ビジネスホテルの仕事内容や向いている人・向いていない人の特徴

程よい価格で清潔な部屋を提供してくれる「ビジネスホテル」は、誰もが利用したことのある場所ではないでしょうか。

旅行や仕事等どんな目的にも対応できるシンプルな部屋の作り、近年ではデイユースも広が利、一休みしたいという方にも強い味方となってくれています。

今回は、そんなビジネスホテルで働く人たちの仕事内容や、ビジネスホテルの仕事に向いている人・向いていない人の特徴等をご紹介していきましょう。

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ビジネスホテルの仕事にはどんなものがあるの？

ビジネスホテルの仕事は大きく分けて五つ。

私たちが利用する際に直接関わり合うことがあるのは「フロント係」として働く人と、ホテルの「レストラン」で働く人たちでしょう。

この二つの職種はどんな仕事をしているのか想像しやすいと思います。

フロント係は必ず必要になるチェックイン・チェックアウトの際に手続きを進めてくれたり、観光案内や道案内等をしてくれる、ホテルの「顔」とも言える職種です。

レストランでは食事の注文の際にオーダーに来てくれたり、システムの説明をしてくれたりといった業務内容ですね。

通常の飲食店のホール担当と大きな違いはありません。

私たちから見えないビジネスホテルの奥には経理担当、営業担当、そしてチェックアウトした後に清掃を行う清掃担当がいます。

経理担当は日々の売り上げを計算したり経費の支払いなどを行い、ホテル内のお金の動きを全て把握しています。

営業担当は主に旅行会社とやり取りを行います。

地方の旅行会社と契約を結び、ツアー客を募ってホテルへの宿泊を斡旋してもらい、そのための営業をかけたり実際の予約を受け付けたりします。

以下で詳しく仕事内容を見ていきましょう。

ビジネスホテルの仕事は大きく5個の役割に分けられる　

上記したように、ビジネスホテルの仕事は大きく分けると五つの仕事に分けられます。

それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。

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フロント・接客係の6個の業務

チェックイン・チェックアウト、会員への入会案内

まず、最も一番所属する人数が多く手分けして様々な仕事にあたっているのが「フロント・接客係」です。

チェックイン・チェックアウト等のホテルを利用する際に必ず必要な接客業務に加え、お客様の要望に合わせた美品の手配や部屋の準備、清掃後の部屋のチェック等を行います。

ビジネスホテルではリピーターのお客様に対して「ホテル会員」を設けているところもあります。

ホテルの価格は繁忙期には高くなったり、逆に閑散期には下がったりしますがホテル会員に入会すれば一定の価格で利用することができたり予約を優先して取ることができたりといったサービスを受けることができます。

この会員への入会を勧めるのもフロント係の業務の一つです。

部屋のチェック・備品のチェック

フロント・接客係の仕事は、直接お客様と接することだけではありません。

チェックイン前に部屋がきれいに整えられているか、予め要望が分かっているお客様ならその準備が全て整っているか等のチェックも行います。

ホテルには本当に様々なお客様がいらっしゃいます。

加湿器を貸してほしい、DVDプレーヤーを貸してほしい等の要望は毎日数え切れないほどフロントに届けられますし、お客様によっては部屋にあるハンガーの数を予め指定されたり、部屋のレイアウトを指定されたりする方もいらっしゃいます。

そのような要望にできる限りお応えし、快適に過ごしていただけるように心がけるのがフロント・接客係の大切な仕事です。

お客様とサービスを繋ぐ業務

フロントはお客様とサービスとを繋ぐという役割もあります。

タクシーや近くのレストランの予約はもちろん行いますし、何泊も続けて泊まられる方の部屋を清掃するのかしないのか、アメニティやタオル等の備品を届けるのか届けないのかも清掃係にフロントから指示を出さないといけません。

