美味しい料理を作るプロである調理師。

レストランやホテルなど少しかしこまった場所からカフェ、ファミリーレストランなど私達の身近なお店にも調理師は在籍しています。

学校給食や病院食、介護施設での食事を作っているのも調理師です。

活躍の場の多い調理師ですが、実はとても離職率の高い仕事の一つでもあります。

現在、調理師として働いている方の中には「もう料理業界から転職しよう」と考えている人も多いでしょう。

調理師は離職が多いという情報に不安を覚える調理師志望の方もいるでしょう。

どうして一度は志した調理の道を離れてしまう人が多いのでしょうか?

今回はその理由や辞める前に必ず考えて欲しいことなどをご紹介していきます。

「調理師」が自分に向いているか診断するにはこちら →

調理師を辞める9個の理由とは?

調理師を辞めた、または辞めたいと言っている人に話を聞くといくつも共通した理由があります。

20代、30代の調理師の中には完全に他業種に転職してしまう人も少なくありません。

どうして今まで培ったキャリアを全て捨て、他業種に転職してしまうのか。

主な退職理由を見ていきましょう。

身体的・体力的な理由

体が資本である調理師は、体力がないと続けられない仕事です。

毎日の立ち仕事に加え、手元を見ながらの業務が多いので首を痛めたり、腰を痛めたりする人がとても多く体を壊してしまい退職を選ぶ人がいます。

一日の労働時間も長く、座っている暇はほとんどありません。

キッチン内は調理のピーク時にはとても蒸し暑くなり暑さで体調を崩す人も少なくありません。

精神的な理由

一日12時間以上の労働が常態化している働き口では、メンタルの強さも必要です。

一日の半分以上を職場で過ごし、それでも料理が好きで技術を身に着けたいというはっきりとした目標のある人でなければ続きません。

調理師という仕事は料理が好きだというだけでは続けられない仕事と言う一面があります。

経済的な理由

調理師の給与は決して高くはありません。

何年も続けているベテラン調理師や、個人店のオーナー、ホテルのシェフになれば給与は跳ね上がりますが、駆け出しの頃や中堅であっても自分の生活でやっとなほど。

新人調理師であれば月給は15万円から18万円いただければ良い方と言えるでしょう。

しかし、学校給食や病院食、介護食などを作る調理師は経済的には恵まれていますし、労働環境も悪くはありません。

調理師の世界では結婚して家族を養わなければならなくなった人が、通常の飲食店を退職しこのような施設の調理師になることはよくあることです。

結婚・出産など

特に女性の調理師は結婚や妊娠・出産を機に調理業界から退職する人がとても多いです。

中堅の女性調理師はあまり見かけないと思いませんか。

料理だけではなく、パティシエやブーランジェでも同じことが言えます。

体力仕事である調理師は妊娠中も仕事を続けることはとても難しく、また産休・育休制度もきちんと整っていないお店が多いのです。

やむを得ず退職をし、その後全く異業種で社会復帰を果たす女性調理師が多いです。

将来への不安

若い頃に夢や志を持って、覚悟を決めて調理業界に入っても30代40代に差し掛かると「このまま調理の仕事を生涯続けていけるのか」と言う不安を抱える人は多いです。

給与の安さや労働環境の悪さを若い頃は「これも夢のため」と我慢できていても、先の事を真剣に考え出す年齢になると不安がつきまとい転職を選んだ方を何人も知っています。

独立して成功するのはほんの一握りの人だという現実を見て、調理業界を去る人も少なくありません。

家族のため

家族を養うために転職を決める人も多いです。

先述したように調理の技術を活かし、学校給食などの調理施設に転職する方もいますし全く他業種に転職する人もいます。

女性だけではなく、男性でも結婚を機に調理師を辞める方はとても多いのが現状です。

中には、将来が不安定な飲食業を辞めて、一般の会社に転職することが結婚の条件だと言われたと言う話も。

また、調理師は一般企業と違い土日休みが取りにくいため、家族との時間が取れないと言う事を転職の理由に上げる人もいます。

飲食業界に疲れてしまった

調理は好きでも、調理業界に疲れてしまったと他業種に転職する人も少なくありません。

良い労働環境を求めて就職活動をしてもなかなか納得の行く働き方ができるお店が少ないと言う理由や、労働条件の良いお店が見つからないと言った理由で飲食業界を去る人も少なくありません。

