私は、映画に登場するバーのシーンに憧れて、子供の頃からずっとバーで働いてみたいと思っていました。

たまたま見かけた求人媒体にバーでのアルバイト募集の記事を見つけ思い切って応募したのが、バーで働くきっかけでした。

隠れ家のような大人の空間は、自分も大人の仲間入りをしたような気持ちにさせてくれます。

そこには様々な人間模様があり、働きながら様々なことを学ばせてもらいました。

今回は、私が実際にバーで働いてみて経験したことや嬉しかったこと、こんな人におすすめというポイント等をご紹介します。

これからバーで働きたいと思っている方たちの参考にしてもらえたら嬉しいです!

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(正社員希望の人限定)

私はこんな所でバーのアルバイトをやりました

私が働いていたのは、銀座にあるオーセンティックバーでした。

新橋の駅からも近く、通いやすい立地にあるお店です。

ひっそりと佇むお店で、インターネットで調べてもほとんど情報が出てこないようなまさに大人の隠れ家的バーでした。

60年の歴史があるため昔から長く通ってくださるお客様が多く、客層の良さは抜群!

クリエイターやデザイナーさんが多く集まる所で、その世界では著名な方々も多く来店してくださいました。

見たことのあるCMを手がけている方だったり、馴染みのあるキャッチコピーを生み出した方だったり…。

普通では出会えない方々とお知り合いになれて貴重なお話を聞くことができたのは人生の宝物だと思っています。

本当に紳士的なお客様ばかりで、居心地が良い職場でした。

通い始めた当初は20代の新人で上司に連れて来てもらっていた方が、今では自分の部下を連れて来てお店を紹介してくれる。

親子で仕事帰りに待ち合わせをして一緒に通ってくれる。

そんな素敵な光景を見ることができました。

気に入ったお店は長く続くようにと応援し知り合いの方に紹介してくれるお客様が多いおかげで、毎日賑わっていました。

一枚板のバーカウンターはオープン当初からのもので、年季の入った金属の手すりが良い味を出していたのを覚えています。

シャンデリアや額縁もオープン時のもので、そこだけ時が止まったかのようなレトロで味のある空間でした。

初代オーナーの命日には毎年決まって古くからのお客様が集まり献杯に訪れてくれたりと、本当にお客様から愛されているお店だと実感し、そこで働くことができて本当に幸せだと思いました。

また同業の方からも慕われているお店で、営業終了後に遊びに来てくれたり、お客様に紹介してくださることも多々ありました。

飲食業界は持ちつ持たれつなんだなということを実感することも多かったです。

バーのアルバイトの仕事内容ってどんな内容?

