編集者の仕事とは具体的にはどのような仕事をしているのでしょうか?
どんな人と関わりながらどのように業務を進めていくのか。
また、どのようなキャリアが積めるのか…。
編集者を目指している方にはそのような疑問があるのではないでしょうか。
ここではそんな編集者の仕事内容について詳しく紹介します。
また、編集者に向いてる人・向いていない人の特徴、この職業のメリット・デメリットについてもお話していきます。
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編集者はどんな仕事?
そもそも「編集」とは、「一定の方針に従って資料や情報を整理し、書物・雑誌・新聞・映画・ラジオ・テレビ番組などを一つにまとめる」ということ。
つまり、「企画に沿った情報を集め、アウトプットできる形に仕上げる」というのが編集者の仕事です。
書籍、漫画、雑誌など担当する出版物によって細かい業務内容は異なりますが、いずれにせよ企画力、情報収拾能力、情報処理能力などが求められます。
編集者の仕事は大きく9個の役割に分けられる
企画立案
書籍でも雑誌でも全ては企画を立てることから始まります。
売れている書籍や部数を伸ばしている雑誌がなぜ受けているのか分析し、今どのような企画がヒットするかを考えます。
会議に向け、練り上げたアイデアを企画書の形にまとめます。
企画会議
企画書は、会議を通過して初めて企画として認められることになります。
会議の場で自身の企画の良さをアピールしましょう。
承諾を得るためにはプレゼンテーションの技術も必要です。
発注作業
著者やライターに原稿の執筆を依頼します。
書籍などで著者が単独の場合、依頼を受けてもらえないと企画自体が成立しなくなるケースもあります。
また、雑誌の場合にはイラストレーターやカメラマン、デザイナーへの仕事の発注も必要になります。
いずれの場合も企画の主旨を丁寧に説明し、方向性がブレないようにすることが大切です。
スケジュール管理
発注が済んだら期日までに入稿できるようスケジュールの管理が必須です。
原稿やイラストの進捗状況を把握したり、インタビューや撮影の日程を調整したりします。
必要であれば催促のメールを送ったり電話をかけたりすることもあります。
デザイン依頼
デザイン事務所に出向き、出版物のデザインの依頼をします。
雑誌なら表紙や誌面のデザインが、書籍ならカバーや表紙のデザインが重要になります。
企画意図や予算額を説明した上でデザインの方向性を話し合い決定します。
入稿準備
原稿やイラスト、写真などの素材を印刷所に入稿できる形に整える必要があります。
内容や構成、素材を入れ込むページの確認はもちろん、文章については誤字・脱字や不自然な表現のチェックも行います。
著者やライターの了承を取りながら直すべき箇所は全て直しておきます。
ゲラチェック
印刷所から出てきた初校ゲラを著者やライターに届けます。
内容を確認の上、訂正する箇所には赤を入れてもらいます。
編集者も同時進行で入念にゲラのチェックを行い、再校ゲラを取るため印刷所に戻します。
色校チェック
雑誌では書籍の再校ゲラに相当する物が色校になります。
発色のチェックと並行して内容の最終的な確認を行います。
書籍ではカバーや表紙、帯など装幀の色校が出たら、デザイン事務所に持参してチェックしてもらいます。
校了
チェックを終えた色校を印刷所に戻した所で校了となります。
書籍の場合は見本が出来次第、新聞社や雑誌編集部に謹呈用の見本を送付します。
書評や紹介記事に取り上げられることで大きな宣伝効果が得られるからです。
企画立案の3個の業務
市場リサーチ
今どのような出版物が売れているかリサーチします。
作りたい書籍のジャンルや記事のテーマ、その大まかな方向性を意識してネットで情報を集めたり書店を回って調べたりします。
書店のどの棚に置かれる出版物を作ろうとしているか明確にイメージできる事が重要です。
企画立案
リサーチした情報をふまえて実際に企画を立てます。