私の友人で、調理経験は15年と言う立派な調理師がいました。

イタリア料理、スペイン料理に精通し以前のお店では店長も勤めていたほど経歴も良い人でした。

しかし、転職の際、全く経歴を評価してもらえないお店に入店してしまい月給はぐんと下がり、労働時間は大幅に増え、精神的にも身体的にも疲弊しきってしまい、彼は調理業界から身を引いてしまいました。

「もう二度と飲食はやらない」と言う彼の言葉がとても悲しく、「どうして腕のある調理師を評価しないんだろう」と憤りました。

彼のように、しっかり腕があるにも関わらず、調理業界全体に対する信頼を失い転職する人も多数います。

他にやりたい仕事がある

もちろん前向きな理由で転職を選ぶ人もいます。

他にやりたいことがある、挑戦してみたい仕事があるなどの理由で調理業界から去る人も少なくありません。

自分には向いていないと感じる

料理は好きでも、調理師と言う仕事が向いているかどうかは別です。

調理師はお客様に提供する料理を作る仕事ですから、家での調理とは全く違います。

常に料理のクオリティーを一定に保たなければいけませんし、衛生面でも細心の注意が必要です。

毎日同じ業務が続く調理師の仕事を実際にやってみて、「料理は好きでも調理師には向いていない」と転職を決める方もいます。

実際に向いていないと転職をする方は、調理業界に入って2,3年の若い方に多く、思い切った転職もしやすいのが特徴です。

向いていないと思うなら早めの転職をおすすめします。

「調理師」が自分に向いているか診断するにはこちら →

本当に辞めていいの?調理師を辞める前に考えること

他業種への転職はとても勇気のいることです。

計画的に行わないと、すぐに仕事が見つかる保証はどこにもありません。

調理師を辞める前に考えて欲しいことをご紹介していきましょう。

調理師を辞める理由は?

「調理師を辞める」と職場の人に話したり、身内に話したりすると恐らくとても驚かれ「どうして?」と聞かれるでしょう。

まず、人に話す前に自分の中で調理師業界を去る理由を良く考えることが大切です。

そうすることで職場を変えるだけで済むのか、もしくは他業種に転職することになるのかがはっきりとします。

労働条件に不満がある場合

今現在の労働条件に不満があるのなら、調理業界自体を去らなくても良いかもしれません。

地道な転職活動とリサーチで、良い条件の調理の仕事を見つけることができるでしょう。

一つ忘れないでほしいのが、調理業界全体がブラックと呼ばれる会社やお店だけではないと言うことです。

きちんと従業員のことを考え、労働時間も可能な限り法定時間に近づけようとしているお店もありますし、十分な人数の従業員を抱え一日8時間労働で就業している調理師もいます。

もちろん、残業があればきちんと残業代を支払ってくれるお店も存在するのです。

せっかく入った調理業界、悪いイメージで終わらせてほしくないなと言うのが今も調理師業界で働く私のホンネです。

労働条件のみが原因であるなら、まずは調理業界での転職活動を視野に入れてみてください。

一度辞めたら「ブランク」になってしまうと言うこと

一度全く違う職種に就いたものの、やっぱり料理がやりたいと調理業界に戻ってくる人は少なくありません。

そんな方たちが口を揃えて言うのが「調理を続けていれば良かった」と言うことです。

調理業界は経験が重要視される世界です。

1年、2年の短い期間でもブランクがあるのとないのとでは経歴のみでの評価は大きく変わります。

迷っているならぜひ続けてみませんか。

今はつらくても、この先調理業界での転職の際には必ず「続けた」と言うことが有利に働きます。

身体的に影響が出ている場合

調理師の仕事を続けたいけれど体に影響が出ている、と言う場合は休職すると言う手段もあります。

しばらく休んで治るなら、会社に休職を申し出て見るのも良いでしょう。

他業種へ転職するために

調理師を辞めて他業種へ転職する場合、今までの経歴は全く重視されない可能性は大いにあります。

調理師免許を持っていても関係のない業種への転職を目指す場合、何か強みとなる資格の取得などをおすすめします。

失業保険を貰いながら職業訓練校へ通う人も少なくありません。

辞めた後の計画をきちんと立てておきましょう。

どうやって良い職場を見つければ良いの?

