日々締め切りに追われ、毎日バタバタ。

終電は当たり前、泊まり込みで作業することもしばしば…というイメージが強い、編集者。

「出版社」と聞くだけでブラックな仕事だと思う人も多くいらっしゃるかもしれません。

実際のところは、どうなのでしょうか。

今回は、実体験に基づいた出版社のブラックな面について解説します!

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経験者の私が思う、出版社の仕事がブラックな理由とは?

ズバリ、「裁量労働制」。

出版社の編集がブラックな理由は、この一言に集約されます。

「裁量労働制」について簡単にまとめると、一定時間分の残業代が含まれた額の給料で働くこと。

残業をしてもしなくても残業代を受け取ることができ、労働時間は個人の裁量に基づくという考えです。

これだけを聞くと「なんだ、残業しなくていいんだ!」と思う方もいるかもしれませんが、それはなかなか難しいもの。

裁量労働制の裏には、「残業代をきっちり出していたらとんでもない額になるから、予め決めておこう」という考えがあります。

つまり、規定の残業時間内で終わるレベルの業務量ではないのです。

もちろん、裁量労働制が定められている理由は上記のものだけではありませんが、出版社の仕事がブラックになり得る理由としてはこれが一番と言っても過言ではありません。

出版社の仕事にブラックだと思う4個の瞬間

当時私が担当していたのは、月刊のファッション雑誌の編集。

企画の立案、取材、撮影、ライティング、校正の反映まで、業務は外部スタッフの力を借りながらも、一貫して行なっていました。

その経験を元に、出版社におけるファッション雑誌の編集がブラックだと感じた瞬間についてご紹介していきますが、あくまでも私個人の経験であり、全ての出版社・雑誌に共通するものではないかもしれません。

参考までにお読みいただけますと幸いです。

モデル撮影の日の集合時間は5時台

ファッション誌で避けては通れないのが、モデルさんを使った撮影。

そのモデル撮影の日の集合時間は、朝5〜6時集合が当たり前です。

もちろん、モデルさんやヘアメイクさんも同じ時間に集合しますが、我々が行うことは「モデルさんのメイク待ち」のみ。

つまり、ヘアメイクを行う部屋の鍵を開け、挨拶をした後は特にやることはありません。

その為だけに始発に乗って出社する日々…流石にブラックだと感じました。

OKが出た企画でも、稀に最終段階でNGになる

編集者は、各テーマに基づいた企画を自分で考え、編集会議で編集長から承認をもらいます。

その上で取材や撮影などの制作に取り掛かり、出版前にもう一度編集長のチェックを受け、出版するというのが大まかな流れです。

上記の通りスムーズに行けばいいのですが、一度OKが出た企画でも、最終段階で「やっぱ方向性を変えよう」と言われることもしばしば。

「これはウケが良さそう」「こっちの方が話題を呼びそう」と感覚で行う仕事のため、仕方がないこととも言えます。

しかしながら、直前でひっくり返った企画をなんとか発行に間に合わせるのは編集部員の仕事。

残業や泊まり込み覚悟で作業に取り掛かるため、「なんでもっと早い段階で言わないんだよー!」とブラックな面を感じることも少なくありませんでした。

編集長のチェックが終わるまでは動けない・帰れない

上述した通り、企画に対するGOサインや、出版前の最終チェックは編集長が行います。

それも、雑誌1冊分の全ページを一人で行います。

つまり、編集長のチェックには莫大な時間がかかるのです。

それに取り組む編集長の大変さにも驚きますが、チェックが終わるまで次の作業に取りかかれない編集部員のタイムロスも計り知れません。

フィードバックを待たずに進めることもできますが、それは上記で述べた出版直前での没を招きます。

したがって動くことはできず、他の方法で時間を有効活用するしかないのです。

時間の使い方が上手い人はなんとかなるのかもしれませんが、ただのタイムロスになってしまう場合、編集長の権力と業界のブラックさを感じます。

それなのに残業代が出ない!

