同じ企業であっても、様々な働き方があります。

正社員、契約社員、派遣社員、パート、アルバイト、インターンなど。

その中でも、派遣社員と正社員の違いとはどんなところなのでしょうか。

それぞれのメリット・デメリット、そしてどういう人にどういう働き方が合っているのか、実際に私が正社員と派遣社員を両方経験したことから、その違いを検証していきます。

正社員と派遣社員の違い

正社員と派遣社員は、同じ職種だったとしても、雇用形態が違うということから様々な点で違いがあります。

雇用主

雇用形態によって雇用主は変わってきます。

正社員であれば本人と企業が直接契約を結び、終身雇用が前提となります。

なにか解雇に値するような事例が起きたり、会社の経営難などがない限り、企業は定年まで雇用し続けることになります。

退職する際は直接上司や人事に申し出ます。

派遣社員は派遣会社と雇用契約を結んでいますから、派遣会社が雇用主となります。

そのため、なにかあれば、まずは派遣会社に相談します。

途中退職する場合も、職場の上司ではなく、派遣会社に伝えることになります。

給与形態

正社員は、勤務先の企業から給与が支払われます。

基本的に月給とボーナスが支給されます。

中には年俸制度の企業もあるようです。

派遣社員は、時給制がほとんどです。

ボーナスはありません。

勤務している企業からではなく、派遣会社から給与を支給されます。

残業手当については、フルタイム勤務かどうかで計算の仕方が変わってきます。

法廷労働時間の基本的な勤務時間が、1日8時間、週5日で週40時間となっています。

この時間を超えて勤務した場合は、企業は基本給より125%以上割り増した給与を払う義務があります。

また、深夜早朝にかかる時間に残業が発生した場合は、その手当分をさらに支払います。

正社員であれば、ほぼフルタイムで勤務していることが多いので、残業すれば割り増した残業代が払われることになります。

派遣社員も、フルタイム勤務であれば基本は同じです。

時短などで勤務していれば、その時間に応じて週40時間を超えたときから割り増し残業手当が付くということが定められています。

勤務時間・休日

正社員はフルタイム勤務が多くなります。

フレックスタイムや自宅勤務を取り入れる企業は増えていますが、派遣社員やパートタイムのように、短い勤務時間や週休が3日以上という働き方の選択肢がほとんどないのが現状です。

