近年、外国人観光客も増え、防犯に対する世間の意識も非常に高まっています。

凶悪な犯罪をニュースで目にすることも多く、警備会社の役割も増える傾向にあります。

警備会社といえば、工事現場や駐車場などで交通整備をする警備員さんを想像される方も多いと思います。

しかし大手警備会社の仕事は多岐に渡りますし、様々な職種も存在します。

そこで今回は、大手警備会社での警備の仕事内容について、実際に警備会社に勤務した筆者が、その経験を基にご紹介したいと思います。

警備の仕事は大きく3個の役割に分けられる

警備の仕事にはいくつかあるのですが、今回はざっくりと、警備の仕事を3つに分けてみました。

警備システム導入施設の警備

CMなどでも目にすることもあるかと思いますが、機械でご契約先の施設を24時間365日監視し、異常(侵入、火災、その他の異常)が発生した際に警備員が対象施設に駆けつけるサービスを、警備会社は行っています。

このサービスの警備員は、警備会社の最前線でサービスを提供する役割となります。

簡単な業務の様に思われることもありますが、多くのマニュアルに基づき対応しなければなりませんし、臨機応変に対応できるスキルも必要です。

常駐警備

「警備」と聞くと、このお仕事のイメージが最初に浮かぶ方も多いと思います。

街中や施設でよく見かける警備員のお仕事は、警備会社では「常駐警備」と呼びます。

テレビ局、病院、ビルなど、警備対象の建物などの出入口に立ち、常駐で警備を行います。

多くの人が出入りする施設が主な対象で、施設等に不審な人物が入ってこないかなどのチェックを行います。

また工事現場などで、周りの安全を確保し交通誘導する業務も、これにあたります。

どちらも常に周りに注意を払いながら、長時間監視を行います。

現金の輸送等の特殊業務

大手警備会社では、コンビニや各所ATMなどの現金を輸送するサービスも行います。

多くのお金をATMから銀行などへ輸送します。

現金を運ぶため多大な責任と危険も伴う業務です。

必ず複数人のチームで業務を行います。

警備システム導入施設の警備員の3個の業務

警備の制服に身を包み、警備対象施設に異常が発生した際、現場に駆けつける仕事です。

その仕事内容は次のようになります。

出動準備

警備対象施設に異常が発生した際に急行できるよう、各エリアの待機所にて出動準備を行います。

シフト制で人員を確保し、24時間体制で待機し出動に備えます。

また、出動に備える間も、新たに警備が開始される施設の現地確認やその他の事務処理など、多くの業務をこなしながらの待機となります。

出動

警備対象施設に異常が発生した際、現場に急行します。

現場に到着した後は、対象施設の調査を行います。

ガラスが割られ侵入された形跡がないか。

不審者がいないか。

火災やガス漏れなどの異常が発生していないかなどを、細かく確認します。

出動が夜間の場合は視界が制限されるため、より注意深くチェックする必要がありますし、何かトラブルを見逃すことがあってはいけないため、慎重な対応が必要です。

万一、侵入者と遭遇してしまった場合などは、捕まえることはせず、速やかに警察へ通報を行い、各部署への報告の上、契約者にも連絡を行います。

現場に向かうのは通常一人で対応します。

多くの人材が待機しているものの、やはり人数は限られています。

別の場所で異常警報が出ればそちらに駆けつけないといけませんし、警報が多発して、近くの待機所の応援に行かないといけないこともあります。

そういったことから、出動には一人で対応することが大半です。

管理業務

警備を行うにあたり、対象施設がどういった作りになっているのかなど、様々な情報が必要となります。

どこに警備システムの機械をつけているのか、広さはどれぐらいあるのか、出入り口はどこかなど、多くの情報を管理します。

出動の際にはそういった情報を確認し、現場に向かいます。

また警備会社では契約の際に必ず、対象施設の鍵を一本預かります。

これは緊急を要する場合に、対象施設に入り現場対応できるように備えるためです。

お客様の連絡先も含め様々な個人情報を管理しますので、業務を遂行する際にも行動管理が事細かに必要となります。

例えば、出動の際に車の鍵を誰が何時何分に持ち出したのか。

移動の際の車の速度や運転時間、何時に現場に到着しどういった対応をし、何時に現場を離れたのか。

待機所に戻った後には、それらを報告書に記入したりと様々な管理業務があります。

常駐警備の2個の業務

常駐警備には2種類あります。

それぞれの仕事について紹介します。

施設警備

施設警備の仕事はさらに3つに分かれます。

先にお伝えしておくのですが、これらの仕事は、その場を監視することが仕事となりますので、一見簡単な業務の様に思えますが、実際はかなりハードなお仕事です。

長時間、集中力を切らさずに周りを監視し、何かあった際にはすぐに動けるよう、準備をしておかなくてはいけません。

通常、数名で交代しながらの業務となりますが、対象施設との契約内容や現場の状況などでは、1人で対応し続けないといけないこともあります。

では具体的に、それぞれの警備内容についてみていきましょう。

立って監視

警備対象施設の指定された場所を、同じ場所に立ち続け監視します。

主に建物の出入口付近や、人の多く集まる場所での業務が多くなります。

テレビ局、病院、ビル、各種イベント会場など、様々な場所で警備を行います。

普段の生活の中で、こういった警備をしている人を目にする機会も多くあるかと思います。

歩き回って監視

いわゆる「巡回警備」というものです。

商業施設などの中を歩き回って、不審物や不審者がいないか、監視します。

決まったルートを見回る業務となります。

対象となるのは基本的には大きな施設となります。

ショッピングモールや病院などがイメージしやすいかもしれません。

