介護福祉士と聞くと、とても大変そうな仕事というイメージがありませんか?

介護でよく取り上げられがちなニュースと言えば、虐待や認知症で介護疲れのため家族が悲惨な事件を起こしてしまうなどのネガティブなニュースばかりです。

今回は介護福祉士という資格を取ってからの経験をもとに、介護福祉士の仕事の向きや不向き、キャリアについて解説します。

介護福祉士の大まかな仕事内容

私が働いているグループホームという認知症の方が家庭的な雰囲気で生活する場所での介護の仕事内容についてお伝えします。

介護の仕事内容は、利用者の方が自分らしい生活が送れるように支援させて頂く事です。

もう少し詳しく書くと、出来る事は自分でやって頂き、出来ない事を支援したり、環境を整える事をします。

介護福祉士の仕事はどんな人に向いている?

介護の仕事は、4Kなんて言われる事があります。

きつい・汚い・危険・給料安い、という面からそのように言われます。

ただ、そんな部分を上回るような気持ちがあれば、介護に向いている人と言えると思います。

人の役に立つのが好きな人

介護の仕事は、利用者さんの日常生活を支援する事です。

高齢になったり障害を持つ事で何かしらの支援が必要な事が多いです。

そんな利用者さんに毎日どんな形であれ生活を支える支援をさせて頂く訳ですから、人の役に立つのが好きな人には向いていると思います。

人と接するのが好きな人

毎日あらゆる性格の人と接し支援するのが介護の仕事です。

十人十色の利用者さんと日々接する訳で、そんな人と接するのが好きな人は向いていると思えます。

心の器が広い人

私は認知症の方しか介護経験がありませんが、介護の仕事を辞める人の中には、介護者側が良かれと思ってやっている事が利用者さんにとって嫌な事と思える事があったり、八つ当たりされるという事があります。

例えば、認知症の物盗られ妄想といって、日々気兼ねなく接してくれる家族や介護士の人に、「あんたに物盗られた!」と訴えてくる事があります。

認知症で自分で置いた場所がわからなくなる訳ですけど、自分で納得できない訳で人のせいにするのです。

そんな事に対して介護者は、感情的にならず、何気なく一緒に探し、なくしたと思っているものを見つけたり等するのです。

また、尿や便の失禁で本人が不快に思うような場合に、心の器が狭いと「汚いから取り換えるよ」なんて言って、無理に交換しようとして拒否や暴力に合う事があります。

認知症高齢者にとって、自分が今どういう状態かよく理解できず、見ず知らずの人にいきなり裸にされたら嫌ですよね?

そんな認知症高齢者の目線になって、どういう声かけをし、どういう関わりをすれば気持ちよく交換でき、失禁する前にトイレ誘導できるかを考え支援する心の器の広い人が介護に向いている人といえるでしょう。

介護の仕事で活かせる経験

介護の仕事はその事業所や施設の種類によって違いますが、基本あらゆる事を行う事があります。

今回は、私が勤めているグループホームで活かせる経験をご紹介します。

料理が作れるようになる

私は、この仕事をするまでほとんど料理をした事がありませんでした。

ただ、グループホームでは、基本食事に関して認知症高齢者と一緒に作ります。

食事をただ作ればよいのではなく、入居者さんと一緒に献立を考える、買い物に行く、料理で入居者さんができない事を支援する形になります。

私は、入社当初料理を作った事ない事を当時の責任者に伝えると「それは良かった、素直に入居者さんに教えて貰うと入居者さんも喜ぶよ」と言ってくれました。

実際、認知症で何もしないと「帰る」と言ったり、「物を壊したり」する方がいます。

でも、もともと主婦の認知症を持つ方であれば、体で覚えている事が多いのです。

基本認知症の方は昔の記憶は覚えていて、最近の事はすべて忘れるという傾向があるからです。

ですから、認知症の利用者さんに何を食べたいか聞いて、それを一緒に作る事で料理を覚えました。

途中、水を出しっぱなしにするのを止めたり、火をつけっぱなしにするのを支援するくらいで料理が作れるようになり自炊ができるようになったのが、この介護の仕事を活かせる経験の一つです。