残業の有無に関しては、企業によってかなり異なってきます。

正社員であると、配属された職場によって、または上司のタイプによって左右されるところが大きくなります。

自分で部署を選ぶことはほとんどないので、会社の方針、部署方針に従うことになります。

派遣社員であれば、初めから勤務条件が週3日勤務・午後4時までといった選択肢もあります。

子育て中の主婦やダブルワークに人気なのは、そういった融通が利く点からでしょう。

残業はあることもありますが、その場合は残業の可能性があるということを契約時点で伝えられることになっています。

求人への応募の仕方

正社員は、直接企業に採用されるため、まずは会社説明会に参加したり、人事部に採用の有無を確認することになります。

新卒であれば学校で就職活動をサポートしてもらい、推薦などもあります。

中途であれば基本的に自分で動かなければなりません。

派遣社員の場合は、多くの求人案件を持っている派遣会社に登録することで、仕事を紹介してもらいます。

大手の派遣会社や専門分野に強い派遣会社など、数多くの派遣会社が混在しています。

情報量の多い大手に登録すると、仕事を紹介してもらえるチャンスは多くなるでしょう。

初めから分野をしぼって活動したいのであれば、その分野に強い派遣会社を探して登録しましょう。

契約期間

正社員は基本的に終身雇用です。

自ら退社したり、解雇にならない限り、企業には雇用責任が生じています。

日本では今も終身雇用の考えは根強く、欧米のように転職を繰り返しキャリアアップしていくというのは、それほど多くないというのが現実です。

実力があればヘッドハントされて、転職するごとに報酬や待遇が上がっていくというドラマのような話は、ごく一部のことのようです。

派遣社員は、3年以内しか一つの企業に勤められないという規定があります。

紹介予定派遣であれば、一定期間勤めたあと、正規社員として採用されることもあります。

採用面接や試用期間を必要とせず、実務の中で適正を見極められるシステムで、双方にとって有益な方法です。

任される仕事の範囲や責任の度合い

派遣社員で仕事をしていて、物足りなさを感じるという声をよく聞きます。

それは、やはり派遣社員は部外者なのだと感じる時です。

仕事内容は正社員と変わらない内容をこなし、信頼を築いていても、正社員にしかできない業務や権利が存在します。

長く勤めていても、入ってきたばかりの新入社員に権限が多く与えられているという場面もあるでしょう。

人間関係

人間関係については、職場によって全く違うので、正社員か派遣社員かで違いがあるというわけではないと思います。

しかし、実際派遣として働いてみて思うのは、職場によってはかなり孤独を感じることも覚悟しなければいけないということです。

私が勤めていたのは大手総合商社で、派遣社員の数が多く、ほとんど同じ派遣会社から派遣されてきているので、結束が強く孤独を感じることはあまりありませんでした。

しかり、私が正社員で勤めていたメーカーは、あまり派遣を採用しない方針の会社だったので、数少ない派遣社員さんが1人でランチを食べているのをよく見かけたものです。

出世とやりがい

感じ方はひとそれぞれなので一概には言えませんが、派遣社員は責任を伴う業務や決定権や発言権を与えられにくいのが現状です。

いずれは役員になりたい、大きなプロジェクトを動かしていきたいなど、将来的なビジョンがある人にとっては、正社員で着実にキャリアを重ねていくことが近道と言えます。

もちろん、色々な経歴を重ねて、企業の役員としてヘッドハンティングされるなどの実力者も中にはいますが、それはほんの一握りの人たちです。

正社員のメリットとデメリット

正社員のメリットとデメリットを挙げてみましょう。

メリット

安定した雇用

正社員の一番のメリットは、なんといっても安定した雇用です。

ローンを組む際にも、安定した雇用が必要になります。

クレジットカードを作るのもスムーズです。

毎月安定して給与を得られるというのは、気持ち的な安定も大きいと言えるかもしれません。

福利厚生

企業の福利厚生が受けられます。

企業の規模や方針によって内容はかなり異なります。

業種によっては自社製品やサービスを格安や無料で手に入れることができることもあります。

自社の製品が好きで入社した人にとっては、こういった特典はとても嬉しいものです。

将来性

同じ企業に長く勤務すれば、昇格が見込めます。

上手くいけば、大企業で出世コースにのっていずれは役員クラスになることも可能です。

そうなれば、給与は大きくアップし、派遣社員では稼ぐことが難しい額の給与をもらうことができます。

デメリット

長期休暇がとりにくい

有給休暇はありますが、派遣社員のように次の仕事を始めるまでのインターバルを取ることができません。

