調理師の仕事が辛い…と感じる5個の瞬間とその乗り越え方
「調理師免許」は飲食業界でとても信頼の厚い資格です。
「名称独占資格」であり、調理師免許を保持している人しか調理師と名乗ることはできません。
飲食業界は求人数がその他の業界より多く、調理師免許がなくても料理人の修行をすることは可能です。
しかし調理師免許を持っていることで一層信頼度が増しますし、基本的な知識や技術を勉強しているという証明にもなります。
また、調理師免許は飲食業界での転職の際にも大きなアドバンテージになります。
働きながら取得を目指すことのできる資格ということもあり、社会人の中にも取得を目指している方も少なくないでしょう。
今回は、働きながら調理師免許を取得する場合にやっておくこと、勉強する範囲などをご紹介していきましょう!
働きながら調理師免許を取るためには?
働きながら調理師免許を取りたい!と考えている方。
調理師免許の取得ルートは大きく分けて二つあります。
独学で取得することもできますが受験資格が定められていますのでしっかり準備をしましょう。
調理師養成学校に入学する
一つめのルートは調理師養成学校に通い卒業をすることです。
調理師養成学校は1年~2年通う専門学校、短期大学や4年制大学、更に高校の専門コースなどがあります。
働きながらの取得となると昼間学校に通うのは難しくなってしまいますが、夜間の授業を行う所もあるため、短期で確実に免許を取得したい場合は学校もおすすめです。
その他職業訓練校でも調理師免許が取得できるコースがあるため、ご自身に都合の良い学校を探しましょう。
調理師養成学校に通い卒業試験を通過できれば、申請をして調理師免許を取得できます。
試験会場で改めて受験をする必要はありません!
独学で取得を目指す
独学で調理師免許の取得を目指す場合はまずは受験資格を満たさなければなりません。
調理師免許試験の受験資格は「2年以上の実務経験」です。
2年以上飲食店や給食センターなどで働いたという証明ができれば、受験資格を与えられます。
2年間と言っても労働時間は細かく決められており、週に4回、1日6時間以上の勤務をする必要があります。
2年の実務期間を経てその証明書を勤務先から発行してもらい、受験の申し込みをします。
調理師免許試験は各都道府県で年に一度実施されます。
願書を入手し、調理業務従事証明書も同送し申込みが完了します。
独学で調理師免許を取得するために必要な勉強は?
調理師免許の試験内容とは?
二つめのルートを選ぶ方が最初に悩むのは「どんな試験内容なの?どんな問題が出されるの?」ということでしょう。
調理師免許には実技試験はありません。
全てが座学の内容であり、マークシート方式です。
合格ラインは6割正解といわれています(ただし、1科目で平均点を大きく下回る場合は不合格となることがあるので注意です。このことは後述します)。
年度により異なりますが受験生の60%が合格しています。
60%が合格しているということですから、努力すれば決して難解な試験ではないことが分かりますね。
過去問題を解いたり解説書を購入して勉強を続ければ、2年間の実務経験を積んでいる方なら合格は困難ではないでしょう。
出題内容は割合も明らかにされています。
詳しく見ていきましょう。
食品衛生学
食品衛生学は15問出題されます。
食品衛生学とは、簡単に言えば食品を安全に保つ知識や技術のことです。
食べ物を取り扱う職業ですので、やはり食中毒などの危険とは隣り合わせ。
それを未然に防止するための知識と技術を問われる問題です。
食中毒の防止のみならず食品添加物についての知識も必要な分野です。
公衆衛生学
公衆衛生学分野からは、調理に従事する者として調理師が気をつけておくべき感染症やばい菌、更には大気汚染などについての知識を問われる出題がなされます。
感染症の原因となる物質についての知識から世界保健機構(WHO)の健康の定義まで幅広く出題されるのが特徴です。
しっかりと準備をしておかないと迷う問題が多いでしょう。
公衆衛生学は9問出題されます。
食品学
現場で実務を積む人が得意とする分野に、食品学が挙げられます。
食品の特徴や栄養成分を知り、正しく調理をされたバランスの良い食事を作るための知識を身につける学問です。
日々の調理に活かせる基礎知識を問われる分野です。
多少の専門用語や覚えなければならない内容も含まれますが、基本的にはいつも使っている食材のことを勉強します。
そのため知識として残りやすく、料理の基礎として覚えたことを活用する機会も多いので、料理が好きな人が楽しく勉強ができる内容です。