親や自分の老後の支援方法が見えてくる

人は誰しも年をとります。

親や自分、親戚や友達等身近な人も例外なく同じです。

もしかしたら、病気や事故等の障害でなにかしらの支援が必要な事があるかもしれません。

介護の仕事の経験は、そんな自分の周りの人に対する支援の手伝いをする事ができます。

日々の仕事の中で、身内が介護が必要な場合にどういう支援をする事ができるか、その人らしい生活を続けるための支援方法を考える事もできます。

また、介護士は病気や認知症等の疾患で、どのように進行するか、現状を極力維持する方法等も経験的に知る事ができます。

ですから、自分の近しい人に何かしらの変化が訪れた時に、いち早く対応する事ができます。

私自身の周りでいうと、最近親が足が弱ってきて歩くのが億劫になってきていたり、祖母が認知症というのがあります。

そういう時、親が歩けるのを維持したいという、ざっくりとした思いがある中でも、実際深く考えていくと支援方法は様々で、相談先の紹介等伝える事ができます。

それに加えて、自分の親なら一人で運動するタイプか、リハビリ専門の方に見てもらい運動するべきか、他の方と一緒に楽しみながら運動するタイプかな?なんかも考えて早い段階で自分の親がやりたい事の選択肢を提示する事がおおまかですがする事ができます。

認知症の祖母であれば、どういう施設があり、自分の祖母と支援する自分の親の状況等考える事もできます。

また、認知症が進行して、急にご飯が箸を持って食べれなくなった時に、オニギリ等手で掴んで食べれる物を提供して食べれるようになったり、好きなものを提供して、食べれない状態がどういう理由で食べれないのかも、あらゆる理由を経験的に知る事ができるのが介護士の仕事です。

ちなみに、私の祖母の場合は今95歳であらゆる過程を経て、現在食事が摂れない時は、エンシュアという栄養補給剤的なものを飲みながら生活しています。

認知症が進行する前に、胃ろうや管につながれてまでは生きようと思わないという希望を聞いて置くことで、いざ将来重要な選択をする時にあたふたしないようになる事にも繋がるとも思います。

介護職で働くメリットとは?

就職先で困ることが少ない

介護の仕事は絶対的に人手不足は変わらず、就職先が見つからないという事は現状ない状態です。

目先よく言われているのは、2025年に日本国民3人に1人が65歳以上の高齢者になるという状態です。

戦争後兄弟10人いるなんて家庭もよくありましたよね?

結婚自体しない方が増えた中、子供の数の目安となる出生率なんかは、今年間2人未満です。

介護される方が増え、介護する人が少ない事は今後ピークを迎える時代に突入するため、働き先に困る事はないです。

今外国人労働者を介護施設に導入してきている訳ですから、日本人なら日本文化を知っているというだけで強みといえるでしょう。

自分の希望に合った働き方ができる

繰り返しになりますが、介護は人手不足です。

その現状を改善するために、働いてくれる人がいればどんな時間でもいいから働いてほしいという事業所も多数あります。

施設系の介護職なら、夜勤はやりたくないとか、逆に夜勤だけやりたいとか、週何回で何時間なら働く事ができるか等、子育てや自分の趣味に合わせて仕事を選ぶ事がしやすいといえます。

最近は特に施設系より在宅で介護が必要でも生活できるような方向に向いています。

ですから、自分の働きたい時間と、在宅でその時間手伝いしてほしい利用者さんの自宅に行き支援するという事があります。

この場合の短時間支援は、買い物に行ったり、料理作ったり、掃除、洗濯、排泄介助、入浴介助なんかがあります。

逆に介護の仕事に向いていない人の特徴は?

