学校でも学習塾でもなく、家庭を直接訪問し、子どもに勉強を教える家庭教師。

学校や塾では学習についていけず、まずはその子のペースで学習習慣を身につけたり、学校の宿題のお手伝いやテスト対策をすることがメインになる子もいれば、学校や塾の授業では物足りず、目標校への合格を目指してきちんと受験対策を行いたいという子もいます。

どちらにせよ、学校や塾では補えないものを期待して、家庭教師をつける家庭がほとんどです。

そんな家庭教師の仕事のメリットについて主に解説します。

私はこんな子どもたちの家庭教師をしました

主に学生時代に家庭教師をしており、4年の間で5名の子ども達を指導してきました。

そのうち4名は家庭教師の派遣会社を通して、ほか1名は知人を介して契約をしていました。

派遣会社を通すと、事前にご家庭や生徒の環境・学力について調査したものを教えてくれたり、生徒が自ら教材をそろえなくても派遣会社が斡旋している教材を購入することができたり、給料未払いの心配がないなど、ケアが行き届いており、安心感がありました。

派遣会社のスタッフさんとは常時会うわけではありませんでしたが、たまに会うと「困ってることはないですか?」と親切に聞いてくれました。

知人を介して直接契約した場合も、著者の場合はご家族とも本人とも幸い相性がよく、大きな問題もなく働かせていただくことができました。

学年でいうと小学5年生から中学2年生まで見ていた子が1人、中学2年生のみ見ていた子が1人、中学2年生から受験までを見ていた子が2人、中学3年生から受験終了までを見ていた子が1人です。

受験まで見なかった理由には、学習効果が見られなかったなど相性や著者の力量不足であったり、著者の都合があります。

主にどの子も数学(算数)と英語を見ていましたが、時折理科や国語を見ることもありました。

学校の宿題やテストを見ることがあれば、出しておいた宿題を一緒に振り返ってみたり、その場で問題集の問題を解き、答え合わせ・解説を行うこともありました。

学力は様々で、進学校を目指す子や、部活動をメインにしているため学業はおろそかになりがちで、高校に受かりさえすればよいという子、発達障がいを持つ子など、同じような子は全くいませんでした。

もちろん家庭環境や性格もそれぞれ違いました。

家庭教師として働くメリット4選

では、そんな家庭教師の仕事のよいところはどんなところなのでしょうか。

経験に基づき、4点ピックアップしてみました。

マンツーマンでのやりとりができる

学校や塾ではどうしても数十人へ一斉に指導をすることになり、一人一人にあった声掛けやコミュニケーションをとることは中々難しいことだと思います。

その反面、家庭教師ではマンツーマンでのやりとりが基本となり、自分の言動に子どもがどんな反応を示すのかがよくわかります。

家庭教師の役割の主なものとして、「学力を上げること」と「子どものやる気やモチベーションをあげること」が考えられます。

学力面でもやる気の面でも、学校や塾の画一的な指導とは違い、個々人のできること・できないことを的確に把握し、それに見合った課題や言葉がけを提供することができます。

著者自身は大学で教育についての勉強をしていたため、実際に子どもを前にして指導方法や声がけの仕方について実践し、その効果や改善点について経験を通して具体的に考えることもできました。

他にも、しばらく忘れていた小学校や中学校の勉強を教えることで、自分の知識を深めることもできます。

公式などをすぐに覚えられる子は教科書通りの指導でもよく、そんなに苦労はしませんが、勉強が苦手な子には「なぜそうなるのか」を教科書よりも簡単に説明できることが時折求められ、基礎的なことを根本まで掘り下げて考え、伝える努力が必要となります。

手を変え品を変え、伝わる方法を模索するという経験は、家庭教師だけでなく他の仕事でも、後輩のトレーニングや他人に仕事を教える際、プレゼンテーションの機会にとてもためになります。

