社会福祉士を辞めたいとお考えの方は必見です。

老人、子ども、障害、医療、地域、公的扶助など、福祉全般の職場で働く社会福祉士。

時代の変化とともに、社会福祉士が担当する案件や、社会的な問題は複雑化、そして需要が高まってきています。

そんな一見やりがいの持てそうな社会福祉士を辞めたいと感じる瞬間は、どのような時でしょう。

直面する問題と、その乗り越え方について、実際に現場で働く社会福祉士の忙しいというリアルな声をもとにご紹介します。

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社会福祉士を辞めたいと感じた6つの理由と乗り越え方とは?

社会福祉士の仕事は、生活上に問題を抱える相談者や施設の利用者、時にはそのご家族に寄り添う仕事です。

相談技術はもちろん制度や法律などを勉強し、その上で支援を行わなくてはなりません。

そんな社会福祉士の仕事の中で、辞めたいと感じる瞬間とその乗り越え方をご紹介します。

①大学卒業後すぐに就職!知識が足りない…

多くの社会福祉士が福祉系の大学にて指定科目を履修、社会福祉士の国家試験を経て、社会福祉士として働いています。

大学4年生の1月に行われる国家試験は、合格率30%未満。

難関をクリアし福祉の現場に飛び込んだにも関わらず、面談の難しさや、制度や法律の知識不足を感じる社会福祉士も少なくありません。

社会福祉士と面談を行う相談者や施設の利用者、そのご家族は、初めての面談で心を開いてくれるわけではありません。

また社会福祉士に相談をする方は、今後の生活が脅かされる複雑で誰にも言えない問題を抱えているという場合も多くあります。

大学や試験で面談の方法について学びますが、それを実際に活かせるかどうか不安に感じる学生や新社会人も少なくありません。

社会福祉士は、面談を行い支援の計画を立てていきます。

その中で、相談者に適したサービスや制度を紹介していかなければなりません。

サービスや制度は毎年のように変わっていきます。

勉強したものがすでに変わっていることもあり、知識がなければスムーズな支援が行えないという苦悩を抱く方も多いでしょう。

その乗り越え方とは?

社会福祉士の仕事は常に勉強の毎日です。

最初から上手くいく社会福祉士は本当に僅かで、ほとんどが経験を積み徐々にスキルアップを図っています。

施設や事業所によっては研修が頻繁に行われている場合も多く、積極的に参加し知識を得ることも大切です。

先輩の社会福祉士に相談したり、仕事を始めたばかりの新社会人であれば不安なことを大学の教授に相談しても良いでしょう。

また、学生の頃からの交友関係において相談技術を向上させることも可能です。

面談のスキルは、意識しながら相手の話を聴く・話の内容を簡潔に要約する・相槌を打つなどの実践を繰り返すことで、基本的な技術を自然と身につけることができるでしょう。

②仕事内容と給料が見合わない

社会福祉士の仕事内容は、先程もご紹介したように多岐にわたります。

最近では高齢化のため介護分野での需要は高まるばかりで、児童虐待やDVなどの問題も深刻化しています。

また、ゴミ屋敷や高齢者の一人暮らし、なかなか施設入所に踏み出せない高齢者など、家庭訪問が必須となる案件などにも対応したりします。

介護施設の例を挙げると、介護スタッフが不足しているため宿直や夜勤のある仕事になってしまったり、一人一人の責任が重くなるという現状があります。

社会福祉士が支援を行う相談者や利用者は深刻な問題を抱えている場合がほとんどで、社会福祉士が一つでも支援を間違えてしまうと最悪の事態に陥ることもないとは言い切れません。

社会福祉士の月収は、平均して26万円〜35万円ほど。

低い合格率である国家資格という難関を潜り抜け、その結果就職をしたにも関わらず、仕事の責任感と給料が全く見合っていないと悩む社会福祉士も少なくありません。

その乗り越え方とは?