料理は好きだし、調理師の仕事は続けたい。

しかし今の労働環境、労働条件ではもう限界。

そんな方が良い職場と出会うのにはいくつかのコツがあります。

調理師業界で条件の良い職場、またその職場を見つけるためにはどう転職活動を進めれば良いのでしょうか?

調理師で条件の良い職場とは?

同じ調理師免許を持っていても、条件の良い職場、厳しい職場があります。

条件の良い職場は大手のチェーン店、保育園を含む学校給食を作る施設、病院、介護施設、社員食堂などです。

いくつかお店を展開しているレストランやカフェなどであればシフト制であることが多く、社員の労働時間はしっかり守られているところが多くなります。

保育園や学校の給食を作る施設は労働時間はもちろん守られていますし、土日休みの週休二日制、長期休暇も取れると言う調理師としては夢のような労働条件です。

介護施設は早朝からの仕事の場合も多いですが、調理師に対する保証はしっかりとされている場合が多く、また特別食の知識などを必要とするため給与も良い案件を見つけることができます。

社員食堂での調理師も営業時間が会社の稼働時間内のみと限られているので、極端に長時間労働が必要と言う職場は少ないでしょう。

労働条件を重視するなら避けるべき職場

調理師も考え方は人それぞれ。

将来は独立して自分のお店を持ちたいと思う方もいますし、守られた労働条件の中で好きな調理に携わることができれば良いと言う考えの人もいます。

後者の方が避けるべき職場は「個人店」です。

個人店はどうしても長時間労働のお店が多く、調理師の人数が少ないため一人にかかる負担が大きくなりがちです。

しかし、独立を考えている人や技術をしっかり学びたいと言う方には個人店はうってつけです。

経営者であるオーナーシェフとの距離が近く、迷ったり分からないことはすぐに聞けると言う点で個人店に勝る職場はありません。

自分に合った職場を選ぶことが調理師を長く続けるコツです。

どうやって良い職場を探すの?

自分が労働条件を重視するタイプなのか、今は学びのときと厳しい環境でも耐える覚悟をするのか決まったら次は自分に合った職場選びです。

労働条件を重視するタイプの方にぜひ使ってほしいのは、調理師専門の転職サイトや転職エージェントです。

調理師専門の転職サイトやエージェントはインターネット上で見つけることができますし、求職者は無料で利用できます。

サイトによって特色があり、ホテルのレストランの求人数が多いところ、個人店の求人案件が多いところなど様々です。

中には自分の経歴や希望の職種、地域などを指定しスカウトを待つと言う方法もあります。

飲食専門の求人サイトはそのサイトを通じて応募者が集まり採用者が決まった場合、採用する側に料金が発生します。

決して安い値段ではありませんが、それでも良い人材を集めたいと言う企業やお店が利用しているため、働く人を大切に思っている会社が多くなります。

条件などもはっきりと記されているので、良くある「その他は面接でお話します」や「書かれていた条件と実際が違う」と言うようなことがありません。

転職エージェントを使用する場合はもっと密に条件や希望を企業側に伝えることができます。

経歴や希望の職種を考慮しながら担当のエージェントが転職の全てをサポートしてくれるので、安心して転職活動に望むことができますよ。

ぜひ利用してみてください。

「調理師」が自分に向いているか診断するにはこちら →

まとめ

今回は調理師を辞める理由や辞める時に考えておくべきこと、さらに良い条件での仕事探しのコツについてお話をしました。

先程も述べましたが、調理師はとてもやりがいのある仕事ですし、特別な技術を必要とする仕事です。

労働条件が良くないと言う理由で全くの他業種に転職してしまうのはもったいないと感じます。

良い職場に出会えるよう、これからも調理師として働き続けられるように転職活動のコツをぜひ活用してみてくださいね。


関連キーワード

調理師求人