夏休みや年末年始の休みは混雑し、料金が高くなるため、好きな期間に出かけることができないことを不便に感じることはあるでしょう。

実際、私が正社員を辞めた理由は、半年〜1年ほど海外に行きたいと思ったからです。

欧米の企業であると、1年単位で休業して元の会社に戻れる制度や、大学などで学ぶ期間だけ会社から離れることができる制度も増えています。

日本は遅れを取っているものの、少しずつそういった制度を取り入れる企業は増えているようです。

勤務条件や仕事内容に選択権がない

基本的に配属される職場や仕事内容は、会社からの指示に従います。

希望を伝えることはできるかもしれませんが、入社前からその内容が提示されるということは少ないようです。

中途採用では、ある程度即戦力として働くことを前提に配属されますが、転勤や配置転換などがあり得ます。

辞めにくい

正社員として一度就職すると、辞めるというのは簡単ではありません。

法律としては、2週間以上前に申し出れば退職可能となっていますが、伝えてから2週間で本当に辞める人はほとんどいません。

急に辞めれば周りに迷惑がかかりますし、職場から最低でもこのくらい前には伝えてほしいという暗黙の了解のようなものは存在しているでしょう。

私の勤めていた部署の上司からは、辞める際は半年以上前に申し出てほしいと言われました。

結婚や出産、転職などの大きな理由がないと、辞めるとは言いにくい雰囲気でした。

派遣社員のメリットとデメリット

メリット

好きな期間だけ働ける

選択肢は多く、1ヶ月程度の短期の仕事から3年のものまで都合に合わせて選べます。

正社員と違い、選択肢の幅が広いのは派遣社員の大きなメリットといえます。

例えば、あまり体力に自信がなく徐々に仕事量を増やしていきたい、というような方も始めてみることができます。

誰もがフルタイムでしっかり働けるわけではないので、こういった選択肢があるというのは大きなことです。

スキルを活かした仕事ができる

初めから業務内容、部署なども決まっているので、スキルを活かした職種を選択することができます。

仕事を始めてから、思っていた内容とあまりにかけ離れているという事態を防ぎやすいと言えます。

私の友人で、いずれはフリーのライターで食べていくために、経験を積むため出版社で派遣社員をしている人がいます。

いろんな職場を体験することで執筆活動の幅も増え、一石二鳥だと喜んでいます。

職場の人間関係にとらわれない

実際に私も仕事をしてみて、派遣社員の方が職場の方たちとドライな付き合いができると感じました。

積極的に関わろうと思えばそれも可能でしたが、中には仕事以外のお付き合いは一切お断りという派遣さんもいて、仕事さえこなしていれば問題はないという雰囲気でした。

職場によっても状況は変わってきますが、正社員さんに比べると、職場の人間関係から一線を引きやすいとは言えます。

派遣会社から守ってもらえる

勤め先企業において不当な扱いがあったり、問題が生じた場合、派遣会社に相談することができます。

直接上司などに伝えることは難しいことも、派遣会社を通して伝えることができるのは大きなメリットでしょう。

派遣会社側にも紹介した責任がありますので、あまりにも契約内容と違っていたりコンプライアンスに反する場合は、対応が求められます。

デメリット

次の仕事がある保証はない

派遣として一つの仕事を満了したら、また職探しをしなければなりません。

年齢が上がってきたり、スキルが伴っていないと仕事が決まりにくくなっていくという現実があります。

安定して長く勤められる正社員とは違い、いつ次の仕事がなくなるかわからないという不安定さを抱えています。

「派遣切り」という言葉が大きくニュースで取り上げられたことは記憶に新しいでしょう。

派遣はそういった意味で、企業には継続採用する義務がないため、弱い立場であるとも言えます。

責任ある仕事がまわってこない

派遣社員さんにプロジェクトの責任者を任せたり、会議でたくさん発言させる、という話はあまり聞きません。

やはり長く勤める社員を育てていくために、責任ある仕事は正社員に任せるというのが一般的なようです。

まれに、とても仕事のできる派遣社員が責任ある仕事を任されることもあるようですが、中規模以上の会社ではまずあり得ないと思っておいた方がよいでしょう。

交通費や福利厚生が充実していないことも

交通費が出ないことも多いのが、派遣社員の大きなデメリットです。

福利厚生に関しては、派遣会社が最低限は用意しているのが通常ですが、最近は充実したものも増えているようです。

大手などは、割引で研修を実施していたりお得なことも多いので登録する際に確認してみましょう。

それぞれの働き方は、こんな人におすすめです!