食品学は6問出題されます。
調理理論
調理理論の分野も料理人としては覚えやすい内容でしょう。
材料のことはもちろん調理器具の正しい使い方、正しい名称などについても問われることのある分野です。
ホワイトソースの材料についての問題やゼラチンを使用した料理に関する問題など勉強をしていて楽しいと思える分野が調理理論です。
調理理論は18問と多数出題されるため、しっかりと勉強をして満点を目指しましょう。
ちなみに、洋食のことや和食のことはランダムに出題されます。
和食の出汁のとり方は?という問題の次に、フランス料理のディナーについての問題が続いたりすることも多いので、興味のある分野だけを勉強をしていてはいけません。
料理に関する全ての知識を取り入れるつもりで勉強をしましょう。
栄養学
こちらも料理人の仕事に直接深い関わりのある内容ですね。
栄養学は9問出題されます。
5大栄養素についてやカロリー計算について、各栄養素の働きについての知識などが問われます。
更には献立の組み立て方、疾患などにより食べ物を制限されている方への特別食の知識なども出題範囲となっています。
調理師免許を取得し病院での仕事や学校給食に関わる仕事に就いた場合に必要となる内容です。
しっかりと勉強しておきましょう。
栄養学は9問出題されます。
食文化概論
食文化概論は3問出題されます。
日本の食文化や海外の食文化、宗教による食品の制限についてなどが問われる分野です。
日本食については食と歴史の関係などを問う問題もありますので、こちらもしっかりと覚えておきましょう。
以上の六つの分野が調理師免許で出題される内容です。
各分野によって出題数が異なるので数が多い分野を優先して勉強してしまいがちですが、実はそこに大きな落とし穴があります。
調理師試験は、全ての分野で6割以上正解をしないと合格できないと言われています!
例えば出題数の多い調理理論をしっかり勉強し満点を取れたとしても、出題数の少ない食文化概論を全て間違えてしまうと不合格になる可能性があるのです。
平均点を大幅に下回る科目が一つでもあれば、総合得点が6割以上でも不合格になることがあります。
このことを念頭に置いて、全ての分野を万遍なく勉強しなければいけません。
苦手な科目をなくすことを目標に頑張りましょう。
調理師免許を持つと有利な職場は?
外食産業で料理人として働く場合、調理師免許は必ずしも必要ではありません。
しかし「料理人」ではなく「調理師」を募集している職場も多いので免許を持つことで仕事の幅は広がります。
どのような所で働くことができるようになるのでしょうか?
ご紹介していきましょう。
大量調理
給食センター、企業の社員食堂などで正社員として働きたい場合、調理師免許保持者が対象となっている場合が多いです。
美味しいものを作って提供することが最優先の外食産業と違い、学校給食などを請け負う仕事の場合は料理に含まれる栄養や献立などが重視されています。
そのため食品の栄養に対する知識と調理の技術が証明されている「調理師」が優先して採用されるのです。
大量調理の現場には管理栄養士や栄養士も在籍している場合があり、バランスを考え抜かれた料理を作ることになります。
大量調理の仕事は外食産業に比べると労働環境や条件が良い場合が多く、調理師免許取得者にとって働きやすい職場です。
週休2日制、お盆や年末年始などの休暇もあり、賞与も出る求人がほとんどです。
レストランで働く調理師の中でも、金銭面や労働条件を理由に大量調理に転職する方はとても多いです。
体力の要る仕事ではありますが、条件が整っているため女性の調理師にも働きやすい職場です。
病院や介護施設
食事制限のある方へ提供する料理を作ったり、食べ物を上手く飲み込めない高齢者に食事を作ったりする病院や介護施設も、調理師に人気のある職場です。
こちらも正社員で働こうと思うと調理師免許が必要です。
塩分がしっかり計算された食事や、特別食と呼ばれる通常の食事とは違う形状の食事を安心して食べてもらうために調理師の知識と技術が必要なのです。
こちらの仕事も、外食産業に比べるとより良い条件で働くことが可能です。
利用者の方に喜んで食事をしてもらえるという点で、大きなやりがいを感じることもできます。
調理師免許取得のために勉強をして得た知識を存分に活かすことのできる職場と言えるでしょう。
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調理師の仕事の探し方とは?
