歯科衛生士は男性でもできる?その理由と、男性ができること、大変だったこととは?
今の時代、資格があればな…と社会に出てみて思うこともあると思います。
4年間大学に通い就職してみたものの辞めてしまい、手に職がないと復帰する時に難しいと痛感し、資格が欲しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
歯科衛生士はそんな時にもってこいの資格です。
私も歯科衛生士の資格を持っていますが初めに言われるのが「資格を持っているのは強いよね」ということです。
今回は、働きながらでも歯科衛生士の資格を取得する方法、歯科衛生士が活躍している仕事場についてお話します。
まずは歯科衛生士の資格について紹介します
歯科衛生士と言われてもピンとこない方もいると思います。
歯科衛生士について簡単に説明します。
歯科衛生士とはどんな資格?
歯科衛生士とは、簡単に言えば歯科医院の看護師です。
プラークと呼ばれる細菌の塊が石灰化した歯石というものを取り除いたり、歯磨き指導を行ったり、歯周病の進行を抑制するために歯茎の状態をチェックしたり、口の中の健康を保つお手伝いを主にしています。
歯科医師の治療のアシスタントも行います。
歯科衛生士のことを歯科助手だと言われることがありますが、全然違うのです。
口の中を触ったり治療したり、直接患者さんと関わることができるのが歯科衛生士です。
歯科衛生士になるためには専門の学校に通い、国家資格を取得しなければなりません。
しかし一度取得してしまえば、更新などもないため一生使うことができる資格です。
また歯科衛生士は人手不足なため、求人が多いです。
そのため、自分の希望する条件を見つけやすいのも特徴です。
女性には結婚、出産、育児があるため、どうしてもライフスタイルに合わせた働き方をしなければならないこともあり難しいですよね。
そのような場合でも働きやすいのが歯科衛生士です。
とてもやりがいがあり、オススメできる仕事です。
歯科衛生士の受験資格
歯科衛生士は資格が必要だけれど「独学で取得できるのかな?」「ユーキャンなどの資格サイトで取得できるの?」「どんな学校に通うの?」と疑問に思われている方も多いと思います。
歯科衛生士の受験資格を得るためには、専門の大学、短期大学、専門学校、夜間学校のいずれかに3年以上通わなければいけません。
これまで歯科衛生士の修業年限は二年制以上でしたが、歯科衛生士学校養成所の規則が改定され、平成17年4月1日を施行日とし、平成22年4月1日より全ての歯科衛生士学校養成所で三年制以上になりました。
一般企業などは大学卒と専門学校の差はあると思いますが、歯科衛生士はどの学校を出ていても関係ない所がほとんどです。
自分が希望する場所や条件、夜間学校のように働きながらでも通える所があるので、ライフスタイルに合わせて取得できるのも魅力の一つですね。
歯科衛生士の資格取得ルート
歯科衛生士になるためには、先ほども記載した通り以下のいずれかに通う必要があります。
国公立または私立の四年制大学に通う
全国で国公立の四年制は1校、私立の四年制は5校のみになります。
四年制は三年制と比べてゆったりと授業が組まれているため、余裕を持って取得することが可能です。
しかし私立の場合、学費が一年分多くかかってしまいます。
学校の数が少ないため、場所も限られてきますね。
先ほどお話したように、歯科衛生士は資格を取得していれば学歴の差がないので、三年制と比較して考えてみてはいかがでしょうか。
私立の三年制の短期大学に通う
全国で私立の三年制は13校あります。
三年制は私立のみになります。
学費の平均は三年間で300万円〜350万円程になります。
短期大学で大学に併設されていることが多く、大学生活を体験したい方には専門学校よりおすすめです。
しかし歯科衛生士以外の単位も取得が必要になるため、勉強が少し大変になるかもしれません。
専門学校に通う
専門学校は全国に91校あります。
学費は短期大学より安くなります。
専門の授業、実習のみを行うため最低限必要な授業を受けて歯科衛生士の免許を取得できるのもメリットです。
しかし実習先が一般の歯科医院や大学病院のみという所もあるので、高齢者施設や障害者施設、幼稚園、保育園など様々な施設でも実習したい方には短期大学の方が良いかもしれません。
夜間学校に通う
上記に挙げた大学や専門学校の中に夜間学校を併設している所もあります。
夜間学校については後程お話します。
合格率はどれくらい?
