安定した仕事に就きたい、人の役に立ちたいなどといった理由から、社会福祉士を目指す社会人の方は多いですよね。

福祉の仕事の経験がなくても、社会福祉士に転職することは可能なのでしょうか?

著者も会社員を続けながら大学に通い社会福祉士の資格を取ったので、その経験を基に解説していきます。

社会福祉士がなぜ転職先におすすめかという理由を知りたい方や、社会福祉士の年収をアップさせたいという方もぜひ参考までにご一読ください。

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社会福祉士へ転職する際、狙い目な職場の特徴とは? 

社会福祉士の職場と一口に言っても、多種多様な仕事があります。

転職する際はどのような職場を狙ったら良いのでしょうか?

具体的に見ていきましょう。

前職の経験を活かせる

福祉業界では、福祉系専門学校や大学を卒業した後にずっと福祉の職場で働いているという方が多くいます。

もちろん専門職として続けているのは素晴らしいことなのですが、一般企業の考え方を知らないと視野が少々偏りがちになってしまう可能性もあります。

全く違う職種から福祉へ転職した際に前職の経験を活かせると、職場から重宝されたりします。

例えば販売員だった人は、利用者さんが作った作品をどう販売するか提案することができますよね。

著者の場合は前職で編集の仕事をしていたので、社会福祉士として働く今も、経験を活かして職場の広報の仕事を積極的に担当させてもらっています。

支援員の仕事から始められる

初めは資格がなくてもできる仕事からスタートするのもおすすめです。

というのも、いきなり社会福祉士として相談員の仕事をするとしても、専門的な知識も経験も不足しているため、利用者さんから相談を受けても答えられないという場面が出てきてしまうことがあります。

まずは生活支援員や職業指導員などの福祉の経験や資格がなくても就職できる職場で経験を積んだ後、その経験を活かして社会福祉士の資格取得を目指すのも良いと思います。

著者は支援員として勤務している間に社会福祉士の国家試験を受けたので、試験前は少し早めに帰らせてもらったり休憩時間をしっかり取って勉強するなど配慮してもらいました。

資格を取ると資格手当がついたり、職場にとってもメリットがあるため資格取得を応援してくれる職場は多くあるようです。

重度の方への支援

将来的に社会福祉士として障害者と企業の懸け橋となるために就労移行支援事業所を立ち上げたい!という目標があったとしても、初めに重度の方への支援の仕事に就くことで、後々に経験がとても役立つことが多くあります。

というのも、高齢者でも障害者分野でも、認知症がかなり進行した方や重度障害者の場合は言葉による会話が難しい方が多くいらっしゃいます。

他の職種から福祉業界へ転職すると、このような方とのコミュニケーションの取り方に困り、壁にぶつかってしまう人が多く見られるのです。

会話が難しい中でも、本人が今までどう過ごしたいのか、何を伝えようとしているのかなどを読み取らなければならなりません。

この技術は社会福祉士として福祉の現場で働くためにとても大切なスキルなので、ぜひ身につけておきたいです。

最初から病気や障害の程度が軽い方への支援しか経験していないと、その壁を乗り越えるのに苦労する可能性が高くなると思われます。

最初はとても苦労するかもしれませんが、利用者さんからソーシャルワーカーとしてのスキルを鍛えてもらっているという気持ちで取り組むと頑張れると思います。

社会福祉士への転職方法

他の職種から転職して社会福祉士になるためには、まず働きながら資格を取ることが必要です。

働きながら通信制の大学に行くのは大変!という場合は、仕事を辞めて大学生になって勉強する方もいます。

では社会福祉士に転職するために、他の職業を続けながらどのように勉強していったら良いのでしょうか?

通信制の大学を選ぶ

福祉系の大学を出た方は、既に社会福祉士の試験を受験できるかもしれません。

しかし他の四年制大学を卒業した方は、1年半以上通信の学校で学ばなければなりません。

どこの学校が良いか迷うかもしれませんが、学費や学校の場所などを考慮して選んだ方が良いでしょう。

著者は学費が安い大学にしたのですが、アクセスが悪く片道2時間近く掛かったためスクーリングは大変でした。

また社会福祉士の試験を受ける前に必修で福祉施設などに実習に行く必要がありますが、その際に実習先が沢山あり学生に選ばせてくれる所が良いでしょう。

家族の理解を得る

一人暮らしの方は自由に勉強しやすいですが、パートナーと暮らしていたり子育てしている場合は家族の理解を得ることが大切です。

例えば実習の期間についてですが、24日以上180時間以上と定められています。

学校によって24日間連続で実施することもあれば、12日間を2回に分けて実施することもあるようです。

その間も実習から帰宅後に日誌を書かなければなりません。

当然家事が疎かになることもあります。

そういった可能性について、事前にしっかりと話し合っておくことが大切です。

職場に対しても、24日間休むということは丸々1ヶ月以上に及ぶので、かなり前から上司に伝えておくことが大切です。

働きながら実習に行くためには?