また、飲食店での仕事のように他の従業員もおらず、指導時は自分ひとりでの業務となるため、マイペースに仕事を行うことができます。

初めて家庭教師をするという方には研修制度が充実している派遣会社もあり、安心して指導に臨めます。

そのために注意・努力したこと

教師対生徒、教師対ご家庭と、お互いに全く知らない初対面の状況からのスタートとなるので、最初の頃はお互い緊張し、探り合うような状態になることが多いです。

中学生くらいにもなると、思春期でシャイな印象を持つ子が多く、初対面の人とどのように話をしたらいいのかわからず、黙り込んでしまう子も少なくありません。

そのため、返事がなくても根気強くこちらから話しかけたり、時には手法を変えて手紙交換をして教師自身のことを伝えたり、生徒へ質問をしてみたり、指導中には勉強だけでなく雑談なども混ぜ込んで、コミュニケーションを密にするように努めました。

そうすることで、徐々に自分の考えや悩み、不安、将来のことについて打ち明けてくれるようになりました。

また、保護者の方ともできる限り話をして、学校や家庭での様子を聞きとるようにしていました。

家庭教師としてご家庭に通うのは大抵が週に1度なので、学校の学習進度に合わせていくのは中々大変ですが、過去に躓いたままで克服できずにいる苦手分野が徐々に見えてくると、そこからはあきらめずにしつこく反復し、学習が定着するようサポートしていました。

数学だと案外、図形や分数など、小学生時代の学習で躓いている子が多い印象でした。

学校ではそこまでさかのぼって学習することはほとんどできないので、家庭教師だからことできることだと感じていました。

一方で、一緒に働く人がいないため、マイペースで仕事ができる分、指導時の相談などがしにくいという問題点もありました。

しかし、派遣会社の方に思い切って聞いてみたり、同じように家庭教師をしている友人や、塾で働く友人にも悩みを打ち明けてみると、ためになるアドバイスや経験談を教えてくれることもあるかもしれません。

もちろん生徒以外の誰も見ていないからと言って、だらけたり、仕事をさぼるようなことはしてはいけません。

子どもの成長、喜びを間近で見ることができる

勉強でわからない箇所が出てきたときに、答えをすぐに与えるのではなく、「こうしてみたらどうかな?」とこちらから声がけをして答えを導くことができたり、しつこいほど反復学習を繰り返し知識が定着すると、小さな成功体験が積み重なり、生徒もうれしいし、著者自身もうれしかったです。

もちろん、テストの点数が上がったり、受験校に合格したことの報告が来たことも大変に嬉しかったです。

また、これはあまりよくある話ではないかもしれないですが、一番うれしかった話をします。

発達障がいをもっている子どもを見ていたとき、コミュニケーションがうまくとれず、子どもが不機嫌になったり癇癪を起してしまうことが多々ありました。

子ども自身も、著者もどうしたら状況が好転するかがわからず、その度に苛々したりもやもやしたりしていました。

時には生徒が機嫌を損ねたままの状態で著者が退室し、そのまま帰宅することもありました。

しかし、あるとき同じようにうまくコミュニケーションが取れなかったときに、子どもが自制し、感情をコントロールしようとしている場面に遭遇したことがあり、そのときは涙が出るほどうれしかったです。

子ども自身、きっと不機嫌になったり癇癪を起してしまうことはあまりよくないことだと認識していて、今自分がどう思っているかを、行動ではなく言葉で伝えようとしてくれた瞬間でした。

そのために注意・努力したこと

どの子どもに対しても、諦めずに心をもって接することを心掛けていました。

基本的に受験指導が多かったので、よくも悪くも点数を上げることが主な目標とはなっていましたが、たとえ勉強ができなくても子ども自身は頑張っているし、地道にコツコツ反復して教え続ければきっと定着すると信じて、同じことでも何度も懲りずに指導しました。

よくできたときはきちんと褒めること、できなかったときにも頭ごなしに指摘するのではなくて、「惜しいね」「ここまではできてるね」など、きつい言葉は使わないように十分注意していました。