ここまでで解説した通り、編集者は撮影のための早朝出社や、企画変更に対応するための残業など、とにかく働きます。

しかし、裁量労働制である以上、残業代は出ないのです。

朝早くから働くのも、夜遅くまで働くのも、残業代が出るのならまだ頑張れますが、残業代は決められた分しか貰えません。

これはブラック以外の何物でもない…と嘆く編集者は多くいました。

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疲れることも多いけど、やりがいがたくさんあるのがこの仕事!

これまでの情報だけだと、「編集者って最悪!」という印象しかありませんよね。

しかし、それでも編集者を続けたくなるようなメリットややりがいなど、良いこともたくさんあります。

以下でご紹介しますので、こちらはぜひ参考にしてみてください。

「記事を見たよ」と、頑張りを認めてもらえる

世に出回る雑誌の編集に携わっているということは、自分のクリエイティブや仕事の成果を誰かに見てもらうチャンスがたくさんあります。

これは、他の職種にはなかなかない特権です。

友人から「記事読んだよ!面白かった!」という感想をもらったり、取材先から「素敵な記事を書いてくれてありがとう」と言われると、上記で述べたようなブラック働きぶりも報われるような気持ちになります。

遠方に住む家族や友人にも自分の頑張りを知らせることができるのは、編集者の良い一面です。

新しい出会いが多い

誌面が完成するまでには、たくさんの人の協力があります。

取材先、カメラマン、モデル、ヘアメイク、スタイリスト、デザイナーなど、様々な職種の人と関わって出版に至るのです。

毎月固定のスタッフもいればそうでない人もいるため、日々新たな出会いがたくさん。

その出会いや会話が生む刺激が、新たな発見や自分の成長へと繋がることも多くあります。

新鮮な情報に触れる機会が多い

読者がまだ知らない情報や、求められている情報を調べ、まとめた上で知らせるのが編集者の仕事。

つまり、新鮮かつ刺激的な情報に触れる機会が毎日のようにあります。

追い求める情報を調べる中で出会う別の情報も、その時は必要でなくとも鮮度の高い情報の1つ。

新しいものをどんどん吸収していけるというのは、大きなメリットであると言えます。

うちの会社はブラックかな・・・辞めるべきかどうか悩んだら?

実際に出版社で働いていると、日々の業務をこなす事に必死になり、1日はあっという間に過ぎます。

その中で、「ここはブラックだから辞めようか、どうしようか」とじっくり考えて判断を下す時間はないかもしれません。

そんな時に、ひとつの判断基準になることを以下でご紹介いたします。

辞めることをお勧めするケース

出版社の編集以外にも言えることが多くありますが、仕事に夢中になっていると気付きにくいもの。

以下に当てはまらないか、確認してみてください。

1週間以上休んでいない

取材や原稿の締め切りの関係で、休まず働かなければならないことも時にはあります。

しかし、それは本当に稀なこと。

1週間以上休んでいないという状況が頻繁に起こるようであれば、離職を考えてもいいかもしれません。

担当ページ数が異常に増えている

担当ページ数は、編集者にとってある種のステータスでもあります。

また、人員不足や企画の関係で一次的に担当ページ数が増えることもあります。

しかし、周囲と比較してあまりにもページ数が多い場合は、一度見直してみてください。

能力が評価されてページ数が多い場合であっても、一部の業務は外部に委託するなどの工夫が必須です。

もしそれが受け入れてもらえない場合は、会社自体を見直す必要があるかもしれません。

辞めるほどでもないと思うケース

基本的に仕事内容はハードな編集者ですが、下記のような場合はしっかりとフォローがなされているので、離職を急ぐ必要はありません。

辞めることを検討中であれば、ぜひ一度確認してみてください。

連勤が続いた後や、仕事の山が過ぎた後は休める

全ての締め切りを乗り越え、一段落ついた時に、平日であっても裁量権を駆使して休める会社は、比較的恵まれています。

自分自身でも休みのスケジュールを加味して山を張ることもできますので、むしろ働きやすい環境でもあります。

外部のスタッフを利用できる

雑誌の制作に携わることができる人物は、社外にもたくさんいます。

コピーライター、ライター、文字起こしのアルバイトなど、自分が行う必要がないものは外部のスタッフに任せられる環境であれば、恵まれていると言えます。

人件費をかけてでも社員の働きやすさを優先する手厚いフォロー体制が伺えます。

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経験者がホンネで語ります

この仕事で、いちばん改善を望む点は?

