調理師の仕事が辛い…と感じる5個の瞬間とその乗り越え方
レストラン、カフェ、ホテルなど様々な場で活躍している「調理師」たち。
白いコックコートとサロンを身につけて、真剣に料理に向き合う姿はとてもかっこよく素敵に見えます。
「生きることは食べること」と言われるくらい、おいしいお料理との出会いは人生を豊かにしてくれますよね。
そんなおいしいお料理を作るプロの調理師になりたいという方も多いでしょう。
どれだけ料理が好きで家で作っていても、やはり毎日仕事として料理を作っているプロにはかないません。
プロの料理人が持っている知識や技術は積んできた経験に裏打ちされた確かなものだからです。
今回は調理師を目指す方へ、調理師になるにはどうすればいいのか、また調理師の仕事内容についてお話します!
自分には「どんな仕事」が向いているか、診断するにはこちら →
(正社員希望の人限定)
調理師になった私の経験をご紹介します
まずは実際に調理師として働いている筆者自身のことについてお話していきます。
子供の頃から料理やお菓子を作ることが好きだった私は、家で家族の夕飯やお弁当と言ったいわゆる家庭料理をよく作っていました。
子供の頃は田舎で育ったため、外食することもほとんどなく母や祖母と作る料理がその頃学んだ全てでした。
特に手先が器用だったわけではありません。
ただ、食べることと新しい物は大好きな好奇心の旺盛な子供でした。
調理師を目指したきっかけは?
私が調理師になろうと決めたのはとても遅く、大学生になってからです。
普通は高校卒に調理の専門学校に入るというルートが多いのですが、高校卒業時に調理師になるとは少しも考えませんでした。
調理師を目指したきっかけは、大学の夏休みを利用してヨーロッパのスペインを訪れたことです。
今ではスペインは美食の国として有名ですが、当時はあまりそのような印象はありませんでした。
スペインに到着してからと言うもの、異文化の食にすっかり魅了されてしまいました。
スペイン人は朝、家でビスケットと牛乳のみの軽い朝食を済ませ、昼食との間に一回バルと呼ばれるレストランとカフェと居酒屋が混じったような店で軽い食事を取ります。
その後昼食、昼食と夕食の間にもまたバルを訪れておつまみと共にビールを飲んだりします。
夕食はごくごく軽いものですが、一日に5回も食事を取るのです。
これが本当に文化として根付いており、バルの数はとても把握しきれないほど。
このバルの料理は家庭的な物から家では作れないような物までとても範囲が広く、日本の飲食店とは一線を画していました。
スペインバルのとりこになった私は、語学留学と言う名目でスペイン滞在を果たします。
目的はスペイン料理をもっと食べてもっと勉強することでした。
この時、料理で生きていけるのならそうなりたいと決めました。
調理師になるまではこんな道筋でした
スペインに滞在したのは約1年、まだ大学生でしたから日本に戻らなければなりません。
帰国後私が始めたのはレストランでのアルバイトでした。
大学生ですから調理はさせてもらえませんが、料理人の技術や知識を間近で見ることができました。
大学在学中、皆が企業に面接に向かう中私はレストランの面接を受けました。
当時調理師免許も持っておらず、レストランのアルバイトもホール業務のみでしたので不安だらけでしたが、地元で有名なスペインレストランに就職が決まりほっとしたのを覚えています。
就職が決まっても全ての調理師にとってそこがスタートです。
長い修業の日々が始まりました。
調理師になってからはどんな仕事をしたの?