バーでのアルバイトの仕事は接客だけではありません。

買い出しや清掃、出前の注文などもアルバイトの仕事です。

ここでは、アルバイトが担当する仕事内容をいくつかご紹介したいと思います。

買い出し

お店が始まる前に買い出しに行きます。

おつまみのスナック菓子、ドライフルーツカクテルに使うミントやライムなど細々としたものを買うのはアルバイトの仕事でした。

近くの酒屋さんに買いに行くと近所の同業者たちと会うこともあり、お客様の情報や世間話などをして交流することもあります。

足りないお酒を補充するために買い出しに行くこともありました。

清掃

お店の掃除をするのもアルバイトの仕事です。

もちろんマスターも掃除をしますが、基本的にはマスターはお酒の棚や調理器具などキッチンの中を担当していました。

アルバイトの私たちは、手すりやテーブルを拭いたり箒で床を掃いたりと、主にフロアの清掃をしていました。

特に念入りに掃除をするように言われていたのはお手洗いです。

お酒を飲む場所ですからお客様のトイレ回数は多く、よく目につく場所なので時間をかけて綺麗にしていました。

営業中もタイミングを見計らって汚れていないかチェックします。

出前の注文

私が働いていたお店ではおつまみしか出していなかったので、食事系は近くのお店から出前を取るシステムになっていました。

お客様の希望を聞いて、お付き合いのあるお寿司屋さんや中華料理屋さんに出前の注文の電話をするのもアルバイトの仕事。

気の良いお客様は、自分の好きなのも頼んでいいよ、と言ってくれました。

お腹が空いているときはお言葉に甘えて好きなものを注文したこともあります。

ほとんどの場合はお店まで届けてくれますが、注文したお店が忙しい場合は取りに行くこともあります。

誕生日カレンダーの書き込み

この業界ではお客様のお誕生日は一大イベントです。

会話の中でお誕生日を伺うことができたら、みんなで共有できるようカレンダーに書き込みをしていました。

そのおかげで大切なお客様をみんなでお祝いできる、またお店の売り上げにも繋がっていきました。

スタッフの誕生日も書き込んでおき、流れを見て一緒にお祝いしてもらうことも。

中には年代物のワインやシャンパンを開けるお客様もいらっしゃって、お誕生日の日はお店のパーティー感が一気に増しました。

お酒の提供・接客

私が働いていたお店では、お酒を作るのはバーテンダーであるマスターの仕事でした。

私たちはそのお酒やおつまみをお客様にお出しし、会話をするのがメインのお仕事でした。

接客中はお客様の仕事の悩みや家族のお話、最近の趣味や旅行の話など様々な内容の会話をします。

話すのが好きなお客様もいれば、話を聞くのが好きなお客様もいらっしゃいます。

横並びに座るバーでは、隣のお客様と仲良くなることもしばしば。

少し席を離れている間にすっかり仲良くなって盛り上がっていることもありました。

お客様の中には、一緒にお酒を飲んで会話を楽しみたい!と店員にお酒をご馳走して下さる方もいます。

お酒が好きな人にとっては嬉しいですよね。

カウンターでは仕事の愚痴や悩みを聞いたり、美味しいお店の話をしたり、様々な話題が毎日飛び交っています。

日々違うお客様と違う話をするので、毎回新鮮な気持ちで働くことができます。

現在は別の接客業で働いている私ですが、ここでの会話や経験がとても役に立っています。

会話の引き出しも増えますよ!

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バーのアルバイトの時給は?

私が働いていたバーの時給は2,500円でした。

これはバーの時給としてはかなり高い方だと思います。

通常は1,000円程度で、高くて2,000円程でしょう。

正直倍率はかなり高かったようです。

私は求人媒体を見て応募したのですが、その時給の高さからか100名程の応募があったと聞きました。

その時に受かったのは私を含めて3人。

かなりの狭き門だったようで、後から聞いて驚きました。

マスターに何が決め手だったのか訊いてみたところ、応対するときの態度や常識力、愛想の良さなど、お客様に好かれるかどうかが1番の基準だったそうです。

幸い私は接客業のアルバイトを数多く経験していたため、自然とそういう能力が身についていたのだと思います。

高い時給を貰うからには良い仕事をしたいと思い、どんなに忙しくても笑顔を忘れず働くことができました。

こんなに良い時給を貰いながら楽しく働けて、本当に恵まれていたなと思います。

バーテンダーに必要なのは包容力とコミュニケーション能力です。

知識は後から身につければ大丈夫。

まずは心を込めて一生懸命対応すれば、お客様は必ず打ち解けてくれます。

そしてそこから良い関係と長いお付き合いが始まるのです。

これは働き始めて更に強く思いました。

そしてコミュニケーション能力が高ければ高いほど、良い働き先が見つかると思います。

なぜならそのような人材をバーの経営者たちは求めているからです。

対人が上手くできれば高確率で採用、そして良い時給が貰えるはずです。

バーのアルバイトでやりがいを感じたこと

お客様から「話を聞いてくれてありがとう」「すっきりしたよ」「明日からも頑張れるよ」というお言葉をいただけたときは、自分が少しでも役に立てたような気がして嬉しくなりました。

中には娘さんの誕生日や奥様への結婚記念日のプレゼントを何にしたら良いか、彼女が喜びそうなお店を教えてほしいなどの相談もありました。

私たちも本気で考えて、後日その結果を聞くのが楽しみでした!

自分の働いているお店が、そして自分がお客様にとって必要とされていると実感する瞬間が多々あり、その都度少しでも力になれるよう頑張ろうと思いました。

深夜まで及ぶバーの仕事は正直体力的に辛い時もあります。

足の疲れや眠気との戦いもしばしば…。

それでもそんな嬉しい出来事があるから辞めずに頑張れたのだと思います。

バーのアルバイトをやっていて良かった3つのこと

バーで働いて身についたこと、良かったことは沢山あります。

今回は、その中でも三つほどご紹介させていただきたいと思います。

様々な業界の流れや仕組みを知ることができた

普通は自分が働いていたり関わっていたりする業界のことでない限り詳しく知ることは難しいはずです。

しかしお店に訪れるお客様は様々な業界で働いていらっしゃるので、会話の中でその業界の流れや仕組みを知ることができたのが面白かったです。

例えば旅行業界の人からは今女性に1番人気の旅行先を聞くことができたり、ファッション業界の方からは来年のトレンドを教えてもらったり、映画業界の方からは映画ができるまでの流れや仕組みを教えてもらいました。

