調理師の仕事が辛い…と感じる5個の瞬間とその乗り越え方
料理が好きな人、食べることが好きな人の中には「調理師になって、美味しい料理をつくりたい!」と思う方も多いのではないでしょうか。
プロの調理師に憧れて、調理の専門学校に通う方もいるでしょう。
でも、知っていますか。
調理師の仕事は離職率がとても高く、専門学校から斡旋された新入社員でも、一年経たずに調理師業界を去ってしまうことが本当によくあります。
調理師の仕事は厳しく辛く、そして長い修行期間に耐えられるかどうかがまず最初の壁になります。
仕事を続け、活躍をする人がいる一方、調理を一生の仕事にしたいと入社してきた新人でも、半年後には現実と理想のギャップに苦しんで退職を選んでしまうことは珍しくありません。
調理師という仕事は一体どのような仕事なのでしょうか?
一体何が原因で、いわゆる「ブラック業界」と言われてしまっているのでしょうか。
今回は調理師の仕事を辛いと感じる瞬間とその乗り越え方をご紹介して行きます。
調理師って大変なの??
インターネットで「調理師」と検索すると、付随して「つらい」「ブラック」「辞めたい」などとネガティブな言葉が並びます。こちらの記事にあるように、実際に調理師を辞めたいという声も多く聞きます。
なんでも情報を手に入れられる社会の中で、調理師という仕事のイメージは決して良くはありません。
しかし、実際にどんなことが大変なのか、何が原因で離職してしまうのかは現場で働いてみないと分かりませんよね。
情報だけを鵜呑みにして調理師への道を進むことを諦めてしまうのはとてももったいないことです。
まず調理師と言う仕事のどこが大変なのか、経験者の私がお話しましょう。
大変なことを理解した上で、それでも調理師になりたいという覚悟を決めることができればきっと立派な調理師になれます。
長時間労働は覚悟しよう
今社会では「長時間労働」が大きな問題となっています。
企業を中心に長時間労働をなくそうと言う動きが出ていますが、調理師の働く飲食業界ではまだそのような大きな動きは見られません。
法定労働時間は8時間と定められており、一日8時間以上は働きたくない、残業をしたら残業代はきっちりもらいたいと考える方は調理師として働くのは大きなストレスがかかってしまいます。
「調理師の仕事は長時間労働」とは良く言われることですが、これは間違いではありません。
もちろん働く場所にもよります。
学校給食を作る施設や大手企業の経営するお店で働く調理師であれば、労働時間は守られている場合も多いです。
しかし、個人店で調理師として働くことになると、一日12時間労働は覚悟しておきましょう。
新人の時の給与は安い
一日12時間も働き、毎日4時間も残業しているのだから給与は高いはずと思っていませんか。
調理師の仕事で残業代がきちんと付くお店を、私個人的には見たことがありません。
もちろん条件を優先して職場探しをすれば、良い環境に出会えることもあるでしょう。
しかし、基本的には固定給で残業をしてもまったく給与に反映されないか、基本給がとても低く設定されており、残業代を加味しても給与は低いままと言うことが多いです。
特に新人の時の給与はとても低いです。
平均して15万円から17万円の間くらいでしょう。
新人時代は「お金を稼ぐ」時ではなく「将来のために技術を身につける」時だと割り切って働かなければいけません。
上下関係は厳しい
調理師の世界は縦社会です。
オーナーはもちろん、先輩調理師の意見や言葉は絶対です。
どんなに理不尽なことがあっても従わなければいけないと言う雰囲気が漂っています。
現在、会社でのパワハラが問題となって良くニュースでも報道されていますが、調理師の世界でも良くあることです。
人間関係を上手に作れる人、メンタル面の強い人でないと先輩調理師の厳しい指導に耐えかねて退職を選んでしまいます。
もちろん、先輩調理師も新人のことが嫌いでなど、個人的な感情で動いているのではありません。
自分も新人時代に同じような厳しい上下関係の中で調理を学んで来たため、新人には厳しくするのが正しいと思っているのです。
休日は少ない
一日12時間以上も立ち仕事をし、休日も少ないのが調理師の仕事です。
少しずつ改善されて来てはいますが、まだまだ一般企業に比べると休日日数は少ないでしょう。
調理師として働く中で有給休暇を取ったことがある、と言う人に出会ったことはありません。
休日日数は月に5回、6回が普通です。
調理師がつらいと感じる5個の瞬間とその乗り越え方とは?