ジャンルを明確にし方向性を絞り込んで、仮タイトルまで付けておきます。
企画書作成
企画案の構想をパソコンで企画書の形に落とし込みます。
書籍や記事のテーマをより明確にするため、書式に則った企画意図の作成だけでなく仮の構成案も作成します。
企画書には類似企画の評判や売れ行きなどを盛り込んでおくと効果的です。
企画会議の2個の業務
企画の主旨を説明する
会議の場で会社に企画の主旨を説明します。
提出した企画書の細部に関する質問が出ればそれに答えます。
企画の良さをアピールする
企画の売りを明確にしてプレゼンテーションを行います。
実績のある類似商品は企画書の会議通過にとってプラスに働きますが、差別化をどこで図るかの説明が必要です。
一定の読者が見込める上、従来の路線との差別化も出来るという点を強くアピールします。
発注作業の3個の業務
原稿を依頼する
原稿を書いてもらう著者やライターに依頼を行います。
書籍の場合、最初は手紙で依頼する事が多いです。
企画の意図、想定する読者層、刊行の時期などについて明確に伝えます。
イラストや写真、ページデザインを依頼する
雑誌の場合、記事の執筆以外にもページを彩るイラストや写真が必要です。
またページデザインが必須となるためデザイナーに仕事の発注を行います。
初回の打ち合わせを行う
承諾が得られたら直接会って最初の打ち合わせを行います。
手紙であれメールであれ、文字だけの情報伝達は思わぬ理解の食い違いを生む事があるからです。
直接会って話す事で企画の主旨を改めて確認し、仕事の進め方など細部を詰めていきます。
スケジュール管理の3個の業務
進捗状況を確認する
原稿の進捗状況や方向性のブレの有無など、執筆者と密に連絡を取って確認を行います。
構成などで変更の提案があれば検討し、早急に可否を伝え作業の停滞が起こらないようにします。
イラストレーターに仕事を依頼している場合には同様に作業の進捗状況の確認が必要です。
取材の日程を調整する
雑誌の場合は写真撮影やインタビュー取材などの日程管理が重要です。
カメラマンやインタビュアー、取材相手の日程を管理し、撮影場所や取材場所も設定します。
取材自体は編集者が自ら行うケースもあります。
会社に進捗状況を報告する
企画の進捗状況の情報は編集者と発注先との間でだけ共有されていれば良いという物ではありません。
進捗の確認が取れたらその都度上司に報告し、企画が遅滞なく進行中である事を伝えます。
トラブルが生じた場合もすぐに会社に相談する事が必要です。
デザイン依頼の2個の業務
ページデザインを依頼する
雑誌の場合、誌面のデザインフォーマットが必要です。
目次や記事の扉のデザインも含めたセンスあるフォーマットの作成を依頼します。
装幀を依頼する
書籍の場合、予算の関係もあってページデザインは目次や章扉のみの依頼に留まる事が多いです。
しかし、カバーや帯のデザインは売れ行きを左右する重要な要素ですから全て装幀家に作業してもらいます。
雑誌の場合は表紙のデザインがこれに当たります。
入稿準備の5個の業務
原稿の内容をチェックする
届いた原稿が企画意図からずれた内容になっていないか確認します。
原稿を校正・校閲する
誤字・脱字や日本語としておかしな表現のチェックである校正を行います。
事実関係の確認などを行う校閲も合わせて行います。
校正や校閲は外部のスタッフに依頼する場合もあります。
構成を確認する
書籍であれば想定していた構成案から大きく逸脱していないか原稿のチェックを行います。
雑誌の場合は、集まった素材が所定のページ数に収まるよう構成を調整します。
構成との兼ね合いで記事の長さに微調整が必要な場合は担当ライターに修正を依頼します。
使用する素材を選ぶ
取材時に撮影した写真、あるいは写真素材の提供サービスを行う会社のストックの中から、誌面に使用する写真を選択します。
取材に同行したカメラマンから専門家としての意見を聞きつつ、最終的には編集者が使う写真を決定します。
印刷所にデータ入稿する