歯科衛生士の合格率は高いと言われており、約96%と言われています。
しかし、一見簡単に取得できる資格だと思って目指す場合は厳しいかもしれません。
合格率が高い理由の一つは、受験までの資格を得ることが難しいことです。
歯科衛生士の学校では厳しい実習と勉強があります。
3年間みっちり勉強と実習のスケジュールが組まれているため、少しでも休んでしまったりさぼってしまうとすぐに留年してしまいます。
受験に辿り着くまでに多くの生徒が耐えられなくなり学校を辞めてしまったり、スムーズに卒業できなかったということがあります。
最後まで耐え抜き残った生徒のみ受験しているため、合格率が高く出ています。
国家試験も決して簡単ではないため、相当量の勉強が必要です。
落ちてしまうと次の試験が1年後の同じ時期となってしまうため、一発で合格するために皆が必至に頑張っています。
働きながら歯科衛生士になるための注意点
歯科衛生士は医療資格のため、学費が他の一般の大学に比べて高くなります。
そのため、働きながら歯科衛生士の免許を取得するための学校もあります。
働きながら学校へ通う場合の注意点をお話します。
精神的にも体力的にも大変
やはり働きながら学校に通うというのは、歯科衛生士に限らず大変なことだと思います。
そのため不安が先立ってしまい、なかなか一歩を踏み出せない方もいるでしょう。
しかし、夜間学校は働きながら資格を取りたいと考える方が通っている学校のため、短期集中型の授業を取り入れています。
また他の生徒も同じ境遇のため、分かち合えるところが多いのではないでしょうか。
友達と励まし合い、助け合いながら乗り越えていけると良いですね。
短期集中型のため余分なことがない
こちらはメリットでもありますがデメリットでもあると思います。
昼間の短期大学であれば、一般歯科医院の実習のほかに大学病院、障害者施設、高齢者施設、デイサービス、幼稚園、保育園など様々な実習先で学ぶことができます。
これはもちろん歯磨き指導などを行うため実習に行くのですが、それは昼食の後など1時間程度です。
それ以外は、その施設にいる方々とお話したり、一緒に作業をしたり、職員の手伝いをします。
このような経験をすることで、普段なかなか直接接することのない方々とお話をしたり、対応について学ぶことができました。
この体験は一般の歯科医院で働く場合にもとても役に立つと思います。
様々な施設での経験は、実習以外ではなかなか経験できないことだと思います。
歯科医院以外での経験もしたいという方には、夜間学校のために様々な施設へ実習に行けないことはデメリットに感じるかもしれませんね。
歯科衛生士の就職先や募集状況は?