就職後最初の仕事は掃除、洗い物、片付けなどの雑用とホール業務でした。
これはどこのレストランでも最初は同じだと思います。
その仕事に加え、野菜の切り出しや簡単な盛り付けなどを行いました。
新人調理師はこの様に簡単な業務をこなしながら少しずつ料理を教えてもらいます。
専門学校を卒業して調理師免許を取得していても、現場での最初の仕事内容は変わりません。
今、調理師として、こんな風に働いています
調理師として働き始めて3年後、受験資格を取得し調理師免許と衛生管理者の資格を取りました。
今はスペイン料理店のシェフとして働く傍らでお料理教室の講師も行っています。
私が調理師として働くこの10年間でスペイン料理が注目を浴び、人気になったことで料理教室の集客もぐっと増えたことはとても幸運でした。
調理師になるためにやった3個のこと
次に調理師になるためにやったいくつかの事をご紹介します。
調理師になるためにやったこと1:調理師免許の取得
調理師と名乗るためには調理師免許が必要です。
国家資格である調理師免許は、専門学校を卒業していなくても飲食店や病院などでの大量調理に2年以上携わることで受験資格が与えられます。
ホール業務は経験に含まれません。
調理師になるためにやったこと2:調理技術や栄養素の勉強
私は専門学校卒ではないため、調理技術や食材の持つ栄養素の勉強も独学で行いました。
特に技術は現場で先輩のシェフが教えてくれることが多いですが、食材の持つ旨味成分や栄養素まで事細かに教えてはくれません。
料理は感覚で行う部分が多いように見えますが、旨味成分の組み合わせや材料の特徴を把握しなければおいしい料理は作れない科学のような一面もあるので勉強が必要でした。
調理師になるためにやったこと3:食べ歩き
私の場合は海外の料理を作る調理師なので、特に情報収集と言う名の食べ歩きが重要でした。
スペインに出向くのが一番ですが、そう簡単には行けません。
日本国内でも人気のあるスペインバルを巡り新しい料理を覚えたり、他のジャンルのレストランも勉強のために行ったりしていました。
自分には「どんな仕事」が向いているか、診断するにはこちら →
(正社員希望の人限定)
良い調理師求人を見つけるコツとは?
これから転職を考えている方に、良い調理師求人を見つけるコツをお教えします。
良い調理師求人を見つけるコツ1:古くからあるお店の求人を探す
何料理を勉強するにしても、一過性ではなく地元に古くからある有名なお店がおすすめです。
新しくオープンするお店は集客できるのかも不透明ですし、料理がおいしいのかも分かりませんのでおすすめしません。
特に初めて調理師として働く場合は教えてくれるシェフの存在が重要です。
良い調理師求人を見つけるコツ2:個人店ではなく企業経営の求人を探す
飲食業全体として言えることですが、まだまだ個人経営のお店は福利厚生が整っていません。
会社として設立されており、何店舗か経営しているレストランの方が労働条件は良いでしょう。
条件を重視する場合は企業経営のお店の求人を探しましょう。
まとめ
調理師の仕事やなる方法についてお話しました。
料理を作る仕事はとてもやりがいがあり、一度身につけた知識や技術は生涯活かせるものです。
何と言っても自分の腕一つで生活できるというところに大きなメリットがあります。
これから調理師を目指す方、調理師として転職を考えている方の参考になれば幸いです!
関連キーワード
調理師求人についてもっと深堀りした情報を見る
調理師アルバイトの時給ややりがいは?やってて良かった3個のことやそこで身に付く力とは?
アルバイトを始めようと考えた時、皆さんは何を重視して選びますか。長く働けるアルバイトを選ぶコツはやはり「楽しめるかどうか」が重要になってきます。人と話すことが好きな方は接客業を、パソコンが好きな方はパソコンを使った業務のあるアルバイトを選ぶことでストレスなくアルバイトに打ち込めます。料理が好きな方は調理補助としてアルバイトをしてみるのはいかがでしょうか。「調理師」と名乗ることができるのは調理師免許を持っている人だけですが、調理補助としてなら短時間のアルバイトでも求人を見つけることができます。今回は飲食店でアルバイトとして調理をする「調理補助」に注目してお話をしていきましょう!新しいアルバイトを
調理師の仕事が辛い…と感じる5個の瞬間とその乗り越え方
料理が好きな人、食べることが好きな人の中には「調理師になって、美味しい料理をつくりたい!」と思う方も多いのではないでしょうか。プロの調理師に憧れて、調理の専門学校に通う方もいるでしょう。でも、知っていますか。調理師の仕事は離職率がとても高く、専門学校から斡旋された新入社員でも、一年経たずに調理師業界を去ってしまうことが本当によくあります。調理師の仕事は厳しく辛く、そして長い修行期間に耐えられるかどうかがまず最初の壁になります。仕事を続け、活躍をする人がいる一方、調理を一生の仕事にしたいと入社してきた新人でも、半年後には現実と理想のギャップに苦しんで退職を選んでしまうことは珍しくありません。調理
調理師のメリットややりがい。これから就職や転職を考えたい人に向けて!
