工場長の転職について2個の注意点。向き不向きなども転職エージェントが解説します

工場長に転職をお考えの方はぜひ最後までご覧ください。

その企業にとって工場長を迎えるということは、作るモノを変更するに匹敵するくらい重要な事項です。

当然ながら採用側は、細心の注意と覚悟をもって挑んできます。

難しそうな求人条件が出されることかと思いきや、今回ご紹介させていただく、2つの注意点が最も大切なことなので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

転職を工場長で成功させたい方は、この記事で向き不向きかどうかもチェックしてみてください。

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工場長の転職に際しての注意点（求められること）

その1：全体を俯瞰できる

企業の採用のお手伝いをしていると、経営サイドの意見も必要となるために計画策定の場にお呼びいただく機会が度々あります。

某汎用機械メーカーとその企業のメインバンクとのお話に同席させていただいた時、その企業の経営者は工場長も同席させており、その工場長とお話しする機会がありました。

この工場長は直近で現場長をしており、一ラインの担当責任者でした。

自分の仕事はあくまで自分のセクションをいかに動かすかで、自セクションが終われば役目は終わり、自分の仕事はここまで…と捉えていたそうです。

しかし、工場長に昇進してこの考えがどれだけ危険かを理解したとのことでした。

自分の仕事の先にはこれを売る人がいて、更にこれを使う人がいる。

もっと言うと、これを修繕する人もいる。

それ以前に、自分の工程の後先に別のセクションがあり、自部署の納期や品質がダイレクトに伝わっていく。

自分が関わるセクション以外のものにも責任を持たないと仕事が完了したことにならないと気付いたそうです。

そう理解したことで、不必要な発注削減や校内配置（5S）の重要性が腑に落ち、現場に自分の意志が伝わるよう工夫するようになったとのことでした。

注意点としての一つ目は、あらゆる関連部署や取引先との関係性を俯瞰して、経営計画から逸れないようにいかにコントロールできるか。

工場長転職に限ったことではありませんが、規模が大きければ大きいほどこの力が必要です。

その2：経営視点

この国の企業組織運営はトップダウンでもなければボトムアップでもありません。

中間管理職、いわゆるミドルアップ・ミドルダウンが実質を動かす要となっています。

モノ作りの現場におけるこの要は、製造という専門分野のトップ（＝社長）と捉えられている工場長に他なりません。

企業の代表者（＝社長）と比較すると管理範囲は小さいものの、専門分野の社長であり、職責もそれなりに重くなります。

注意点二つ目は、社長職に匹敵する判断力と経営目線を身につけることが求められます。

工場長の転職についての向き・不向き

非常に単純な言い方ですが、向き不向きの点でいうなら「モノ作りが好き（生産工程を細かく設定して完成していくことや、計画予測が狂いなく遂行されることに魅力を感じる等々）なこと」が一番です。

これは、工場長に限らず工場の仕事全体についても言えることです。

ブレーンを活かしきれるか

重責を背負う工場長ですが、当然一人で行うわけではありません。

工場には工場長を筆頭に製造部長やセンター長がいて、その下に実質の生産管理者が複数名存在します（規模によっては工場長＝実質の生産管理者であることもあります）。

現場の実働部隊でありブレーンでもあるこの生産管理者をどう活かしていくかが工場長としての采配となっていきます。

若干乱暴な見方をすると、工場長と生産管理者の関係は、所轄警察署で部課長に昇進した警官とその所轄署に経験を積むために配属されたキャリアの関係性に似ているかもしれません。

自分より生産管理に関してのスキルが高い生産管理者の部下を自身の人柄で掌握するか、技術で掌握するか。

技術で掌握するのであれば、経験からくる技術だけではなく、万人が納得する理論と技術知識を持つことが必要となります。

実は生産管理が苦手な工場長

製造ラインのオペレーターから工場長になるケースが多いことは前述しました。

そのケースの工場長は人の使い方、製造技術や設備稼働率等に関しては知見があり、達成ノルマや率の良し悪しは数字として認識しています。

しかし、在庫の量や納期短縮による弊害（在庫増加等）、製品の種類を増やすことによる生産の限界等々、実質的な「生産管理」に関しては疎いことが多いです。

「稼働率はまだこれくらいだからノルマまでにはまだ余裕で造れる！いい感じいい感じ…」とは理解しますが、例えば段取り替えにどれだけ工数と労力がかかるか等はあまり重点を置かないために、部下の生産管理者から突き上げられることもしばしば見受けられます。

理系より文系？

大まかな分け方ではありますが、生産管理者には文系出身者が多いと言われています。

生産管理は理路整然と分析をする一方、ある程度のレベルまで達すると、今度は割り切っていかなければならない作業でもあります。

いざとなった時に「まあ、いいか。技術的なことは専門じゃないし」と逃げ道を作る機能を持ち合わせる傾向にあるのが文系で、技術を理解してしまう理系は逃げきれずにため込んでしまう傾向にあるようです。

一概に全ての生産管理者が文系であるとは言えませんし、理系の方でもアバウトな面を持ち合わせる人はいます。

しかし、その長となる工場長は文系出身者が多くなる傾向にあるようです。

究極は好き嫌い

工場長に限らず工場の仕事全体についても言えることですが、「モノ作りが好きなこと」が工場長になる近道であり、向いているか向いていないかの判断基準です。

これまでの製造業界は（悪い言い方をすると）惰性で身を投じる人が目立ちました。

昔でいうデモシカですね。

デモシカが悪いとは言いません。

人それぞれの事情があります。

ただし、求職者の方々とお話していると分かるものですが、その仕事でてっぺん取ったろ！と考える人のその仕事に対する意気込みや姿勢は、デモシカさんのそれとは観点が違います。

てっぺんさんはその人なりのこだわりやポリシーが存在し、ある程度将来像（セルフヴィジョン）がはっきりしています。

一方デモシカさんは基本金額で、仕事の内容やその先にあることなんかはどうでも良い傾向にあります。

好きか嫌いか、非常に単純な言い方ですが、向いているか向いていないかに直結します。

究極はこれに尽きると思います。

まとめ

いかがだったでしょうか？

工場長に興味がある方は勿論、そうでない方にも参考にしていただけると幸いです。

「モノ作り」が好きという気持ちがあれば、工場長への転職に挑戦してみるのも一つの手だと思います。

好きな気持ちを忘れずに頑張って下さいね。

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