著者は会社員をしながら大学に通っていたのですが、既に福祉の仕事への転職を考えていました。

会社を長期に休めそうもなかったので思い切って実習に合わせて退職し、30日間の有給を消化しながら実習に行かせてもらいました。

その際、職場にも実習先にも迷惑をかけないよう、日程調整は慎重に行いました。

この方法は、今現在福祉以外の仕事をしていて、これから社会福祉士を目指す方にはおすすめの方法です。

著者と同じ時期に受講していた方の中には、職場の理解が得られず実習に行けなかったという人もいました。

せっかく学費を払って勉強しているので、そうならないよう職場や家族に理解してもらうことが必要です。

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社会福祉士への転職で準備・勉強しておくべき4個のこと

通信制大学の学費

福祉の学校は私立も多く、大学の学費は各校によって様々だと思います。

勉強するにあたって先立つものは必要です。

履修科目が決まっているので、学費が安いという理由できちんと教えてくれないということはありません。

どの学校が丁寧に指導してくれるか、スクーリングで好きな授業を選べるかなど、様々な情報を集めてみましょう。

著者の場合は、社会福祉士コースと精神保健福祉士コースを合わせて実習費を含め70万円程だったと思います。

その他に教科書代や国家試験対策のワークブックなど一冊3,000円程度する物を購入する必要がありましたので、社会福祉士コースだけでも3万円以上かかりました…。

お金がどんどん飛んでいきます。

著者の実習先は交通機関で通える所でしたが、地方在住の方の中には実習先に近いホテルに滞在しなければならないケースもあったという人もいたので、費用は少し余裕を持って用意しておいた方が良いですね。

国家試験の受験料や模試の受験料なども嵩みますが、将来のためと思えば必要経費として考えても良いでしょう。

通信制で学ぶ

実際に通信制の学校に入学すると、年に何度かスクーリングに行くほか、毎月数本のリポートを提出することになると思います。

リポートでは、教科書を読んで内容をまとめたり、自分の考えを書くことが多かったです。

文章を書くのが苦手な方にとっては締め切りを守るだけでもかなり大変だったようです。

リポートの内容としては、福祉施設の運営に経営手法が求められる理由を述べたり、社会福祉士のチームアプローチの種類についてなどそれぞれまとめたりしました。

著者の場合は、会社の昼休みの時間を使ってコツコツ教科書を読んだりリポートを書いたりしていました。

スクーリングの授業

スクーリングは土日や夜間に実施している学校も多くあります。

土日の2日間ともスクーリングに参加して月曜日からまた普通に仕事という週もあったので、体力的にはキツい時期もありました。

福祉の職場によっては資格取得を後押ししてくれる所もありますが、別の仕事をしている人はそうはいかないですよね。

スクーリングでは、科目ごとに講師が教科書の内容や試験に出やすいポイントを説明してくれました。

既に福祉の現場で働いている受講生の方と情報交換できるのも良かったです。

大学教授以外に高齢者施設の施設長や病院のソーシャルワーカーなど外部講師も講話してくれたので、現場のリアルな話を聞けたことも刺激になりました。

著者が通った大学は1年9ヶ月間だったので、1年目に欠席した授業は翌年に行くことで補ってもらえました。

各大学で制度が異なるので、きちんと単位を取るためにも大学の事務と話し合っておくことも大切です。

国家試験の勉強

リポートと実習が無事終わり大学の修了が認められると、国家試験の受験資格が得られます(最終学歴によって異なることがあります)。

そうなれば後はひたすら国家試験の勉強をして合格を目指すのみです。

著者の場合、平日は仕事の後3時間、土日は4時間程度勉強しました。

国家試験は2月の初めに行われるので、冬休みは正月返上で1日10時間程机に向かい、ひたすら重要項目を暗記しました。

そうして何とか働きながらでも社会福祉士と精神保健福祉士のダブル受験に成功し、社会福祉士への転職に成功しました。

社会福祉士の転職で年収を上げるためにやるべきこととは?