調理師の仕事は決して楽な仕事ではありません。
しかし、今現在一流と呼ばれるシェフたちも、有名店で腕をふるっている調理師たちも、みんなつらい時期を乗り越えて腕を磨いて来たのです。
つらいと感じる瞬間はありますが、考え方や行動ひとつで乗り越えることができる壁とも言えます。
調理師の仕事がつらいと感じる瞬間とその乗り越え方を見ていきましょう。
長時間労働が続く時
ゴールデンウイーク、お盆、年末年始は調理師にとってつらい時期です。
お客様の数が増え、それに比例して仕事の量も増えて行き、そして労働時間は長くなります。
特にクリスマスから年末にかけては、家にいる時間よりも職場にいる時間のほうが長くなることも少なくありません。
そんな時、「もう辞めようかな」と思うことは誰にでもあります。
その乗り越え方とは?
「忙しくて嫌だ」と思ってしまうと調理師の仕事はつらく厳しいことだらけに感じてしまいます。
繁忙期、長時間労働が続く時こそ「今、自分が成長している」と考えるようにしましょう。
繁忙期を乗り越えれば、年間を通してそれ以上に疲れる時期はありません。
調理師として繁忙期を乗り越えれば、調理師として成長することができます。
また、クリスマスにはいつもと違うメニューを作るお店も増えますから、勉強をする良い機会だと捉えるようにしましょう。
給与が安いと感じる時
仕事量、仕事内容とお給料が見合っていないと感じてしまうと、仕事に行くことがつらくなってしまいますよね。
働いても働いてもお給料が上がらない、いつまで経っても生活が苦しいままだと感じる時、調理師たちはどのようにして乗り越えているのでしょうか。
その乗り越え方とは?
給与に不満を抱いてしまった時にぜひ試してほしいのが、飲食店専門の転職サイトを覗くことです。
飲食業界を専門にしている転職サイトにはたくさん良い条件の求人がありますが、その多くが「経験者」を求めています。
まずは、自分が調理師としての経験を積まなければいけないと言うことを再確認することで気持ちが落ち着きます。
経験を積んで、その後より良い条件のところに転職できる、今は我慢の時だと自分を励ましましょう。
将来が不安に感じる時
自分は調理師として成長できているのだろうか、将来はどうなるんだろうと言う不安を抱えてつらい気持ちになってしまうこともあります。
一般のサラリーマンなどに比べると不安定だと言われる職業ですから、不安に思うこともあるでしょう。
調理師としての将来に不安を抱えてしまった時はどうすれば良いのでしょうか。
その乗り越え方とは?
まずは初心に返りましょう。
調理師としての仕事を始めた時は不安より希望の方が大きかったはずです。
技術を身に付けて、将来は独立をすると考えていたのではないでしょうか。
調理師の仕事を続けていくことで手に職が付くので、本当は不安に思うことなど一つもありません。
調理師としてある程度の経験を積んでいれば働き口は日本全国、どこへ行っても必ず見つかります。
休日に出勤している時
膨大な料の仕込みが終わらず、休日出勤をしている時もつらい気持ちになってしまいますよね。
数少ないお休みのはずなのに、どうして出勤しなければいけないんだ、と思ってしまうでしょう。
そんな時はどうやって乗り越えれば良いのでしょうか。
その乗り越え方とは?
