工事現場や商業施設などさまざまなところで接触する機会の多い「警備員」の仕事。

今回は、そんな警備員の仕事の内実を「時給」をテーマに解説していきます。

この仕事に興味をお持ちの方、もしくはすでに現在警備員として働いている方は一度目を通してみてください。

警備員の時給の相場はどのくらい?

まずは警備員の時給の中身、つまり基本給や各種手当といったことや、時給が他の人に比べて高い人の理由などを確認していきましょう。

ちなみに、警備員の職場では時給制とともに「日当制」も一般的に普及しています。

日当制は「一日いくら」というかたちで支給される給与支払方式で、何時間働いたかということとは関係なく、もともと一日の給与額が決まっています。

この点を魅力に感じて警備員の仕事に応募する方もいるほどであり、この仕事の特徴の一つといえます。

そのため、以下では「日当の時給換算額」としての意味も含めて、警備員の「時給」事情について解説していきます。

基本給以外のものは、どうなっているの?

警備員として警備業務に従事した対価として支払われるものが「基本給」ですが、警備員にはほかにどのような報酬が支給されているのでしょうか。

「各種手当」と「昇給」について確認していきましょう。

各種手当

警備員の仕事にも他の職場同様、各種手当が用意されていることが多いです。

各種手当には通勤手当(いわゆる「交通費」)や資格手当、役職手当、皆勤手当、家族手当などがありますが、非正規雇用の警備員の仕事に従事していて支給されるものは、主に通勤手当になるでしょう。

といっても最近はさまざまな業界での人手不足の影響もあり、多くの会社が従業員の待遇改善を図る中、交通費が支給されない職場というのはそれだけで魅力が薄れてしまう恐れがあります。

交通費が支給されることが警備員の職場を際立たせる特徴と判断することはできないでしょう。

ほかに、例えば「資格手当」は、高度な業務を行う際に必要となる資格を取得する際、またはそのような資格を取得した際に支給される可能性が考えられますし、多くの経験と実績を積んで昇進した後に、一定の役職に就くことになれば「役職手当」が支給される会社もあるでしょう。

昇給

ある程度の期間、警備員の仕事に従事し、基本的な業務であれば問題なくこなすことができるようになると、現場での監督業務や主任業務などを任されるようになります。

現場監督や主任といった役割は、自身の職務を全うすることはもちろん、現場全体の指揮・命令役を担っており、現場のリーダーとしての業務にも責任をもたなければなりません。

担当職務が同僚よりも増えるので必然的に給料も上がることが考えられます。

「昇給」に関しては、給与額見直しのタイミングや昇給額の幅など、細かな部分は事業所ごとに異なりますが、基本的にはどの職場でも用意されている可能性が高い制度といえます。

時給が高い人は何が違うの?

同じ職場で働くすべての従業員が、均一の時給額で働いている仕事というのはまれで、警備員の現場で働く人の間にも「時給格差」は存在します。

ある人は順調に昇給を重ねてスタート時給の〇倍というような額を支給されているのに、ある人は長い期間働き続けているわりに、時給額がさほど変わっていない、といったケースはよく見かけます。

このような時給格差が生じる原因は様々に考えられますが、以下で代表的なものを何点かあげておきます。

スキル

時給格差の原因として最も明快で単純なものは「スキル」の差でしょう。

業務スキルが高い人には低い人よりも高めの時給を支払うことはある意味当然のことで、警備員の仕事に限ったことではなく、どのような職場でも幅広く行われています。

スキルの評価が「絶対的」であるのか「相対的」なのか、つまり一定のラインを越えれば誰でも時給が上がる(「絶対的」)システムなのか、全従業員をスキルレベルでランク付けして一定の割合の従業員だけ給料が上がる(「相対的」)システムなのかという違いはあるでしょう。

しかし、原則としてスキルが高い、もしくはスキルが以前より向上した、という人に対しては時給額で公平に報いている職場が多いので、時給額を上げるためにはスキルアップに励むことが大切でしょう。

勤続年数

日本で長く慣例的に受け継がれてきた人事制度の一つである「年功序列」制度。

最近は「終身雇用制度」などとともに崩壊しつつある制度といわれていますが、それでも「勤続年数」が給与額に及ぼす影響はいまだ無視できるものではありません。

正社員の給与のみならずアルバイトの時給額においても、長期で働いている人の方が入りたての従業員よりも時給額が高いことは、みなさんも経験からご存知だと思います。

警備員の職場においても勤続年数は時給額を左右する重要な要素の一つで、勤続年数が長ければ長いほど時給額も高めな傾向があります。

役職

「役職手当」については先ほど述べましたが、手当とは別に、役職がつくと時給額そのものも上昇することが期待できます。

その理由は役職手当同様、役職がついていない従業員に比べて担当する職務が多い、もしくは重要であることなどが考えられます。

「役職がつく」ためには、上述の「スキル」や「勤続年数」といった事柄で高評価を得ることが必要となります。

地域

国はすべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営むための方策の一つとして「最低賃金」を設定しており、私たちが普段耳にする「最低賃金」もこの基準を指していますが、最低賃金にはほかにも都道府県が独自に設定しているものなどもあります。

国の基準を下回ることは許されませんが、国の基準以上であれば独自に設定できるので、最低賃金額にも「地域格差」が存在します。

そのため、勤務する地域によって警備員の仕事の時給額にも差が出てくる、ということは頭に入れておくべきでしょう。

警備員の時給の決まり方

ここからは警備員の時給がどのようにして決まるのか、その一部を簡単に紹介していきます。

警備員の時給額が決まるのには大きく分けて2つの要素が関係しており、それが以下で見ていく「経験値」と「担当職務」になります。

前職や勤続年数などの「経験値」

警備員の仕事に従事した期間の長さや、前職でどのような仕事をしていたのか、などを総合的に考慮して導き出した「経験値」は、警備員の時給額が決まる際にとても重要な要素になります。