夜間の業務も多くなり、視野が狭くなりますし、全ての対象エリアを巡回しないといけないため、建物の構造なども把握しておかなければなりません。

不審物や不審者に遭遇する可能性もありますので、歩き回る体力的な部分にプラスして、精神的な体力も必要となります。

防犯カメラで監視

施設のあちこちに取り付けられた防犯カメラの映像を、警備室のモニターなどで見て、不審者や不審物を監視します。

これも根気のいる業務になります。

不審者などを見逃してはいけませんし、そういった異常が発生した際にはすぐ対応しなくてはいけません。

出来る限り目を離さぬようにしなくてはいけません。

ただし、通常防犯カメラは、付属のレコーダーにて映像を録画し続けていますので、目を離してしまった際には、過去の映像を確認することも可能です。

交通誘導

主に、工事現場や駐車場などの交通誘導を行います。

警備の仕事の中では一番目にする機会が多いかと思います。

工事現場などは特に危険と隣り合わせです。

現場によって警備員の配置が法律で定められているほどです。

当然、人命にも関わる業務になります。

施設警備とは異なり、人や車を誘導する業務が発生します。

車を止めたり、進む道のルートを変更して頂いたりしないといけません。

長時間集中力を保ちながら、周りを監視しながらの業務です。

現金の輸送等の特殊警備の2個の業務

現金を輸送中の警備員を見かけたことのある方もいらっしゃると思います。

ちょっと目つきが鋭く、足早なイメージはありませんでしたか?

それは、この仕事の特殊性ゆえです。

あまり知られていない(知られてはいけない?)現金輸送等の仕事。

こちらは筆者は担当したことがないのですが、わかる範囲で書いてみます。

輸送車の運転業務

各企業にもよりますが、輸送車の運転には非常に多くのマニュアルがあります。

乗り込む際の車両チェックは勿論、運転の仕方についても厳しくマニュアル化されています。

また、タコグラフという特殊な機械が車に設置されており、時間ごとの車の速度などが細かく記録されます。

貴重品を輸送するため、極力事故を防げるように、運転においても管理や事故の防止が徹底されており、非常に重要な業務になります。

銀行やATM間の輸送業務

大金を安全に確実に持ち運ぶ業務となりますので、警備業務の中でも危険のリスクが伴う業務になります。

実際に、現金輸送車が襲われたという過去の事例もあります。

そのため通常、複数名での対応となります。

ATMなどでの現金の回収、積み込み作業は、一人が対応し他の人員で周辺の警戒を行います。

周辺を警戒する警備員に関しては、常に警棒を手にし警戒を強めます。

警察官との仕事内容の違い

警察官であれば、その場で侵入者を捕らえることを最優先に動くかと思いますが、警備会社の仕事では泥棒等を捕まえることはありません。

あくまで異常が発生した際の現地調査と、急を要する場合には、警察などの各関係機関へ速やかに連絡することが業務となります。

警察とも連携しながら暮らしの安全を提供します。

まれに、警察官の業務と警備会社の業務を同じように考えている方もいらっしゃいますが、全く別の業務内容です。

確かに制服など似ていてそういうイメージを持たれるのも無理がないように思いますが、決してそうではありません。

警備の仕事の良いところ

ここまで警備の仕事について説明してきましたが、次は警備の仕事の良いところを挙げてみます。

暮らしの安全や安心を提供するというわかりやすいミッション

その名の通り「警備を提供する」仕事ですので、その職種においてもミッションは同じく「安全、安心を提供する」ことになります。

業務の中でも感謝のお言葉を頂くことも少なくありません。

そういった意味で、わかりやすく社会に貢献できているという実感を感じながら、仕事に取り組むことができます。

また今回ご紹介させて頂いている職種のうち上の2つ、「警備システム導入施設の警備」と「常駐警備」は、業務上外出していることも多いため、様々なシーンに出くわすこともあります。

人が倒れていたり何か事故が起こったり、そういった場合にも迅速に対応できる様、心がけて業務を行なっていますので、こういった業務以外の対応でも、感謝のお声を頂けることも非常に多いです。(「現金の輸送等の特殊警備」については、業務の特性上、業務外の対応はあまり無いかもしれません。)

防犯知識を得られる

警備会社で勤めるからには防犯の知識は必須です。

地域の犯罪発生率や空き巣状況など、警察がHPなどで公開している情報も日々チェックします。

また、過去の空き巣被害の実例などをもとに、防犯の知識を身につけていきます。

自身が新しく家を購入したりする際などには、そういった防犯の面からも検討することができる様になると思います。

またご家族、ご友人などにもアドバイス出来るようになるはずです。

まとめ

警備というと男性が多く体育会系の仕事。

というイメージがある方が多いと思いますが、決してそういう仕事ばかりではありません。

今回ご紹介した中では、常駐警備の仕事では女性もたくさん活躍されています。

特に施設警備などは、男性だけでなく女性に対してもオススメできる仕事かと思います。

また、簡単なお仕事のようにイメージされることも少なくないかもしれませんが、今回ご紹介したように、決して簡単ではない部分も多く存在します。

責任のある仕事でもあるため、体力的にも精神的にも負担がかかることも、決して少なくありません。

また、これから2020年の東京オリンピックに向けて、警備の需要は高まり続けることが予想されます。

「人々の生活の安心安全を提供する」というやりがいを持って、仕事に取り組むことの出来る業種ではないでしょうか。

興味のある方は、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか。


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