今、つらいことは必ず将来の糧になると考えましょう。
仕込みが終わらず休日出勤になったのは誰のせいでもなく、自分の力不足だと考えることができる人はつらい経験を必ずプラスに変えられます。
その日一日は将来のために使う時間だと考え、腐らずに早く仕事を終わらせて自宅で休みましょう。
仕込みの量が多くて仕事が終わらない時
特に繁忙期に起こることですが仕事量があまりにも多く手に負えず、全く終わりが見えないと言う状態もとてもつらく感じてしまいます。
「この仕事、いつになったら終わるんだろう」「何時になったら家に帰れるんだろう」と泣きたくなることもありますし、実際に心が弱いと泣きながら仕事をしている調理師も目撃します。
調理師の仕事はつらいことばっかり、と愚痴の一つもこぼしたくなるでしょう。
その乗り越え方とは?
自分の手に負えない量の仕込みがある時は、素直に周囲に助けを求めることで解決します。
調理師の仕事はチームワークが大切です。
一人の調理師が全ての仕込みを担う必要はありません。
先輩調理師に助けを求めたり、オーナーシェフに「この量は一人ではきつい」と伝えることで助け舟を出してくれるはずです。
早く終わらせるコツを教えてくれたり、実際に手助けしてくれる先輩に出会えるとつらい時期も乗り越えて行けます。
キツい時もあるけど、調理師がおすすめの理由
ここまで、調理師の仕事のつらい部分ばかりをご紹介してきました。
つらいことだけに焦点を当ててしまうと、調理師の仕事はとても楽しい仕事だとは思えません。
しかし、楽しいことややっていて良かったと思うことも多いのです。
キツいことも多いけれど、楽しいこともある。
それが調理師の仕事です。
おすすめの理由を見ていきましょう。
やりがいがある
毎日暇を持て余して時間が過ぎるのを待つ仕事と、仕事量は多いけれど「今日も働いた!」と思える仕事では満足感が全く違います。
調理師の仕事はもちろん後者です。
一日を終えた時、「今日も忙しかったけれど、あの仕事ができるようになった」「あのお客様はとても喜んでくれていたな」と思えることが多く、とてもやりがいを感じることのできる仕事です。
調理師のやりがいは、こちらの記事を参考に!
手に職が付く
調理師としての経験を積むと、手に職がつくのも大きなメリットです。
プロの調理師の仕事は誰にでもできることではありません。
料理は家庭でできますが、料理に対して対価を頂けるのは調理師だけです。
調理師として確かな技術と知識を身に付けることで、どこででも働くことができるようになります。
思い切って海外で働いてみるのも良いですし、Iターン、Uターンの場合でも仕事を見つけられないと言うことはほとんど起こりません。
「好きなことで稼いでいる」と思える
料理が好き、食べることが好きと言う動機から調理師の仕事を始める人が多いでしょう。
「好きなことで生活をしていけている」と言う人は実はとても少ないのです。
調理師を続けて行くと自分の興味のあることで稼ぎ、生活を成り立たせていると言う自信が付きます。
働き口が多い
「手に職がつく」と言う理由のところでも少し触れましたが、働き口が多いことも調理師の仕事をおすすめする理由のひとつです。
その気になれば世界中どこででも働ける仕事は、調理師以外にはなかなかありません。
調理師が足りないと言うことは良くありますが、調理師の働き口がないと言うことはあり得ません。
将来独立も視野に入る
将来独立をしたいと考えている方にも調理師に仕事はおすすめです。
自ら会社を起こして仕事を作っていくのはとても大変なことですが、調理師は比較的多くの方が独立開業をしています。
何か自分で仕事を起こしたいと考えている方にとって調理師はとても良い選択肢になります。
まとめ
今回は調理師の仕事のつらいところ、大変な時とその乗り越え方についてお話をしました。
調理師の仕事はつらいこともたくさんありますが、その分やり遂げた時の達成感を強く感じられる仕事です。
今現在、調理師への道を進もうとしている方はある程度の覚悟を持って臨みましょう。
そうすることで、理想と現実のギャップを埋めることができます。
最初から覚悟を決めている人だけが生き残って行ける世界と言っても過言ではありません。
つらい時は自分の感情と向き合いつつ、調理師として働くメリットにも必ず目を向けるようにしましょう。
そうすることで早期退職を防ぐことができます。
覚悟が決まったら、調理師としての一歩を踏み出しましょう。
調理師の仕事のつらいことは、あなたの人生の糧になることでしょう!
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