家庭教師は、時間の融通が利く、短時間で高収入が得られるなどの理由で学生や社会人に人気のあるアルバイトです。

生徒や生徒の家族と信頼関係を築いて、指導方法の工夫や見直しをすることで、様々な指導方法を学びます。

教員を目指している学生にとっては、実際に教員がしている業務を体験することになり将来に役立つ仕事と言えます。

人と接する仕事のため、時には悩んだり行き詰まったりしてしまうこともありますが、嬉しいことや楽しいことも沢山あります。

今回は家庭教師の仕事内容や、私が実際家庭教師をしてやりがいを感じたこと、大変だと思ったことなどを紹介します。

家庭教師の仕事の流れ

指導日の日程調整

定期テストや実力テストの前には、回数を増やして指導してほしいという家庭が少なくありません。

複数の生徒を担当していたり、他にもアルバイトをしていたりすることもある家庭教師も多いでしょう。

教師と生徒双方の都合の良い日に日程を調整して指導日を決定します。

指導内容の確認

どの生徒にどの教科のどの単元を指導しているか、また指導する予定なのかを確認し、そのポイントをおさえておきます。

生徒が前回解けなかった問題やつまずいた箇所を確認して、指導方法を工夫し、見直して、次回どのような指導をするかを考えます。

参考資料が欲しい時は、家庭教師の会社に相談するとコピーを送ってくれることもあります。

指導方法についての悩みや困ったことがあったら会社に相談してみるのも良いでしょう。

指導

生徒の自宅に行き、指導をします。

指導は一対一で行うことが多いですが、兄弟や姉妹を一緒に指導して欲しいという家庭からの要望があれば、複数の生徒を指導することもあります。

こうだからこうなるというように教師が教え込むのではなく、生徒自身に考えさせながら指導をしていきます。

勉強の仕方が分からない、どのように考えて良いのか分からないという生徒も少なくありません。

そのような生徒には、問題を噛み砕いて説明し、時間をかけてゆっくり丁寧に指導する必要があります。

その日は分数の足し算しか指導ができなかったということもありますが、生徒が理解できるようになるまで焦らずコツコツと指導していくことが大切です。

宿題を出す

宿題は、復習としてはその日にやった内容と同じような問題を、次の単元の予習としては、ドリルや問題を出しておきます。

いずれも次回の指導の時に解けなかった問題について指導します。

中には、宿題を出しても全くやらない生徒もいます。

単に忘れていたとか面倒だったというだけなのか、やってみたけど分からなかったのか、理由を聞いて対応します。

指導内容報告書を作成し家庭に報告

どの教科のどの単元をどのように指導したかを報告書に記入し、家庭に提出します。

その際、どこが苦手なのかを伝えて、対策や今後の課題について家族も交えて話し合っていきます。

家庭教師の会社へ業務報告

家庭に提出した指導内容報告に加え、定期テストの結果や指導の反省、今後の見通し、課題などを記入して会社へ報告します。

指導方法の見直しが必要なときには、その生徒を担当している職員に相談して今後の見通しを立て、家庭にもその旨を伝えます。

どのように指導したら良いかを家庭教師が一人で抱えこむのではなく、担当者に相談して助言してもらうことで、より良い方法を見つけることができます。

家庭教師にやりがいを感じる5つのポイント

家庭教師は自身も常に勉強をして、成績を上げるために根気強く教え、生徒や生徒の家族とコミュニケーションを取らなければいけないので大変な仕事だと思う人も多いでしょう。

確かに色々と大変なことはありますが、だからこそやりがいを感じることもあります。

そのポイントをいくつか紹介します。

知識が広がる

教科書も問題の解き方も定期的に改訂されています。

自分が小・中・高では習わなかった出来事や単語などが教科書に載っていることもあり、自分が習ったのとは違う方法で問題を解くようになっていることもあります。

そのため家庭教師は、指導する前に教科書に沿った方法で問題を解き、ポイントとなるところをおさえておかなければなりません。

新しい方法を覚えて知識を広げられたりできることは、自分自身を高めることができ、それを教えることにはやりがいも感じられます。

生徒と信頼関係を築ける

集団への指導をする塾とは違い、生徒の自宅で生徒がリラックスした状態で指導をするので、生徒との距離が近く表情から理解度や体調などを知ることができます。

指導の合間に雑談などをして生徒の悩みや相談などを聞いたり、楽しかったことや嬉しかったことに共感したりしながら信頼関係を築いていきます。

生徒と信頼関係ができると、学習の理解度や、何がどのように分からないかなどを理解しやすくなります。

生徒と「分かった」という喜びを共感できる

教師が一方的に生徒に教える方法もありますが、それが生徒にとってベストではないこともあります。

生徒ができるだけ自分で考えられるようにヒントを与えたり、一緒に問題の意図や解く方法を考えたりして、生徒に寄り添った指導をすることで生徒と一緒に「分かった」という喜びを共感することができます。

生徒の成績が上がる

解けない問題を何度も解いたり類題を解いたりして積み重ねた結果、試験の成績が上がった時には生徒と喜びを共感できます。

特に勉強が苦手な生徒に対しては言い回しを考える、問題文の中のヒントにマークをつける、ノートの取り方をカラフルにするなど、生徒の性格や興味、関心を捉えて生徒に合った方法で指導していくようにします。

指導方法を見つけるまでに時間がかかることや、行き詰まって悩んでしまうこともありますが、生徒に合った指導方法が見つかり、生徒がやる気を出して成績が上がった時は喜びもひとしおです。

生徒から頼りにされる

生徒から友達関係の悩みや恋愛の悩みなどを相談された時には、頼りにされていると感じることができます。

生徒と一緒に考え一緒に悩んで、その悩みが解消した時には生徒と感情を共有でき、信頼関係が深まります。

ただし、悩みを聞いている時間が長くなって指導ができなかったということにならないように留意しなければなりません。

親身になって悩みを聞いている内に、教師自身がその悩みの解決に躍起になってしまわないよう、ある程度一線を引いて冷静に対応することが必要です。

やりがいを持って働くために必要なこととは?