沢山の要望が届く中、その要望を的確に処理する処理能力の高さが必要な職種でもあります。

観光案内やインバウンド客への対応

近年ビジネスホテルのフロント係に求められる役割の一つに「インバウンド客への対応」が挙げられます。

海外からの旅行客が増え続けている近年、全く日本語が話せない状態で観光に来られる方も多数いらっしゃいます。

皆さんも個人で海外旅行に行かれた時に、最も頼りにするのはホテルのフロントやコンシェルジュではないでしょうか。

それと同じで、海外からのお客様はフロント係をとても頼りにしてくださいます。

地図が欲しい、どこどこへ行きたい等に応える為の簡単な英会話は必ず必要になりますし、時には「観光はどこに行けば良い？」と訊ねてくる方もいらっしゃいます。

お客様の好みによって観光地を案内したり、観光プランを立ててお教えするのも、ホテルの印象を左右する重要な業務になります。

英語が主ですが、中国語や韓国語、スペイン語やフランス語等得意とする外国語がある人は、充分にその能力を活かすことができるでしょう。

クレームの初期対応

クレームの初期対応もフロント係が行います。

部屋に不備があった場合や清掃が十分にされていなかった等、多種多様な問題が起こるのがホテルです。

普通の接客業とは違い、お客様が宿泊して長い時間を過ごされる場所なので、細かな不備が目についてしまうのです。

お客様はホテル内の満足できない点について、やはり最初にフロント係へと伝えてくださいます。

この時の初期対応を上手にこなせるような人でないと、フロント係は務まりません。

クレームがあって当然のホテルの不備や接客の不備であれば、謝罪をして代わりの部屋をご案内したりもしますが、中にはホテルの不備ではないことをフロントに伝えてこられるお客様もいらっしゃいます。

そんな時でも根気強く話を聞いて納得していただかないことには、問題の解決には繋がりません。

自分の感情は顔に出さず、誠実に申し訳ないといった表情で対応し続けることがとても大切になります。

その他細々した要望にに応える！

その他、宅急便の受付やランドリーの処理等細々した要望にもお応えしていくのがフロント・接客係の仕事になります。

フロント係の仕事にビジネスホテル、リゾートホテルで大きな差はありません。

経理の4個の業務

売上の管理

経理の仕事のメインとなるのは、日々の売上金の管理です。

決められた時間にフロントのレジを一旦締め、売上金を数えます。

今では多くのホテルがパソコンでその日の入室状況を管理していますが、そのデータと売上金に差異がないか、部屋は何室稼働していてレストランの売上がどのくらいあるのか等ホテル全体のお金の動きを全て把握します。

万が一データと実際にレジに入っているお金に誤差があるなら、その原因を突き止めなければいけません。

パソコンのデータが間違っている場合もありますし、多くの接客と金銭のやり取りをこなすフロント係がお金のやり取りの際に間違って多く頂いている、または少なく頂いている場合もあります。

