現代社会は、食事、健康に関する問題が目立ちはじめ、それに伴い、それらの重要性が見直されている時です。

例えば、昔に比べ、サプリメントなどで手軽に栄養がとれたり、ファーストフード、冷凍食品などで手早く食事を済ませたりできます。

勿論それらは核家族化が進み、忙しい現代人には有難い一面もあります。

しかし、それらの台頭は間違った情報をもとにしたダイエットで健康を損ねたり、家族で食卓を囲む楽しさを知らなかったりするという問題も生んできました。

他にも、飽食の時代がゆえに、過剰な塩分、脂質などの摂取が要因とされる生活習慣病に苦しむ人も多いです。

そんな現代では健康ニーズが高まり、健康のために食事を見直すという意識が広まりつつあります。

このような様々な食と健康に関する問題を栄養という観点から分析し、解決策を提示するのが管理栄養士です。

従来の管理栄養士の仕事は、栄養指導という既に病気の人に対する食事指導がメインでした。

現在も栄養指導は管理栄養士の重要な業務ですが、予防、健康維持という業務が見直されつつあります。

それとともに管理栄養士の活躍の幅は広がりつつあります。

今日は、管理栄養士のキャリアアップについて触れながら、管理栄養士として働く上で求められる性格をまとめます。

管理栄養士はどんな仕事?

管理栄養士は食と健康に関するプロフェッショナルです。

管理栄養士としての業務は多岐に渡りますし、勤務先の種類により異なります。

しかし、全ての管理栄養士の業務に共通していることは、人々の心身の健康の維持・増強、病気の治癒・緩和が期待されているということです。

そのために管理栄養士は栄養指導や給食指導、マネジメント業務などを行います。

管理栄養士は栄養という知識を通じて、人々の幸せや未来を創る役割を担っています。

管理栄養士の大まかな仕事内容

管理栄養士の仕事は多岐に渡り、その勤務先ごとで求めらえる内容が変わります。

ここでは勤務先ごとに管理栄養士の仕事内容を解説します。

あわせて勤務先ごとに必要な意識、注意点も解説します。

なお以下は一例で管理栄養士の勤務先は障害者施設、自治体、企業など多岐に渡り、その仕事内容も様々です。

また最近はスポーツ分野などに特化したフリーランス管理栄養士もいます。

病院

臨床業務と給食業務があります。

臨床業務

入院患者、外来患者、退院患者、在宅患者に対して、患者1人1人の容態にあわせた栄養指導を行います。

例えば減塩指導やメタボ指導などがあります。

他には患者さんの栄養状態把握のために栄養管理計画書を作成します。

臨床業務の場合、他の医療従事者と連携し、チーム医療の一員として働くため、摂食嚥下機能など高度な専門知識を必要とします。

給食業務

病院によって、病院自ら調理部門をもつ場合、委託給食会社に委託する場合があります。

病院自ら調理部門を持つ場合、管理栄養士は献立作成・発注・調理などを行います。

委託する仕事内容は、契約内容により異なりますが、全てを委託する場合は病院の管理栄養士は献立作成に関与しません。

部分委託の場合は、病院の管理栄養士作成の献立に基づき、委託会社が調理のみ行います。

大切なのは、食事を美味しいと感じてもらえることです。

アンケートなどを行い、患者さんの嗜好に可能な限り近づけていく努力は欠かせません。

高齢施設

高齢者施設に入所またはデイサービスなどを利用する高齢者に対する食事提供、栄養指導を行います。

個人の咀嚼力にあわせ、きざみ食、ゼリー状などの食べやすい形態での提供を行います。

高齢者は食事にい関する興味が薄くなりがちで、低栄養状態などになっていることもあります。

食べ残し、水分量を観察しながら、栄養指導を行います。

高齢者、その家族からヒアリングし、食の問題を解決していこうとするコミュニケーション能力が必要です。

学校

学校栄養職員業務と栄養教諭業務があります。

なお栄養教諭業務を行うには、管理栄養士資格に加え、栄養教諭免許取得が必要です。

成長期の子供達は栄養は勿論、食べる楽しみを学ぶ期間です。

どちらの業務でも季節感、郷土色などを反映させた献立作成、食育を意識することが大切です。

学校栄養職員業務

子供たちへの直接指導は行いません。

職務内容は給食献立作成、給食の献立作成、衛生管理などが中心になります。

栄養教諭業務

子供たちに食事と健康に関する授業や食育活動を行います。

他にはアレルギーをもつ児童に対する対応も行います。

栄養士と管理栄養士、何が違うの?

