看護師は売り手市場のため、数多くの求人を紹介されたり、募集していることもあり、自分にとって良い転職先を選ぶ方法が分からず迷ってしまうかもしれません。

看護師が転職先の医療機関を選ぶ時や、入職先を決定する際に注意すべきことにはどのようなものがあるのでしょうか。

また、注意しなければならない危険な看護師求人を見分けるポイントはあるのでしょうか?

元看護師向け転職エージェントが解説していきます!

看護師が転職先を選ぶ時に注意すべき4個のこととは?

看護師の求人数は年々増え続けており、看護師専門転職エージェントのサイトで軽く検索をしてみるとその検索結果の多さに驚きます。

しかし、その中で自分が転職して良かったと思える転職先はどのくらいあるのでしょうか。

看護師が転職先を選ぶ時に注意すべき4個のことを見ていきたいと思います。

求人に掲載されている内容と本当の実態に乖離がないか

「この求人は私の希望する条件にぴったりあてはまる!」と思い、応募してみたら内定がもらえ、無事転職活動は終了。

満を持して入職したら全然条件がちがった……!

残業がないって書いてあったのに実際には「残業はない」けど、「自主的なサービス残業」が蔓延している……!

そんなことも決して珍しくはありません。

その場合には条件が異なっていたと退職したくなるものですが、だれもが簡単に転職と入退職をくり返すことができるわけではありません。

できれば事前にチェックしておきたいですよね。

そのため、求人に掲載されている内容とその実態に乖離がないかは可能な限り事前に調べておきたいもの。

看護師転職専門エージェントに登録しているのであれば、実際に担当コンサルタントがその医療機関に足を運んで確認したり、担当者と話をしていることがあります。

当然看護師転職専門エージェントの担当コンサルタントは信用のうえで成り立っている商売なので、もし足を運んだ際に違和感を感じたり、「実はサービス残業が多いんだけど残業なしって書いておいてよ」なんて言われた場合には、それをしっかりと看護師さんに伝える義務があります。

とはいえ、看護師転職専門エージェントも全ての求人掲載先に足を運んでいるわけではない場合もありますし、医療機関によっては看護師転職専門エージェントの担当コンサルタントにもその実態を隠し通している場合もあります。

そこで、応募したいと思っている医療機関や、実際に選考が進んでいる求人の実態について、よほどの遠方でない限り自分の目で確かめることが大切です。

面接時に中を見学させてもらうのはもちろん、夜遅くにその医療機関を訪れ、看護師がどのくらい残業しているのかをチェックするのもありでしょう。

内科や皮膚科など自分が患者として訪れることができるような医療機関なのであれば、一度患者として訪れるのも手段のひとつです。

本当に人間関係が良い職場では「風通しの良い職場」とは書かない

求人で良く目にする「風通しの良い職場です!」という文字。

なんとなく「人間関係が良いのかな」と感じてしまいがちですよね。

しかし、本当に人間関係が良い職場であれば、もっと具体的なエピソードが出てくるはずです。

同じように「笑顔の絶えない職場」なども怪しい場合があります。

もちろん、中には本当に「笑顔の絶えない職場」で「風通しの良い職場」であることもありますが、その文章を使うところが人間関係が良いわけではない可能性には理由があります。

求人は、各医療機関のホームページなどに掲載されているものは、その医療機関の人事担当者や事務長などが文章を作成し掲載しています。

しかし、看護師転職専門エージェントに掲載されている求人や求人票は、その看護師転職専門エージェントの担当コンサルタントが文章を作成しています。

そのため、各担当コンサルタントは自分の担当の医療機関の求人票を作成する際に、転職を希望する看護師さんにとって最大限魅力が伝わり「応募したい」と思ってもらえる内容を記載しようとします。

医療機関からヒアリングしてきた内容で十分魅力が伝わる場合には、あまり悩むことなくぎっしりと求人票を埋めることができますが、中にはどうしても秀でた魅力がない医療機関や、正直オススメできない医療機関があることも事実です。

しかし、あからさまにその医療機関だけ情報が少なかったり、文章量が少ないと目立ってしまったり、応募したいと思ってくれる看護師さんがいなくなってしまいます。

そこで苦肉の策として、文字数を稼ぐために無難かつ嘘にはならない表現である、「笑顔の絶えない職場」や「風通しの良い職場」と記載することがあります。

これは看護師の求人だけでなく一般のアルバイトなどの募集でも同じことが言えるのかもしれません。

実際に自分の目で確認し、少しでも不安や疑問があれば面接を担当してくれる方に質問する

そのため、前述のように、やはり自分の目でしっかりとその転職先である医療機関を見ることが大切です。

一番良いのは、面接時に見学をさせてもらうことです。

ほとんどの医療機関が面接と同じタイミングで内部の見学をさせてくれます。

その際に、働いている看護師の方の表情や、人数、動き方やナースステーションの内部などをチェックしましょう。

あきらかに外部の人間として見学しているあなたに対して、「こんにちは!」と声をかけてくれるかどうか、すれ違う患者様に声をかけているかどうかなども判断基準となります。

患者様やあなたとすれ違っても、見えていないかのようにスルーしたり、あるいは気が付かないほどに余裕のなさそうな表情を浮かべていたら、「忙しい職場なのかもしれない」「人間関係もギスギスしてしまいそう」など判断できます。

もちろん、1人の看護師がたまたまスルーしたからといってそう判断するのはよくないことですが、あまりにもそういった看護師の方が多い場合には「もしかして?」と疑ってみることが必要です。

さらに、ナースステーションなどが汚かったり、散らかっている場合にも余裕のなさがうかがえます。

病室の汚れや待合室などの様子もしっかりとチェックしましょう。

提示年収は本当にもらえる年収ではないことがある

最後に条件面での注意すべきポイントです。

内定時に「採用条件通知書」で提示される年収はあくまで「概算」です。

提示された金額が本当に支払われるわけではないことに注意しましょう。

基本給や手当などは多くの場合そのままの金額ですが、「賞与」などは多くの場合その直前に決められることが多く、またあなた自身の働きぶりなどによって金額が変わることがあります。

そのため、基本給は低いけれど賞与が多いから……と年収だけで見て転職を決めることはとても危険です。

最悪の場合「業績が悪かったので」と賞与がなくなってしまうこともあります。

その場合年収は大幅に下がってしまうことになります。

しかし、「採用条件通知書」をよく見ると、「あくまで予定額です」といった内容が記載されているはずです。

こんな看護師求人には注意すべき!見分けるポイントは?