原稿、イラスト、写真、デザインフォーマットなど必要なデータ一式を揃えて印刷所に入稿します。
ゲラチェックの2個の業務
初校ゲラをチェックする
印刷所から上がってきた初校ゲラをチェックします。
著者やライターに初校ゲラを送付し、それぞれが赤を入れて表記の訂正や内容のブラッシュアップを図ります。
赤入れをした初校ゲラを編集者が回収、一本化して初校戻しに備えます。
テープ起こしを元に作成したインタビュー記事であれば、取材相手に内容を確認してもらい承諾を得る事が必要です。
雑誌であれば記事に掲載したお店や会社の電話番号や所在地なども入念にチェックしてミスのないようにします。
再校ゲラをチェックする
初校ゲラに入れた赤が再校ゲラにきちんと反映されているか編集者が全てチェックします。
新たに大きな直しを入れることはせず、初校ゲラの赤に指示の間違いがあった場合などに限って訂正します。
最小限の赤を入れた再校ゲラを印刷所に戻します。
色校チェックの1個の業務
色校をチェックする
雑誌では書籍の再校ゲラに当たるものが色校になります。
写真の発色や鮮明さなどを中心にチェックを進め、同時に内容の最終確認を行います。
書籍の場合の色校はカバーや表紙の校正紙を指すので、デザイン事務所に校正紙を持参して装幀家にチェックしてもらいます。
校了の2個の業務
チェック済みの色校を印刷所に戻す
雑誌では編集者が最終チェックを済ませた色校を印刷所に戻せば校了です。
書籍では、デザイナーの修正指示が入った色校を印刷所に戻し、再校に問題がなければ校了となります。
謹呈見本を送付する
書籍では見本が出来次第「謹呈」と書かれた紙を挟んで新聞社や雑誌の編集部に送付する作業があります。
見本と一緒に送る書籍の内容をまとめた紹介文を作成するのも編集者の仕事です。
ブックレビューや紹介記事はもちろん、プレゼント本として取り上げられるだけでも本の宣伝に繋がります。
編集者はこのような人と連携して仕事をします
編集者の仕事は一人では完結しないことがほとんどです。
ネットを個人運営している場合などは別ですが、商業誌・商業サイトで編集者として仕事をする場合には、多くの人と連携して仕事を進めることになります。
では、その連携する仕事にはどんな仕事があるのでしょうか。
デスク
雑誌でもWebの場合でも、掲載する記事の内容をチェックしたり取材の指揮をとったりするまとめ役となる大事な仕事です。
自分の書いた原稿や、ライターさんに書いてもらった原稿の最終的なチェックを行うのがデスクの仕事の一つです。
デスクの能力の高さが、記事の完成度を大きく左右するとも言えます。
編集アシスタント
原稿や制作物などの受け渡し、書いてある内容などの確認作業を行います。
また、撮影した写真の切り出しをしたり、編集作業のサポートをしたりします。
校正・校閲者
紙媒体でもWebでも、それぞれの媒体ごとに文章の書き方や表記方法に決まりがあります。
そのルールに沿って書かれているか、書かれた内容は正しい情報かどうかをチェックしていきます。
また、そもそも日本語の表記にミスはないか、日本語の使い方として間違いはないのかなどのチェックも並行して行います。
ライター
編集者が自分で取材をし、自分で全ての原稿を書くというスタイル以外は、編集者は企画を担当し、原稿を書く部分はライターにお願いするという形が多いと思います。
取材をしてその内容を文章にまとめるのがライターの仕事です。
カメラマン
小規模な記事の場合は取材者が自分で撮影も行うこともありますが、大概の場合はカメラマンが同行し撮影を行うケースが多いです。
どんなイメージの写真が撮りたいのかなどは、事前にきちんと打ち合わせをしておくと撮影がスムーズに進みます。
また、編集者が取材そのものに同行できないといったケースもありますので、その場合にはカメラマンに撮影を任せることになります。
撮影してほしいもののイメージは、きちんと事前に伝えておきましょう。
モデル
撮影によってはモデルをお願いすることもあります。