今現在、日本で一番求人数が多いのが「飲食業」です。飲食業と一言でいってもたくさんのお店があり、その中でもホール担当や調理担当に分かれます。調理師の仕事はとてもやりがいのある楽しい仕事ですが、その労働環境や条件などが悪い意味で注目を集めてしまい人手不足に陥っています。しかし、きちんとした待遇で働けるお店もたくさんあります!「条件が良くないと聞くから」「きつい仕事だと聞くから」と言う理由で調理師への道を諦めてしまうのは本当にもったいないことです。今回は料理を作るプロ、「調理師」に注目してその仕事内容や調理師として働くメリット、やりがいや進んだ先にある将来などについてお話をして行きましょう。今現在調
調理師の仕事は女性でも出来る?女性経験者の私が、できること・大変だったことを解説します
現代は、昔に比べると外で働く女性が多くなりましたね。結婚してからも正社員で仕事を続ける人は増えていますし、子供を育てながらでもバリバリ仕事をこなすキャリアウーマンはたくさんいます。一昔前は男性の仕事とされていた業界にも女性の進出が目立つようになりましたが、調理師の世界はまだまだこれから。女性調理師の数はあまり多くありません。今回は、今から女性の進出が期待される料理業界・調理師業界の仕事で、女性だからできることや大変だったことなどをお話していきましょう!私も女性ですが調理師でもあります。女性ならではの大変なことも経験してきましたが、女性は調理師に向いていると言う考えを持っています。女性だからこそ
調理師辞める理由は何が多い?9個の理由と辞めるのを決める前に考えておきたいこと
美味しい料理を作るプロである調理師。レストランやホテルなど少しかしこまった場所にも、カフェやファミリーレストランなど私達の身近なお店にも、調理師は在籍しています。学校給食や病院食、介護施設で食事を作っているのも調理師です。活躍の場の多い調理師ですが、実はとても離職率の高い仕事の一つでもあります。現在調理師として働いている人の中には「もう料理業界から転職しよう」と考えている人も少なくないでしょう。また、調理師は離職が多いという情報に不安を覚える調理師志望の人もいるはずです。どうして一度は志した調理の道を離れてしまう人が多いのでしょうか?今回は、その理由や辞める前に必ず考えてほしいことなどをご紹介
働きながら調理師免許を取るには?やっておくべきこと、仕事の探し方などを教えます
「調理師免許」は飲食業界でとても信頼の厚い資格です。「名称独占資格」であり、調理師免許を保持している人しか調理師と名乗ることはできません。飲食業界は求人数がその他の業界より多く、調理師免許がなくても料理人の修行をすることは可能です。しかし調理師免許を持っていることで一層信頼度が増しますし、基本的な知識や技術を勉強しているという証明にもなります。また、調理師免許は飲食業界での転職の際にも大きなアドバンテージになります。働きながら取得を目指すことのできる資格ということもあり、社会人の中にも取得を目指している方も少なくないでしょう。今回は、働きながら調理師免許を取得する場合にやっておくこと、勉強する
調理師免許が必要な仕事や働き先にはどんなものがある?おすすめを経験者が紹介します
求人サイトなどを見ていると、よく「調理師募集」と目にしますよね。飲食業界は慢性的な人手不足に陥っており、求人数も業界でトップです。飲食業界は窓口が広く未経験者であってもやる気があれば採用される世界なので、飲食業で働いてみようかな?と思った時が応募のタイミングです。しかし、「調理師」と名乗るには「調理師免許」が必要なことをご存知でしょうか。料理業界が未経験でも料理の初心者でも現場で仕事を覚えていくことはできますが、調理師となるには調理師免許の取得が必須です。今回は、「調理師」になるために必要な調理師免許の取得方法や、調理師免許を持つことで増える働き口などについて詳しく見ていきましょう!調理師免許
調理師がブラックな仕事だな…と感じた8個の瞬間と、それでも調理師の仕事は楽しいと思う4個の理由