家庭教師は勉強を教えるのが主な仕事であり、そのためにある程度の学力を要することが前提ですが、ただ教えるだけでは生徒の成績は上がりません。

家庭教師という仕事を続けていくために必要だと思うことを紹介します。

コミュニケーション能力

勉強が苦手とか、人見知りであるなど、生徒の性格や勉強態度は様々です。

子どもは知らない大人に対して様々なことを言ったり、わざと反抗的な態度をとったりして反応を見て、その大人がどういう人かを確かめようとすることがあります。

教師も人間なのでカチンとくることはありますし、生徒との相性が悪いと感じることもあるかもしれませんが、大人として生徒と上手くやっていける距離感をつかみ、コミュニケーションをとりながら指導していくことが大切です。

洞察力

生徒の性格や学力に合わせた指導をするために、生徒がどのような性格なのかを把握し、どのような言い回しが理解しやすいのかを知る必要があります。

最初の内は教師も生徒も緊張していて、言動から性格を把握したり理解したか否かを確認したりするのは難しいと思いますが、どんな会話や言い回しをした時にどんな反応をしたかを覚えておくと、その生徒の指導方法を考える手立てになります。

発想力

自発的に勉強しようとする生徒もいますが、勉強が苦手な生徒だと家庭教師と勉強する時間が苦痛になることがあります。

そのような生徒の多くは、どのように勉強したら良いかが分からなくて、勉強は楽しくないと思っています。

生徒がどんなことに興味・関心があるかを把握し関連づけるなどして、楽しみながら勉強ができるように授業を組み立てます。

教科書やテキストに書いてあることをベースに、発想を膨らませた指導をすると効果的です。

柔軟性

家庭からお金を頂いて教えているので、限られた時間内にできるだけ効率良く沢山問題を解けるように指導したいと考えますが、そうもいかないこともあります。

生徒に元気がないとか疲れているようなら話を聞いてあげ、授業のペースを落とすなど、生徒の気持ちに寄り添う必要があります。

定期テストや受験前など、真剣に勉強に取り組まなければならない時期に生徒が勉強に身が入らない状態だと、イライラすることや厳しいことを言ってしまうこともあります。

生徒の状態に合わせて柔軟性を持って対応すれば、生徒は教師を信頼できる存在と感じ、元気を取り戻すこともあります。

家庭教師の仕事で難しいと思うことは?

勉強が苦手な生徒と家族の板ばさみになる

勉強が苦手で全く勉強をしようとせず、定期テストで低い点数をとり続けていた生徒が、受験を目前にして夏休み明けから家庭教師を依頼するということもあります。

それまでほとんど勉強をしたことがなく、小学生レベルの計算や漢字の読み書きも苦手だといった話をよく聞きます。

学力を底上げするためには時間を要しますが、ほとんど勉強をしたことがない生徒に毎日3時間以上勉強するように言ったところで実行することは難しいようです。

受験に向けて子どもに勉強をさせたい家族と、勉強をしたくない生徒の板ばさみになるとどうしたら良いか分からなくなり難しいと感じます。

スケジュールが合わせられない

スポーツの選手に選ばれたことで、練習や練習試合等で指導日が変更になる場合があります。

担当している生徒が少なかったり、他の生徒の日程調整がしやすければ問題ありませんが、他の生徒が他にも習い事やスポーツをしている場合は日程を調整するのが難しくなってきます。

家庭教師の会社によっては予め1ヶ月の回数を設定しているところもあります。

家庭の事情により回数を消化できない場合は、次の月に持ち越しできるようですが、試合に勝ち進んで県大会や全国大会に行くとなると、日程調整が難しい状態が続いてしまいます。

家庭教師側が努力してどうにかなるという問題ではないため、各家庭に日程を聞いて調整していく必要があり、それを不満に思う家庭に上手く説明しなければならない場合は難しいと感じます。

突然苦手な科目も指導しなければならない

定期テストや実力テストが近いと、普段指導している教科以外の教科も指導してほしいと依頼されることがあります。

それが教師にとって得意科目であれば、考え方や知識を教えることができますが、苦手科目だとある程度の準備をしておく必要があります。

家庭教師としてどの科目もある程度の知識があることは必須ですが、苦手な科目の問題を解けることと教えることは全く違います。

何の準備もなく、生徒の自宅に行ってから苦手としている科目を教えてほしいと言われると、指導が難しいと感じます。

まとめ

家庭教師の仕事は勉強を教えるのが主な仕事ですが、単に勉強を教え込むだけでなく、生徒とコミュニケーションを取り、生徒が楽しく勉強できる環境を整えることが大切です。

そのためには生徒の性格や興味・関心を把握し生徒の言葉に耳を傾け、気持ちに寄り添うなどして信頼関係を作っていく必要があります。

しかし、家庭教師と生徒の相性もありますから、全ての生徒と上手くコミュニケーションが取れるとは限りません。

その場合は、お互いにとって良い距離感をつかんで指導にあたるのが無難です。

家庭教師は、生徒や生徒の家族と信頼関係を築いていかなけれならないため、時には人間関係に悩むこともありますが、やりがいがあると感じることも沢山ある仕事です。

生徒や生徒の家族から学ぶことも多いので、真摯に受け止めてコミュニケーションを取り、家庭教師自身も楽しんで指導するようにしましょう。


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