述しますが、法人営業と一口にいっても、実は会社の業態によっていろいろ違いがあります。

現職(もしくは前職)で経験したことがそのまま活用できるかといえば、そうではないこともあると思っておいた方がよいでしょう。

法人営業で上手に転職するための3つの注意点

法人営業への転職を検討する人が気をつけたい3つの注意点についてご紹介します。

会社の知名度に気を取られ過ぎない

どうせ転職するのなら大企業に入りたい、今よりも会社の格を落としたくないと考える人は多いと思います。

ですが、こと法人営業という職種においては、今まで聞いたことがない名前の会社だからといって応募に躊躇する必要はありません。

法人営業の場合、当然、その顧客は会社です。

最近でこそ就職活動の時期に学生をターゲットにしたテレビCMを展開する会社も増えてきましたが、一般消費者をターゲットにしているような会社と違って、テレビCMやネット広告をバンバン流すようなことをする会社はほとんどありません。

これまで耳にしたことがない会社でも、業界では名の知れた会社、ニッチな領域でも世界トップシェアをとっているような優良企業が、たくさん存在するのが法人営業の世界です。

同業ばかりに目をむけない

とくに経験者の方に注意していただきたいのがこの点です。

自分の知識・能力の自己分析が甘いと、業界での人脈や専門知識こそが自分の強みであると考えがちです。

同業他社での勤務経験があるということは、転職先企業にとっては貴重な情報をもった人物ということになるので、好待遇で迎えてもらえることを期待するからでしょう。

しかしながら、ライバル会社の情報をもって転職するということは、相手からすれば、いずれは自分の会社の情報をもって、またよその会社に転職するのではないか、という不安を感じさせることにもなります。

同業への転職をすべきでないということではありませんが、諸刃の剣でもあるということを理解して、できるだけ視野を広げてみてください。

入社後の教育を期待しすぎない

人手不足が深刻な今、求人を出す側もできるだけ優秀な人材を獲得するため、待遇や条件を良くみせる工夫を凝らしています。

そのひとつが入社後の教育制度です。

「当社では中途入社の方にもしっかりした教育制度があるので、業界未経験者でもぜひ応募してください」といった募集要項は少なくありません。

しかし、実際、法人営業の中途社員教育ほど企画・実施の難しい研修はありません。

マニュアルや資格を用意することも簡単ではありません。

入社すると形だけの研修をこなした後、教育は現場のOJTに任せる会社が多いようです。

一方、営業現場は日々の目標・予算の達成に必死です。

すると、即戦力になることを期待している中途社員への教育には、できるだけ時間をかけたくないのが本音です。

「会社からの教育はあればラッキー、なくても自分でキャッチアップするぞ」、という姿勢を示せるよう、気をつけてみてください。

法人営業転職を成功させるためには何をすれば良い?

法人営業にもいろいろあるということを知っておこう

一口に法人営業といってもいろいろなタイプがあります。

あなたの今の営業スタイルが、全く通用しないことすらありえます。

一般的には「注文頻度は高いか低いか」「顧客は不特定多数か特定少数か」で4つのタイプに分けることができます。

注文高頻度・特定少数顧客「顧客管理型」営業

一度契約すると継続的に数ヶ月、長ければ数年間注文が入ってくる専門商社やルート営業のタイプです。

特定の大口顧客との関係性が重要視されがちなので、接待も重要な要素のひとつです。

注文高頻度・不特定多数顧客「市場管理型」営業

代理店営業や卸売りなど、売り先は法人ですがその先の購入層に一般消費者がいるタイプです。

B to B to Cと呼ばれることもあり、キーマンとの関係性だけでなく販促も重要な要素です。

求人広告営業など、営業ごとに担当エリアや担当業界が決まっているケースもあります。

注文低頻度・不特定多数顧客「案件管理型」営業

顧客のニーズに応じて随時問い合わせを受けて提案する営業です。

頻度が限りなく少なくても、数百万円、数千万円規模で受注するようなシステム会社のコンサルティング営業もこれにあたります。

売り上げの安定化を目指して、アフターフォローやメンテナンスでリピート注文を重視する企業も少なくありません。

注文低頻度・特定少数顧客「案件・顧客複合管理型」営業

会計監査事務所や企業向け法律事務所など、上場企業や大企業向けに長期契約を結ぶような専門相談サービス、ゼネコンや公共系の入札事業など、きわめて予算が大きく工期の長いビジネスの営業タイプです。

