今回は認知症デイサービスとはどのようなものか書いていこうと思います。

昨今は認知症という言葉は介護をしていない方でも知っている方が増えてきていると思います。

しかし、デイサービスに認知症専門のものがあるということを知っている人は少ないと思います。

介護の仕事をしていても知らない人もいるくらいなのではないでしょうか。

実際、認知症専門のデイサービスの数自体も少ないです。

そのため、勤務経験があるという人はもっと少ないと思います。

認知症デイサービスとはどんな仕事?

一般的なデイサービスと仕事内容自体はほとんど変わりありません。

送迎前に申し送りをして、送迎に出かけます。

利用者様が来所されてからは入浴・排泄・食事・レクリエーションなどの業務を行います。

介護の仕事と言うとこれまでに書いてきたようなものをイメージすると思いますが、介護職とは意外と事務仕事が多いのです。

利用者様が帰宅されたあとも事務仕事のために残業をするということは一般的ともいえます。

担当者会議の資料を用意したりとその事務仕事にも様々なものがあります。

認知症デイサービスの仕事の役割とは?

認知症専門のデイサービスの役割を考えていきます。

家族様にとって休養になる

認知症専門のデイサービスということは、利用者様は夜間、自宅で生活しています。

そうなると家族の方が介護をしている時間が毎日必ず存在します。

介護の仕事をしている人達の会話でよくあるのが「私は自宅で親を介護するなんて出来ないわ」「私だったらすぐ施設に入れる」という内容のものです。

それだけ自宅で介護をするということの難しさが分かるということです。

ましてや認知症の人を自宅介護するとなるとその負担はかなりのものです。

私が認知症専門のデイサービスに勤めていたころ「デイサービスに行っている間だけでも休養や自分の時間を使えるからとてもありがたい」と言われたことがあります。

本来のデイサービスは利用者様のためにあるべきものではあるのですが、同時に家族様の為にあると言っても過言ではありません。

利用者様の外出機会につながる

今でも認知症の親を他人に見られたくないということで自宅から外に出さないという家族様も少なからずいらっしゃいます。

そうなると増々認知症が進行し、さらに身体的な衰えも進みやすいです。

そんなときにデイサービスがあるとそれをきっかけに外出するということが出来ます。

利用者様にとっては負担になる面もありますが、プラスになる面も大きいです。

家に閉じこもっているより、仮に話をすることは無いとしても誰かと同じ空間で同じ時間を過ごすということだけでも刺激になります。

認知症デイサービスの具体的な仕事内容とは?

具体的な業務

送迎

デイサービスの特徴的な仕事の一つです。

一般的なデイサービスより利用者様の人数は少ないですが、認知症専門のデイサービスだと必ず家族様まで利用者様を送り届けるという決まりがあります。

少なくとも私の勤務していたデイサービスでは事前に決まりごとが無い限りは家族様が自宅にいる所へ利用者様を送り届けていました。

もし、事前に話がなく家族様が不在なら施設に電話をして家族様に連絡をとってもらうという手順を踏んでいました。

同期から聞いた話では一般的なデイサービスでは自宅で一人暮らしの利用者様もいらっしゃるので家族様の有無はあまり関係がないようでした。

認知症の利用者様といっても自立していると思っている人も少なくありません。

すぐそこに家があるのに玄関までわざわざ送ってもらうのは申し訳ないと遠慮したり家の近所で「もう下ろしてください」と話されたりと意外と苦労するものです。

家族様からの理解が無い場合もあり、「鍵開けといたから放り込んでもろたら良かったのに・・・」と話されたこともありました。

レクリエーション

認知症専門のデイサービスは利用者様の人数が少なく設定されています。

そのため、デイサービス内は静かです。

人数が少ないから静かということも言えますが、認知症の利用者様しかいないというのも原因と言えるのではないかと考えられます。

全員が認知症ということでレクリエーションも一工夫が必要です。

一般的なデイサービスでは普通に出来ていたレクリエーションも認知症専門のデイサービスでは反応が思わしくないということもあります。

これについては経験を積んでいくしかありません。

また、回想法や脳トレというものもレクリエーションで行うことが多いのではないかと思います。

身体を動かす体操やゲームをするにしても声掛け(説明)の仕方の工夫がより必要となります。

そして、理解が出来ず思うように出来ない利用者様への配慮も必要です。

他の利用者様から「こんなことも出来ないのか」と言われることもありますので、レクリエーションの司会をしている職員だけでなく他の職員もサポートに上手く入るとレクリエーションがスムーズに進行していきます。

入浴

認知症専門のデイサービスの利用者様は自宅で入浴が出来ていないという人は多いです。

入浴のためにデイサービスを利用しているという人もいます。

入浴は利用者様によって極端に嫌がる人もいますので職員側の技量が試される場面です。

認知症の方の場合、ある程度声掛けの仕方などパターン化できますが、日によって同じ声掛けをしても返ってくる言葉が違うということもあります。

同僚の職員と協力しながらお互いが気持ちよくお風呂に入れるように検討を繰り返す必要があります。

お風呂で職員が苦戦する利用者様のパターンとしてあげられるのが、脱衣場に来るまで・服を脱ぐまでが大変な利用者様。

それと、浴槽からなかなか出てこない利用者様があげられます。

前者の方が多いと思います。

これも経験を重ねるとある程度の利用者様への対応は出来るようになります。

認知症デイサービスの給料事情は?