社会福祉士の仕事は転職することでスキルアップを図れる仕事です。

社会福祉士の求人サイトを見てみると、これまでの経験を活かした仕事ができる、これまでの経験を考慮して給料を設定するという求人も掲載されています。

現在の職場が人手不足でなかなか辞められないという場合でも、体調が第一。

自分の体調を考慮しながら、ライフスタイルに合った転職先を探すことも一つの方法です。

③人手が足りない!しっかりと仕事に向き合えているか不安

人手が足りず、常に仕事に追われる毎日を過ごす社会福祉士も少なくありません。

一人の担当件数が増えれば増えるほど一人一人に割いて良い時間も限られてきます。

仕事に追われた生活をしていく中で、一人一人にしっかりと向き合えているのだろうか?という不安を抱える社会福祉士も居るでしょう。

社会福祉士が担当する案件は、短期間で終わるものではありません。

相談者によっても様々ですが、長期的に見てサービスや制度を提供していくことや、その評価を考えていきます。

評価の結果この支援が適切ではないと感じた場合は、また最初に戻って支援方法を考えていかなければなりません。

同じような案件を抱えることによって「この人もこうなのだろう」という決め付けが起きてしまうこともあります。

その乗り越え方とは?

社会福祉士の基本的な知識として、「バイスティックの7原則」というものがあります。

その一つが「個別化の原則」です。

同じような問題を抱えていても全く同じということはありませんし、価値観や考え方は人それぞれです。

感じ方も違いますし、ラベリングをすることは適切な支援を妨げる原因となります。

「忙しそうですね」と相談者に言われたり同僚にも言われた…そんな場合には自分の対応を考え直してみましょう。

実際に働く社会福祉士の乗り越え方として「スケジュールに分かりやすくまとめる」という方法があります。

一人一人の相談者の生活リズムや問題を把握しておきます。

家族内での問題がある方は仕事が休みで家族が集まる週末に問題が起きるかもしれませんし、そういった問題が可視化できるというメリットがあります。

目に見える形で問題を把握できるということで、社会福祉士はもちろん相談者も分かりやすく整理できることにも繋がるため、忙しいからこそのスケジュール管理を忘れないように行いましょう。

④夜勤もあり生活リズムが乱れやすい

介護施設・障害のある方の入所施設・児童養護施設等では、夜勤や宿直のある場合があります。

常に夜勤というわけではなく夜勤も日勤もあるシフト制の仕事も多く、生活リズムを安定させることは大変です。

夜勤明けに自宅に帰り、そのまま寝てしまうともう夕方であったり、遅いと夜ということもあります。

買い物や行かなければならない手続きなど、ほとんどが夕方や夜の早い内に終わってしまうため、眠っていただけで一日を無駄にしてしまったと感じることも多々あります。

また、友達との日程が合わず遊びに行くことができない、家族との時間が短くストレスを感じるという場合も少なくありません。

体調不良の原因にもなってしまいますし夜勤の仕事は辞めたいけれど、手当などがつくためなかなか辞められないという声も挙がります。

その乗り越え方とは?

ほとんどが日勤の場合、夜勤の日の過ごし方で生活リズムを保つことができます。

まずは、夜勤の日は普段通り起きて仕事へ行くこと。

夜に眠くなってしまいますが、休憩時間に軽く仮眠を取るようにしましょう。

翌日家に帰ってきてからは、買い物や夜遅くには済ませられない手続き、掃除や洗濯など家事を終わらせて一日を過ごします。

その後、早めに夕食を済ませいつもより早めに寝るようにしましょう。

仕事が疲れている中では難しいことですが、週に1回か2回夜勤の場合には効果的です。

人によっては夜勤の方が体調的にも生活リズム的にも働きやすいと感じる方もいるでしょう。

福祉の仕事には夜勤専従の仕事もありますし、そういった仕事へ転職することもおすすめです。

夜勤が多くなかなか生活リズムが整わない、家族との時間や子育てが困難である場合は、転職や退職を視野に入れることをおすすめします。

⑤仕事と子育ての両立が難しい

社会福祉士として働く女性も多く、家庭と仕事との両立が困難であると感じる方も少なくありません。

社会福祉士として働く女性が社会福祉士を辞める理由となるのが「子育てと仕事の両立が困難であるため」です。

先程もご紹介したように、夜勤や宿直がある場合は子どもが小さい内もなかなか一緒にいることができなかったり、残業により帰宅が遅くなるなど生活において仕事が多くを占めるようになってしまいます。

しかし、社会福祉士の需要は高まるばかりであり、福祉の現場では人手不足が問題となっています。

子育てをするために仕事を辞めても、金銭面の問題は付きものです。

その乗り越え方とは?