冒頭でも述べた通り、「裁量労働制」という働き方。

これに限ります。

編集者である以上、早朝の出社や深夜に渡る作業は覚悟の上。

その覚悟に伴うだけの賃金が出れば、もっと高いモチベーションを持って取り組める編集者は多くいるように思います。

「残業は個人の責任では?」という声もありますが、現状の業務量を考えると、どんなに上手くこなしても賄いきれない人も多いでしょう。

裁量労働制を続けるのであれば、業務量が少なくなるよう外部と連携して業務を減らすなどの考慮が必要です。

出版社の仕事をする人にとって働きやすい職場の見極めポイント

散々「裁量労働制」について述べてきましたが、実は、裁量労働制でも残業代を出す会社もあります。

例えば、裁量労働制の賃金に含まれている残業代が40時間であった場合、40時間以上残業をしたらその分は支給されるというケースです。

そういった会社は裁量労働制でも働きやすいと言えるでしょう。

もう一つは、裁量労働制を有効活用できる会社。

裁量労働とは、裏を返せば「仕事が終わっていれば会社に行かなくても良い」という意味で捉えることもできます。

仕事が落ち着いている場合は早々に帰ることが認められていたり、会議がなければ出社しなくてもいいとする裁量労働制をとる会社もありますので、見極めのポイントにしてください。

こんな職場なら要注意!応募前にチェックしたいポイント

裁量労働制でなく普通の給与形態であることが望ましいですが、出版社の編集はほとんどが裁量労働制。

その中でも損をしないためにチェックしておいた方がいいのは、下記の3点です。

規定の残業時間を超えた場合、残業代が支給される

「裁量労働制」は一歩間違えると、無限の残業地獄です。

そうならないよう、規定の残業時間を超えた分の残業代は支給してくれる会社を探すといいでしょう。

そうでなければ、規定の残業時間が長めに取られているところがおすすめ。

その場合は残業代が予め多く付けられていることになりますから、損の度合いは少なくなります。

裁量労働制を有効活用できる環境にある

上記でも述べましたが、裁量労働制を有効活用できるなら働きやすい環境にあると言えます。

出社時間に縛りがない、途中で会社を抜けてもOK、仕事が落ち着いている日は早帰りできるなど、「裁量」だからこそ許されるメリットを尊重してくれる会社であれば、働きやすい可能性が高いです。

週休2日制

裁量労働であると、週休1日制であったり、代休が取れなかったりすることもしばしば。

取材や撮影は日曜日に行われることもあります。

その際に代休が取れないと苦しい思いをすることもありますので、こちらも事前の確認が必須です。

まとめ

以上、出版社の編集部として働いている中で、ブラックだと感じたことについてまとめました。

これを読んだ方の中には、「編集者になんてなるものではない」と感じた方もいるかもしれません。

しかしながら、ブラックなことがありながらも編集者で居続ける人がいるのは、それ以上に素晴らしい経験ができるからでもあります。

特に、情報に敏感になれたり、毎月のように新しい出会いがあるというのは、自分にとって非常に刺激的なこと。

毎日数字に追われる生活よりも、ずっと自分を成長させるかもしれません。

また、その出会いの中で生まれるコミュニケーション能力や情報リテラシーは、仕事のみならず日々の生活でも活かせます。

辛いことも少なくありませんが、人間として成長するには非常に魅力的な仕事です。

転職をご検討中の方は、ぜひ前向きに考えてみてください。


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