基本的には自分自身が変わろうと思えば、向いていない事はなくなると思います。

ただ、どうしても下記のような気持ちが抑えられない、抑えようとするとすごいストレスを感じるという方は介護の仕事に向いていない人かもしれないですね。

自分本位な人

他のサービス業も近い事はあるかもしれませんが、介護はその利用者さんの生活に直結し、ある意味一体感を持つ事で利用者さんがその人らしい生活をする事ができます。

その中で、自分本位の人は向いていないと思います。

言葉で伝えるのは難しいところもありますが、ここでいう自分本位というのは、自分の考えや価値観、正しいか間違っているかで判断してしまう方という意味です。

自分を含めて、利用者さん皆さん育ってきた環境が違いますし、考え方や価値観も違います。

一般的に正しいと言われる事でも時には本人がやりたい事、やりたくない事を受け入れて支援する事が必要です。

例えば、口腔ケアにおいて夜寝る前に歯磨きする人は多いでしょうが、朝起きた時、ご飯食べる前に口腔ケアする方はどれほどいるでしょうか?

私もつい最近まで考える事なく行っていた事ですが、朝ご飯食べる前に口腔ケアする事の方が本人の健康を維持する事においては適切です。

ただ、ご飯を食べた後に口腔ケアする事が一般的になっている部分がありますよね?

こういう事を、朝起きた時にするのが正しいからと言って、強制的に直させるという方は適していないといえるでしょう。

特に認知症を持っていて、理解できない方に無理にやらせるのはどうかと思います。

ただ、もちろんその口腔ケアにおいて介護者が提案し快く受け入れてくれるよう伝える方なら向いている人といえるでしょう。

また、一見自分本位に見える事が介護に向いていないと一概に言えない事もあります。

基本は利用者さんと介護者の関係性が重要になってきます。

その関係性ができた上で介護者が心から楽しくしていることに対して、自分本位かもしれませんが入居者さんが巻き込まれ、はたから見てもとても楽しい雰囲気を感じる事もあります。

こういう雰囲気を作る事に関して特化しているのなら問題ないパターンもありますが、統一ケアを含め基本は自分本位な方は介護に向いていないのかもしれませんね。

待つことが苦手な人

介護を必要とされる方は、基本高齢者だったり障害を持っている方です。

例えばトイレでの排泄において自分でできる事はやって頂くのが基本で(すべてやると身体機能の低下を促進させるため)、万が一転ぶ事がないか等見守りするというのが良くあるのですが、向いてない方はその待つことができない人も一つといえます。

ただ、これもその時の環境によったり、本人の意思や家族の考えによって変わる事もあり、基本はその施設ごとにどうするか決まっています。

具体的には、例えば、日中職員がたくさんいる中でゆっくり見守りして、必要以上に手を出さない事が必要ですが、夜間一人のスタッフで転倒してしまう状況の中手を出してしまう場合もあります。

施設側は極力本人の意思を尊重して、極力事故が起こらないようにはさせて頂き、それをご家族に納得して頂くよう説明させて頂きますが、もちろん納得されないご家族もいらっしゃいます。

病院等でどうしても必要な場合には拘束というのもありますが、私が勤めているグループホームを含め基本施設での拘束は禁止されており、今後より拘束は極力無くす方向で動いています。

そんな100%事故が起こらない状況が日常的にある中でできる範囲の事を行いながらも待つ心の余裕がない方は介護にむかず、無理して働くと虐待につながる危険もあるので向いていないといえると思います。

その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

介護福祉士は国家資格で、私が取得した6年程前は学校に通っている方以外の人は3年の実務経験を基本必要とされてました。

その上で取得した介護福祉士の次のキャリアアップは、ケアマネジャーという資格があります。

このケアマネジャーは介護福祉士を取得してから5年の経験がないと試験を受ける事ができません。

簡単に分けると、介護福祉士は現場で実際に介護する仕事がメインで、ケアマネジャーは相談援助や支援の計画書を作ったり、地域のボランティアに働きかけたり等繋がりを作る仕事です。