自分の知らない世界を知ることはとても楽しく、時間があっという間でした。

働きながら様々な勉強ができたことは、自分にとって大きな財産となりました。

お酒に詳しくなれた

バーにはお酒好きのお客様が集まります。

正直私はバーで働くまでお酒にはあまり興味がありませんでした。

お客様との会話の中でお酒の種類や作り方、ラベルの意味、専門用語を教えてもらう内にお酒に興味を持つようになりました。

香りや刺激が強いものは飲めなかったのですが、そんな私でも美味しく飲める割り方やカクテルを教えてくれました。

興味を持つと色々と知りたくなり、調べていく内にお酒にかなり詳しくなりました。

その知識を活かしてお客様におすすめのお酒を紹介し、それを喜んでもらえたときはとても嬉しかったです。

様々な業界の人と知り合いになれた

普段知り合うはずのない人たちと仕事や立場を気にせず色々とお話できたことは、とてもためになりました。

お店を辞めた後でも展示会に誘ってもらったりゴルフに行ったりと良い関係を保つことができています。

年齢や立場に関係なくお酒という趣味で繋がってるので、とても気楽にお付き合いできるのです。

働いていたお店の近況を聞くこともできて嬉しいです。

バーのアルバイトで身についたこんなスキル

この仕事での経験や身についたスキルは、今の自分にもとても活かされています!

コミュニケーション能力

日々お客様と会話する中でコミニュケーション能力がついたのは間違いないと思います。

私は人見知りではないものの自分から話を振ることが苦手だったのですが、慣れていく内に会話の引き出しが増え、沈黙に困ることもなくなりました。

このお客様にはこの話題が盛り上がるのではないか、このお客様はこんなことを考えているのではないか、というのが徐々に分かるようになってきました。

一緒に過ごすお客様が楽しそうだったり話が盛り上がると嬉しかったです。

これは他の飲食業やサービス業でも必ずプラスになる能力だと思います。

楽しみながら、そしてお給料を貰いながら習得できるのですから、最高ですよね!

気遣い

お客様のグラスが空になっていないか、1人でつまらなそうにしているお客様はいないかなど常に周りに目を配り気遣いができるようになったのは大きな収穫だったと思います。

身につけようと思ってもなかなか身につくものではなく、持っていればどんな仕事にでも活かすことができ、重宝されます。

来店して下さった全てのお客様が楽しい時間を過ごせるようにどうしたら良いかを考えながら働くのが楽しかったです。

細かいところにも気が付ける大人は素敵だなと思うので、これからも磨き続けていきたいと思います。

こういった感覚を身につけさせてもらえたのも幸運だったなと思っています。

お酒に関する知識

お酒に関する知識が格段に増えました。

これは本当にお酒好きなお客様から会話の中で得たものです。

お酒の産地や銘柄、ラベルの意味、料理と相性の良い組み合わせ等々働くまでは知らなかった知識が沢山増えました。

また得た知識を他のお客様にご紹介しそれを喜んでもらえたときはとても嬉しく思いました。

それが日々のやる気にも繋がったと思います。

家族や友達へのお酒のプレゼントにも困ることがなくなり、相談されることも多くなりました。

働く前はお酒の知識なんてほとんどなかったので、自分でも驚いています。

バーのアルバイトをやっている中で嬉しかった瞬間

他の仕事に比べて嬉しいと感じる瞬間が多かったのがバーでの仕事でした。

お客様との距離が近い分、直接ありがとうの言葉を聞けることも多かったです。

自分が選んだお酒を気に入ってもらえたとき

お客様の中には注文を伺うと、あなたのおすすめで!と言ってくるお客様がいらっしゃいます。

これはとてもプレッシャーでもあるのですが、気に入ってもらえたときの喜びは格別です!

私はそのお客様の好みや普段飲んでいるお酒の銘柄を聞いてチョイスしていました。

気に入っておかわりしてくださったり、家でも飲めるように買って帰ったよ、と言ってもらえた時はとても嬉しかったです。

特別な日に立ち会えたとき

お誕生日や昇格祝い、結婚記念日など特別な日にお店を訪れるお客様は少なくありません。

そんな特別な日に自分が働いているお店を選んでもらえたこと、そして大切な時間に立ち会うことができたのはとても嬉しかったです。

みんなでワインを開けたりして盛り上がったのも良い思い出です。

感謝してもらえたとき

私が働いていたお店は古くから通って下さるお客様が多いお店でした。

週に何回も訪れる方もいれば、出張で東京に来た時は必ず訪れてくださる方もいました。

多くのお客様が「いつもありがとう」「みんなが頑張ってくれているからお店に通えるんだよ」と感謝の気持ちを伝えてくださいました。

その言葉のおかげで大変なときにどれだけ頑張れたことか…。

感謝の気持ちをストレートに伝えられる素敵なお客様が通ってくださるお店で働けることを誇りに思いました。

バーのアルバイトのおすすめの選び方

実際にバーで働きたいと思っても、何を決め手にしたら良いのか分からない場合もありますよね?