混同されやすい栄養士との違いは以下の2点です。

免許

栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格で、管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。

管理栄養士は栄養士の上位資格としての位置づけです。

対象者

栄養士の仕事は健康な人を対象にしています。

一方、管理栄養士の仕事は健康な人に加えて傷病者も対象にします。

そのため病院、高齢者施設などでは、食事の提供回数により管理栄養士を置くことが義務づけられる施設があります。

管理栄養士の仕事はどんな人に向いている?

管理栄養士の仕事は、栄養の知識だけあれば出来るものではありません。

個々人が必要とする栄養やサポートは多岐に渡ります。

下記4点の特徴を持つ人は、それを苦労と思わず、楽しみ、やりがいに変えられるでしょう。

責任感がある人

管理栄養士は施設によっては、自分1人しか資格職がいないということもあります。

栄養指導、献立作成は個々の状態に応じて細かく行わなければなりません。

状態にあった栄養素が過不足している場合、最悪の場合、患者や利用者の健康を害してしまうリスクもあります。

また形状などが食べる人に合っていない場合、食欲減退、最悪は窒息などのリスクすらあります。

またチーム医療やアスリート専属管理栄養士の場合、管理栄養士のアドバイスの持つ重みは大きいです。

管理栄養士は高いプロ意識を持ち、自分の仕事を遂行できる人に向いています。

人から喜ばれることにやりがいを感じる人

管理栄養士は献立作成などを通じて、栄養バランスのとれた食事を提供することは勿論ですが、美味しいと言われるような食事づくりを心掛ける必要があります。

飽きのこない食事にするための、献立作成は苦労する部分です。

しかし、利用者、患者からの「おいしい」の一言にやりがいを感じるものです。

喜んでほしい、美味しく食べてほしいという気持ちが求めらえます。

コミュニケーション力がある人

管理栄養士の栄養指導や献立作成は、机上の上で栄養素やカロリーの計算だけで出来るものではありません。

その人の食の嗜好、ライフスタイルを会話から聞き出し、反映させることで、より実現性や効果が高まります。

管理栄養士は、患者、高齢者、その家族などと関わる機会が多く、コミュニケーション力は必須能力です。

料理、食事が好きな人

管理栄養士はその仕事柄、日々頭のなかでは献立や食材の組み合わせなどを考える人が多いです。

料理をすることが好きな人、季節感や盛り付けにこだわる人などは、好きなことを仕事に生かしやすく向いています。

管理栄養士の仕事をするために活かせる、今までの経験は?

必須ではありませんが以下のような経験があれば、より深く仕事に関われることもあるでしょう。

調理師の資格や厨房での調理経験

管理栄養士が栄養のプロなら、調理師は料理のプロです。

食材の綺麗で味のしみやすい切り方、美しい盛りつけなどに関する深い技術をもっています。

管理栄養士も病院の給食部門、学校の栄養職員に配属された場合、調理もこなすことがあります。

そのため、調理師資格や厨房での調理経験があれば、調理の仕事内容に生かされるでしょう。

スポーツ経験

強靭な肉体をつくり、時に減量などを必要とするアスリートには、食事の栄養、カロリーコントロールは不可欠です。

そのため一流のアスリートには公認スポーツ栄養資格をもつ専属の管理栄養士がつき、日々の食事を支えています。

管理栄養士はチームの一員として、その選手が好成績をだすために寄り添う必要があります。

しかしスポーツの世界は厳しいものです。

練習の苦しさ、スランプ、病気や怪我による不調などに苦しむアスリートは多く、管理栄養士は選手の心情に寄り添う必要があります。

スポーツ経験があれば、心情も理解しやすいでしょう。

またスポーツが好き、体を動かすことが好きという人も、その競技理解に役立つでしょう。

管理栄養士で働くメリットとは?