全ての明細のチェック等も行いながら、金銭に関して間違いがないようにチェックするのが経理の仕事です。

また、お金の両替や入金等も経理が行います。

フロント係がお金に触るのはお客様との直接のやり取りのみになり、後は全て経理が処理を行うところが多いでしょう。

備品の管理・発注

ホテルで必要になる全ての備品の管理・発注も経理が行うことが多いでしょう。

領収書やペン、メモ等フロントで必要になるものはもちろん、封筒や請求書、清掃に使う洗剤までありとあらゆるものがホテルでは毎日消費されています。

それらが足りなくなることのないように一括で管理し発注をする大切な仕事です。

人件費やホテルの維持費の計算・管理

大きな破損があり修繕が必要な場合や、何かしらの故障の場合に業者への見積もりを依頼したり実際に修理を依頼するのも経理が行います。

業者との金額交渉や修繕する範囲等も経理とのやり取りになる場合が多いでしょう。

ホテル全体の収益金と人件費のバランスを見て、シフトの作成をしている担当社員へ意見を伝えたり、経費を抑えるために節電を推奨したりするのも経理の仕事です。

請求書の作成

今はインターネットで予約を取られるお客様がとても多いです。

インターネット上の旅行サイトではクレジットカードでの事前決済等をお客様が自身で選ぶことができ、フロントでの金銭のやり取りは全くないことも多くなっています。

そのような場合、宿泊代の請求は決済を請け負ったネットの旅行サイトに送ることになります。

また出張で会社を通じて予約があった場合は、会社への請求書も作成して発送します。

営業の4個の業務

旅行会社とのやり取り

個人のお客様も沢山いらっしゃいますが、ツアーでのご利用であれば旅行会社を通じて予約が入ります。

旅行会社とのやり取りは営業担当が行います。

宿泊プランの案内はもちろん、空室状況を把握して必要な数の部屋を押さえておく等、旅行会社とのやり取りは全て営業が担当します。

団体客の管理

旅行会社を通じて来られるお客様は、団体客の場合がとても多いです。

そしてお客様は、様々な要望をホテルに直接伝えるのではなく旅行会社に伝えます。

その旅行会社から伝えられたお客様の情報や要望をフロントに伝えたり、自らが都合を付けて準備を整えたりするのも営業担当の業務です。

団体で来館されたお客様がスムーズにお部屋に入っていただけるよう、予めルームキーの準備をしたりネームリストを作ったり、レストランへ朝食利用の人数を伝えたりするのも営業担当の大切な仕事です。

