私達が生きていく生活の基本は衣食住です。

なかでも、食べることは私達の健康を維持するためにも、欠かせません。

健康を維持するためには、必要な栄養素を必要量摂取することが基本です。

言葉でいうと簡単ですが、専門知識がないと、なにが必要でなにが不足しているかを知ることは難しいものです。

そんな悩みに答えてくれる存在が管理栄養士です。

管理栄養士は食を栄養の面から分析し、人々の健康をサポートする役割を担っています。

管理栄養士は、国家資格であり、混同されやすい栄養士資格の上位資格にあたり、食と栄養にまつわるプロフェッショナルです。

飽食の時代といわれる現代では、高血圧、糖尿病など食事も病気の1要因になります。

またダイエットやサプリメントなどが溢れる社会では、正しい情報を広げることも大切です。

さらに高齢社会、アレルギー児童の増加などが広がる今、食事への不安、関心は高まりつつあります。

これらの問題にすべて対応できる存在、それが管理栄養士です。

管理栄養士の活躍するフィールドは広く、学校、病院、高齢者施設のほか、食品関係企業で働く人もいます。

本日はそんな管理栄養士の仕事内容や働く上での魅力を解説します。

管理栄養士の仕事は大きく4個の役割に分けられる

栄養指導

管理栄養士は国家資格であり、その仕事内容は栄養士法という法律に記載されています。

その一つが、病人に対する栄養指導です。

私達が食事を通じて摂取する栄養は、健康維持を語るうえで欠かせません。

食事により私達が健康を維持できる反面、栄養の過剰摂取により病気になってしまうこともあります。

また、肝臓や腎臓などの機能が低下した場合は、健康な人に比較し、控えるべき栄養素もありあす。

その場合に管理栄養士による栄養指導が必要になります。

混同されやすい栄養士の仕事は基本的に健康な人を対象にしていることに対し、管理栄養士の仕事は加えて傷病者も対象にします。

そのため病院、介護老人保健施設施設などでは必ず管理栄養士を置くことが義務づけられる施設があります。

給食管理

学校給食、高齢者施設での給食など多くの人が集まる施設で提供する食事の献立作成などを行います。

献立作成の際には、単純に栄養素だけを気をつければいいわけではありません。

食べる人の身になって、食べやすさ、食べる喜びを感じてもらえるような献立を意識する必要があります。

マネジメント業務

病気を食事の観点から防いだり、健康を増進したりすることが目的です。

従来は管理栄養士は、栄養指導や給食管理のみが業務と考えられていました。

しかし近年は食育やアレルギーへの関心も高まりつつあり、管理栄養士の仕事としてニーズが高まる業務です。

スポーツや美容など、特定分野に特化する管理栄養士もいます。

栄養指導、給食管理に比較し、フリーランスの管理栄養士が活躍しています。

開発品質保証

食品メーカーなどで新商品の開発、品質管理業務に携わります。

管理栄養士の仕事がなくとも、それらの業務に携わることは可能です。

しかし、近年は減塩志向の高まり、トクホ商品の台頭など、製品の栄養素が製品の売れ行きを左右することもあります。

そのため管理栄養士が製品の開発などに関わるケースが多くあります。

栄養指導の2個の業務

栄養指導の主な業務内容をその活躍フィールドごとにみていきましょう。

病院

病院や診療所で働く管理栄養士は、病気を抱える患者一人ひとりの病状、容態に合わせて、栄養指導を行います。

その目的は病気の治癒、再発予防、合併症予防です。

患者へ提供される食事の栄養管理を行います。

入院患者に向けた指導だけでなく、退院指導、外来栄養指導、在宅栄養指導も行います。

病院で働く管理栄養士は医療チームの一員として、高度な知識・技術を求められます。

自治体

保健所や保健センターなどで、地域住民の病気予防、健康増進のための講演、調理実習を行います。

対象は妊婦、乳幼児、成人、高齢者などがあり、その年代、セグメントごとに留意したいことを中心に指導します。

例えば妊婦であれば葉酸、減塩やカルシウム摂取など、母子の健康維持に気をつけてほしいことを資料などにまとめます。

乳幼児であれば、3歳検診などで、理想の食事モデルを提示することもあります。

給食管理の3個の業務

給食管理の主な業務内容をその活躍フィールドごとにみていきましょう。

病院

入院患者に提供される食事は病院直営の給食室で調理される場合と委託業者の給食室で調理される場合があります。

病院勤務の管理栄養士

病院に勤務する管理栄養士は、医療チームの一員として上記の栄養指導を行うほか、献立作成を行います。

中には委託業務勤務に向けた指導、チェックを行うこともあります。

委託業者勤務の管理栄養士

管理栄養士ではありますが、病院に所属していないため、栄養指導は行えません。

業務内容としては、献立作成から実際の調理の現場にはいることもあります。

なお献立作成は病院との契約で、病院の管理栄養士が行うこともあります。

幼稚園・保育園・学校

学校施設で提供される給食の献立作成を行います。

学校給食やおやつの献立作成には、栄養バランスを考えるのは当然のことで、季節感、盛り付け、アレルギーなど様々な配慮が求められます。

最近の給食では地場の野菜などを多く取り入れた給食などもあります。

高齢者施設

養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、老人福祉センターなどで、入居者の状況にあわせた食事を提供するための献立作成を行います。