管理栄養士で働くメリットは以下の3点です。

幅広い活躍の場があるため、勤務先選択の幅が広い

従来の栄養指導、給食業務だけでなく、最近はダイエットや美容に携わるニーズが増加しています。

エステ、ジムを運営する企業がトータルビューティを提供することを売りに、管理栄養士による食事アドバイスなどをサービスの1つとしていることも多いです。

また食品会社で新商品開発などに力を発揮する管理栄養士もいます。

管理栄養士の活躍の幅は広いため、自分が関わりたい対象や仕事内容から勤務先を選ぶことができるのは、大きなメリットです。

また最近はフリーランスの管理栄養士も増加しています。

FacebookやInstagram、ブログを活用し、管理栄養士の強みを生かした時短料理や幼児食の提案をするなど、自分で仕事を創り出す人もいます。

ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる

管理栄養士は国家資格として、一生有効な資格です。

出産や育児で現場を離れても、復帰しやすいという特徴があります。

柔軟に私生活と両立しながら、管理栄養士としてキャリアアップを積めるというのがメリットです。

私生活に知識を生かせる

管理栄養士自身やその家族にとっても食事と健康は大切な問題です。

管理栄養士として得た知識は、家族や友人へのアドバイスに役立てることができます。

その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は?

自分の専門分野を作ることで、自分の強みを生かしながら、キャリアアップをすることが可能です。

特定分野の知識・技術に関する高い質をもつことの証明として、認定管理栄養士や特定分野管理栄養士があります。

例えば、日本糖尿病療養指導士や病態栄養認定管理栄養士などを取得することで、より病院の臨床部門の即戦力として認めらえるでしょう。

ほかにも学校で勤務する場合、栄養教諭資格を取得することで、業務の幅が広がります。

他の仕事にもこの経験を活かせる?

飲食店経営やカフェ・レストラン勤務でも管理栄養士の仕事を生かすことができます。

最近はオーガニック、無添加など体に優しいをキーワードにした飲食店がブームとなっています。

管理栄養士の栄養を考えながら、美味しい献立を作成する経験は、メニュー開発、試作に役立つでしょう。

自分にあった管理栄養士の求人の選び方や注意点

管理栄養士の求人を見る時は、以下に注意してみましょう。

勤務体制

管理栄養士でも病院で働く場合と学校で働く場合では勤務体制が異なります。

勤務先によっては休みや出勤が不規則なシフト制勤務になることもあります。

自分のライフスタイルにあっているかは、まず確認しましょう。

資格手当の有無

管理栄養士としての資格手当が支給されるのかを確認しておきましょう。

他にも技術指導手当などがつくこともあります。

筆者の経験では5,000円~20,000円程度支給する企業が多いという印象です。

調理業務ばかりではないか

せっかく管理栄養士の資格を取得したのであれば、栄養指導、献立作成などの業務を経験し、スキルアップを図りたいという人は多いと思います。

学校給食センターや給食委託会社で勤務する場合、求人は管理栄養士でも、実際の仕事内容は調理業務ばかりということもあります。

調理に興味があれば問題ないですが、管理栄養士の仕事がしたい場合はミスマッチです。

まとめ

いかがでしたか。

管理栄養士は、食と健康を支える栄養のプロとして、活躍の幅が広いです。

今後の高齢社会、健康意識の高まりを考えた場合、そのニーズはより高まるでしょう。

資格を生かしながらキャリアアップできるというメリットは魅力的でしょう。

その一方管理栄養士の仕事は、ミスにより健康を損ねる、事故につながることもあります。

自分の仕事に責任をもち、栄養バランスのとれた美味しい食事をとってもらいたいという気持ちが大切になります。

そのため、相手の心情、立場に寄り添えるようなコミュニケーション力をもつ人が向いています。


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