就職をする前、求人を探す際にまず気をつけておきたいことは、育児休暇の有無を確認することです。

ほとんどの場合が育児休暇有と記載していますが、その実績は分かりません。

職場の公式サイトに詳しく掲載されている場合もあるため、ぜひ確認する様にしましょう。

病院の場合には、院内保育園の利用ができる施設が多くあります。

その際の料金や、何時〜何時まで預けられるのか?24時間預けられるのか?などを確認しておくと良いよいでしょう。

また、出産が決まった後は上司や職場のスタッフに必ず相談して、シフトの変更や出勤時間の変更が可能か話し合いましょう。

職場に子育て経験のある方がいれば、どのように両立させていたのか話を聞くこともできます。

中には子どもを連れての出勤が可能な職場もありますから、相談してみると良いでしょう。

しかし、現在の福祉の現場は子育てしやすい環境とは言い切れません。

出産前や直後は体調が良くない場合もありますし、早めの相談・早めの決断が必要不可欠です。

今後は男女共に子育てしやすい環境の整備が求められています。

⑥やる気がなくなるバーンアウトに注意

社会福祉士を目指す方には「人を助けたい」「人に寄り添った仕事がしたい」と考える方が多くいます。

実際に福祉の仕事は人に寄り添うことで支援ができますし、笑顔や感謝の気持ちをいただくと、やりがいを感じる方がほとんどです。

辛い仕事や辛い現状に直面することもありますが、やりがいを感じられる仕事だからこそ「今後も頑張ろう」と考えるでしょう。

しかし、これまでやる気があったのに急に落ち込んでしまい、やる気が起きなかったり体調不良などの身体的な不調が起きやすいという状態に陥ることがあります。

これは「バーンアウト(燃え尽き症候群)」と呼ばれ、対人援助を行う仕事に携わる方に見られる現象です。

対人援助は、その効果が目に見えません。

そのため、つい頑張りすぎてしまい無理をしてしまう社会福祉士がいます。

うつ状態になり心身共に疲労し、仕事を辞めたいと悩む方も少なくありません。

その乗り越え方とは?

自分では気づかないこともある「バーンアウト」。

その原因が分からず、モヤモヤしてなかなか回復に向かわない、ということもあります。

そんな時に大切にしたいのが周囲からの声です。

人手が足りずつい焦ってしまう時には、相談者や職場からの「忙しそうだね」という声や家族からの声で気づかされる社会福祉士もいます。

また、これまでは綺麗好きだったのに家が散らかっているなど、普段はできていたことができなくなっている、という場合もあります。

自分では気づきにくい表情や急に変わってしまった点など、周囲の声を聞きながら自分の問題と向き合っていきましょう。

そして「バーンアウト」は、短期間で元の状態に戻るわけではありません。

長期的に見て、ゆっくりと休むことが大切です。

普段はなかなかできない旅行に行くことや遊びに行くこと、運動をすること、食生活の見直しや適度な睡眠を取るなどで気分転換を図りましょう。

また、どうしても今後仕事を続けるのが困難で休職や転職・退職が必要だと思った際には、無理せず体を休めることを考えましょう。

なかなか仕事に就くことが難しい現在、続けてきた仕事から離れるのは恐怖や不安が付きものです。

そういった場合のためにも、ある程度の貯金をしたり、利用できる制度を確認しておくことをおすすめします。

色々と試したけれど、やっぱり辞めたい!辞める前にやっておきたいこととは?

様々な問題に対する乗り越え方をご紹介しましたが、中には「もう続けられない」と感じている方もいるでしょう。

そんな時にはまずは上司へ相談しましょう。

環境の改善を行ってくれるかもしれませんし、問題解決の糸口が見つかるかもしれません。

また、状況によっては病院での診察が必要な場合もあります。

どうしても辞められそうにない仕事の場合、病院での診断が大きな役割を果たします。

これまでの仕事の引継ぎや情報の共有も大切です。

引継ぎができていないと相談者に対し適切な支援ができなくなってしまうこともあり、特に引継ぎは重要事項と言えます。

これまでの記録や気づいた点はしっかり伝えておきましょう。

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まとめ

社会福祉士を辞めたいと感じる瞬間と、その乗り越え方についてご紹介しました。

辛い点もありますが、社会福祉士の仕事は人と寄り添い支援を行うやりがいのある仕事です。

だからこそ、責任感が重く、バーンアウトを引き起こしてしまう可能性もあります。

自分で「いつもと違うな」「イライラしてしまう」と感じたら、まずはしっかり休むこと。

心身共に疲労しきってしまう前に、休職、退職、転職など環境を整備することも視野に入れ、無理のない範囲で仕事をしましょう。

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