在宅高齢者に食事を給食という形で届けるサービスもあります。

高齢者は何らかの病気を抱えている場合も多く、塩分、栄養素を考えた献立が必要とされます。

また高齢者は歯が弱く、咀嚼力に問題があるケースもあります。

きざみ食、ゼリー状など、その形態への配慮も求めらえます。

食事は楽しみの1つでもあるため、季節感や行事(ひな祭り、お正月など)を意識した献立作成が求められます。

マネジメント業務の3個の業務

幼稚園・保育園・学校

アレルギーをもつ児童に対する管理、保護者との面談を行います。

さらに管理栄養士の仕事として、子供たちが健やかに成長するための食育が最近注目されています。

幼稚園・保育園・学校に勤務する管理栄養士は、給食管理だけでなく、子供が食べること、食材に興味をもつような活動を行います。

園だよりを作成して、食のコラムを書くこともあります。

2005年には栄養教諭という資格が誕生しており、注目が集まる分野です。

栄養教諭は、職員ではなく、教員として生徒に向けた食育授業を行います。

なお栄養教諭として働くためには、管理栄養士資格にあわせ栄養教諭免許取得が必要です。

スポーツ分野

公認スポーツ栄養士という特定分野に特化した管理栄養士が存在します。

スポーツ分野で働く管理栄養士は、アスリートの強靭な肉体づくりを支える存在です。

アスリートの健康を毎日の食事から支える為に食事管理などを行います。

一言にスポーツといっても、種目ごとに特性(柔軟性が必要な競技、持続力が必要な競技、瞬発力が必要な競技)があります。

その特性をふまえるほか、男女の違い、減量(or増量)の必要性も考慮にいれます。

そのため一流アスリートには専属の管理栄養士がいて、好記録を支える一員として関わることも多いです。

美容分野

最近はトータル美容の考え方が浸透しています。

エステサロン、ジムでは食事の面から顧客ニーズを支えることを売りとするところもあります。

管理栄養者は利用者の食生活のチェック、アドバイスなどを行います。

開発品質保証業務の1個の業務

企業

食品メーカーなどに勤務し、新商品開発に携わります。

栄養素やアレルギー表示があるため、管理栄養士が担う役割は大きいです。

管理栄養士の仕事の良いところ

やりがいを感じるポイント

管理栄養士として働くなかで、以下の4点にやりがいを感じるという声が多いです。

患者、利用者に喜んでもらえる

管理栄養士として働く人の多くが何らかの献立作成業務を担当しています。

幼稚園、学校、病院、高齢者施設など、その対象が違いますが、共通する悩みは何を提供すうるかということです。

筆者は病院や高齢者施設で働いていました。

365日1日3回の食事を提供するため、毎回献立づくりには苦労しました。

管理栄養士なので、必要カロリー、必要栄養素の条件を満たしていることは当然ですが、患者、利用者に飽きずに食べてもらえるという目標もあります。

家族にご飯をつくるお母さんが、好きなもの、飽きていないもの、色合いを考えてつくるように、「おいしい」と言ってもらえる食事を想像してください。

そのためには机上で計算ばかりしているだけではなく、患者、利用者への真心が必要になります。

配膳時、食事時の患者、利用者の様子をみたり、意見を求めたりすることで、現場のニーズを献立に生かします。

その苦労が実り、「おいしい」「飽きがこない」という声を聞いた時には嬉しく感じます。

責任の大きさ

高齢者施設などは給食条件などによっては管理栄養士の在籍を義務づけられているところがあります。

そのような施設で働く場合、自分しか管理栄養士はいないということもあります。

自分1人の知識、技術をもって、利用者が満足するサービスを提供するする必要があります。

自己研鑽が常に必要になると同時に、管理栄養士としての自分の一言の重大さに身が引き締まる思いです。

栄養指導の成果が目にみえて現れた時

栄養指導は、机上論にならないように、その人のライフスタイル、生活習慣を知る必要があります。

病気だから~を控えてというような指導では、反発をうむこともあります。

