看護師の仕事をしていて夜勤が辛かったり、人間関係に悩まされていたり、自分には看護師が向いていないのでは?と悩んだりしたときに、ふと「看護師から他の仕事に転職してみるのはどうだろう」と考えたことはありませんか?

せっかく専門学校に通って取った資格だけど、やっぱり看護師の仕事はやめて他の仕事に転職したい、と考えた看護師の中には看護師から他の仕事に転職して失敗する方が多くいます。

そしてやっぱり看護師に……と戻ってくる方も多くいます。

しかし、中には看護師から他の仕事に転職して成功する人もいます。

その差は何があるのでしょうか。

いくつかのケースをもとに見ていきましょう。

看護師から他の仕事に転職して失敗する5個のケースとは?

私がみてきた看護師の中で看護師から他の仕事に転職して失敗するケースには大きく分けて5つのポイントがありました。

看護師は高校や大学を卒業して専門学校に通い、そのまま看護師になったという方が大半です。

それゆえに、看護師以外の仕事内容や待遇について知らないということが大きく理由としては挙げられます。

具体的に見ていきましょう。

看護師は売り手市場だったが、他の仕事は求人が少ない

看護師から他の仕事への転職を考える方が一番にぶつかる壁がこちらです。

看護師のときは、どんなにブランクがあっても、新卒であっても引く手あまたであったのに、一般企業の求人となるとそもそもが少ないうえに書類で落とされることがとても多く、驚きます。

もちろん、医療系の会社など看護師の資格があることで優遇される会社もあるのですが、完全に医療関係の仕事以外で探そうとすると求人数自体も少ないことに驚く看護師は多くいます。

そして、看護師であればブランクがあっても職歴が刻んでいてもほとんどの場合あまり突っ込まれたり気にされなかったものですが、一般企業ではかなり気にするポイントであることもあります。

そのため、ブランクがある場合や、数多くの職場を経験している場合には納得性のある前向きな回答を用意しておくと良いでしょう。

固定給や時給の低さにがっかりする

看護師はもともとの時給や月収が多く、さらに夜勤などに入ることで一般的な会社員よりも良い給与待遇を受けています。

新卒からずっと看護師をしていた方のなかには、それが当たり前だと思っている方や、当たり前だと思っていないけれどついついその給与を基準にした生活水準をキープしている方が多くいます。

しかし、看護師以外の仕事につくと、そもそもの固定給や時給が看護師よりもかなり低いうえに、夜勤がないので当然「夜勤手当」もなく、想像以上に稼げないという現実に驚きがっかりする方は多いようです。

せっかく学んだ看護の手技や知識が活かせないことへのストレスがたまる

もし仮に看護師から他の職種への転職に成功した場合であっても、せっかく専門学校で時間をかけて勉強し、さらに実習や研修などを経て習得した手技や看護知識が生かせずに、新しい職場では「完全に素人」として扱われることや、またイチからのスタートとなってしまうことにストレスを感じる元看護師は想像以上に多くいます。

最初は看護師の仕事や注射などがいやになったから転職したいと考えていたにも関わらず、いざ看護師以外の仕事に携わるようになるともったいなかったのではないあと思い悩んでしまうのです。

看護師しか経験していないと「ビジネスマナー」などの社会常識に欠けている場合がある

看護師として医療機関でしか働いた経験がな場合、一般的な社会人に求められる「ビジネスマナー」や社会常識が欠落していると指摘されたり、自分でも不安に思うことが多くあります。

クリニックや病院であれば、院長が「神様」であり「法律」であったのに比べ、看護師や医師以外の世界では「社会人としての常識」が常識の軸になります。

特に同じ病院やクリニックに長年勤めていた場合などであればその病院やクリニックの常識しか知らず、その「常識」が偏っていることもあります。

そうしていざ看護師以外の仕事に就いた際、一般社会の常識とは外れた行動をとってしまい、「こんな一般的なビジネスマナーや社会常識も知らないの?!」と指摘されたり怒られることで苦労する看護師は多いようです。

そして結局自分に自信を持つことができなくなり、看護師に戻るという方も多くいます。

これは事前に防ぐことができます。

普段から看護師以外の友人と積極的にコミュニケーションを取ったり、本やテレビなどで「看護師ではない人はどういう感覚でいるのだろう」と興味を持つことです。

しかし多くの看護師は忙しかったり、看護師以外の職種への興味が薄かったりすることも多く、いざ看護師を辞めようと考えた際に苦労する方は多く存在します。

エクセルやパワーポイントなどのパソコンスキルがなく苦労する

多くの会社ではパソコンでエクセルやパワーポイントなどのパソコンスキルが求められます。

しかし、看護師は基本的にはエクセルやパワーポイントなどを使用する機会はありません。

難しい最新医療機器は扱うことができたとしても、パソコンは苦手だという看護師は多く、パソコンスキルがハードルとなって、面接で「エクセルやパワーポイントなどのパソコンスキルが皆無だとそもそも仕事にならない」と言われてしまい、転職をあきらめてしまった看護師の方もいました。

もし看護師として勤務している病院やクリニックで日常的にエクセルなどを業務の一環で利用しているのであれば、とてもラッキーかもしれません。

パワーポイントは、そこまで複雑ではないので、自宅のパソコンなどで試しに触ってみると良いでしょう。

看護師が転職する際にここだけは気を付けたいこととは?