顧客の法人内に様々な担当者が存在したり、入札機会が限られていたりするので、それぞれを巧みに管理する手法が求められます。

自分のスキルや経験の棚卸しを通じて能力を一般化しよう

あなたの経歴書のスキル・経験を書く欄に何を書けばよいか迷うことはありませんか。

現職(前職)での経験業務を具体的に書くことは大切ですが、さらにもう一歩踏み込んで、その経験業務からどのようなスキルを培ってきたのか、一般化しておくことも必要です。

スキルとして一般化することで、転職先の業務にも応用が効くことをアピールしましょう。

転職先企業の営業の特徴をできるだけ理解しよう

まだ働いたことがないのに転職先企業の営業の特徴なんて分かるわけがない、と思うかもしれません。

ですが、上記の法人営業の4つのタイプを参考にすれば、予測がつくことはあります。

個人主体の営業になるのかチーム主体の営業になるのか。

戦略的な攻め方を求められるのか行動量が求められるのか。

初回訪問から代金回収までが短い(その日のうちに)のか長い(半年、1年以上)のか、などです。

これを踏まえて、あなたのスキルや経験を活かして活躍できる見込みが高いかどうかをプレゼンしましょう。

あなたが転職先企業で活躍できるイメージをもってもらえるはずです。

法人営業の転職で年収を上げるためにやるべきこととは?

短期的な年収アップを目指すなら外資系企業を狙う

一般的に、人事処遇制度の設計上、日本企業よりも外資系企業の方が、目先の年収は上がる可能性が高くなります。

ただし、年齢に応じて給与も上がっていくことが多い日本企業と違って、外資系企業は職務によって年収が決まっているので、昇進しなければ昇給に結びつかないこともあります。

中長期的な年収アップを目指すなら中途社員昇進率を確認する

日本企業は年齢に応じて給与が上がっていくことが多いと述べましたが、最近は管理職などに昇進しなければ、大幅な給与アップが見込めないような役割・成果主義型の人事処遇制度に見直す会社も増えてきました。

一方、まだ中途入社社員は「外様(とざま)」として扱われ昇進の道が開かれておらず、プロパー社員が優遇される会社も少なくありません。

中途社員がどれだけ昇進しているか、応募の際に確認してみるとよいでしょう。

固定報酬とインセンティブの配分を確認する

固定報酬分とインセンティブ報酬分の配分について、現職(前職)と転職先の仕組みを比較してみると、年収アップが望めるかもしれません。

仮に、現職で高い成果を出しているにもかかわらず、あまり他の営業とのインセンティブに差がないとすれば、インセンティブを重視する会社に転職すれば、年収が上がる可能性は高くなります。