看護師の求人の中には注意しなければならない危険な看護師求人が紛れ込んでいることもあります。

サイトを見ている際に違和感を感じるもの、あるいは全く感じさせないものなどさまざまあります。

その見分け方をみていきましょう。

本当は「コピペ」!?ダミー求人にご注意。

看護師転職専門エージェントに掲載されている求人や求人票は、場合によっては「掲載求人数」を水増しするためのダミー求人であることがあります。

そのため、他求人サイトからコピペしただけの「医療機関名」「条件」のみで、画像の「NO IMAGE」やイメージ画像であることがほとんどです。

ごくまれにコピペ元の誤植をそのままコピペしているサイトを見かけますが(笑)看護師転職専門エージェントにはダミー求人をひたすら量産している担当者がいることさえあります。

「あ、この医療機関看護師募集していたんだ!」とそのダミー求人を見て実際に医療機関に問い合わせると、「看護師は一切募集していません」「求人も出していません」といったことさえあります。

さらに、ひどい場合であれば「そもそもうちには看護師がいません」ということもあります。

見分け方としては、写真がイメージ画像であること、詳細な条件が書いておらず、休日数や月収20万円以上~などふわっとしていること、それ以上の情報がない場合などです。

しかし、ダミー求人=悪、とは言い切れません。

看護師転職専門エージェントに登録してきた看護師の方が「この求人に応募したい」と言った場合、その求人がダミーであっても、担当コンサルタントがその医療機関に足を運び、「実際に応募したいと言っているこんな経歴の看護師さんがいます」と個人情報を伏せた上で交渉してくれることもあるからです。

そしてあなたの経歴等を見て、「募集の予定はなかったけれど、そんな素晴らしい看護師さんが応募したいといってくれているなら一度面談をしましょう」と言ってくれる場合もあります。

多くの看護師転職専門エージェントがダミー求人を掲載する理由は、そういった門戸を広げる意味でも役に立つことはありますが、前述のようにあきらかにコピペや捏造の場合もあるので注意しましょう。

「非公開求人」は良く見ると「非公開」ではないことがある

よく目にする「病院名非公開」などと記載された非公開求人。

病院が看護師を募集しているとその病院内で知られたくない場合や、人気すぎるために病院名を出すと応募が殺到してしまう場合などに「非公開」とすることがあります。

しかし、場合によっては「非公開ではない」場合もあります。

給与や諸条件、さらには最寄駅などを見ればどの病院か分かってしまうこともあります。

さらに、取扱い科目や病床数などからなんとなく推測出来てしまうこともあるでしょう。

そこで、非公開求人で常に看護師転職専門エージェントのサイトの上位に掲載されているものは少し疑う必要があります。

もし推測できたその医療機関が明らかに人気の病院などであれば、非公開の理由は「応募が殺到しないように」なので納得がいきます。

しかし、そういうわけではないのに、「非公開」の場合はその医療機関で働いている看護師に不安を与えないようにこっそり募集をしている場合があります。

その理由には2つあり、既存の看護師よりも募集している求人内容の給与条件などが良い場合、そしてあまりにも看護師不足でヤバい場合です。

既存の看護師よりも募集している求人内容の給与条件などが良い場合であれば、これから応募する人の方が新人なのに給与が高く得をすることになります。

しかし、あまりにも看護師不足でヤバい場合には、転職先としては不安が残ります。

そこで、非公開求人を見つけた場合には、あまりにも看護師転職専門エージェントのサイトの担当コンサルタントに非公開の理由を聞いてみましょう。

明確な回答が返ってくれば納得して応募できますし、むしろ「オイシイ求人」の可能性が高いです。

しかし、場合によっては危険な求人である可能性もあるということを覚えておきましょう。

異常に条件が良すぎるものは「釣り」の可能性がある

どの看護師転職専門エージェントのサイトにも「人気求人ランキング」が掲載されていると思います。

「良く見られている」「応募が多いもの」「都内の人気病院」など、その切り口はさまざまですが、これらの上位にある異常に条件の良い求人は「釣り」の可能性があります。

あなたが転職しようと思って看護師転職専門エージェントのサイトを見る際には、やはりどのような求人を取り扱っているかトップページをチェックしますよね。

そこでの見栄えができるだけ良く見えるように、「釣り」求人を掲載しておき、実際に「ここに応募したいんです」というと、「そこはもう募集が終了してしまって……」というのは常套手段です。

さらに、釣りではないものの、多く掲載費を支払った医療機関の求人を人気ランキングのトップにもってくることはよくあります。

そこで、人気ランキングのトップにある求人に魅力を感じた場合には、登録前にそのエージェントに電話をかけて「あの求人はまだ募集していますか」と聞くようにすると良いでしょう。

まとめ

今回は看護師が転職先を選ぶ時に注意すべき4個のことと、さらに、注意しなければならない危険な看護師求人を見分けるポイントについて解説してきました。


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