一般的なデイサービスと給料事情は全く同じです。

施設によっては違いがあるところもあるのかもしれませんが、聞いたことはありません。

夜勤が無いということでやはり給料事情は厳しいものです。

認知症デイサービスのやりがいに感じること

認知症デイサービスのやりがいについて考えていこうと思います。

数少ない認知症専門のデイサービス

冒頭にも書きましたが、認知症専門のデイサービスは数が少ないです。

そういうところで働けているという「特別感」もやりがいになると思います。

私も最初は施設入所の方を希望していたためデイサービスに配属になり落胆していました。

ですが、認知症専門のデイサービスがあまりない珍しいデイサービスだと知りそれをやりがいに感じて努力しました。

難しさを乗り越えた時の達成感

認知症の人を相手にするということは、色々と勉強をしていたり、これまでに経験がある人にとっても難しいと感じるものです。

私の場合、介護の仕事のスタートが認知症専門のデイサービスでした。

認知症への先入観はまったくゼロの状態でしたので今となってはそれが逆に良かったのかもしれません。

しかし、日によって違う利用者様の状況にとても苦労したのを覚えています。

小さなことかもしれませんが、少しずつ成功体験をしていくことが出来るようになってきました。

認知症介護と言うものはとても難しいものですが、成功体験も必ずあります。

それをやりがいに当時は仕事を続けていました。

認知症デイサービスの仕事で大変なこと

ここでは認知症デイサービスの大変なこと書いていきます。

日によって利用者様の状態が違う

認知症の利用者様の場合特にこれは言えると思います。

昨日は成功していた声掛けも今日はまったく効果が無いなんてことがわりとあるものです。

全ては利用者様次第と言う感じではありますが、みんながみんな毎日同じような対応で上手くいくとは限らないという状況なのでそれは大変でした。

特に帰宅願望が見られる利用者様の場合、決まった声掛けをすることで状況が改善されるのならまだ良いのですが、日によって利用者様の発言などに注意を払って声掛けをしなくてはならないということもあります。

そうなると職員の技量がここでもまた試されるわけです。

精神的にかなり疲れる

私の場合、認知症専門のデイサービスから一般型のデイサービスへの異動となりました。

一般型のデイサービスの方が人数は多いのですが、勤務を終えた後の精神的な疲労度が全く違うということを実感しました。

認知症専門のデイサービスの方が利用者様の人数は少なく、そして職員は多く配置されているのですが、気が張っているのもあってか精神的にかなりの疲労を感じます。

利用者様から辛辣な言葉を浴びせられることがある

個人的な手応えとして、ある利用者様の心をつかんだと思っていたとしてもその利用者様から「あんな奴とワシは風呂に入らんぞ」などと今までの関係作りは何だったのかと思えてしまうような言葉を言われることがあります。

私の場合、客観的に利用者様との関係を見ることが出来ていたのでそこまでショックを受けることはありませんでしたが、職員によってはそれを辛く感じてモチベーションの低下につながってしまうという人もいるのではないかと思います。

認知症デイサービスの仕事の将来性は?

認知症専門のデイサービスで働くことについての将来性について考えていきます。

介護力がアップする

認知症介護は難しいです。

認知症ではない方の介護が簡単ということではありませんが、認知症介護の方が介護の力というのは付くと私自身実感しています。

介護の仕事の初期に認知症専門のデイサービスに配属となると将来的に異動になったときに生かされます。

認知症の方を介護する経験をしていくと認知症ではない方の介護でも役に立つことが多いと思います。

認知症介護をしっかりしようと考えると、相手(利用者様)のことをよく見ることが大事だと実感すると思いますので、それが介護そのものの実力アップにつながるのではないかと考えられます。

給料の面で見ると・・・

介護の仕事は低賃金で悲しくも有名です。

ましてや夜勤のないデイサービスの職員は特に低賃金です。

残業をしていても残業代が付くことは稀なため、サービス残業がほとんど。

しかも低賃金ということでモチベーションの低下は免れないという面もあります。

認知症専門のデイサービスの重要性を考えて国策か何かで賃金を多くしてもらえないかなと身勝手な期待をしてしまっています。

認知症の人は増え、さらに認知症というものが認知されてきている。

昨今の高齢化社会の影響もあると思われるのですが、認知症の患者は増えています。

若年性認知症の題材にした映画・ドラマもよく見かけるようになったのではないでしょうか。

認知症という病気そのものは昔と比べて圧倒的に「認知」されてきていると思います。

そのため、認知症専門のデイサービスが減るということは考えにくく、将来的には増えてくるということも充分に考えられます。

認知症専門のデイサービスでの経験があると将来、認知症専門のデイサービスを開設しようとしている時に声をかけてくれる可能性もあるのではないでしょうか。

そうなると、部署の役職者になるなんてことも普通にあり得ますので、結果的に給料アップにもなるのではないかと思います。

まとめ

今回は認知症専門のデイサービスについて書いてきました。

昨今では誰しもが聞いたことくらいはある「認知症」。

介護の仕事をしている私たちですら、理解できない部分が多いです。

分からないなりに悪戦苦闘しながら毎日を過ごしているという感じです。

その認知症の人しか来ることが出来ないのが「認知症専門のデイサービス」です。

見たことの無い人からすると特別な空間という印象もあるかもしれません。

グループホームも認知症専門の施設ではありますが、20名近くが集まるということはありません。

認知症専門のデイサービスでの勤務経験があるという人は少ないと冒頭で述べさせていただきましたが、そんな経験を私自身介護のスタートとして出来たということがプラスになっていると思います。

認知症は簡単なものではありませんが、何かに成功するとかなりのやりがいを感じられます。

あとは給料がそれに見合うだけあればなと思ってしまうのは介護士の性だと思います。

介護と認知症は切っても切れない関係があると思います。

その認知症の勉強を濃密に出来るのは認知症専門のデイサービスだと私は考えています。


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