逆も同じです。

法人営業の転職で狙い目な会社の3つの特徴

転職活動には時間も労力もかかるので、できるだけ効率的に進めたいですよね。

ここでは採用確率の高い会社の考え方について説明します。

ポイントは、なぜ企業が法人営業の中途採用を行うのか、に目を向けることです。

採用人数の量で考える

その会社の人材構成の現状に対して 自分がそれを補完する人材となりうるかまずは量の観点から考えてみましょう。

会社が人を採用するニーズはこんなときに出てきます。

「定年退職などの自然減に備える採用」

「転職・ヘッドハンティングなどで空いた穴を埋めるための採用」

「新事業・新会社の立ち上げのために必要な人材の採用」などです。

現状の社員の中からそれに対応する人を探していくことが多いものの、最近では余剰人員の削減が進んでいて、なかなか内部登用は簡単ではなくなっています。

そこで外部から人材を採用することになります。

このように量自体が不足していることが募集要項や説明から分かるようであれば、あとはあなたがその不足を補完できる人材であるかどうかが鍵となります。

自分の経験を活かせる会社なのか

その会社にとって自分が新たな顧客ネットワークの持ち主となりうるか、量の観点をクリアしていても、外部から人材を採用することがあります。

次は質の観点です。

もしもあなたが現職(前職)で培った人脈やネットワークが転職先企業においては、開拓したくてもできなかったネットワークだとすればどうでしょう。

その企業にとってあなたのもつ人脈は「顧客との関係性」という資産そのものです。

これの点がアピールできれば他の候補者との人材の質という面での差別化は大きなものになります。

その会社にとって自分が新たな専門知識の持ち主となれるのか

仮に人脈という点で差別化が難しかったとしても、まだチャンスはあります。

たとえばあなたにとっては当たり前の専門知識も、転職先企業ではあなたと同じような経歴や経験をもっている人がいないために、魅力的な専門家に見える場合があります。

現職(前職)ではみんなが知っていて当然のことも、他の候補者や転職先の社員は知らないことがありますので、あなたにとっての当たり前が差別化要因になる会社を考えてみましょう。

自分にあった法人営業の求人の選び方や注意点

転職はバランスの調整である、という考え方があります。

たとえば、給与は高いけど残業も多い会社から、給与はそれなりだが定時で帰宅できる会社に転職するといったケースです。

総合的な合計点数でみれば変わらないけれど、その割り振りを今の自分の望むライフスタイルに合わせて調整するということです。

このような観点から、自分にあった法人営業の求人の選び方を考えていきましょう。

【選び方①】会社の業態から考える

「転職を成功させるために」の章でも述べましたが、法人営業は4つのタイプに分けられます。

会社によっては、複数のタイプが組み合わさっている業態も存在します。

これらの業態は職場環境に影響します。

個人に裁量権がもたされて自由に自律的に働けるか。

上司の判断やチームでの合議が必要になるものの仲間と一緒になって働けるか。

どちらがあなたの望むライフスタイルでしょうか。

もうひとつ、営業のモチベーションとして重要な「達成感」をどのくらい味わうことができるか、にも影響します。

たとえば、ファーストコンタクトから契約まで、その日のうちに済ませてしまうような営業では、日々一喜一憂しながら数字を追いかけるような働き方になるでしょう。

一方、契約までに数ヶ月や数年を要するような営業の場合、入社してもすぐには達成感を味わうことはできず、しばらく悶々とした日々を送ることになるかもしれません。

【選び方②】給与や雇用条件から考える

給与については固定報酬とインセンティブのバランスについて年収アップの章で述べました。

その他の雇用条件についても一般的な転職における福利厚生や雇用条件について確認すべき事項を確認しておけば十分でしょう。

ただし、法人営業においては時間外や休日の顧客対応や接待が発生する場合が少なからずあります。

雇用条件として明記されることは少ないので、あなたの望むライフスタイルに合うかどうか、きちんと確認しておくべきでしょう。

【選び方③】エリアから考える

会社を相手にする営業ですから、当然、存在する会社数が多いエリアほど選べる求人の選択肢も増えてきます。

ですので、どうしても首都圏に求人が偏りがちになります。

ただし、営業エリアがどの程度の範囲に設定されているかは会社次第です。

たとえば、あなたが早朝出勤や夜遅くの帰宅、長期の出張、転勤など、柔軟な働き方をいとわないのであれば、どんなエリアでも問題ないでしょう。

しかし、子育てや親の介護などの事情で安定的なライフスタイルを望むのであれば、ある程度営業エリアが限定されている求人を選択すべきでしょう。

まとめ

法人営業は「会社と会社」の取引を生み出す仕事と述べましたが、取引するのは会社同士であっても、そのために行動し、信頼し合うのはひとりひとりの人間です。

ぜひあなたの望むライフスタイルにあった求人で、法人営業の転職ができると良いですね。


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