ある学習塾の調査データによると、学習塾は全国に49,000校あり、これは全国の小中学校の校数よりも多いそうです。

また、中学校3年生の通塾割合は6割を超えるということで、半分以上の人が通っているのが塾です。

学校は、一斉授業がほとんどで個々へのレベル別対応はなかなかしてもらえないのが現状ですので、塾で学校の授業を補填するという人も少なくありません。

「学童保育型」の塾では、学習だけでなく、遊びをプログラムに入れていることや、英会話、サイエンス、読書など特徴を打ち出した塾も増えてきています。

また、大学生のアルバイト先として人気がある職種に、塾講師があります。

将来、教員を目指す人が塾で「先生」を経験したいと考えることが多いようです。

塾にも様々な種類がありますが、塾講師の仕事のやりがいについて紹介していきます。

私はこんなところで塾講師のアルバイトをやりました 

塾と言っても、名の知れた大きな塾では生徒数が一教室に500人を超えるような大手の塾から、個人経営の小さな寺子屋のような塾まで様々な規模があります。

私が務めたのは、郊外にある中間くらいと言える規模の教室ですが、学校区に一塾を目指して展開している小学生から高校生までが通える塾で、生徒数は全部で100人くらいでした。

大都市の中心街からは離れているとは言え、中学校の一学年は4クラスある地域でした。

この塾には、小学生は主に宿題をするために通うのですが、中学生からは塾独自の教材を使って授業を進めていき、いわゆる講義形式の授業ではなく、個人学習を講師がアドバイスしていく形で、個人のペースが尊重されました。

小学校クラスには、英語塾もあり、オリジナルテキストに沿って、リスニングやスピーキングも力を入れて行っていました。

塾講師アルバイトの仕事内容ってどんな内容? 

大きく分けると、塾講師である先生のアシスタントをするアルバイトと、自分が講師となるアルバイトがあります。

塾講師である先生のアシスタント

講義形式をとっている塾には、講師(先生)がいます。

あるテレビコマーシャルから大人気となり、今やいくつもの番組にも出演している先生もいるので、イメージはしやすいかもしれません。

その先生が行う授業の前後にプリントを用意して、配布したり、宿題が出されていればチェックをしたりするのが、アシスタントの仕事になります。

授業前後で、質問にきた生徒の対応をすることもあるようです。

教える

こちらは、家庭教師と言った方がイメージがつきやすいかもしれません。

自分が先生となって、生徒がつまづいているところや質問されたところを教えます。

少人数制や個別指導の塾、自習室にいる先生がこの仕事にあたります。

直接、生徒に接することが多いので、距離は詰まって伝えやすくなりますが、伴って教えることに責任を持たなければなりません。

掃除

どんな仕事にもつきものですが、清掃は大事な仕事の1つです。

生徒や、スタッフが気持ちよく教室を使えるよう、掃除や辞書、参考書の置いてある棚、机の上や椅子の整理整頓は欠かせません。

ビルなどに教室が入っている場合は、ビル管理者に任されていることもありますが、トイレ掃除や玄関マットの泥落としなどもアルバイトがすることが多いです。

塾講師に、資格は必要なの?

塾講師は「先生」と呼ばれますが、教員免許などの資格は必要ありません。

ただし、教師を目指して教職課程を取っている人、すでに教員免許を取得している人が採用時に有利になるケースもあります。

さらに、実用英語技能検定、実用数学技能検定、日本漢字能力検定の3つの資格は、取得級次第で能力を証明できるのでアピールすることができます。

また、近年、塾講師の民間の検定制度を国家検定にしようとする動きがあります。

公益社団法人・全国学習塾協会が認証する「学習塾講師検定制度」という検定です。

この制度を背景には、ばらつきのある塾講師の技術レベルを向上させるとともに、国家検定化することで信頼性を高め、慢性的な人材不足を改善したいという塾業界の狙いがあるといわれます。

塾講師アルバイトの時給は? 