それでは、看護師が全く異業種の仕事に転職をする際に「ここだけは気を付けたほうがいい」ということはあるのでしょうか。

転職を考えた際にすべきことや、普段からすべきことがあります。

4つのポイントで見ていきましょう。

転職活動を始める前に行きたい業界を決める

まずは、なんとなく看護師以外ならなんでも!という決め方をしないことです。

なぜ転職したいと考えているのか、医療業界自体が嫌なのかそうではないのか、また、自分はどんなことに興味があってどんなことをしたくないのかなどです。

たとえば看護師として働くことには疲れてしまったけれど、医療業界では引き続き看護師の仕事を活かして働きたいのであれば、医療関係の会社への就職も視野に入れることができます。

しかし、看護師として働くことだけでなく医療業界自体からもう離れたいと考えているのであれば、全く違う道を選ぶ必要があります。

自分はどうして転職したいのか、行きたい業界はどんなところなのかについて考えてみましょう。

もしかすると看護師から他の職種に転職する必要がない場合もあります。

例えば夜勤が嫌で看護師を辞めたいと考えているのであれば、クリニックへの転職を検討するなど看護師として勤務先を変えることで解決できるかもしれません。

あるいは注射などの手技が苦手で辞めたいと考えているのであれば、美容クリニックや皮膚科などに勤務すれば注射などの手技が不要な場合もあります。

本当に看護師を辞めなければ自分の望むことが叶わないのか、あるいは勤務先を変えることで解決できるのかは冷静に見極めることが大切です。

看護師自体を辞めたい場合であれば、なにがしたいのかだけではなく、自分には何ができるのかも合わせて考えてみましょう。

転職をする中で履歴書を見た面接官は必ず「なぜ看護師を辞めてまでうちの会社に?」という質問をするはずです。

趣味で続けてきた得意なことや、これから目指したい仕事があるのであれば、他職種への面接でも違和感なくスムーズに回答することができます。

しかし、なんとなく楽そうだから……といった理由で選んでしまうと、その回答の説得力が薄く、内定を得ることができないことでしょう。

可能であればストーリーとしてスマートになっていると良いです。

たとえば健康食品の会社に応募する際に「困っている人を助けたいという想いがあって、看護師の道を選んだ」→「看護師をするうちに病気になることを事前に防ぐことの大切さをもっと多くの人に伝えたいと思った」→「そこで栄養について独学で勉強しフードコーディネーターの資格を取った」→「資格取得の中でより興味がわいてきたので、食を通じて人々の健康を守る仕事がしたいという想いが芽生えた」という流れで志望理由を回答するととても説得力があります。

流れが自然ですし、その過程の中で資格取得や勉強など自分から動いているところも評価できます。

こういう流れを、たとえ後付であったとしても面接時に答えることができる看護師は、他職種への転職に成功することができます。

行きたい業界を決めたら、必要とされる知識やスキルなどを確認する

次に、その行きたい業界についてどんなスキルや知識が必要とされるのかについて調べたり、確認したりしてみましょう。

たとえばパソコンはどのくらいできないといけないのか、運転免許がないと応募すらできないなど、どのような人物を求めているかや必要とされるスキルには何があるのかを調べます。

看護師の経験がプラスになるのか、なども併せて確認しておきましょう。

プラスになるようであれば面接などで重点的にアピールしたいからです。

もちろん、パソコンのスキルやビジネスマナーなどは看護師としても持ち合わせていれば、自分自身のスキルとして活用できたり、患者様とのコミュニケーションに役に立ちます。

余裕があれば業務時間外にエクセルやパワーポイントの使用に慣れておいたり、ビジネスマナーの本を読むなどスキルアップの一環としてチャレンジしてみるのも新鮮で楽しいかもしれません。

看護師以外の仕事をしている友人と積極的にコミュニケーションを取る

さらに、一般の会社員の友達がいれば積極的に話を聞いてみましょう。

看護師の世界は想像以上に狭いことがあります。

看護師の仕事をしている自分にとっては「そんなことありえない!」と驚くようなエピソードであっても、一般の会社員の友達にとっては「普通のことであり日常茶飯時」ということもあります。

そういった感覚や価値観のズレなども、最初は人から聞く程度で良いので、「こんなに違うんだ」と認識しておくだけでも転職後のギャップを減らすことができます。

可能であれば普段から看護師以外の友人の話を聞いておいたり、他の世界について触れておけばいざ他職種への転職を考えた際にも不安は減らすことができます。

看護師の知識を活かすことや好待遇を捨ててでも他の職種に転職したいのかを考える

最後に、これらのことを総合的に判断して、看護師の勉強してきた内容が生かせない場所への転職や、場合によっては給与などの待遇が下がってしまう場合であっても自分は他の職種に転職したいのかどうか考えましょう。

なぜ転職したいと思っていて、今よりも得られるメリットは果たして増えるのかどうか、あるいは将来自分が目指している場所につながるのかどうかを考えると良いでしょう。

「一時的には手取りが下がってしまうけれど、子どもの頃から憧れていたネイリストになれるから満足している!」「これからはできるだけ子供と一緒に過ごすことを優先したいからシフト制かつ夜勤のある看護師ではなく一般事務の仕事で決まった時間に時短で働きたい!」など、それぞれの理由が明確になっており、自分自身が納得できるのであれば問題ありませんし、その転職は成功であるといえるでしょう。

まとめ

看護師から他の仕事に転職して失敗する方の特徴や原因、そして成功するための方法についてご紹介しました。

なんとなく今が辛いから、という安易な理由や逃げたい一心で看護師以外の仕事に就こうと考えると、多くの場合失敗してしまいます。

よほど「今は看護師だけど今後のキャリアを考えて、この仕事にチャレンジしてみたい!」という覚悟と準備ができていないのであれば早まって転職活動を開始しない方が良いでしょう。

しっかりと考えたうえで、それでも看護師以外の仕事に転職したいと考えるのであればまずは準備をして他職種への転職に備えましょう。

そうすれば看護師でなくなったとしても、満足度の高い転職活動になるのではないでしょうか。


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