撮影したいもののイメージに合うモデルを選定したり、事前にオーディションを行ったりして撮影モデルを決める場合もあります。
地図作成
近年、お店の情報などを地図で掲載することが多くなっています。
Webの場合はGoogleMAPなどを利用することもありますが、紙媒体の場合はアクセスMAPを地図会社にお願いして作成してもらう必要があります。
分かりやすいMAPを作ってくれる会社を普段から探しておくと良いでしょう。
イラストレーター
紙媒体の場合の挿し絵やWebで使う動画などで扱うものが多少変わると思いますが、写真で表現が難しいものを使用する場合などにお願いすることがあります。
CGのイラストや立体・版画・水彩・パステルなど、使う手法や画材によっても風合いが違います。
立体のイラストの場合は納品してもらった後に作品を写真撮影する必要があるため、イラストの納期を他の場合よりも早めに設定する必要が出てきます。
記事に合う挿し絵を書いてくれるイラストレーターを2、3人押さえておくと今後の仕事にも役に立つでしょう。
デザイナー
紙媒体の場合はレイアウトを引いてもらいます。
Webの場合も画面の配置などを決め、コーディングしてもらうことになります。
どんなデザインにしてほしいのかを決めるのは編集者ですので、打ち合わせの際にラフを描いたり説明用の資料を作ったりしてイメージを伝えます。
慣れたデザイナーの場合はより良くするための提案もしてくれるので、打ち合わせの際にきちんと話を聞き、より読みやすく人目を引くデザインを一緒に作り上げていきます。
進行担当
進行担当はそれぞれの記事や広告などの入稿から色校を戻すまで、Webサイトに記事として公開されるまでのスケジュール管理を担当します。
入稿遅れやゲラ戻し、色校戻しなどの遅れをチェックしたり、印刷会社との折衝などをやったりもします。
印刷会社(紙媒体の場合のみ)
原稿を校正に回して修正を済ませ写真を揃え、デザインができたらそれぞれの写真と原稿に合番を振って印刷会社に渡します。
ゲラ(初稿)が上がってきたら文字や内容のチェックをし、修正を入れてまた印刷会社に戻します。
最後の色校を戻す際には、印刷会社の人と修正箇所の打ち合わせをする場合もあります。
色校の修正には版下を作り直す必要があるため、ゲラで修正するよりもはるかに費用がかかります。
そのため、修正箇所を双方で確認する必要があるのです。
その後印刷されたものが製本され、流通に回されます。
印刷会社(データ入稿をする場合)
最近では印刷会社へオンラインでデータ入稿することが増えています。
しかしながら、印刷されたものが思っていた仕上がりと違うということが意外とあります。
これは、パソコンのディスプレイで見ている色がそのまま印刷されるわけではない、という理由が挙げられます。
また、印刷する紙の種類や厚さによっても色味が違ってくるのです。
こちらがに望んだ色を印刷物に正確に反映させるためには、印刷会社と何度も意見をすり合わせ共有することが重要です。
取材先
記事の内容によっては取材が必要になります。
取材のアポイントを取り、実際の取材を編集者が行うケースとライターにお願いするケースがあります。
ライターに取材をお願いする場合は、事前に聞く内容を打ち合わせしておく必要があります。
取材後に原稿が上がってきたら、取材先へ内容の確認をすることもありますので、いただいた名刺や連絡先はきちんと管理しておくのが必須事項です。
取材をライターさんにお願いした場合も、取材を受けていただいた方の連絡先は確認しておきましょう。
Webの場合は公開したページのURLを先方に伝えたり、紙媒体の場合は発行された見本誌を送付したりする作業もありますので、連絡先は最後まできちんと管理しておきましょう。
記者
ライターと編集者を合わせたような作業を担うのが記者という役割になります。
新聞社などの場合は、自分で取材をした内容を自分で書き起こして記事にし、書いた人物の名前も掲載され文章の責任の所在がより明確化されます。
編集者の仕事はどんな人に向いている?