1コマの長さにもよりますが、1コマ90分で講師を務める場合、1コマにつき2000円くらいが相場と言えるでしょう。

アシスタントと受付だけの場合、また1コマが50分程度の場合は、他種アルバイトと同等くらいの900円~1200円くらいのことが多いようです。

また、首都圏・東海・関西の三大都市圏における塾講師の時給は1450円となっています。

一見、高時給に思えますが、実際のバイト代は授業1コマあたりで計算されることが多く、生徒への質問対応や雑用などは基本的に勤務時間として認められていないことがあります。

そのため、労働時間で換算するとそれほど高くない場合もあります。

塾講師バイトの給料は、こちらの記事も参考に!

塾講師アルバイトで感じたやりがい4個

やはり、仕事にはやりがいがなくては、つまらないものになってしまします。

塾は、当たり前ですが、人と接するお仕事ですので、生徒の喜びにつながることは、講師のやりがいになると思います。

テストの点数アップの報告を受けた時

やはり、学習塾に通っているのに、成績が上がらないというのは生徒のモチベーションも上がりませんし、保護者からの信頼も落ちてしまい、教室の存続危機にもなってしまいます。

しかし、教室の信用のことを抜きにしても、生徒が「前に一緒にやったところ、テストに出たよー」とか「小テスト満点だった」という報告を受けると、自分のことのように嬉しくなりました。

生徒と会話が弾んだ時

初めてあった時から、「先生、名前はー?」「何歳ですか?」と積極的に話しかけてくれる生徒もいます。

しかし、中には当然、下ばかり向いていてあいさつもほとんどしないような生徒もいます。

私が勤めた塾は個別対応を「売り」にしていたので、生徒と話ができなければ、進みません。

ある日、本当は違う曜日の生徒なのに、親の都合で今日になってしまったという事情で教室に来ていた小学2年生がいました。

授業時間になっても、なかなか宿題に取り掛かれず、ずっと俯いていました。

「今日の宿題は何?」とか「学校で今日は算数の授業あった?」とか聞いてみても、黙っていました。

ずっと筆箱を眺めていたので、試しに、筆箱についていたようなクルマの絵の塗り絵を持って行ってそっと差し出すと、しばらくして塗り絵を始めてくれました。

そして、塗り終わると「先生、もっと他の絵はないの?」と声をかけてきてくれたのです!

勉強に入るまでに時間はかかってしまいましたが、何枚か塗り絵をした後は、宿題をすませることができ、満足そうな笑顔で帰ってもらうことができました。

1コマが終わるたびに

実は、1コマ1コマが終わるたびに、やりがいを感じていました。

私が勤めた塾の特徴として、コの字型の机に生徒が座り、真ん中に講師1人が入って1コマを進めるという、準個別指導の体制がありました。

最大6人の生徒がそれぞれのテキストを進めるので、呼ばれるたびに、この生徒は何をしているのか、どういったところで間違えやすいか、1コマでどの程度を進められるレベルなのかを把握しておかなければなりません。

1コマが無事、終わるとホッとしましたし、1コマを乗り切れたことで次の1コマへの自信にもなりました。

親に感謝される

小学生の生徒の場合、ご両親が送り迎えをしていることが少なくありません。

「この子、先生に会えるのを楽しみにしてるのよ。ここに来ない日も宿題を頑張るようになって。」と、あるお母さんに言ってもらえた時は本当に仕事が楽しくなりました。

塾講師アルバイトで身についたこんなスキル 

塾講師と言えば、「指導力、進捗管理能力、保護者応対力」など先生の持つイメージから身に付きそうなスキルが思い浮かびます。

実際、これらのスキルも身に付きますが、「コミュニケーション能力」が一番大切で、一番伸ばすことのできるチカラなのではないでしょうか。

生徒だけでも、子どもっぽい小学生から、大人びてきた小学生、思春期の真只中にいる中高生など、言葉遣いも表情も使い分ける必要がありました。

「先生」である自覚

塾講師として仕事に入った場合、当たり前ですが生徒からは「先生!」と呼ばれます。

「先生」と呼ばれることで、自分が教える立場であることを自覚でき、「見られているので、しっかりしなくてはいけないな」という気持ちになりました。

個別対応

先にも述べたとおり、私が勤めた塾では、準個別指導の体制をとっていたので、一人一人のレベルを理解して対応していかなければなりませんでした。

一人一人進むスピードも理解度も全く違うので、それぞれに対してどんなやり方が良いのか考えて対応していくスキルは、塾だけでなく世の中、本当に様々な人がいるので、生活していく上でも役立っていると思います。