そこで、私なりのおすすめの選び方をご紹介したいと思います。

働きたいお店に直接行ってみる

とにかく行動あるのみ!

実際に働いてみたいお店に行ってみましょう。

お客さんとして行ってみると分かることが沢山あります。

マスターや店員さんの雰囲気やお酒の種類、お客様の客層など、自分が思い描いていたものと相違がないかどうか自分の目で確かめるのが1番です!

自分に合うバーを見つける

バーと一口に言っても形態は様々です。

高級ホテルのバーやオーセンティックバー、クラブのバーカウンターやカジュアルな飲食店など、自分がどんな形態のバーに合うのかを見定める必要があります。

将来的に独立を目指しているのならそれなりに敷居の高いバーを選ぶべきでしょうし、全く知識のない状態から気軽に始めるのであればカジュアルなバーを選んでスキルを身につけると良いと思います。

時給や立地

働く上で最もモチベーションに関わってくるのが時給でしょう。

正直な話、実際に良いお店かどうかは働いてみなければ分かりません。

まずはモチベーションの源となる時給が高い所を探してみるのも良いと思います。

またお店の立地でも時給や客層はかなり変わってくるので、選ぶポイントとしては大切でしょう。

体力を使う仕事なので、自宅からの距離なども考えたほうが良いと思います。

バーのアルバイトはこんな人におすすめです!

バーで働くのに向いている人、こんな人に働いてもらいたい!というポイントをお教えします!

社交的な人

社交的で愛想が良く、コミュニケーション能力が高い人にはとても向いている仕事だと思います。

自分も楽しんで働ける環境と言えるでしょう。

メインは接客ですから、人と話すのが苦ではない、むしろ楽しいという人はプライベートの延長のような感覚で働けるかもしれません。

面白い話やためになる話も沢山聞くことができますよ!

お酒好きな人

バーでは接客中にお客様から一杯どうぞと勧められることもあります。

中には1人で飲むと寂しいから好きなだけ飲んで、と言うお客様までいらっしゃいます。

お酒好きにはたまりませんね!

まさに天職と言えるでしょう。

お金を貯めたい人

バーの仕事は夜の時間帯です。

ということは、友達と外食に出かけたり飲み歩いたりする時間がほとんどありません。

そのため、飲み代に使っていたお金が自然と貯まっていきます。

また、お店によっては賄いがあったりお客様と食事に行ったり出前を取ったりすることも多いですから、夕食のお金もあまりかかりません。

お金を貯めたい人にもぴったりです。

夜型の人

バーでの仕事は大体夕方から深夜にかけてです。

その後お客様とお食事に行ったり飲みに行ったりする場合もあります。

そのため、朝まで体力がもつような夜型の人に向いていると言えるでしょう。

コミュニケーション能力を養いたい人

バーは究極の接客業です。

近距離で少人数もしくは一対一で会話をし続けなければなりません。

コミニケーション能力を養いたい人にはもってこいの職場だと思います。

様々な業界の人ともお知り合いになれるので、勉強にもなりますよ!

将来飲食業界で働いたり独立を考えている人

接客の能力がつき、お酒にも詳しくなれて、様々な人との人脈もできる。

将来飲食業界で働いたり独立を考えている人は、まずはバーでのアルバイトを通してその基礎をつくることをおすすめします!

まとめ

バーで働くとコミュニケーション能力が上がります。

そして、多くのお客様からためになる話を聞くことができるので、人間力も上がると思います。

そういう意味ではとても得をすることが多い仕事と言えるでしょう。

基本的にタバコやお酒がどうしても苦手、人と話すことが苦痛、という方以外は一度働いてみてほしい世界です。

お金を貰いながらこんなにもメリットの多い仕事はなかなかありません。

将来飲食業界で働いたり独立を考えている方にはぜひおすすめしたい仕事です。

また、様々な業界の人と繋がりを作りたい方にもおすすめと言えるでしょう。

もちろん生半可な気持ちで臨むのはNGですが、自分を高めるためのステップアップとして捉えて働くには最高の職業だと思います。

ぜひ良いお店が見つかりますように!

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