企画力、文章力など実務的なスキルも求められる編集者ですが、それよりもっと必要なのが「人間力」です。
実務的なスキルは後に養われることも多くありますが、先天的に下記のようなスキルを持っている方は編集者として向いているのではないでしょうか。
編集者の仕事に向いている人1:コミュニケーション能力の高い人
上記でも述べたように、企画立案から誌面にするまでに沢山の方と関わります。
業界にはいわゆる「アーティストタイプ」の方が多く、個性的で少しコミュニケーションを取るのが難しい方とも関わっていかなければなりません。
また、取材先も常に優しい人とは限りません。
どんなに態度が悪くても取材を取りやめるわけにはいきません。
最後まで上手くコミュニケーションを取り、時には理不尽な要望を受け入れつつもきちんと必要な情報を引き出す力が試されます。
このように、編集者は高いコミュニケーション能力がないとこなせない仕事です。
編集者の仕事に向いている人2:根気強く作業を続けられる人、同時に複数の作業をこなせる人
一見華やかな業界に見えますが、実際は作業的には非常に地味なものが多いです。
例えば撮影を行う場合、スタッフ10名ほどのスケジュール調整や撮影場所探し・撮影許可取得といった段取りをする必要があります。
これだけで数日はかかります。
一発で全員のスケジュールが揃うケースは少なく、何度も何度も連絡を取りながら根気強く調整を重ねなければなりません。
更に、それと並行して製作中の誌面の文字を一文字一文字チェックするなど、ストレスが溜まるような細かい作業を行うケースがほとんど。
取材や撮影などテレビでよくフォーカスされている編集者らしい業務はほんの一部に過ぎず多くは細かく地味な作業のため、根気がないと続かないと言えるでしょう。
編集者の仕事に向いている人3:芯の強い人
企画会議で内容が決まったら、そこからズレないように企画を仕上げていく必要があります。
しかし、取材先から必要な情報が引き出せなかったり、企画に関わっていない外部の人から意見を言われたりと、なかなか一筋縄では進みません。
その時に芯が弱い人だと言われるがまま意見を取り入れてしまい、企画の内容が支離滅裂になってしまうことが多くあります。
上長の意見や有効な意見は上手く取り入れながらも、「こういう企画を作りたい」と最初に抱いた気持ちを失わずに持ち続けられるような芯の強い人は、編集者に向いているのではないでしょうか。
編集者の仕事に向いている人4:フットワークが軽く連絡がマメな人
企画が通った後は、カメラマンや取材先・ヘアメイクさんなど様々な人に連絡を取りスケージュールを組んでいきます。
時間や場所の変更などはよくある話で、その際に連絡を後回しにするような人では信用がなくなってしまうでしょう。
自分自身のスケジュールを明確にするためにも、念を押すくらいの方が良い相手の場合もあるのです。
また、フットワークが軽く少しの時間でも現場に顔を出したり連絡を入れたりできる人は、次もこの人と仕事がしたいと思ってもらえる可能性が高まるでしょう。
編集者の仕事に向いている人5:これから流行りそうなものに敏感な人
これは紙媒体でもWebでも言えることだと思います。
様々なところにアンテナを張り、これから流行りそうなものや今密かに流行っていることを敏感にキャッチできる人には天職と言えます。
編集者の仕事に向いている人6:文章を読んだり文章を書いたりするのが好きな人
文字を扱う仕事ですので、本を読むのが好き、文章を書くのが好きという人には向いている仕事だと言えるでしょう。
他の人の書いた文章を読んでいて、「こんな書き方をしたらもっと読みやすくなるのに」と考えた経験のある人には楽しんでできるやりがいのある仕事です。
また、人の書いた文章を読むのが大好きという人にも向いていると思います。
編集者の仕事に向いている人7:様々な情報を発信するのが好きな人