時間管理

1コマの時間も決まっていますし、テストや試験までに用意された時間にも限りがあります。

よって、いつまでに何をしなければならないのか、どこまでが授業でできて、どこを宿題にするのかという把握をしなければなりません。

小学生の場合、こちらが宿題の範囲を決めますが、中学生はほとんどが自分で学校の宿題との兼ね合いを見ながら決めていきます。

生徒によってもう少しできそうであれば、増やせないか確認したり、逆に無理していないか聞いてあげて減らしたりしていきます。

時間管理がうまい生徒は、要領が良く、成績が良いことが多いです。

塾講師アルバイトはこんな人に向いています!

将来、教員を目指す大学生が塾で「先生」を経験したいと考えることが多いようです。

「学校」と「塾」の大きな違いは、生活指導があるかどうかですが、塾講師も授業外での行動が成績アップにつながる可能性がある事を生徒に伝えてあげられるといいのではないでしょうか。

子どもが好きな人

相手はもちろん子どもですから、子どもが好き!という人の方が、接しやすいです。

子どもは、人の話を聞いていません。

集中力がすぐに途切れるのに、遊びになると夢中になり、抜け出してこれません。

宿題をしてこなかった言い訳を、巧みに組み立てて話します。

友だちと一緒になると調子に乗って、授業妨害を始めます。

とても、素直で冗談に対して、大真面目で質問してきたり、昔のことをよく覚えていて話が掘り返されることもあります。

こんな子どもたちの特徴を聞いても、「可愛いな」と思えたら、塾の講師をしていても飽きたり、イライラしたりすることなく、楽しく仕事ができるはずです。

何かを教えるのが好きな人

「先生」は指導者です。

何かを教えるのが好きであれば、「先生」業に向いていると言えるでしょう。

人の役に立ちたい気持ちの強い人や、伝えることが好きな人も、教えることが好きになる可能性が高いと思います。

学校の授業でつまづいた経験がある人

何でもできてしまって、いつも優秀な成績を収めていた人は、もちろん講師を務めていても完璧かもしれません。

しかし、自分は頭が良くても、生徒の気持ちが理解できずに、「なぜこんな簡単な問題が解けないのか?」などと口にしてしまうようでは塾講師には向きません。

学歴だけではなく、どうしたら生徒が理解しやすいか、勉強のやる気を起こさせるかを考える力が必要となります。

失敗経験があり、そのことを生徒に話してあげられる人は生徒たちから身近な存在に感じてもらえ、相談されやすくなります。

例えば、自分が第一志望校に落ちてしまったけれど、第二の志望校に絶対に合格するために、好きな漫画を我慢したとか、受かったから今、やりたいことができているという話をすると、生徒も「先生も頑張ったんだ。よし、自分も....!」という気持ちになってきます。

生徒の話を親身になって聞いて、応えてあげられる先生は人気があります。

まとめ

塾業界にはアルバイトがたくさんいます。

1コマずつからでも入れる塾講師は忙しい大学生にとっても、働きやすいバイトとなっているようです。

将来、教師や塾講師になりたい人、教えることが得意な人や子どもが好きな人は、学業や就職活動との両立に注意した上で、トライしてみるのも経験になると思います。

また、小学生向けの塾も増えてきているので、「親」を経験したことがある主婦の方なども、保護者からの相談に乗りやすく親近感を持ってもらえそうです。

学校での「集団」での受け身授業が問われてきている世の中、ますます特徴のある塾が注目されてくることでしょう。


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