「調理師」という仕事について、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?美味しい料理を作る楽しい仕事だと思う反面、どこか「キツそう」「大変そう」というイメージもあるのではないでしょうか。調理師になる人たちは間違いなく料理好きが高じてその道へ進むのですが、現実の厳しさや生活のために道半ばで諦めてしまう場合も少なくないのです。確かな技術とやる気を持っているにも関わらず、待遇や労働条件の悪さのために他の道へ進んでしまうことはとても残念なことです。今回は、飲食業界の実態や「ブラック」と揶揄される原因に迫っていきたいと思います。経験者のも実感する調理師の仕事のブラックなイメージ筆者はパティシエとして
調理師の仕事内容と良い面・悪い面・やりがいを感じること・キャリアについて詳しく解説します
子供の頃「将来はコックさんになりたい!」と思っていた方も少なくないのではないでしょうか。気軽に入ることのできるカフェから敷居の高いレストランまで、様々な場所で活躍できる調理師はとても魅力のある職業です。腕を磨けば独立を果たすこともできるので、非常にやりがいがあります。調理師と言えばもちろん美味しい料理を作ってお客様に提供するのがメインの仕事ですが、他にはどのような仕事をしているのでしょうか。インターネット上では「修行期間が辛い」と話題にあがることも多いですが、それは本当の情報なのでしょうか?今回は、調理師の仕事内容や良い面・悪い面、調理師のキャリア、やりがいについてお話していきます!調理師とは
調理師の正社員求人の募集内容を解説!おすすめ求人の特徴も
プロの料理人になりたいと思ったことはありませんか?白いコックコートに長いサロン、コック帽をかぶったプロの料理人はその立ち姿や料理をしている姿などとてもかっこいい職業です。自分の腕や知識で世界中で働くことのできる料理人に憧れている人も多いでしょう。しかし、料理人の世界はとても厳しいと言われたり、労働時間が長い、修行の期間は薄給であることなどから転職をためらっている人が多いのも事実です。料理の世界はお客さんとして来店するだけでは見えにくく、本当はどのような仕事内容なのか分からないまま転職してしまうのは不安ですよね。そこで今回は、プロの調理師で飲食業界で働くこと15年の筆者が、調理師の仕事内容や年収
調理師の転職を成功させるために!狙い目なお店の特徴と上手に転職するための3個の注意点
転職活動というのは人生の大きな転機のひとつですよね。その中で現在市場規模が海外まで数限りなく広がっている飲食業界、その最前線の現場で働く調理師の転職活動に対しての、メリットやデメリットなどをいくつかの項目に分けてご説明していきたいと思います。注意した方がいい点や、転職を成功させるための秘訣、「本当に転職をした方がいいのかな?」という疑問にもお答えしていきたいと考えておりますので参考にして頂ければ幸いです。筆者は自身でも多数の飲食店で修行したのち都内で飲食店を独立開業、その後飲食に携わる様々な分野で活動を行う会社を設立いたしました。そのため、飲食業界のすみずみまで把握していますので現場の生の情報
調理師の年収はどれくらい?相場感や給料を上げるための転職術・成長術を教えます
仕事を決める上で重要なのはやはり収入面ですよね。さて、レストランなどで活躍するシェフやコックといった調理師の年収相場はどうなっているかご存知でしょうか?近年では飲食店がどんどん増えており、数多くの調理師がそうした店に勤めています。飲食業界への就職や転職を考えていて、その年収はどれくらいなのか気になる人も少なくないでしょう。この記事では、気になる調理師の年収をご説明していきます。飲食業界にて15年の経験を持つ筆者は、多数の飲食店で修業した後に都内にて独立、現在では飲食に関する仕事を総合的に取り扱う会社を起業し運営しています。長年の経験で培われた知識と、一昔前から現在に至るまでの調理師の収入面での
調理師はどんな人に向いている?性格など向いてる・向いてない人の特徴を教えます!
世の中にある仕事にはそれぞれに人間的な適正があると思いますが、この記事では「調理師」の仕事の適正について説明していこうと思います。どんな人が向いているのか、逆にどんな人が向いていないのか、素朴な疑問に寄り添ってお話していきますので、仕事選びの参考にしてみて下さい!筆者は15年もの長きにわたって飲食業界に携わってきました。様々な飲食店で修行した後独立して飲食に関係する小さな会社を起業した経験があり、多くの調理師と共に働き雇用もしてきました。現場のリアルな声をお届けするので、ぜひ見てみてくださいね。調理師の大まかな仕事内容調理師は食材の仕入れから保管、衛生面での管理、そして調理と食に携わること全般