最近はSNSなどで自分の周辺の情報を発信する人が多くいます。
情報の発信をすることが好きな人は、沢山の人に読んでもらえるような工夫をしたり見せ方を考えたりする人が多く、そういった工夫ができる人は編集者に必要な要素を持っていると思います。
より客観的な視野を持って人に紹介するというスタンスが取れれば、より一層編集者の仕事に近づけるでしょう。
編集者の仕事に向いている人8:様々なことに興味の持てる人
一つのことに打ち込めるというのも必要な要素だと思いますが、こだわりなく様々なことに興味を持てる人、好奇心旺盛な人は編集者にとって大切な素質を持っていると言えます。
つまらないと思っていたことがやってみたら実はとても面白かった!というような経験は、今は興味のない人に対してこれから興味を持ってもらうためのきっかけを作れるかもしれません。
実体験は何よりも説得力のある記事を書かせてくれます。
様々な経験・チャレンジができる人は編集者に向いているのではないでしょうか。
編集者の仕事に向いている人9:様々な発想や企画ができる人
みんなが読みたい本や雑誌の記事を作るには、トレンドに敏感で、自由な発想で企画を立ち上げられる人が必要です。
また、ただ頭で考えているだけではダメで、ちょっと変わった発想であっても、企画書にまとめあげ、上司を説得できるような勇気と度胸が求められます。
編集者の仕事に向いている人10:スケジュール管理ができる人
どんな小さな記事1本にも必ず締め切りがあります。
出版社は、「何月には何冊出す」という厳密な年間スケジュールに基づいて動いていますので、編集者一人の独断でスケジュールに変更をきたすようなことは絶対に許されません。
同時に進行している案件があっても、抱えている著者やライターの分までしっかりとスケジュール管理できる力が必要です。
編集者の仕事に向いている人11:PCスキルが高い人
昔と違い、原稿はデータでのやりとりが中心です。
PCスキルは高いに越したことはありません。
雑誌社なら、イラストレーターやフォトショップまで扱えたら重宝されるでしょう。
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逆に、編集者の仕事が向いていない人ってどんな人?
残念ながら、実際の編集者はテレビドラマや漫画で取り上げられるような華やかな仕事ではありません。
細かい作業や地味な作業が多く、根気強さや粘り強さが必要です。
そのため、キラキラとしたイメージを抱いている人は、ややギャップに戸惑う可能性があります。
また、上記の「向いている人」の内容とも関係しますが、下記のような方が編集者として働くにはやや難しいかもしれません。
編集者の仕事が向いていない人1:人見知りが激しい人・あがり症の人
撮影や製作はいつも固定のスタッフで行うわけではありません。
その日初めて会うカメラマンやモデルと撮影を行うケースもあります。
また、取材に至っては大抵が初対面という関係の中で仕事をすることになります。
そのため、人見知りが激しかったり緊張しがちだったりすると、その場を円滑に回すことができず、スムーズに仕事が進んでいきません。
何らかのトラブルに繋がったり良い仕上がりにならなかったりと、編集者としての業務を一定のクオリティでこなすのが難しいでしょう。
編集者の仕事が向いていない人2:飽きっぽい人
月刊誌であれば、一つの号の製作に大体2ヶ月ほどの時間を要します。
その間ずっと同じ企画に携わり、何度も何度も構成や内容を確認する必要があるため、何でもすぐに飽きてしまう方は製作の途中で嫌になってしまう可能性があります。
また、最終段階で文字にミスがないか一つずつ丁寧に確認するなど、時間のかかる作業も多くあります。
そのような作業において、飽きっぽく集中力に欠ける方はミスを生み出す可能性が高くなり、編集者としては致命的です。