私はこのケアマネジャーの試験を昨年末合格し、今月研修を経て、これから申請書を出し資格登録されるところです。

同時に、社会福祉士の通信教育も通っているのですが、このケアマネジャーと社会福祉士の違いは、高齢者に限定するか障害や子供等含めての相談援助かという部分です。

あとは考え方ですが、ケアマネジャーは5年の実務経験で研修受ける事で主任ケアマネジャーという形になる事ができ、独立する方もいますし、社会福祉士として地域の相談援助の核となるような道を選ぶ等あります。

来年末消費税増税に合わせて、介護福祉士経験10年で手当て8万円出る流れがあるので、いかに現場の人が少ないのかという問題がありますね。

ちなみに私の勤めてきた認知症対応グループホームの流れでいくと、

  • ①ハローワークでヘルパー2級の取得
  • ②介護福祉士取得
  • ③認知症実践者研修と管理者研修でフロア管理者になる
  • ④認知症リーダー研修を取る事でキャラバンメイトという認知症をサポートしてくれるボランティアを要請する講義を開く資格を取得

という形です。

これで、更に認知症指導者研修というのを取得すれば認知症の講義をする講師としての道もあります。

また、認知症ケア専門士というのがあり、自分でまとめた論文発表等学者的な事をする方もいます。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

例えば、飲食店で勤務するならこれからの時代、介護職が一人いると障害を持った方が入店しやすいとか考えられると思います。

例えば、むせやすい方に対してトロメリンというトロミをつけた食事を提供したり、飲食店の更なるサービスの一つとして今後増えていくと思います。

営業では、体の不自由な方に商品とは別に介護の補助する事で信頼関係を作る一つになるのではないでしょうか?

あとは、介護タクシーというのがありますが、車に乗せて降ろすだけでなく、更に踏み込んで、観光地において車いす押したり、車いすの方でも楽しめるルートを観光案内する等など介護の経験を基に考えられる仕事は無限にあると思います。

自分にあった介護の求人の選び方や注意点

一口に介護といっても様々あります。

自分にあった介護の仕事を見つける事をお勧めします。

【選び方①】雇用形態から探す

正社員・パート・派遣というのが基本的にあります。

正社員ならば、介護で入居者さんとのかかわりはもちろんの事、他の職員の事や会社の事、時には近所の事も考える事もあります。

パートならば、一つの会社で育児や子育てしながらも、比較的短い時間で働き、夜勤はやらない等の選択もあります。

派遣ならば、決められた期間の中で、比較的時間も自由に決められやすいと思います。

一つの会社にずっといる訳でないので、あらゆる介護施設を知る事に繋がるメリットもありそうですね。

【選び方②】職種から探す

介護福祉士の職種は自分が勤めるグループホームを含め、高齢者施設のイメージがつく職種は基本介護職員です。

これが、家で暮らしている人に対して介護する職種では訪問介護員(ホームヘルパー)。

ケアマネジャーと訪問介護員の間で連絡調整するのが、サービス提供責任者という形です。

【選び方③】給与や雇用条件から考える

場所によって変わる事も多いですが、基本特別養護老人ホームと言われる少ない人数で大人数かつ腰が痛くなりがちな介助が多い所では給料が多いです。

グループホームのような比較的認知症だけれども歩けて、身体介助が少ない所は少し安くなり、更に夜勤がない日帰りサービスの仕事や自宅に訪問して行う介護の仕事は少なくなりがちだと思います。

【選び方④】エリアから考える

基本他の仕事と同じように、家賃が違うので当然でしょうが、首都圏は高いですし、地方に行くと安い事が多いです。

ただ、北海道の場合だけかもわかりませんが、応援介護といって、離れた島等本当に人手不足で大変なエリアにおいては、引っ越し代や家賃の大半を出してくれたり、給料が介護職としては破格の年収450万くらいの好条件を出してくれるエリアもあるようです。

まとめ

一口に介護の仕事といっても、仕事内容や目指すキャリアアップによって仕事の仕方も様々です。

また、その施設の方針や人間関係等も様々なので、気になる介護事業所があったら、一度見学し、自分の目でどういう雰囲気の所か確認してから仕事に就くことをお勧めします。


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