コミュニケーション力が求められる場面であり、難しさもあります。

しかし、減塩指導による高血圧改善、メタボ指導による体重や腹囲減少という成果が見られたとき、やりがいを感じます。

食べる楽しみを伝えることが出来た時

管理栄養士の仕事は、栄養ばかりに注目していると思われがちです。

しかし、食事は赤ちゃん~高齢者全ての人間にとって、不可欠なものです。

また豊かな食生活は心を豊かにして、生きる喜びにも繋がります。

食育などを通じて、食べる楽しみを伝えることが出来たときにやりがいを感じます。

おすすめポイント

管理栄養士として働くおすすめポイントは以下5点です。

活躍できるフィールドが多い

管理栄養士が活躍することができる職場は多岐に渡ります。

病院であればチームの一員として医療に携わることができます。

学校であれば、給食や食育などの面から教育、情緒の発達に関わることもできます。

他にもスポーツ施設、行政、食品メーカーなどで様々な働き方が可能になります。

自分にあう働き方を選択できるのが魅力です。

筆者の先輩は従来は高齢者施設で勤務していましたが、元々美容へ強い関心をもっていたことから、メーカーへの転職をし、美容ドリンクやサプリメントの開発に携わっています。

興味のあるフィールドであれば、毎日がより楽しくなるでしょう。

専門知識を生かせる

管理栄養士は国家資格であり、その道のプロフェッショナルです。

管理栄養士には調理、栄養学、食品衛生、公衆衛生、人体の機能や疾病など必要な知識が多くあります。

資格取得後も、勤務先で更にそれらの知識、技術を深めます。

専門知識を生かして勤務でき、それがキャリアアップにつながるという意味で、一生の仕事としておすすめです。

一生役立つ仕事のため、働き先によってはライフスタイルの変化に応じた働き方も可能です。

必要に応じて公認スポーツ栄養士、食育アドバイザーなどを取得し、他の管理栄養士との差別化を図ることも出来ます。

自分の生活にも生かせる

管理栄養士の知識は自分や家族の健康管理にも役立ちます。

筆者は一児の母ですが、ママ友の中で離乳食から幼児職へのステップアップに悩む人にアドバイスをすることもできました。

また自分の子供に卵アレルギーがあっても冷静に対応できたのは、仕事で積んだ経験が生きたためです。

卵アレルギーであっても食べる楽しみは食事に必要と、かぼちゃでオムライス風にしてみるなどの工夫を行うことも出来ました。

私生活でも役立つ経験と知識を得ることが可能です。

食べることが好きな人におすすめ

管理栄養士はその仕事柄、毎日献立を考えることも多いです。

メニュー考案などを含め、常に頭の中は食事と栄養でいっぱいで、常にアンテナをはっています。

そのため、もともと食べることや料理に関心が強い人におすすめです。

将来性

高齢社会、健康意識の高まりから、管理栄養士のニーズは更に増加するでしょう。

高齢者や病気を抱える人に向けた宅配サービスを新しく開始する企業も多いほか、食育、アンチエイジングなど今まで管理栄養士の仕事としては付属的なものが、主体的サービスとなり拡大しています。

最近はフリーでは働く管理栄養士も多く、独自で時短献立料理教室などを開催する人もいます。

今までの栄養という仕事内容にとらわれるこなく、働けるチャンスがあります。

まとめ

いかがでしたか。

管理栄養士の仕事は、栄養という領域に限定して考えられがちです。

しかし、時代とともにそのニーズは変化し、拡大する傾向にあります。

昔と比較し、健康意識が増す中で、栄養指導は勿論、美容や教育領域での活躍がみられます。

また孤食などの問題も昔と比べでてきています。

管理栄養士は、食べることの楽しみを伝える立場にあり、フリーランスなどで独自の管理栄養士の姿を模索することも可能です。

また最近は特定保健指導などもはじまり、管理栄養士への期待は高まっています。

資格職として安定的にキャリアアップが積める点も管理栄養士をおすすめする理由です。


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