調理師の仕事の探し方はどのようなものがあるのでしょうか。
好きなお店があっても、そのお店が求人を出しているのかどうかは外からでは分かりませんよね。
ホテルのレストラン勤務したい場合など、求人はどのように探せば良いのでしょうか。
インターネットの求人サイト
今、調理師の仕事を探すのに一番便利な媒体はやはりインターネットの求人サイトです。
沢山の求人を一度に見ることができますし、キーワードを入れて自宅から通える範囲の求人をまとめて見ることができるのも特徴です。
しかし、インターネットの求人サイトを利用する場合に注意をしなければならないのが、記載されている労働条件についてです。
求人サイトに載っている募集要項と実際の条件が異なる場合は非常に多いので、面接の際に必ず確認をしましょう。
調理師・飲食業に特化した求人サイト
近年は飲食業界に特化した求人サイトも登場しています。
業界特化の転職サイトは、労働条件が厳しくなりがちな飲食業界で良い求人を見つけるためにとても便利なサイトです。
他の求人サイトよりも詳しい労働条件が記載されているところが多く、記載されている内容と実際の差が少ないのも特徴です。
また転職支援サービスがあり、条件に合った求人を探して紹介してくれるサイトもあります。
初めて飲食業へ足を踏み入れる方はこのような紹介をしてくれるサイトを利用するのも良いでしょう。
またそのようなサイトには「スカウト」というサービスがあることも大きな利点です。
ご自分の経歴や保持する資格などを入力し、お店や企業側からのスカウトを待つという方法ですね。
調理師免許を取得したばかりで飲食業の経験がないとスカウトは来ないのでは?と思ってしまいますが、実は飲食業経験がなくてもお店側から声がかかることはよくあります。
飲食業界は経験がものを言う業界と考えられがちですが、年齢や以前の経歴よりも「やる気」が重視される世界です。
自己PRの欄にやる気があることをしっかりと記入できれば、良い職場から声がかかることも期待できます。
また調理師専門の求人サイトには、会員にならないと見ることのできない非公開の求人もあります。
お店側の戦略やブランドイメージのために公に求人を出すことを良しとしないお店が一定数存在します。
そのようなお店は求人を公開せず、サイトを運営する転職エージェントからの紹介で人材を探しています。
登録をしてみないと非公開求人を紹介してもらえるかどうかは分かりません。
仕事を探す側は無料で使用できますので、ぜひ登録してみてくださいね。
ハローワークで探す
地域のハローワークで仕事を探すのも良いでしょう。
ハローワークで探す場合、地域周辺の求人ですから自宅から通いやすい職場が多いのが特徴です。
飲食業は労働時間が長い職場が多いため、通勤に時間がかかる所は避けたほうが無難です。
できるだけ近くで良い案件を探しましょう。
全国のハローワークの求人を見ても飲食業は多数出ていますので、ぜひ探してみてください。
まとめ
今回は、働きながら調理師免許取得を目指す方に、やっておくべきことや調理師免許取得後に働ける職場などをご紹介しました。
独学での取得が困難な資格も沢山ありますが、それらに比べると調理師免許はそれほど取得の難しい免許ではありません。
2年間の実務経験という条件を満たせば、後はご自分の頑張り次第です。
難易度の割に仕事の幅がぐっと広がるため、ぜひ取得をおすすめしたい免許です。
今現在、飲食業で2年以上働いているという方は、早速勉強に取り掛かりましょう。
料理が好きなら興味の持てる内容ですよ。
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