編集者の仕事が向いていない人3:休みが欲しい人・仕事嫌いな人
編集者である以上、ネタ探しは必須です。
休日も本屋で平積みになっている本からトレンドを把握したり、素敵なカフェに行ったら撮影ができるかどうか確認したりと、プライベートでも仕事に活かせる情報を収集する癖をつけていると今後の仕事に役に立つでしょう。
仕事が好きであれば自然に行うことができるかと思いますが、仕事とプライベートを切り離したいタイプの方はやや苦痛に感じるかもしれません。
もちろん、業務中のみ情報収集をするという方もいますが、休日もさり気なく活動している方に比べるとやはり情報量が少なく、結果的には辛い想いをすることになります。
編集者の仕事が向いていない人4:文章を書くことが苦手な人
企画書でもプレスリリースでも、編集者は他の職業より文章を書く機会の多い職業です。
そもそも文章を書くことが苦手な人や、文章を書くのに時間のかかる人には向いていないと言えるでしょう。
編集者の仕事が向いていない人5:体力・気力がない人(納期直前が多忙のため)
納期直前は目の回るような忙しさですから、基本的な体力はもちろん必要です。
しかしそれだけではなく、「原稿を根気よく待つ」「デザイナーの要望と会社の意向の板挟みになって調整する」など、気力を求められる場面も多い仕事なのです。
メンタル面に自信のない人もあまりおすすめできません。
編集者の仕事が向いていない人6:コミュニケーション能力が低い人
「この原稿、ちょっと方向性が違うんだよなあ…」そんな時にこちらの意向を相手に上手く伝えるには、コミュニケーション力の高さが物を言います。
これがないと、取引上の様々な相手と無用のトラブルを招くことになりかねません。
また、気難しい人や頑固な人が多い業界でもありますので、コミュニケーション能力が高い人が周りにいれば、どんなことに注意しているのか話を聞いてみるのも良いでしょう。
編集者の仕事が向いていない人7:PCスキルが弱い人
基本スキルとしてこれは必要です。
最近では、原稿のやりとりはメールで行い、入稿もデータの形で行います。
PCと向き合う時間が長い仕事ですから、不慣れな人では務まらないでしょう。
編集のお仕事が向いていない人8:口が軽く約束を守れない人
編集者の仕事の特徴に、誰よりも早く原稿に目を通すことができることが挙げられます。
内容が面白いものであればあるほど誰かに話したくなるものですが、それをやってしまうとあなた自身の、もっと言えば会社全体の信用を無くすことにもなりかねません。
また、期限がある仕事が多いので、納期や約束事をしっかり守れる人でなければ、次も一緒に仕事をしたいと思われないでしょう。
編集者の仕事で活かせる経験
毎日様々な業務をこなさなくてはならない編集者だからこそ、日々の生活や他の仕事でも活かせるものが多くあります。
編集者の仕事で活かせる経験1:企画立案経験
企画を立案するときは、「どのような人に読んでほしいか」というターゲットを、年齢や性別・性格まで明確に決めます。
この時のマーケティングスキルは、他社での商品企画やイベント企画などに活かせるスキルの一つとも言えるでしょう。
編集者の仕事で活かせる経験2:取材経験
取材の目的は、企画に必要な情報やそれに伴う新しい情報を引き出すこと。
このインタビュー力は、相手のニーズを引き出し、それに見合ったものを提案するという提案営業の力を養う経験です。
編集者の仕事で活かせる経験3:多くの人とのコミュニケーション経験
今や必要不可欠とも言われるコミュニケーション能力ですが、編集者は仕事を通して多くの人と関わることが多く、自然にこの能力が身についてきます。
普段はなかなか関わることのない職業の方ともマメに連絡を取るため、より高いコミュニケーションスキルが養われると言っても過言ではありません。
編集者として働くメリットとは?