それぞれの働き方は、どんな人におすすめなのでしょうか。

具体的に挙げてみましょう。

正社員

責任ある仕事をこなし、発言権も持ちたい人

終身雇用を前提にしている正社員には、責任ある仕事や決定権を与えられるチャンスがあります。

長い目で見て同じ企業でキャリアを積んでいきたいなら、正社員になった方が確実でしょう。

安定して長く勤めたい人

仕事の期間が満了することはなく、長く勤めることができるのが正社員の強みです。

近年は公務員が子どもに人気の職業で上位に入ったりと、安定志向が強まる傾向にあります。

会社の福利厚生をしっかり受けたい人

会社の製品が好きで入社した人にとっては、会社の商品を格安で購入できたりするのも嬉しいものです。

大手企業などは福利厚生が充実していることも多く、正社員はその恩恵をしっかり受けることができます。

派遣社員

期間限定で働きたい人

ずっと同じ職場で働くのではなく、決まった期間だけ働きたい人にとっては、派遣社員は手軽でおすすめな働き方です。

契約期間中に辞めると契約違反となるため、契約を満了することは大前提ですが、満了後に企業側から契約更新を希望されることもあります。

その際は更新するもしないも本人の自由です。

自分のペースで働きたい人

仕事とプライベートのライフワークバランスを取りやすいのも派遣社員のメリットです。

プライベートを充実させながらマイペースに働きたい人に向いています。

職場の付き合いなどをあまりしたくない人にとって、派遣という立場は飲み会などを断りやすいためおすすめです。

主婦業や介護などと両立したい人

家事や子育て介護に忙しくフルタイムで働けない人に、派遣という働き方は向いています。

残業なし、子どもが帰ってくるまでに帰宅する、という働き方を可能にしてくれます。

色々な職場を経験したい人

一つの場所に長くいるのが苦手で、いろんなことを経験したいという好奇心旺盛な人にも、派遣が向いています。

全く違う職種を経験することも可能です。

制服のある職場で働きたい、秘書限定で探したいなどの要望も伝えることができます。

もちろん、仕事をこなす能力があることが前提になりますので、すぐに希望の職場が見つかるためにはスキルを身につけておくことが必要です。

婚活女子

賛否両論あると思いますが、結婚相手を探したい女子には派遣がおすすめだと個人的に思っています。

まずは、出会いの数が多いということです。

正社員のように一つの職場にずっといる必要がないので、いい出会いがなくても次の職場でまたチャンスは巡ってきます。

男性の多い職場や、給与の高めの業界を選ぶといったことも可能です。(もちろん、派遣会社の希望調査には書けませんが・・)

近年は共働きを希望する人が増えているため、収入の安定面では派遣は避けられる傾向にあると言われていますが、いずれにしても出会いの場が多ければチャンスは広がると思います。

実際に働いてみて、どっちが良かった? ~経験者のホンネ~

私は新卒で大手メーカーに就職し、4年間正社員として勤務したあと、半年ほど海外留学をしました。

帰国後、またお金を貯めて海外に行きたいとの思いから、期間限定で働ける派遣の仕事を1年単位で2社ほど勤務しました。

結果的には、どちらの働き方もその時の私に合っていたと思います。

新卒の時は、仕事を一から教えてもらえる新入社員として、先輩社員に付いて仕事をし、メーカーの営業事務としてキャリアを積みました。

そのおかげで、業務の流れや会社というシステムを一通り理解できたと思います。

その上で派遣社員として、総合商社と、放送局の研究所で事務を担当した際は、ある程度の仕事の流れはすぐに理解することができました。

派遣は即戦力として採用されることがほとんどです。

業務をゆっくり教えてもらうことは期待できません。

どちらも体験してみてよかったというのが本音です。

その時のライフステージに合った働き方をうまく選ぶことができればベストです。

求人を探すときに注意したいポイント

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正社員

まずは企業選びを慎重にしましょう。

派遣社員のように期間限定であれば、多少気に入らない職場であっても少しの辛抱と割り切れるかもしれませんが、長く勤めることが前提の正社員は、まずきちんと企業研究をした上で職探しをすることは当然のことです。

将来像なども具体的に考えて、何年後にはどうなっていたいという目標も立ててイメージしていくことも良いでしょう。

派遣社員

自分のスキルをのばせる仕事を探しましょう。

派遣は、スキルを売りにしている仕事です。

資格や知識を増やせば、派遣としての質を上げていくことができます。

職場は変わっても、その場で必要な業務を遂行することができるプロであるという意識を持って、活動しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

正社員か派遣社員か、どちらにもそれぞれ利点はあります。

どちらが正解ということはありません。

自分のライフスタイルに合った働き方をぜひ探し出してください。

どちらがいいのか悩んだ時の参考になれば幸いです。


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