歯科衛生士は今、どこの歯科医院でもとても人手不足です。
歯科医院はコンビニの数より多いからです。
歯科衛生士は就職に困らないことも魅力の一つなので、就職についてお話します。
歯科衛生士の主な就職先
歯科衛生士は様々な場で活躍できる仕事です。
どのような所があるのか紹介します。
一般の歯科医院
歯科衛生士の9割が、一般の歯科医院に就職しています。
求人がとても多いため、勤務地や勤務時間、希望する条件など自分に合った所を見つけて働くことができます。
また小児歯科専門、矯正歯科専門、審美歯科専門など専門分野に特化した歯科医院もあるため、興味があったり更にもっと学びたいと思っている分野を選ぶことができるのも魅力ですね。
パートやアルバイトなどで勤務する場合も、主に一般の歯科医院になると思います。
歯科衛生士のメリットの一つであるライフスタイルに合わせて働く場合には、一般の歯科医院になります。
保健所などの公務員
市町村の自治体が運営する市町村保健センターが勤務先です。
歯磨き相談を行ったり、妊娠中の口腔内の変化について妊婦さんにお話したり、1歳6ヶ月検診や2歳検診での歯科検診補助や相談が主な仕事内容になります。
媒体を使ってお話することが得意な方や相談に乗って適切なアドバイスをすることが好きな方にオススメの職場です。
普段歯科衛生士が行う仕事をほとんどしないため、歯科衛生士業務が好きな方にはオススメできません。
公務員のため福利厚生がしっかりしていることや、残業がなく勤務時間が安定していることもメリットですね。
しかし人気の職場である上に募集人数もほんの僅かでなかなか欠員も出ないため、狭き門になります。
大学病院や総合病院
大学病院や総合病院などでは歯科衛生士業務もありますが、主に歯科医師の治療のアシスタントや歯科衛生士学校養成所から来ている生徒の教育になります。
また大学病院や総合病院に来る患者さんは、一般歯科医院からの紹介の方もいます。
その場合は、難しい治療や口腔外科などで行う手術が多いです。
歯の治療だけではなく舌や頬、顎も歯科の領域になるため、本格的な手術もあります。
血が苦手な方などはやめたほうが良いかもしれません。
矯正専門、小児専門、口腔外科専門、障害専門、補綴専門など様々な科が同じ病院にあり、経験できるのが魅力です。
こちらも、定時で帰れることや福利厚生がしっかりしているのも良いですね。
学校などの講師
学校への就職ははほとんどないと思いますが、学校の先生も皆さん歯科衛生士免許を持っています。
試験も厳しく、臨床経験もある方が必要とされます。
未来の歯科衛生士を育てる立場になるため、教えることが好きな人、責任感が強い人、人前に立つことが好きな人がとても望まれる就職先になりますね。
一般企業
医療機器や治療用品、薬品など歯科に関連する企業でも歯科衛生士が活躍しています。
歯科衛生士業務を行わないため現場からは離れてしまいますが、歯科衛生士としての学んできた知識を活かして商品開発や提案などで能力を発揮できます。
少し歯科衛生士の業務に疲れたな、普通に働きたいなと思っている方は一度こちらも考えてみると良いですね。
介護、福祉施設
高齢になってくると、私たちが何気なくできている生きていくために基本的な機能「食べる、飲み込む」ということが難しくなってきます。
人間は食べるということを基本としているため、そうなってきた時に様々な生活に支障が出てきてしまいます。
衰えを少しでも遅らせるために摂食、嚥下、咀嚼のリハビリテーションを行うのも歯科衛生士の仕事です。
また誤嚥性肺炎などを防ぐためにも口腔ケアが重要になってきます。
実務経験が5年以上の歯科衛生士はケアマネージャーの受験資格を得ることもできるので、興味のある方は福祉の分野にも挑戦してみるのも良いですね。
歯科衛生士の転職事情
歯科衛生士は転職が多いと言われている仕事のうちの一つです。
その理由は様々ですが、「人間関係が上手くいかない」「提示されていた勤務条件とは違う」「残業が多くプライベートが充実できない」などが多いのではないでしょうか?
歯科衛生士は人手不足のため、求人が沢山あります。
そのため資格を持っている歯科衛生士は、一般企業と比べて転職しやすいということがあります。
また歯科衛生士は女性が多い仕事のため、結婚、出産、育児などのライフスタイルに合わせて希望の条件に合う所に転職しているという場合もあります。
しかし、自分のライフスタイルに合わせて働くことができるというのは大きなメリットだと感じます。
頑張って取得した歯科衛生士の資格をその時々で活躍できるのは素晴らしいことですね。
まとめ
今回は、働きながら歯科衛生士の学校に通う場合の注意点や、一般歯科医院以外で歯科衛生士が活躍している場についてお話しました。
歯科衛生士免許を取得すると、自分が興味を持っていることなど様々な形で社会に貢献していくことが可能な仕事です。
歯科衛生士は離職率が高く復職が難しいと言われている仕事ですが、私は一生役に立つ仕事だと感じています。
この記事が少しでも、今社会人として働きながら歯科衛生士の免許を取得するか迷っている方の後押しになれれば嬉しいです。
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