社会福祉士の悩みで多い5個のこととその解決法。
社会福祉士も、正社員やパートなど、様々な働き方があります。
他の職業と同様に派遣会社から出向いて働く派遣社員の社会福祉士ももちろんいます。
派遣社員は、正社員が育休中で人手が足りない時などに来てもらうことが多いようです。
今回は、社会福祉士として派遣社員になったらどのような仕事をするかを一緒に見ていきましょう。
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社会福祉士の派遣社員として働くのが得意な人の4つの特徴とは?
社会福祉士の中にも、派遣社員として働くことが得意な人と、不得意に感じる人がいると思います。
どのような人が派遣社員としての働き方が得意と感じやすいのでしょうか?
仕事内容が職場によって異なるので、職場のタイプごとに見ていきます。
障害福祉施設(入所型)で働く派遣社員の場合
入所型の障害福祉施設とは、障害のある方が家族から離れて共同生活を送る場所のことを言います。
入所施設では24時間職員が交代で入所者たちの身のまわりのサポートを行っています。
入所者ができることは自分でやってもらうケースが殆どです。
それぞれ自分で行うのが難しいところに焦点を当てて、食事介助や排泄など日々の生活のサポートをします。
働き方としては早番や夜勤があるのが特徴です。
正社員との業務内容の違い
正社員の場合、職員が足りないシフトに優先的に入り、役所に提出する書類を整備するなど責任のある仕事も行います。
派遣社員の場合は、「社員」という名前こそ付いているものの実際の業務はパート職員と同等で、現場での介助が主な仕事です。
排せつなどの介助もテキパキと行うことが求められます。
相談員の業務とは全く違ってきますし、社会福祉士ではありますが介護職員のような扱いになりやすいでしょう。
「自分は資格を持っている」という変なプライドを捨てられる人の方が、この仕事に向いていると感じやすいと思います。
障害福祉施設(通所型)で働く派遣社員の場合
通所型の障害福祉施設では、障害のある方に対して就労経験や生産活動の場を提供しています。
その就労で得たお金を利用者に工賃として分配しているところが多いです。
障害の種別や程度、活動内容はその施設によって様々で、農作業や手工芸生産などを行っています。
また生活介護と呼ばれる施設では重度の障害のある利用者が通うので、就労や作業よりも散歩や水泳、アート活動、音楽鑑賞などの余暇が多くなります。
事前に見学するなどして確認しておいた方が良いでしょう。
様々な活動に対応できる方の方が、この仕事は得意と感じやすいです。
正社員との業務の違い
正社員の社会福祉士は、就労のスケジュール管理や利用者との面談、仕事を発注してくれる企業との打ち合わせなどを行っています。
また、利用者との面談をもとに個別支援計画を作成したり、市役所の監査対応やボランティア希望者の受け入れなども業務になります。
経験の浅い職員やパートは、現場で利用者と一緒に就労メニューをこなしながら利用者の様子を観察したり、コミュニケーションを通じて利用者について理解を深めます。
契約社員の場合も、現場で利用者と一緒にチラシ折りや箱折りなどの軽作業を行うのが一般的です。
目の前の利用者を大切にし、外部の方とのやり取りは少なめになるでしょう。
高齢者施設で働く派遣社員の場合
最近は高齢化の影響でデイサービスや養護老人ホームなどの高齢者施設がとても増えていますね。
そのため、派遣社員として登録すると勤務先になる可能性は充分あるでしょう。
高齢者施設は障害者施設と違い、就労や作業は殆どありません。
お年寄りとお散歩や花見に出かけたり、室内で運動したりすることが多いです。
一見楽しそうに聞こえるかもしれませんが、車椅子の方を介助するのは力仕事ですし、転倒したら骨折する恐れもあるので神経を使います。
もちろん何かあった時には正社員が責任を負いますが、派遣社員も現場で介助を行う上で知識は身につけておかなければなりません。
もし高齢者施設での勤務経験がない場合は、無理せずに予めその旨を伝えておくと良いでしょう。
食事介助や排泄介助、医療機関への同行など高齢者支援ならではの業務も多くあります。
児童支援施設
発達障害が広く知られるようになり、幼い頃から療育を受けさせたいという保護者が増えている影響で、発達に心配がある子供達が学校の授業が終わった後に通う放課後等デイサービスが増えています。
放課後等デイサービスでは人手が足りず常に職員を募集しているような状態ですので、派遣社員として派遣される可能性も大きいです。
放課後等デイサービスでは、通ってくる子供達と一緒に遊びを通じてルールを学んだり文字を書く練習を行ったりします。
日によっては夏休みの工作を作ったり、買い物に行ってお金の計算をしたりしています。
また社会科見学のようなイメージに近いと思いますが、近隣の施設に出掛けて社会のことを学ぶ機会もあります。
著者の知人が勤務する放課後等デイサービスでは、空港でスタンプラリーを行い、学校やデイサービスだけでは経験できないことを学んでいるそうです。
ちなみに社会福祉士が働く領域として児童相談所もありますが、児童相談所の職員は基本的に公務員なので、民間の派遣社員が働くという可能性は低いでしょう。
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社会福祉士の派遣社員に必要なスキル・適正とは?
ここまで派遣社員の社会福祉士の仕事内容について確認してきました。
では、現場で働く際に必要なスキルはどのようなものがあるのでしょうか?