編集者として働くメリット1:業務処理能力・タイムマネジメントに強くなる
編集者は、常に複数の業務を抱えることになります。
月刊紙であれば2号〜3号を同時に扱うことが多く、またそれぞれの業務に締め切りもあるため大変ハードです。
しかし、仕事内容や納期をもとに優先順位をつけ、きちんとこなしていくことで、高い業務処理能力と時間管理能力を養うことができます。
これは編集者としてだけではなく、どの分野の仕事においても活かせる能力のため、大きなメリットになり得ます。
編集者として働くメリット2:情報リテラシーがつく
日常生活の中でも常時アンテナを張り、そこで得た多くの情報の中から確実で必要なもののみをピックアップしてまとめる編集者は、情報の感度や取捨選択能力が高まります。
そのため、必要のない無駄な情報に踊らされることなく、正確な情報に基づくきちんとした見識のもと、生活するようになります。
多くの情報が溢れる現代社会では、大変高いメリットがある能力の一つとも言えるでしょう。
編集者として働くメリット3:様々に人に出会い、繋がりができる
編集者として日々仕事に取り組むと、本当に沢山の方に出会うことができます。
その中でも、カメラマンやスタイリストような個人で活動している方には特に魅力的な人が多く、そのような方と知り合い、話をするというのは非常に刺激的です。
一般人として生活していたら知り得なかったような話や芸能界のちょっとした裏話など、今までになかった知見や新たな発想に繋がることも多いです。
日常や次の仕事に活かせるかは別として、人としての見識が広がります。
また先にも述べたように、多くの方との関係を築いていく中で高いコミュニケーション能力が養われるというのも、大きなメリットの一つです。
編集者として働くメリット4:自分が携わった仕事が形となり世の中に出回る
単行本であれ雑誌の記事であれ、自身がまとめた文章が広く世間の目にふれることになります。
思いがつまった記事や原稿であれば、社会にメッセージを伝えることができたり、誰かの心に響いたりする仕事にもなるのです。
「編集者」が自分に向いているか診断するにはこちら →
編集者として働くデメリット
編集者と言えば、ある種憧れの職業でもあるわけですが、冷静に分析すれば、やはりいくつかデメリットも浮かび上がってきます。
編集者として働くデメリット1:プライベートな時間が優先しづらい
雑誌の編集者なら特に、時間との戦いという側面が強くなります。
プライベートな時間ももちろんありますが、抱えている案件が多かったりすると、どうしても仕事優先の日常になりがちです。
編集者として働くデメリット2:一緒に仕事をする方に合わせていく必要がある
同時に沢山の人と仕事を進めていくので、付き合いもまた重要です。
打ち合わせから飲みに発展することもあるでしょうし、編集者同士の横の繋がりで、飲み会が情報交換の良い機会になることもあります。
しかしあまり付き合いが良すぎると、翌日の仕事に影響が出たり、沢山の意見を聞き過ぎてかえって仕事にマイナスの影響が出たりしますから、注意が必要です。
編集者として働くデメリット3:納期直前は休めない?
原稿の締め切り、印刷所への入稿、「この日の何時までにどうしても」と期限を切られるような場面では、日をまたいでの残業・休暇を諦めることを覚悟しなければなりません。
これは編集者の宿命とでも言うべきでしょうか。
その後のキャリアについて
この仕事についた後のキャリアアップの道は?
編集者としての道を歩んで行くのであれば、キャリアアップの目標はまず編集長になることではないでしょうか。
とは言え、いきなり編集者から編集長になれるわけではありません。
一定のスキルを培った後は、企画や原稿を提出する側からチェックする側に変わります。
これがいわゆるデスクや副編集長といったキャリアです。
このキャリアを経た後に、全体の方向性・内容に齟齬がないかなど、雑誌の舵をとり、責任のある立場の編集長へとステップアップしていきます。
このキャリアアップは一つの会社でもできるものですが、他社への転職を機にキャリアを積むというケースも多く見られます。
他の仕事にもこの経験を活かせる?
編集者には他の職種に転職する方も多く見られます。
様々な経験は他の業種にも活かしやすい傾向にあります。
「編集者の仕事で活かせる経験」の欄で述べたものの他に、製作や取材を通して培ったコミュニケーション能力を営業職として活かしたり、企画提案やライティングで培った発想力や文章能力を企業の広報として活かしたりして転職する方もいます。
主に自分が得意だった業務部分を、他の仕事に活かす人が多いです。
まとめ
以上、編集者の仕事についてご紹介いたしました。
テレビドラマや漫画で取り上げられるようなキラキラとした面ばかりではなく、実際は地味な作業の方が多いのが実情。
ただ、その中で多くの人間ドラマが描かれるように、編集は個人のスキルのみならず沢山の人との関わりの中で行われる仕事であり、やりがいのある仕事です。
その分刺激も多く、そこで得た知見や発想などは自分自身の人生を豊かなものにします。
人と関わることが好きで、尚且つ細かい作業も根気強く続けられるという方には非常にメリットの多い仕事ですので、ぜひ検討してみてください。