福祉の職場はあまり給与が高くはないイメージですが、年収アップのためにすぐにできることと、長い目線で見たときに年収が上がる方法をお伝えします。

同じ分野でも様々な仕事を経験する

社会福祉士が働く職場では、児童福祉や障害福祉、高齢福祉など様々な分野があります。

同じ障害福祉の仕事でも、入所施設から就労支援・生活介護・ヘルパー事業所など様々な職場があります。

仕事内容は各職場によって全く異なってきます。

就労支援をずっと続けるのも良いのですが、生活介護から就労移行支援まで幅広い分野を経験していると様々な利用者さんの対応ができ、支援課長や施設長、理事長と昇進できる可能性が広がるのではないかと思います。

大学院を出る

失礼な言い方になってしまいますが、福祉の職場では高学歴の方はそれほど多くはありません。

社会福祉学を大学院まで修めた上で現場の仕事の経験もあると、尚良いです。

大学院を出ておいた方が、現場の仕事を経験した後に福祉系の大学で教鞭を取ったり、講演会の講師として呼ばれる可能性も広がります。

大学院なら社会人入学ができる所も多いので、ぜひ働きながら学問と現場の視点の両方から福祉業界を見つめると大きな強みになると思います。

社会福祉士以外の資格も取る

社会福祉士は幅広い分野で活躍できる一方で、ジェネラリスト・ソーシャルワーカーと呼ばれるように「広く浅く学ぶ」イメージです。

精神保健福祉士や介護福祉士など更に専門的に特化した福祉系の資格も持っておくと、転職に有利でしょう。

公認心理士やアンガーマネジメントの資格など、今の仕事に直結しなくても役に立つ資格もあります。

自分に合った社会福祉士の求人の選び方や注意点

病院や福祉事業所、社会福祉協議会など、社会福祉士が働く職場は沢山あります。

どんな職場が自分に合っているのか、悩むのも当然ですよね。

ここでは、求人の選び方や注意点をお伝えします。

職員配置の人手は足りているか

要介護認定や障害支援区分に応じて必要な職員が配置されているか見てみましょう。

福祉の多くの現場では、人手不足で職員がトイレに立つのもはばかられることがある程です。

著者の同僚はあまりの忙しさでトイレに行けず、4回も膀胱炎になってしまいました。

職員が潤沢に配置されている職場は少ないですが、せめて普通に働ける環境が整備されている職場を選びたいですね。

就職する前に職場の雰囲気を見るためにも、一度見学させてもらったりボランティアで一日体験させてもらうと、より実感できると思います。

休憩は取れるか

人手不足の問題と通じていますが、職員が足りないため昼休みの休憩が全く取れないという職場も多いです。

利用者さんの食事介助をしながら職員も自身の食事を済ませ、そのまま片付けや利用者さんの歯磨きに移るといった流れで、職場から離れられないことも多々あります。

慣れれば一息つくタイミングを計れると言いますが、慣れる前に倒れてしまう職員もいます。

特に介護の仕事に就く際は、自分の体力や体調と相談して決めましょう。

休日出勤はないか

高齢者や障害者の事業所では夏祭りや運動会などのイベントがあり、休日出勤することもあります。

社会福祉士だけど、夏祭りでたこ焼きを売るなんてこともあります(それが地域の繋がりを生み、社会貢献に繋がるからです)。

祭りの準備のために長時間勤務となることもあるので、事前に確認しておいた方が良いでしょう。

まとめ

他の職種から社会福祉士に転職する方法と、求人を見るときの注意点について解説してきました。

今の仕事を辞めて社会福祉士の資格を取るまでの流れについて説明してきましたが、仕事をしながらの資格取得はかなりの覚悟が必要です。

家族や職場からの理解を得て大学や通信の課程を修了し受験資格を得ても、社会福祉士の受験合格率は約30%と言われる狭き門です。

その狭き門を突破し晴れて社会福祉士として名乗ることができた時、自分への誇らしさと自信を胸に福祉業界で立派に活躍されることを願っています。

この記事が少しでも社会福祉士への転職を考えている方の理解に役立つことができれば幸いです。

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