施設ごとのルールに合わせる
同じ形態で運営されている施設でも、各施設ごとにルールは異なります。
例えば同性介助を徹底している所もあれば、比較的緩い所もあります。
派遣社員は様々な施設で働くことになるので、行く先々でその施設のルールが違うことに気づくと思います。
つい慣れた方法でやりたくなると思いますが、「郷に入れば郷に従え」を意識していきましょう。
「前の施設ではこうでした」と主張しても、「ここでは違います」と思われてしまいかねません。
仕事の範囲を意識する
正社員の仕事とパート職員の仕事が明確に分けられている所もあります。
派遣社員として働く場合は、どこからどこまでが業務なのか学びながら意識しておいた方が良いでしょう。
知らずに仕事をしてから正社員に「この仕事は派遣社員はしないでほしい」と言われても気分が悪いと思います。
派遣社員は働く期間が決まっていたとしても、最後まで気持ち良く働きたいですよね。
極度に遠慮する必要はありませんが、領分はわきまえた方がお互い働きやすいでしょう。
利用者との関わりを冷静に見る
様々な施設に出向いて働いていると、職員と利用者との関わり方に疑問を抱いたり、ショックを受けることもあるかもしれません。
長年働いている職員にとっては利用者との信頼関係ができているという考えがあり、その関係性が普通になっているのです。
例えば利用者が努力すれば自分の力で行えるので、職員があえて介助せずに横で見守っていることがあります。
利用者が苦しそうな顔をしていると、時にはそれが虐待に映ることもあるでしょう。
正義感から虐待事案として適切な機関に報告すべきなのかどうか迷い悩む人もいると思います。
しかし、告発すると派遣社員として、もうその施設で働けなくなるかもしれないという気持ちもあるでしょうし、派遣会社に迷惑がかかると心配される事もあるかと思います。
そんな時は1人で判断せずに、近くの先輩職員に立ち話のついでに相談してみると良いでしょう。
ずっと見てきた職員としては、支援の一環として行っている場合があります。
ただし支援として行うからには理由が必要です。
理由が述べられないようなら単純に虐待事案と捉えられる可能性もありますので、職員の行動の裏にきちんとした理由があるかどうかをポイントに見極めると良いでしょう。
モンスター派遣社員にならないためにー事例を交えてー
ちなみに著者が遭遇したケースでは、社会福祉士の実習でお世話になった施設で、職員が毎日のように言うことを聞かない利用者に怒鳴ったりデコピンをしたりしていました。
これらの行為については明確な理由が考えられなかったので、実習指導者に相談しました。
この時、一方的に職員を批判するよりも「何か理由があって行っているのですか?」と質問形式にすると穏便に済みやすいです。
実習指導者はすぐに職員とのミーティングで話し合い、職員も自身の行動について振り返る機会として受け入れてくれました。
職員も「利用者に成長してもらいたいという気持ちと、大きな声を出さなければ伝わらないという考えから客観的に見れば怒鳴ってしまっていた」と話してくれました。
話し合ってみると、職員にも悪気はなかったということが明らかになりました。
このような時にはあくまで職員を責めずに、今後どうしていくのか?と前向きな姿勢を忘れずに、より良い支援に向かって行く方向で話し合えると良いですね。
福祉の世界はとても狭いので、あまり声高に批判するとモンスター派遣社員と言われかねません。
もちろん虐待は利用者の人権を守るために絶対にあってはならないことですが、デリケートな問題であるだけに解決方法には慎重を期しましょう。
ハラスメントに注意を
派遣社員は正社員よりも立場が弱く、また働く期間が限られているため、ハラスメント被害に遭いやすい傾向にあると言われています。
これは福祉の仕事以外でも共通していることです。
福祉職の人は心根が優しいためか、あまり自分自身の人権については主張しない人が多いように感じます。
しかし福祉の仕事は自分自身が疲弊してしまうと、なかなか続けにくいです。
まずは自分自身の事を大切にし、燃え尽き症候群(バーンアウト)しないことが大切なのです。
派遣社員という働き方を選んだのなら、自分自身のことを大切に考える力と、自分の身を守るためにきちんと主張する力は長く働くために大切だと思います。
派遣先がブラック企業だったら?
特に規模の小さな福祉施設は労働環境が良くないところも多いようです。
社会福祉士として働く著者が見てきた中では、早朝に出勤しなければならず労働時間が長かったり、昼休みは利用者の介助を行いながら昼食を摂って終わってしまうために休憩がしっかりと取れないといった事例がありました。
その環境に慣れてしまっている正社員は、そんな環境で働いていても体調を壊すことはないのかもしれません。
しかし、派遣社員までそんな労働環境を受け入れる必要はありません。
無理な働き方をして体調を壊してしまったら元も子もありませんからね。
体調を崩してしまったときにあなたのことを守ってくれる人はどれくらいいるでしょうか?
著者は職員の人権や健康も大切にした方がより良い支援ができると思います。
実際、職員の満足度がサービスの質に反映されるので、顧客満足度と同時に職員満足度を高めることが大切だと言われ始めています。
正社員が劣悪な環境で働いていても、何らかの理由をつけてきちんと労働条件に沿った働き方をするようにしましょう。
特に休憩が満足に取れないということは休憩の時間帯はボランティアで働いていることになるので労働力の搾取ですし、給料以上に働く義務はないのです。
まとめ
派遣社員の社会福祉士として働くときの職場環境や、働く際に必要なスキルについてお伝えしてきました。
正社員でもなくパート職員でもない、派遣社員だからこそ大変な面もあるかと思います。
せっかくの資格を活かして働くのですから、勤務する期間は限られているにせよ働きやすさを感じられると良いですよね。
福祉の職場は若手の離職が大きな課題になっており、常に人手不足の状態です。
正社員だけではなく派遣社員の方やパート職員にとっても誰もが働きやすく長く続けられる職場であってほしいと願ってやみません。
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