経験値が高い警備員は通常業務を無難にこなすだけでなく、万が一の事態が起こった際にも臨機応変に対応することが期待されます。

その分時給額も高めに設定されることが多いですが、経験値が低い警備員は基本的な業務のみをこなすことが要求されるため、時給額も最低限の業務に合わせたレベルに設定されます。

このように「経験値」は警備員の時給額にとても大きな影響を及ぼしますが、現時点での自分の経験値が低いからといって悲観的になる必要はありません。

なぜなら、経験値は文字通り現場に立った「経験」によって獲得していくものなので、基本的にはどなたでもまじめに仕事をこなしていれば、時の経過とともに着実に培っていくことができるからです。

経験をたくさん積んで経験値を高めていけば時給アップも望めるのです。

現場でのポジションや役割などの「担当職務」

警備員の時給が決まる際の重要な要素として「経験値」と並ぶのが「担当職務」、つまり現場における役割や肩書きなどです。

担当職務の範囲が広ければ広いほど、またその職務の現場における重要度が高ければ高いほど、時給は高く設定されます。

警備員の仕事に就きたての頃は、どなたでも担当職務は「警備業務」のみですが、徐々に現場に慣れていくにつれて、他の警備員の職務を「監督」する業務を与えられたり、現場の警備員全体の動きを「指揮・統制」する業務に従事するようになったりします。

このように担当職務が増えていくことによって時給額も上昇していくのです。

警備員で時給をあげるためにやるべき3個のこと

最後に、警備員の仕事で時給をあげるためにはどのようなことをすればいいのか、そのヒントをいくつか紹介しておきます。

ここに挙げたことは一部の代表的なものに過ぎず、私個人の意見も多分に含んでいますが、参考程度に一読してみてください。

今の勤務先でできること

まずは今の勤務先、つまり警備員として働いている職場で時給アップのためにできることから考えてみましょう。

例え、退職・転職が正社員よりも容易なアルバイトという身分だったとしても、退職したり他のバイト先を見つけるといった労力を考慮すると、理想は警備員の仕事をやめずに高時給を実現することでしょう。

給料アップの交渉をしてみる

最もオーソドックスな方法は、直接時給アップの交渉をしてみることでしょう。

ここで大事なのは単純に自分の思いを伝えるだけではなく、自分の主張の根拠、つまりなぜ時給アップの交渉をしているのかということに関して、しっかり準備をして交渉の場に臨むことです。

自分は同僚よりもこれだけのスキルがある、実際にこれだけの業務をこなしている、といった自己アピールや、この職場で長くしっかり働きたいが、今のままの時給額だと金銭的に長く続けられる自信がない、というような主張も、会社に求められるような存在であれば有効でしょう。

スキルアップを図る

交渉事や自己主張をするのが苦手という方には、黙々と自身のスキルアップを目指す方法もあります。

先ほども少し解説しましたが、仕事上のスキルが高い・低いという評価が時給額に及ぼす影響は大きく、上司にとってもスキルが高い従業員に昇給のチャンスを与えることで、その従業員のモチベーションを向上させることは重要な職務の一つといえます。

ちなみに、ここでいう「スキルアップ」は、日々の業務に関するスキルを上げることに加え、関連する資格の取得や他分野での経験を積む、といったことも含まれるでしょう。

思い切って転職する

いまの警備員の仕事を続けていても時給アップが見込みにくいと感じる方には、思い切って転職をするという方法もおすすめです。

ここでは転職先の選び方として2つの考え方を紹介しておきます。

転職先の選び方1:警備員の仕事の経験が生かせる職場を探す

まずは、警備員の職場で培った経験を直接的に生かせるような職場を探す、という方法が考えられます。

警備員の職場の特徴を挙げれば、「体力仕事」「立ち仕事」「屋外での業務」「案内業務」などがありますが、これらの特徴が共通しているような仕事を選べば、新しい職場に慣れるのにもそれほど時間を要さず、比較的容易に現場になじむことができると考えられます。

警備員として培った経験やスキルは一人ひとり異なりますので、具体的に特定の転職先がおすすめということはありませんが、自分自身の経験をもとに幅広く検討してみましょう。

転職先の選び方2:まったく異なる職種を選ぶ

反対に、警備員の仕事とはまったく異なる職種・業種に転職する、という方法もあります。

様々な理由があるにせよ、結果として警備員の仕事をやめるという決断をしたということは、時給額も含めなにかしら不満な点があったということでしょう。

ということは、警備員の仕事に特徴が似ている職場を選ぶと、また同じような不満を抱いて早期に退職するような事態になってしまう、という可能性は否定できません。

退職・転職を複数回続けているとクセがついてしまって、一つの職場で長期的に働くことができなくなってしまう人も中にはいます。

そのため、一度気持ちを切り替えるという意味も込めて、警備員の仕事とは似ても似つかないような仕事にチャレンジすることも一案でしょう。

まとめ

今回は警備員の仕事に関して、とくに「時給」をキーワードにこの仕事の実際の様子を簡単に解説してみました。

警備員の職場は、時給相場でいうとちょうど「中の中」くらいであると感じますが、時給アップのチャンスは今回紹介したもののほかにもたくさんあります。

「警備員」というくくりの中でもさまざまな職種があり、事業所によって給与形態も異なりますが、給与以外にもやりがいが見つけられる職場です。

興味をお持ちの方は求人探索から始めてみてください。

また、いま現在、給与額の低さに悩んでいるという警備員の方は、今回取り上げた時給アップの方法も参考にしてみてください。

実際に警備員求人を探す時は、こちらの記事を参考に!


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