この伝達が上手く行かないと、お客様と旅行会社、双方に迷惑をかけてしまうことになります。

ホテル残室の管理

営業担当はその日の部屋の残室管理も行います。

どのタイプの部屋が何室稼働しており何室残っているのか、飛び込みで来られたお客様に対応できるのか等全ての予約の管理を行います。

先程もお話したように、余程小さなホテルではない限り部屋数やチェックイン・チェックアウト等はパソコンで管理されています。

システム上の不備はないか実際に部屋数と合っているのかどうかの確認作業も、営業が行います。

クレームの最終処理

お客様からのクレームが大きくなりすぎてしまうと、営業担当が話し合いにあたります。

クレームの最終処理にあたるのは営業担当である場合が多いでしょう。

レストランの3個の業務

主に朝食の準備・営業

ホテルでは朝食を提供しているところが多いですね。

レストランを併設していて、昼、夜も営業をしているところが多々あります。

朝食は朝6時頃から行われるので、その準備を朝早くに出勤して行います。

普通の飲食店従業員よりも朝が早く、ホテルに泊まって4時頃から準備を行うところもあります。

仕込み業務

ホテルのレストランも通常の飲食業と同じ、仕込み業務はもちろんあります。

レストランの営業時間や営業形態にもよりますが、ランチやディナーを提供しているお店であれば通常の飲食店と変わらない量の仕込み作業があるでしょう。

新商品の開発

季節に合わせた新商品の開発も行います。

ホテルのレストランと言えども宿泊客のみが利用するわけではありませんので、集客を増やすために新しい商品の開発も求められます。

清掃係の2個の業務

部屋の清掃

清掃係はホテルの従業員ではなく、委託された清掃業者である場合がほとんどでしょう。

清掃員たちは素早く丁寧に、使用された部屋を作り直します。

チェックアウトからチェックインまでの僅かな時間に部屋を作り直さなければいけません。

ホテルへのクレームで最も多いのがこの清掃の不備です。

お忘れ物の管理

お客様がチェックアウトされた部屋へ一番最初に入るのが清掃担当です。

そのため、忘れ物を発見することもとても多いです。

何号室のお客様が何を忘れられたのかということを、フロント係へ忘れ物と共に報告します。

ビジネスホテルの仕事はどんな人に向いている？

続いて、ビジネスホテルの仕事にはどんな人が向いているのか、どんな人材が求められているのかについて詳しくご紹介していきましょう。

接客が得意な人

フロント係は接客業務が多くなります。

チェックイン・チェックアウトが混み合う時間帯であれば、フロントに立ち続けて業務をこなさなければいけないこともあります。

忙しい時でも必ず笑顔で対応しなければなりませんし、後ろに列ができていても目の前のお客様に誠心誠意対応しなければなりません。

接客が得意でない人はこの接客を続ける時間が苦痛に感じてしまったり、マニュアル通りに機械的に行えば良いと考えてしまう人もいるでしょう。

しかし、ホテルのフロントはそのような接客を行ってはいけません。

お客様のお話を聞き、要望に応えるのがホテルフロントの使命でもあります。

フロントの対応一つでホテルの印象は大きく左右されてしまうため、責任感を持って仕事にあたれる人が向いています。

サービス精神が旺盛な人

皆さんも、見知らぬ土地に旅行に出かけた時最も頼りにするのがホテルのフロント係なのではないでしょうか。

地元の地理にも詳しく、おすすめのお店を訊いたり施設の場所を聞いたりとホテル周辺のことを教えてもらいたいものですよね。

ホテルのフロントが親身になって観光案内等をしてくれれば、それだけで「また泊まりたい」ホテルになります。

お客様が必要としている情報をすぐに提供することができ、プラスアルファで観光アドバイス等を伝えることのできるようなサービス精神旺盛な人が、フロント係には向いています。

ビジネスホテルの仕事に向いていない人の特徴は？

ビジネスホテルの仕事に向いていない人はどんな人なのでしょうか。

お話していきましょう。

接客業が苦手な人

ホテルの仕事は全てがBtoCの、お客様へ向かった仕事です。

接客が苦手な人、知らない方との会話が苦手な人等は仕事を楽しむことができないでしょう。

接客を全くしたことがない人は慣れていけば良いので心配いりません。

しかし、「苦手だ」と認識している人は向いているとは言えません。

感情が顔に出る人

ホテルのフロント係たるもの、どんな要求があっても笑顔で対応せねばなりません。

お客様の中にはホテルの仕事を超えた要求をされる方もいらっしゃいます。

コンビニで買い物をしてきてほしい、風邪薬を用意してほしい、料金はそのままで部屋のアップグレードをしてほしい…等沢山の要望がフロントに集まります。

例えホテルの業務を超えた要望であっても、「大変申し訳ございません」と言う謝罪の言葉を口にし「申し訳ない」という表情をしなければいけません。

「困った！」という表情が顔に出てしまう人は向いていません。

ビジネスホテルの仕事で活かせる、今までの経験

ビジネスホテルで働くにあたって、今までの経験が活かせるのかと不安に思っている人もいらっしゃるでしょう。

ホテル業には必要な経験がいくつかあります。

見ていきましょう。

接客販売業

取扱商品は問いません。

接客販売業の経験はホテル業でも充分に活かすことができます。

お客様との距離の取り方、断り方、クレームへの初期対応の仕方等あなたの持つ接客スキルを活かすことができる職業です。

営業

ホテルのフロント係の中には以前営業職に就いていた、という人も少なくありません。

営業職は会社と会社のやり取りを行う職種ですが、ホテル業の中にも旅行会社とのやり取りが頻繁に発生します。

会社とのやり取りに慣れている営業職経験者は重宝されることでしょう。

その後のキャリアについて

この仕事についた後のキャリアアップの道は？

女性であってもフロント係をまとめるリーダーにステップアップしていけたり、働きぶりによっては新しいホテルの支配人に抜擢されることもあります。

日本は今現在ホテル不足が叫ばれています。

様々な企業で新業態として宿泊施設の運営が行われていますので、転職する際にも有利になるでしょう。

他の仕事にもこの経験を活かせる？

ホテル業に従事した後は、どんな接客業でもこなせるようになっているでしょう。

飲食店、アパレル、小売業等できる仕事の範囲がぐっと広がります。

まとめ

今回はビジネスホテルの仕事内容や向き不向きについてお話しました。

接客業が好きだという人は、ぜひホテル業も視野に入れてみてください。

覚えるべき仕事内容は沢山ありますが、忙しく働くほうが好きだという人にとってはとてもやりがいのある仕事になるでしょう。

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