中学生という多感な時期に、学校の先生でも家族でもない大人と接する機会はそう多くはありません。

その大人からかけられる言葉にはそれなりの重みがあり、たった一言で自信をつけることにも、自信を失うことにもつながると思います。

ほんの一言、ほんの少しの態度、眼差しでも伝わることがあると思っていたため、できる限り慎重に、しかしゆとりと寛容さを持って、生徒と接することができるよう努力しました。

時間の融通が利き、自由度が高い

毎週何曜日の何時からと習慣的に通うご家庭もありましたが、多くは生徒の部活動や習い事とご家庭の用事、教師自身のスケジュールとで折り合いをつけて決めて行くことが多かったです。

1度の指導も60~90分と短時間ということもあり、わりかし時間の融通が利き、時間を有効利用することができました。

時間帯は土日祝か、平日の夕方以降が勤務時間となっていました。

学生の場合、ほかのバイトや部活、サークルをしていても掛け持ちで始めやすいですし、試験期間を避けて働くことができます。

また、体調が悪い時や急な用事ができたときには、別の日に改めて振替授業にすることができました。

学生はもちろん、社会人のダブルワークや主婦の方にも向いています。

ある程度のマナーは必要ですが、スーツなどの堅苦しい格好や制服など服装の決まりがなく、私服でリラックスして仕事ができることも魅力です。

そのために注意・努力したこと

自分でスケジュールを組み立てることができる分、宿題の準備や学習進度の確認を行う時間、派遣会社を介している際には報告書作成の時間を自らマネジメントする必要があります。

いちいちご家庭についてから学習進度の確認をしていると、短い時間がもったいなく、指導の時間が少なくなってしまいます。

また、急な休みとなってしまうようなときには、きちんとご家庭に連絡したり、振替時に改めてきちんと謝るなど、最低限のマナーを守るようにしました。

時給が高い

当時最低賃金が時給750円ほどの地方都市で働いていましたが、家庭教師の仕事は時給1,500円程度でした。

当時から数年経っているので、現在では地方都市では1,700円から、都市部では2,000円前後からスタートし、大学名によってはそれ以上の時給をいただける場合もあるようです。

教員免許はなくても始めることができます。

一度の指導は1~2時間なので、月にたくさん稼げるわけではないですが、交通費も全額支給されたこともあり、時給が良いのはうれしい点でした。

車の免許がなくても、公共交通機関で行けるところを紹介して頂くことができました。

また、ご家庭によっては休憩時間や指導が終わってから、お菓子やお茶、軽食を用意してくださるところもあり、いつももてなしてもらっていました。

そのために注意・努力したこと

派遣会社を通じた契約の際には、派遣会社へのマージンも含んでいるため、自分に入る給料よりも多額のお月謝を、お子様のためにご家庭が支払われています。

そのこともよくわかっていたため、きちんと勉強の成果が出たり、子どもの成長が見受けられるように、自分の持っているスキルは最大限活かそうと一生懸命働くことを心掛けていました。

家庭教師の給料は、こちらの記事を参考に!

まとめ

生徒の自宅でマンツーマンで指導をする家庭教師。

最初こそ緊張はするものの、生徒と過ごした時間の数だけ、その子の性格や学習面での苦手箇所が見えてきて、次来るときは何をしようか、こう教えたらいいかな?と思いながら毎週楽しみに、オーダーメイド的に指導ができる魅力がありました。

受験が終わると「先生のおかげで合格できました!」と言ってくれましたが、もちろんそれだけではなく、その子自身の頑張りのためであり、その姿を見ることでこちらも勇気づけられ、頑張ろうと思うことができました。

お金を頂きながらも、楽しく尊い経験をさせていただけるのが家庭教師の仕事です。

是非あなたも子どもとともに学びを高めることができ、やりがいのある家庭教師の仕事をしてみませんか?


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